投稿者: koji shimizu

レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」

レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」ベスト盤アンケート

たいこ叩きのレスピーギ 交響詩「ローマの祭り」名盤試聴記

ジュゼッペ・シノーポリ/ニューヨーク・フィルハーモニック

シノーポリ★★★★★
チェルチェンセス、大円形競技場に響き渡るトランペットの響きが上手く表現されています。続くトロンボーンも遠慮なく吹きます。喧騒と狂気が見事に表現されています。

五十年祭、弦の響きがホールに広がっていく感じがとても心地良いです。イングリッシュホルンのメロディがゆったりと歌われます。巡礼の祈りを丁寧に描いています。「ローマだ!」の歓声や喜びをテンポを速めて表現しています。

十月祭、ホルンがとても良く鳴っています。とても色彩感豊かです。マンドリンもオケの表現になじんでいてとても良いです。

主顕祭、とにかくオケが気持ち良いくらい良く鳴ります。おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさは見事でした。

アンドレア・バッティストーニ/東京フィルハーモニー交響楽団

バッティストーニ★★★★★
チェルチェンセス、良く鳴って美しいトランペット。ライヴ録音ですが、とても明晰です。色んな楽器が次々に襲ってくるようで、狂気の祭りを上手く表現しています。

五十年祭、残響が漂って寂しげで静かな弦。色んな楽器の動きが手に取るように分かります。「ローマだ!」の歓喜も良く表現されています。

十月祭、日本のオーケストラらしい繊細な配慮がされた演奏で、とても丁寧で音色も練られていて美しいです。細かい表現もなかなか良いです。マンドリンも豊かな響きを伴って美しいです。ヴァイオリンのソロも艶やかで濃厚です。

主顕祭、騒々しい祭りの雰囲気も見事に表現しています。猛烈なアッチェレランド!正に狂喜乱舞です。

素晴しい演奏でした。主顕際は圧巻でした。

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小澤 征爾/ボストン交響楽団

小澤 征爾★★★★★
チェルチェンセス、弦もトランペットもとても良く鳴っています。低弦よりもトロンボーンが強いリズムの刻み。あまり歌わずあっさりと演奏される弦。かなり強く良く鳴り響く金管が交錯する場面でネロの狂気の祭りが上手く表現されています。

五十年祭、とても静かで残響を伴って揺れる弦。木管が入っても切々と演奏が続きます。次第にテンポが速くなります。イングリッシュホルンで一旦テンポが落ち着きます。「ローマだ!」の歓喜も鳴り響く金管がとても良く表現しています。

十月祭、ホルンの最後の音を長く伸ばしてさらに間を置いてから次へ入りました。金管は軽々ととても良く鳴ります。柔らかく独特の表現のマンドリン。控えめですが、美しいヴァイオリンのソロ。

主顕祭、整然としていますが、祭りの大騒ぎは感じます。凄いアッチェレランド。最後はどっしりと落ち着いて終わりました。

私は、小澤との相性は悪いのですが、この演奏は良かったです。

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レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★★★☆
チェルチェンセス、凄い勢いとパワーを感じるトランペット。暴君ネロが開催した狂気の祭りを感じさせます。乗りの良い演奏です。

五十年祭、一転して寂しさを感じさせ、揺れる弦。精緻な演奏の緊張感や静寂感はありませんが、とても人間味のある演奏です。やはり雑な部分があります。

十月祭、とても活発で生き生きとしています。速めのテンポで有無を言わさずグイグイ進みます。

主顕祭、賑やかなお祭りです。最後はテンポを速めて祭りのバカ騒ぎのようでした。

雑な部分や強引に進むところもありましたが、主顕祭のバカ騒ぎはなかなか良かったです。

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

デュトワ★★★★☆
チェルチェンセス、いつものクールで爽やかな演奏です。トロンボーンと低弦のリズムもあまり強くはありません。とても整っていて、ネロの狂気は表現されていません。それでも軽々と鳴り響く金管はさすがです。

五十年祭、ホールの空間に響きが広がって行く弦。どの楽器も洗練されて美しいです。整然としていて静かです。「ローマだ!」の前はテンポを少し落としてパイプオルガンの重低音も含めて雄大でした。

十月祭、ホルンは軽めです。とても静かに入るマンドリン。とても明るいホルン。艶やかで美しいヴァイオリン。

主顕祭、あまりにも整然と整っていて、狂喜乱舞のお祭り騒ぎではありません。美しさと言う点では文句はありません。

祭りの当事者では無く、周囲で見ている人が美しく描いた演奏でした。

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エンリケ・バティス/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

バティス★★★★☆
チェルチェンセス、豪快に鳴り響くトランペット。トロンボーンと低弦のリズムはゆっくりです。弦はゆっくり濃厚に歌います。色彩感も濃厚です。最後もとても遅いテンポでした。

五十年祭、一転して静かにゆらゆらと揺れる弦。哀愁のあるイングリッシュホルン。静かにただひたすら歩く巡礼の姿を良く描写しています。頂点へ向けてゆっくりと大きなスケールで描いて行きます。

十月祭、ビリビリと鳴るホルン。ふくよかな響きではありません。あまり胴の鳴りを捉えていないマンドリン。

主顕祭、最初は速めのテンポで祭りの狂喜乱舞を表現しています。その後テンポは落ちて、トロンボーンのソロはかなり強く演奏しました。猛烈なアッチェレランド。最後も豪快に鳴らして終わりました。

鳴らすところは思い切り鳴らし、静かな部分はとても表情豊かで良い演奏でした。

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アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団

トスカニーニ★★★★☆
チェルチェンセス、録音が古いので、レンジは狭いですが、芯の強いトランペットです。トロンボーンと低弦のバランスが良いです。静かに歌う弦。狂気は十分に表現されています。

五十年祭、静かな別世界へいざないます。「ローマだ!」への盛り上がり、その後の堂々とした演奏も見事でした。

十月祭、ゆっくり目で伸びやかに響くホルン。歯切れの良いトランペット。セレナーデの前のホルンはミュートしているような音です。かなり大きいマンドリンであまり雰囲気がありません。

主顕祭、トランペット、トロンボーン、金物打楽器が強いので、とても賑やかですが大騒ぎとまでは行きません。最後のアッチェレランドは凄かったです。

録音年代を考えると凄い演奏です。

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リカルド・ムーティ/フィァラデルフィア管弦楽団

icon★★★★
チェルチェンセス、古めかしい響きのトランペット。その後に続く控え目なトロンボーン。次第に音楽が高揚してきて、暴君ネロの狂気を表現しているようです。

五十年祭、寂しげに揺られる弦楽器。巡礼の祈りが心に訴えてくる。そしていろんな楽器が重なって行き「ローマだ!」の頂点を迎える。チャイムがとても良い音で鳴っています。

十月祭、セレナーデの前のホルンが美しかった。マンドリンのセレナーデはテンポが速い。マンドリンは意識的に素人っぽく演奏しているのだろうか?他の楽器の表情の豊かさに比べると、マンドリンが素っ気無い。

主顕祭、祭りの喧騒を表現するには大人し過ぎるように感じます。最後のアッチェレランドは凄かった。

アントニオ・パッパーノ/サンタ・チェチーリア国立音楽院管弦楽団

パッパーノ★★★★
チェルチェンセス、ビリビリと良く鳴るトランペット。トロンボーンと低弦はバランス良く響きます。狂気になるような感じは無く、かなり落ち着いてバランス良く演奏されています。

五十年祭、うつろで寂しい雰囲気です。ファゴットとクラリネットも静かです。盛り上がりに伴ってテンポも速くなります。「ローマだ!」の部分ではマットなトランペットの響きです。

十月祭、ホルンもマットです。セレナーデの前のホルンはテンポも動いて美しい演奏でした。速めのテンポであっさりと演奏されるマンドリン。細身で艶やかなヴァイオリンのソロ。

主顕祭、少し遅めのテンポで大騒ぎではありません。オケも制御されていて全く暴走はしません。最後まで冷静でした。

美しい演奏でしたが、祭りの大騒ぎは最後まで無く、少しは大暴れがあっても良かったのでは無いかと感じました。

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ロリン・マゼール/クリーブランド管弦楽団 1976年

マゼール★★★☆
チェルチェンセス、円形劇場に響くような空間を感じさせるトランペット。金管の表現はとても豊かです。

五十年祭、豊かな響きでうつろな別世界へと連れて行かれます。ゆっくりとしたテンポで濃厚な表現です。「ローマだ!」の部分もゆっくりで、歓喜の表現はあまり感じませんでした。

十月祭、ここもゆっくりですが、抑え気味のホルン。マゼールらしいテンポの動きもあります。マンドリンが通常演奏されるようなトレモロが続く感じでは無く、付点で弾む部分は単音です。

主顕祭、金管は気持ちよく鳴りますが、ここでもテンポは遅めで狂喜乱舞の雰囲気はあまり感じません。

マゼールらしいテンポの動きがあったりもしましたが、祭りの狂喜乱舞はあまり感じられませんでした。

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ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団 1960年

オーマンディ★★★☆
チェルチェンセス、残響を伴って奥から古めかしい響きのトランペット。いかにもこすっている感じのヴァイオリン。整っていて狂気はあまり感じません。

五十年祭、速めのテンポですが、うつろな感じで寂しいです。イングリッシュホルンは少し遅くなりました。「ローマだ!」の部分はゆっくりとしていて、あまり歓喜の雰囲気はありません。

十月祭、離れたところから豊かな残響を伴ったホルン。セレナーデのマンドリンはあまり抑えていません。ヴァイオリンのソロもくっきりとしています。

主顕祭、RCAとの再録音ほど遅くはありませんが、落ち着いたテンポで大騒ぎにはなりません。

フィラデルフィアoが「どうだ!」と言わんばかりに軽~く演奏したような演奏でした。

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ユージン・オーマンディ/フィァラデルフィア管弦楽団 1974年

icon★★★☆
チェルチェンセス、空間に響き渡るトランペットが艶やかです。つづくトロンボーンはチューバも伴った分厚い響きです。豪華絢爛とはこのことです。

五十年祭、早めのテンポを取っています。イングリッシュホルンのメロディはテンポを落としてたっぷりと聴かせます。「ローマだ!」の頂点はゆったりとしたテンポで描かれています。

十月祭、たっぷりと遅めのテンポで演奏されます。朗々と歌うクラリネット。マンドリンのマイクセッティングが近いようです。

主顕祭、遅めのテンポで祭りの喧騒とはちょっと違うような気がします。トロンボーンのソロは茶目っ気たっぷりでした。少し重い演奏でした。

朝比奈 隆/北ドイツ放送交響楽団

朝比奈★★☆
チェルチェンセス、奥まったところから響くトランペット。遅いテンポです。続く部分はトロンボーンよりも弦の方が強かった。

五十年祭、ホールに広がる弦の響きが心地良い。頂点の少し手前からかなりテンポを落として壮大なクライマックスを描き出しました。

十月祭、NDRも明るい音色で作品に合わせた音作りがされています。マンドリンのソロはすごくテンポが速かった。あまりにも素っ気無い演奏です。

主顕祭、細かな楽器の動きまで拾いきれていないので、喧騒を表現するには至っていないです。

朝比奈にとっては珍しいレパートリーなので、ファンにとっては貴重な音源でしょう。

アンタル・ドラティ/ミネアポリス交響楽団

ドラティ★★☆
チェルチェンセス、とても近くタンギングのはっきりとしたトランペット。控えめなトロンボーンと低弦。ゆっくりとしたテンポです。トランペットだけが異様に近いです。

五十年祭、とても小さい編成に聞こえる弦。何か乾燥して味わいが無い感じです。とても表面的に感じます。音が短い部分が多いです。トランペットが近くとてもバランスが悪いです。

十月祭、冒頭のホルンも音が短かったです。少しアンサンブルが乱れる部分もありました。タッチが明瞭なマンドリン。とても艶やかなヴァイオリンのソロ。

主顕祭、やはりトランペットだけがクローズアップされているような感じです。ゆったりとしていて、祭りの大騒ぎの雰囲気はありません。

トランペットの近さが気になりました。

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ロリン・マゼール/ピッツバーグ交響楽団 1994年

マゼール★★
チェルチェンセス、ゆったりとして大人しい演奏です。柔らかく少し寂しげな弦。金管はそれなりに吹いているのですが、テンポがゆっくりなので、狂気の祭りの雰囲気はあまり感じません。

五十年祭、強く揺られる弦。ここもゆっくりで待ち切れなくなります。「ローマだ!」の歓喜の様子は感じますが、スケールの大きさはありません。

十月祭、同じテンポの遅い演奏でもオーマンディのRCAの録音のような色彩の多彩な変化などがあればまだ良いのですが、色彩も単調で極上の美しさもありません。マンドリンはクリーブランドoとの録音と同じで付点をトレモロでは無く単音で演奏しています。

主顕祭、何か一本調子で淡白で、面白さがありません。

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セルジュ・コミッショーナ/スペイン放送交響楽団

コミッショーナ
チェルチェンセス、こもったような弦。トランペットははっきりしていますが、トロンボーンやホルンなどは全体に紛れてあまりはっきり聞こえません。鈍い感じの録音です。トゥッティでは歪みます。

五十年祭、離れたところからボヤーッと響いて来る弦。これはこれで雰囲気があります。ゆっくりと感情を込めて歌うイングリッシュホルン。「ローマだ!」の前後はかなり遅いテンポで少し間延びした感じでした。

十月祭、マンドリンが入る前もかなり遅かったです。マンドリンはかなり大きめに録られています。

主顕祭、テナードラムが飛びぬけて聞こえます。テンポは遅めですお祭り騒ぎではありません。最後まで遅いテンポでした。

テンポの遅い部分が祭りの狂喜乱舞とは違う雰囲気だったのと録音が悪く細部の動きは全く分かりませんでした。

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レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」の名盤を試聴したレビュー

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ベスト盤アンケート

たいこ叩きのショスタコーヴィチ 交響曲第5番名盤試聴記

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1973年東京ライブ

ムラヴィンスキー

★★★★★
一楽章、少し距離があって柔らか目の主題。緊張感があって静かなヴァイオリン。細く引き締まったオーボエ。統制の取れた第二主題。静寂感や緊張感はなかなかです。暗闇から浮かぶようなフルート。重いピアノ、少し控えめなホルンとトランペット。行進曲風の部分も軽めです。再現部でも咆哮はしません。伸びやかな第二主題の再現。幽玄の世界のようなコーダ。

二楽章、活発に動く木管。ヴァイオリンのソロもとても上手いです。ここでもトランペットは軽く演奏しています。

三楽章、消え入るような弦の弱音が素晴らしい。鋭いオーボエの第三主題も作品にピッタリな感じです。弱音の集中度は凄いです。寂しげなハープ。

四楽章、力強い主題。スピード感のある弦。強い推進力です。トランペットのソロはやはり途中で音量を落として、クレッシェンドします。ビブラートのかかったホルンのソロがソビエトのオケだと感じさせます。弱音部分でも強弱の変化があります。この楽章ではトロンボーンもかなり強烈です。コーダは弱めに入ります。トランペットのハイトーンから大きくクレッシェンドしてかなり感動的です。

ライブとは思えない完成度の高い、集中力も高い見事な演奏でした。
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パーヴォ・ヤルヴィ/パリ管弦楽団

ヤルヴィ

★★★★★
一楽章、艶やかで柔らかい第一主題。ゆったりと揺られるような弦に続いてとても静寂感のあるヴァイオリン。ピアノが入ってからのホルンやトランペットもかなり強めで、表現も自由で大胆です。

二楽章、深く豪快なコントラバス。続く木管もとても豊かな表現です。テンポもとても自由に動きます。こんなに豊かな表現のショスタコーヴィチの5番は初めてです。テンポの変化も素晴しい演奏です。

三楽章、大きくアゴーギクを効かせて一音一音大切に演奏します。この作品を聞いていて色彩感を感じることはほとんど無かったのですが、この演奏では色彩感も感じます。振幅も非常に大きくダイナミックな演奏です。とても感情のこもった演奏ですが、ムラヴィンスキーのような痛いほどの悲痛さは無く、激しいのですが、むしろ暖かく柔らかいです。

四楽章、ゆったりとした第一主題ですが、急激に加速します。とても豊かに音が溢れ出ます。非常に堂々としたコーダでした。

ムラヴィンスキーのような削ぎ落とされた厳しさとは対極にあるような、伸び伸びとした豊かな表現の演奏で、ショスタコーヴィチの演奏の枠を打ち破る素晴しい演奏だったと思いました。
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エフゲニー・ムラヴインスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

icon

1984年4月4日、ステレオ録音
レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
★★★★★
一楽章、強いアクセントで演奏される弦の主題。とても大切なものを扱うかのようなヴァイオリン。微妙な表情付けが随所になされています。第二主題ではテンポも動き豊かに歌われました。フルート・ソロ、クラリネット・ソロもたっぷり息を使って歌いました。展開部の重いピアノ。野太いホルンのペダルトーン。トランペットがリズムを刻むとしっかりと音が立っています。再現部は抑えぎみでした。微妙にテンポが動いてムラヴィンスキーのこだわりが感じ取れます。コーダの艶やかなヴァイオリン・ソロも見事です。

二楽章、強弱の変化が大きく豊かな表情です。ホルンは欧米のオケに比べると締まった音で独特です。

三楽章、大勢で演奏しているのだろうけれど、とても静かな弱音から開始しました。そして波のうねりのように入り組みながら音楽が変化していきます。ティンパニのクレッシェンドとともに激しく感情を吐露します。クラリネットがとても憂鬱な雰囲気を演出します。とても激しい演奏で、弦が指板に当たっているような音がします。

四楽章、とても勢いのある演奏でスピード感と高い集中力があります。トランペットの音に力があります。この演奏でも1978年のウィーンでのライヴと同様にトランペットのソロの終わりごろに一旦音量を落としてクレッシェンドしました。感情が込められ切々と語りかけてきます。最後はトランペットがバテバテのような感じもありましたが、見事な演奏でした。

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1982年ライヴ

ムラヴィンスキー

★★★★★
一楽章、アタックの強い主題。極端な弱音では無いヴァイオリン。ムラヴィンスキーの演奏としては、静寂感や緊張感は薄い感じがします。第二主題も極度の緊張感や静寂感は無く、少し緩い感じがしますず、その分、伸びやかではあります。展開部では、少し抑え目なホルン。その後は、ビービーと鳴るホルンやバリッと切り込んでくるトランペットが印象的です。行進曲風の部分でもトランペットが気持ちよく鳴ります。トロンボーンもかなり咆哮します。再現部の前のテンポの動きも大きかったように感じます。再現部も伸びやかです。コーダの艶やかなヴァイオリン。

二楽章、この楽章でも積極的な表現です。かなり自由に演奏させているような感じがします。トランペットのファンファーレも盛大です。

三楽章、伸びやかな分、悲痛な雰囲気は薄いですが、ティパニのクレッシェンドを伴う部分は感情が溢れ出るような表現でした。クラリネットも伸び伸びと演奏しています。

四楽章、速めのテンポでテヌートぎみの主題。その後も速いテンポで突き進みます。トランペット、トロンボーンも遠慮なく吹きます。朗々と歌うトランペットのソロ。少しビブラートのかかったホルン。大太鼓が落ちた。コーダのテンポも大きく動きました。

ムラヴィンスキーの演奏にしては、かなり劇的な表現で、意外でしたが、かなり興味深い演奏で、楽しめました。
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サー・チャールズ・マッケラス/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

マッケラス

★★★★★
一楽章、ゆったりとして揺られるような第一主題。続くヴァイオリンも美しく柔らかい響きです。金管も自然な音場感です。第二主題もゆったりとして伸びやかです。とても柔らかくロシアのオケのような厳しい響きとは全く違います。少しテンポを速めて動きのある展開部。金管がとても切れ良く鳴り響きます。ロイヤル・フィルってこんなに上手かったっけ?と思うほど良い演奏です。

二楽章、速めのテンポでメリハリのある演奏です。ホルンの鳴りっぷりは見事です。ショスタコーヴィチが持っている政治的な陰の部分など関係ない伸び伸びとした演奏はこれでとても気持ちよく聞けます。

三楽章、柔らかく美しい響きで切々と訴えて来ます。ピーンと張り詰めた緊張感はありませんが、フワッとした柔らかい空気感がとても心地良い雰囲気です。とにかく美しいです。

四楽章、とても良く鳴る金管の第一主題。切れ味鋭い金管は見事です。特に強い主張のある演奏ではありませんが、オケの美しい響きと伸びやかで堂々とした演奏が素晴しいです。
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キリル・コンドラシン/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

コンドラシン

★★★★★
一楽章、少し柔らかい第一主題。静かに祈るようなヴァイオリン。ちょっときついヴァイオリンの高音。とても情感のこもった木管。明るいホルン。感情が込められた第二主題。重いピアノ。下品なトランペット。凄みのあるトロンボーン。振幅が大きくかなり迫ってくる演奏です。

二楽章、とても表情の豊かな演奏です。強弱の変化が明快です。ロシアのオケらしく金管の全開は遠慮がありません。

三楽章、冒頭から悲痛な表情で何かありそうな雰囲気を伝えて来ます。深みのあるハープ。悲嘆にくれるような表現は素晴しいです。初演で会場からすすり泣きが聞こえたと言うのが分かる演奏です。

四楽章、ゆっくり目で堂々とした主題。二度目の主題から少しずつテンポが速くなって行きます。このテンポの動きにも凄みがあります。トランペットのソロのスピート感も凄いです。最後もゆっくりと堂々とした演奏で輝かしい勝利です。

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エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団

スヴェトラーノフ

★★★★★
一楽章、ゆったりと粘りのある主題。ゆっくりと演奏されるヴァイオリンですが、歌があって、遅さをあまり感じさせません。ロシアのオケらしい細いホルン。第二主題も歌がありましたた。暗い雰囲気の展開部。行進曲風になる前からトランペットの独特のクレッシェンドが特徴的です。ゆっくりとした再現部。

二楽章、深みのある残響をともなった低弦。とても歌に溢れた表現豊かな演奏です。歯切れの良いトランペット。

三楽章、嵐のように振幅の大きい表現で良く歌います。

四楽章、かなり余裕を持った主題の後一段テンポを上げて徐々に加速します。ティンパニはかなり思い切って入ります。鋭いトランペットのソロ。ビブラートがかなり強いホルンのソロ。克明な木管の動き。コーダの前にスネアのロールが凄い強打で入りました。コーダに入って少しテンポが落ちました。最後はマキシマムフォルテシモでした。かなり強烈なコーダでした。

歌に溢れて、コントラストもあり、強烈なフォルテシモもありの演奏で面白かったです。
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レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック 1979年東京ライヴ

バーンスタイン

★★★★★
一楽章、以外に軽いですが、何かを暗示するような主題。続くヴァイオリンはゆっくり静かに演奏されます。テンポはても良く動いています。展開部のホルンは抑え気味です。行進曲はゆっくりで濃厚な表現です。コーダのはかない雰囲気はなかなか良いです。

二楽章、ホールの特性なのかホルンは控えめです。バーンスタイン時代のニューヨークpoのアンサンブルはとても荒れていた印象なのですが、この演奏はそんなに荒く感じません。

三楽章、この楽章でもテンポの動きがあり、クライマックスでは叩き付けるような悲痛さを表現しました。感情のままに動くテンポがとても心地良いです。

四楽章、速いテンポの主題。スネアのリズムに乗って主題が回想される部分からすごく速いテンポです。いつもは、コーダの速いテンポにとても違和感を感じていたのですが、この演奏はとても自然に聞くことができました。
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アンドリル・ネルソンス/ボストン交響楽団

ネルソンス

★★★★★一楽章、エッジが効いてかなり荒々しい主題。かなり抑えられたヴァイオリン。かなり思い入れのある演奏で、表情が豊かです。一音一音刻む展開部に控えめなホルンとトランペット。とても丁寧で正確です。行進曲調の部分は歯切れの良い演奏で、スネアも引き締まっています。ゆっくり目の再現部。柔らかい弦の刻み。伸びやかに歌うフルート。続くクラリネットも魅力的です。コーダのソロも色彩感が際立っていて美しいです。

二楽章、勢いのある低弦。続く木管の表情も豊かです。一つ一つの楽器が際立っていてとても美しいです。

三楽章、一体感のある弦の厚い響きが素晴らしいです。深みのあるコントラバスと潤いのあるクラリネットがとても良いです。振幅も大きく、終盤の消え入るような弱音の表現も見事です。

四楽章、ゆったりと堂々とした主題。その後の加速も緊張感があります。テヌート気味のトランペトのソロ。コーダもテヌート気味です。トランペットのハイトーンはあまり抜けて来ませんでした。
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ダーヴィト・アフカム/HR交響楽団

アフカム

★★★★★一楽章、まろやかで一体感のある主題。静寂感のあるヴァイオリン。ファゴットも深みがあります。柔らかい弦の刻みに乗って、静かな第二主題。展開部では、軽々と良く鳴るホルンとトランペット。アランギ交響楽団やヴィクトリア交響楽団とは格の違いを感じます。凄い安定感と見事なアンサンブルと表現力です。コーダのヴァイオリンのソロも艶やかで美しい。

二楽章、活発に動く感じではありませんが、とても安定感のある演奏ですが、表情は豊かです。ホルンの最初の音を僅かに長く演奏しました。

三楽章、自然なテンポの動きや、木管の深い響き。

四楽章、力強い主題。僅かに加速。オケの安定感は抜群です。朗々と歌うホルン。コーダの前は大きくrit。気持ちよく鳴るティンパニ。柔らかく入ったコーダの金管。奥からハイトーンが突き抜けて来ます。

とてもバランスの良い演奏でした。
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ユーリ・テミルカーノフ/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団

テミルカーノフ

★★★★☆
一楽章、柔らかく伸びやかで美しい主題。ゆっくりととても抑えたヴァイオリンですが、あまり緊張感あはりません。柔らかい刻みに乗って第二主題が演奏されますが、ムラヴィンスキーのような引き締まった緊張感はありません。展開部はかなり抑え気味で柔らかいホルン。オケの名前を聞かなければ西欧のオケだと思うような演奏です。再現部も咆哮するようなことは無く、とても良くコントロールされています。コーダも特に何かを訴えて来るような演奏では無く、淡々としています。

二楽章、軽妙に動き回る木管。弦も活発に動きます。木管の表情はとても積極的で、一楽章と対照的です。

三楽章、冒頭で動きがあって、感情を込めたような表現でした。その後は感情の起伏は無く、楽譜を淡々と音に変えているような感じです。ただ、音色はムラヴィンスキー時代の硬質な感じでは無く、とても柔らかく伸びやかです。

四楽章、輝かしく美しい主題。アッッチェレランドは緩やかです。トランペットのソロも輝かしいですが、ムラヴィンスキーの時のような途中で音量を落としてクレッシェンドすることはありませんでした。ホルンのソロもビブラートは無く、ロシアのオケも国際化が進んだんだなと感じさせます。コーダは抑え気味に入りました。トランペットのハイトーンからクレッシェンドはムラヴィンスキー時代と同じです。トランペットはバテたような感じは無く、ハイトーンも伸びやかで力強いです。堂々としたコーダは見事でした。

当然ムラヴィンスキー時代とは違う演奏でしたが、この曲の模範的な演奏でした。
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マリス・ヤンソンス/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1997年ライヴ

ヤンソンス

★★★★☆
一楽章、柔らかい主題。とても音量を落としたヴァイオリン。録音のせいか響きが痩せていてロシアのオケのような厳しい響きです。第二主題も切れ込むような厳しい演奏です。展開部の重いピアノ、下品なくらい激しいホルンに対してとても軽いトランペット。トランペットによって行進曲風に変奏される主題の表現はとても豊かでした。再現部では陰影を伴ったクラリネットが美しいです。テンポの振幅はとても大きいです。

二楽章、速めのテンポで推進力があります。気持ちよく鳴るホルン。チャーミングなヴァイオリンのソロ。羊皮の独特な響きのティンパニ。

三楽章、とても丁寧で滑らかで、感情を込めた演奏です。弦が幾重にも波のように押し寄せて来ます。暗闇の中で響くような木管。遅めのテンポでたっぷりと聞かせる演奏はなかなか良かったです。

四楽章、ゆっくり目の主題から一転してテンポが速くなりました。トランペットのソロはムラヴィンスキーの演奏のように最後音量を落としてクレッシェンドしました。最後もムラヴィンスキーの演奏のようなクレッシェンドがありました。
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サー・ゲオルク・ショルティ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1993年ライヴ

ショルティ

★★★★☆
一楽章、ショルティらしくエッジがくっきりとした主題。揺れるような弦の伴奏に乗って、静かで動きの無いヴァイオリン。引き締まった厳しい響きです。第二主題も冷たい響きで、ロシアのオケのような感じです。展開部から活発な動きと表現になります。

二楽章、豪快に鳴るコントラバス。木管もとても豊かな表現です。ヴァイオリンのソロもとてもチャーミングです。

三楽章、ショルティのスタジオ録音の押し一辺倒の演奏とは違い、感情がとても込められた演奏です。他のヨーロッパの指揮者では聞けないようなロシアの冷たい冬を連想させるような厳しい演奏でもあります。

四楽章、ショルティらしく金管を明快に鳴らした主題。テンポも激しく動きスピード感があります。金管の鳴りは素晴しいです。最後はバーンスタインとほぼ同じのかなり速いテンポでした。
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ルドルフ・バルシャイ指揮/ケルン放送交響楽団

icon

1995年7月3&8日、1996年4月デジタル録音
★★★★☆
一楽章、豊かなホールの響きを伴って伸びやかな弦の主題。美しいオーボエ、暖かみのあるファゴット、明るいホルン。重いピアノに乗ってホルンのペダルトーンも暴れることなく抑制された表現です。ロシアのオケの演奏のような爆演にはならず、統制の取れた美しい演奏です。それでも、ここぞと言うところでは思いっきりオケを鳴らしていますが、そこはドイツのオケらしい重厚さがあります。終盤のヴァイオリンソロは繊細でとても美しい演奏でした。

二楽章、豪快な低弦の旋律から始まりました。余力を残したホルンの強奏。ここでもヴァイオリンのソロは美しい。ティンパニの音が高い音が短く、低い音が長く響いてちょっとチグハグでした。

三楽章、壮絶な雰囲気の響きが凄いです。弦のトレモロの上に木管のソロが鮮明に浮かび上がります。悲痛な感じよりは少し暖色系の響きがこの楽章の雰囲気にはちょっと合わない感じがします。

四楽章、ゆったりとしたテンポで主題が演奏されました。ここのティンパニも高い音が短くて変でした。弱音部に入る手前でトランペットがかなり下品な音を出しました。終結部にかけてはトランペットがかなり強く演奏しました。個人的には、この曲のイメージより暖かみのある演奏で、強奏部分ではかなり金管も鳴らすのですが、厳しい雰囲気は乏しかったように感じました。

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon

録音時期:1959年8月16日
録音場所:ザルツブルク、旧祝祭劇場
録音方式:モノラル(ライヴ)
★★★★☆
一楽章、低域が薄い録音です。ゆっくりと丁寧なヴァイオリンの主題。作品から何かを抉り出そうとするような強い表現。テンポの動きも大きくバーンスタインが作品に深く共感しているのが伺えます。神経の行き届いた弱音。展開部へ入る前でも一旦テンポを落としました。トランペットが強調されて録音されていますが、この演奏にはピッタリです。テンポが遅い部分では、たっぷりと歌います。コーダもゆっくりとたっぷりと歌います。

二楽章、ゆっくりからはじまって、クラリネットが走ってテンポが速くなりました。ホルンの強奏がスタッカートぎみで面白い表現です。ヴァイオリンのソロも自由にテンポが動きました。強弱やテンポの変化が自在でバーンスタインの主張がストレートに表現されています。

三楽章、強弱の振幅は凄い。強烈な表現です。暖色系の響きなので、悲痛感はさほど感じません。

四楽章、速いテンポで元気の良いトランペット。テンポの激しい動きにオケのアンサンブルも乱れます。すごく感情のこもった歌です。後半は速いテンポで演奏されます。コーダはあっけない終り方でした。

エフゲニー・ムラヴインスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

ムラヴィンスキー

ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ録音(1978年)
★★★★☆
一楽章、モワーっとした残響の中、強いアクセントの主題が演奏されます。抑えぎみの金管。第二主題の後ろで刻む弦の抑揚が激しかったです。ホールの響きのせいか、ファゴットやフルートがとても太い音に聞こえます。展開部のホルンも軽く吹いているようです。弦楽器の表情はとても厳しく俊敏です。再現部に入るとトロンボーンなどはかなり強く演奏しています。コーダの手前からは微妙なテンポの動きもあってとても音楽的です。

二楽章、すごく表現力豊かで、初演者の自信のようなものが感じられます。風呂の中で聴いているような響きで色彩感はあまり感じられません。客席の中に無指向性のマイクでも立てて録音したのではないかと思わせるほど音が篭っています。

三楽章、むせび泣くような弱音で始まりました。波が寄せるように大きくなってはすっと引いていったりしながら音楽が進みます。弦楽器だけでも凄い音楽の振幅です。クラリネットのソロが悲痛な雰囲気を際立たせます。弱音の演奏に高い集中力を見せています。

四楽章、速いテンポで畳み掛けるように演奏する主題からそれに続く部分です。トランペットのソロの最後で一旦音量を落としてクレッシェンドしながら下降しました。ビブラートのかかったホルンのソロ。トランペットのソロ以外にも突然音量を落としたりします。作品を知り尽くしているムラヴィンスキーならではの表現です。大きくritしてクレッシェンドしてティンパニです。この部分の最初は音量を落としてバランスのとれたブラスセクションがパイプオルガンのような響きになります。その後トランペットがクレッシェンドして最後は全体でクレッシェンドして終りました。録音は悪いですが、なかなか感動的な演奏でした。

佐渡 裕/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

佐渡 裕

★★★★☆
一楽章、柔らかい第一主題。ゆっくりと静かに演奏されるヴァイオリン。終始遅いテンポです。第二主題も遅くとても静かです。展開部からは次第にテンポが速くなりました。トロンボーンはかなり強く演奏しています。コーダは再び遅めのテンポで伸びやかな演奏になります。ベルリンpoは安定した上手さです。

ニ楽章、躍動感のある演奏です。ヴァイオリンのソロはアゴーギクを効かせて美しい演奏です。フルートもフレーズ感が良いです。テンポの動きもあって豊かな表現です。

三楽章、暖かい響きです。フルートも暖かいです。作品の持っている悲痛さはあまり感じられません。穏やかで安らかな演奏です。

四楽章、良く鳴る金管。スピード感のある弦。トランペットのソロも見事に鳴り響きます。分厚い響きはさすがです。思い切り良く金管を鳴らす演奏はなかなか爽快感があります。スネアが入るところからはテンポが少し速いです。最後は分厚い響きで堂々とした演奏でした。

二楽章はとても豊かな表現でしたが、三楽章は暖かく悲痛な感じがありませんでしたが、オーケストラはさすがに安定感のある分厚い響きでした。

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山田 一雄/日本フィルハーモニー交響楽団 1965年ライヴ

山田 一雄

★★★★☆
一楽章、とても感情のこもった第一主題です。物凄く遅いです。続くヴァイオリンも今まで聞いたことのない遅さです。第二主題も遅いですが、緊張感は維持されています。録音年代からするととても良い音です。再現部は一般的なテンポですが、金管(特にホルン)が大人しいです。打楽器がカブッて来ます。コーダもかなり遅いですが、間延びした感じは無く自然に聞くことが出来ます。

二楽章、一転して少し速めのテンポの演奏です。生き生きとして積極的な演奏です。乗り乗りで楽しそうです。

三楽章、少し乾いた弦の響き。内面からこみ上げる感情を表現しています。強い表現ではありませんが、自然な感情の起伏を表出している感じで、作品への共感が自然に表れています。

四楽章、ロシアのオケのような凄みは感じない主題ですが、当時の金管のレベルからするとこんなものかも知れませんが、少し雑に聞こえます。それでも録音された年代を考えるとかなり凄い演奏です。コーダのトランペットのハイトーンは少し苦しそうでしたが、当時としては出色の演奏だったのではないかと思います。

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マリス・ヤンソンス/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 1986年サントリーホールライヴ

ヤンソンス

★★★★☆
一楽章、柔らかく滑らかな主題。静かに演奏されるヴァイオリンですが、ムラヴィンスキーのような厳しく統制された感じはありません。速めのテンポで感傷に浸る余裕は与えてくれません。第二主題もピリッとした緊張感はありません。展開部に入ってからは軽い演奏で、金管はあまり強くありません。濃厚さは無く、サラッとした演奏です。ロシアのオケにありがちなパワーで押し切るようなことは無く、美しい響きの演奏です。

二楽章、ほとんどテンポも動かず、インテンポです。レニングラードpoを聞いている感じではありません。西欧のオーケストラのような柔らかい響きです。

三楽章、柔らかく伸びやかな弦。優雅な感じで悲痛にはなりません。フルートも伸びやかで、とてもレニングラードpoを聞いている感じではありません。弱音から怒涛の弦の全合奏までとても振幅が大きく感情を吐露するような演奏です。突然音量を抑えるなどヤンソンスならではの演奏もあります。

四楽章、ゆったりとしたテンポで堂々とした主題ですが、直後にテンポを速めました。金管は軽いです。トランペットが強くても突き刺さって来るような厳しさはありません。ビブラートを掛けたホルンがロシアのオケらしいです。最後へ向けて力強いティンパニが印象的でした。

ムラヴィンスキー時代の厳しい響きでは無くなりましたが柔らかく伸びやかな演奏は、これはこれで良い演奏でした。

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アンドラス・ヴァス /パノン・フィルハーモニー管弦楽団

Vass

★★★★☆一楽章、普通にアタックの効いた主題。聞いたことの無いオーケストラですが、なかなかの演奏水準です。ハンガリーのオーケストラのようです。テンポも中庸のもので、強い個性はありませんが、安心して聞けます。展開部の力強いホルン。再現部でも良く鳴るトロンボーン。続くフルートのソロも美しいです。

二楽章、強い表現はありませんが、過不足なく標準的な演奏です。伸びやかに強調されたホルン。柔らかく歌うトランペット。最後のオーボエのソロではテンポを落としました。

三楽章、深みのあるコントラバスやティンパニと一体になった盛り上がりなど、なかなか訓練された良いオーケストラのように感じます。

四楽章、力強いティンパニに乗って、整った主題の後、テンポが上がります。トランペットのソロの前からかなりテンポが速くなりますが、とても心地よいテンポです。ホルンのソロでは一転してゆったりとした穏やかな表現です。コーダの前のritとコーダで一気にテンポを速める切り替えも見事でした。コーダのトランペットのハイトーンでのクレッシェンドはそれ程ではありませんでしたが、期待せずに聞いたのですが、なかなか良い演奏でした。
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エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1983年ライヴ

ムラヴィンスキー

★★★★
一楽章、オフぎみで柔らかい主題。ゆっくりと演奏されるヴァイオリン。遠く抑えられたトランペット。冷たい第二主題。とても静かに淡々と進みます。重いピアノ。再現部に入って、アゴーギクを効かせるクラリネット。

二楽章、表情豊かな弦。オフぎみの録音ですが、色彩感は濃厚です。

三楽章、大きな振幅。響きが暖かいせいか、悲痛な感じはあまりありません。寂しげなハープ。

四楽章、主題の後に僅かにテンポを速めます。濃厚な色彩のブラスセクション。ビブラートのかかった強弱の変化も大きいトランペットのソロ。コーダを少し弱めに入るのはムラヴィンスキー独特の解釈です。ハイトーンから強くなって、中低音の和音が充実した響きです。

ムラヴィンスキーの演奏としては、表情もあまり緻密に付けられている演奏では無く、そんなに良いコンディションでは無かったように感じました。
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レナード・バーンスタイン/ロンドン交響楽団 1966年

バーンスタイン

★★★★
一楽章、古い録音らしく密度が薄くデッドな録音です。ゆっくりと演奏されるヴァイオリン。第二主題は割りと強めです。濃厚に歌うビオラとチェロ。展開部の前で大きくテンポを落として、展開部は速いテンポです。

二楽章、かなり乱暴な感じのコントラバス。速いテンポで活発な表現です。現在の演奏水準からすると少し劣るような感じがします。

三楽章、晩年の演奏のように深く感情が込められた演奏ではありませんが、抑揚の変化は大きいです。強奏部分は叩き付けてくるような激しさですが悲痛さはあまり感じません。

四楽章、かなり速いテンポで弦も凄い勢いです。途中は指定通り遅くなりましたが、スネアが入ったところからまた物凄く速いテンポです。最後も凄く速いテンポでしたが、これは本当の歓喜の表現なのか、証言を先取りした強制された喜びの表現なのか分かりません。とにかく馬鹿騒ぎのような終わり方です。

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朝比奈 隆/大阪フィルハーモニー交響楽団

朝比奈 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」

1981年2月16日大阪フェスティバルホール(ライヴ)
★★★★
一楽章、暖かい温度感ではじまりました。テンポが動くことは無くインテンポを貫き通すので、ちょっと間延びする場面もあります。少しテンポを速めた展開部。展開部はテンポが動きます。金管は激しく咆哮することは無く、節度を保っています。コーダは静かに静かに演奏され終わりました。

二楽章、木管の音が合っていないようで、バラバラな感じがしました。歌に満ちた演奏で、抑揚や間があってとても良い感じです。

三楽章、暖色系の響きのために、この楽章の持っている厳しく凍て付く寒さのような雰囲気がありません。暖かい響きで悲痛な表現とはかなり違います。

四楽章、ゆったりとしたテンポです。主題の後にテンポを上げてスピード感が出てきました。輝かしく良く鳴ったトランペットのソロ。かなり熱気の感じられる演奏です。弱音部も整った演奏で聞かせます。終結へ向けて次第に力強くなる部分は感動的で、すばらしかったです。

小澤 征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ

小澤 征爾

★★★★
一楽章、滑らかで分厚い主題。弦に揺られて静かにゆっくり演奏されるヴァイオリン。ロシアのオケのような冷たく厳しい響きではありません。第二主題もゆっくりと味わうような演奏です。展開部は少し速くなりますが、ホルンやトランペットはとても抑えられていて、大きな振幅はありません。トランペットの行進曲もとても軽いです。コーダに入る前のとても伸びやかなフルートが美しいです。コーダのヴァイオリンのソロも繊細で美しいです。

二楽章、あまり躍動感が無く、ホルンの音も短めです。

三楽章、ゆっくりと感情が込められた演奏です。フルートのソロも伸びやかで豊かな表現です。振幅が大きく思い切った表現です。全体に柔らかく伸びやかな響きで美しいのですが、ロシアのオケのような厳しさはありません。

四楽章、ゆっくりとしたテンポでテヌートぎみに演奏される主題。その後テンポを速める部分がぎこちなかったです。テンポを落とす部分はかなり思い切ったテンポでゆっくり演奏されるのですが、ちょっと間延びした感じもあります。コーダの金管も抑えられていて、小澤独特の解釈の演奏でしたが、肩透かしの部分も多くありました。

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ディミトリー・ミトロプーロス/ニューヨーク・フィルハーモニック 1952年

ミトロプーロス

★★★★
一楽章、ホーレンシュタインの演奏よりも深みもある響きです。テンポの動きや豊かな歌がとても魅力的です。第二主題も豊かな歌がありました。展開部の不気味に抑えられたホルン。ホーレンシュタインと同じ年の録音ですが、音は断然こちらが良いです。金管はとても上手いです。

二楽章、ここでもテンポの動きや大きな表現があります。ただアンサンブルはかなりルーズです。

三楽章、冒頭から感情のままにテンポが動くような演奏ですが、激しく感情に流されることはありません。

四楽章、ゆったりとした第一主題。その後、少しずつテンポを速めて行きます。思いがけないところでテンポが速かったりもします。この楽章もとても表現意欲の強い演奏です。コーダも速めです。
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ムスティラフ・ロストロポーヴィチ/ワシントン・ナショナル交響楽団

ロストロポーヴィチ

★★★★
一楽章、ゆっくりと演奏されるヴァイオリン。とても丁寧な演奏で、作品への思い入れを感じさせます。第二主題もゆっくりと感情を込めた演奏です。フルートがロシアの寒さを感じさせます。展開部に入ると突然ホルンが目の前で鳴り始めます。スネアも目の前で演奏しているような不自然な音場感です。金管は激しく咆哮します。コーダのテンポを落としてアゴーギクを効かせた演奏はなかなかのものでした。

二楽章、ホルンは独特の表現です。テンポの動きはとても大きいです。

三楽章、前の二つの楽章で見せたテンポを動かして感情を込めた表現から、淡々と感情を抑えた演奏になっています。普通ならこの楽章で感情を吐露するのではないかと思いますが、かなり肩透かしです。ただ、強弱の振幅は大きいです。表現も雑な感じの部分もありました。

四楽章、遅めのテンポで演奏される主題。オケの技量からか、主題も荒い感じです。主題の後はかなり勢いのある演奏です。テンポの動きはかなり大きいです。演奏自体にムラがあって、感情を込めて濃厚な部分と、とても希薄でなんとなく演奏されている部分があります。それと遅い部分が遅すぎて間が持たない感じもあります。

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セルゲイ・クーゼヴィツキー/ボストン交響楽団

クーゼヴィツキー

★★★★
一楽章、かなり古臭い録音で、せせこましい第一主題でした。速めのテンポをさらに煽る感じで落ち着きません。第二主題になると一転して落ち着きました。展開部はまたとても速いテンポで、表現も積極的な印象で、テンポの動きも大きいです。

二楽章、この楽章も速いテンポです。表現は生き生きとしていて、とても積極的で聞いていて気持ちが良いです。

三楽章、とても感情の込められた表現です。起伏も大きく激しく感情を吐露するような演奏です。

四楽章、トロンボーンが控えめな第一主題。とにかく積極的な表現がこの演奏の魅力です。最後はアメリカのオケはこのテンポで演奏するのが決まりになっているかのような快速テンポでした。
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ウラディーミル・アシュケナージ/フィルハーモニア管弦楽団

アシュケナージ

★★★★
一楽章、とてもエッヂの効いた主題。続くヴァイオリンは極端に音量を落とすことは無く、緊張感もありません。第二主題は抑えた音量ですが、やはり緊張感はあまりありません。展開部に入ると、明快に鳴る金管ですが、ロストロポーヴィチの演奏のように咆哮することは無く美しい響きを保っています。伸びやかで美しいフルート。コーダに入ると一気に暗く重苦しい雰囲気になります。

二楽章、ヴァイオリンのソロは凄く歌います。録音はとても良く、それぞれの楽器が粒だっています。

三楽章、何とも言えない悲しい表現です。強い表現はありませんが、内面から染み出るような感情。アシュケナージがこの音楽に強い共感を感じていることが伝わってくる演奏です。孤独なクラリネット。

四楽章、最初テヌートで演奏される主題。その後もテヌートで演奏される部分が出てきます。

三楽章だけが飛び抜けて良かったです。

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フィリップ・ジョルダン/マーラー・ユーゲンド管弦楽団

ジョルダン

★★★★一楽章、耳当たりの良い柔らかく洗練された響きの主題。第二主題になっても表面の冷たさに内面の暖かさを感じます。柔らかく、決して荒々しくならない展開部。とてもバランスの良い響きで、爆演とは程遠い演奏です。コーダはとても美しいです。

二楽章、軽快な動きの中にも、とても洗練された美しさはなかなかです。

三楽章、寂しく憂鬱な雰囲気がありますが、身を切られるような冷たさや鋭さは無く、柔らかく暖かい響きです。

四楽章、ここでもバランス良く美しい主題です。とても軽く演奏する金管。コーダも力まず軽く美しい響きです。
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マクシム・ショスタコーヴィチ/ロンドン交響楽団

マクシム・ショスタコーヴィチ

★★★★
一楽章、ゆっくりと演奏される主題。続くヴァイオリンもかなり遅いです。第二主題も同様に遅いです。展開部からは普通のテンポです。とても軽く演奏される金管。かなり丁寧に演奏されています。再現部の前ではトランペットがかなり強くロングトーンをします。再現部はまたゆっくりのテンポですが、なぜかハイティンクの演奏のような耐えられないような遅さには感じませんでした。

二楽章、テンポは普通ですが、ここでも丁寧な演奏で、その分活発さはありません。

三楽章、ゆっくり目のテンポで、丁寧で柔らかく美しい演奏です。強い個性は感じませんが、作品に対する真摯な姿勢は感じます。消え入るような弱音もとても美しいです。

四楽章、力みの無い主題。あまりテンポは上げません。ホルンは強調されています。コーダのトランペットのハイトーンが突き抜けて来ました。コーダは素晴らしい効果のある演奏でした。

強い個性はありませんでしたが、美しい演奏でした。
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ミハイル・プレトニョフ/ロシア・ナショナル管弦楽団

プレトニョフ

★★★★一楽章、次々と折り重なるような主題。かなり抑えたヴァイオリン。ゆっくりとしたテンポですが、表情があるので十分聞けます。ロシアらしく浅い響きのホルン。ゆったりとしたテンポで随所で表情が付けられています。一転してテンポの速い展開部。ここぞと言うところでトランペットが突き抜けて来ます。行進曲調の部分はかなり速いデンポです。再現部でもビリビリと響くトロンボーン。

二楽章、速めのテンポで活発な表現です。とても流れが良く、オケの一体感もあります。

三楽章、二楽章に比べると淡々とした演奏でスタートしましたが、次第に豊かな表現になります。切々と歌う表現もありました。

四楽章、このパウカーは高い方のティンパニの中央近くを叩いているような音がするんですが・・・。トランペットが強い主題。主題の最後あたりからテンポを上げます。トランペットはロシアのオケらしく強烈です。トランペットのソロの強く安定感抜群です。テンポは目まぐるしく変わります。コーダの前にスネアが強いアタックで入ったり色んな主張のある演奏です。ゆったりと堂々としたコーダ。元々強かったトランペットがハイトーンでさらに強くなります。

プレトニョフの主張ず随所に見られる演奏でした。
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ヤッシャ・ホーレンシュタイン/ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団 1952年

ホーレンシュタイン

★★★
一楽章、次々と押し寄せてくる第一主題。続くヴァイオリンはても良く歌います。第二主題はとても柔らかい表現になります。ただ、ヴァイオリンの高音域は録音の古さからかなりキツイ響きになります。ダイナミックレンジも狭くかなり平板に聞こえます。展開部も音圧はほとんど上がらず軽い感じです。

二楽章、響きの薄い低弦。テンポは颯爽とした速めのテンポです。軽く爽やかなトランペット。

三楽章、速めのテンポでほとんど感情が込められていないような軽薄な印象の演奏です。演奏もたどたどしい感じがします。最も悲痛になる部分ではテンポを落として濃厚な表現でした。

四楽章、弱いティンパニ。異様に近いトランペット。アンサンブルも怪しいところがあり、こなれていない感じがとてもします。スネアが入るところからはかなり速いテンポになります。コーダも速めのテンポで音を短く切る金管がとても不自然です。

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セルジュ・チェリビダッケ/RAI国立交響楽団 1955年ライヴ

チェリビダッケ

★★★
一楽章、物凄く古臭い録音です。遅い第一主題。続くヴァイオリンもとても遅いです。第二主題も遅いです。晩年の超スローテンポの演奏の片鱗のような演奏で、一音一音大切に演奏しています。展開部へ向けてさらにテンポが遅くなります。抑えられた金管。トランペットが終わるあたりからテンポが速くなりました。それでも普通の演奏に比べるとかなり遅いです。再現部に入ってフルートが入る部分になるとまた遅いテンポになります。脱力して祈るような演奏でした。

二楽章、この楽章も遅めのテンポです。冒頭部分で強弱の変化のある表現がありました。

三楽章、録音の古さの上にマイクセッティングの制限のあるライヴと言うこともあり、美しさが全く感じられないのが残念です。弱音はかなり音量を落としているようです。

四楽章、落ち着いたテンポで抑え気味の第一主題から少しずつ加速します。テヌート気味に演奏されるトランペットのソロ。コーダのトランペットが苦しそうです。
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クルト・ザンデルリング/ベルリン交響楽団

ザンデルリング

★★★一楽章、柔らかい低弦と艶やかな高弦が呼応する主題。ゆっくり演奏されるヴァイオリン。強い緊張感は無く、柔らかい響きです。第二主題の弦の刻みがとても柔らかいです。ゆっくりではありますが、極端な遅さでは無く普通に聞けます。展開部ではかなり抑えた金管でした。再現部でも抑制の効いた金管で、とてもバランスの良い演奏です。

二楽章、整然としていて、大人なスケルツォです。伸びやかで柔らかく美しいトランペット。

三楽章、この楽章でも、伸びやかで柔らかい弦が心地よい。深みのある演奏は素晴らしいです。

四楽章、猛烈なテンポでリズムも甘い主題です。その後はほとんどテンポを加速しません。わずかにビブラートをかけたホルンのソロ。終始抑制された金管。ゆったりとしたコーダ。最後はさらにテンポを落として終わりました。

伸びやかで柔らかく、抑制の効いた演奏は、ムラヴィンスキーの演奏とは対照的でした。
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ベルナルト・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

ハイティンク

★★★
一楽章、コンセルトヘボウらしい濃厚な色彩。ゆっくりとしたテンポで、丁寧なヴァイオリン。テンポが遅く、動きも無いので、少し間延びした感じがあります。第二主題もとても遅いです。柔らかく膨らみのあるファゴット。フルートはピンポイントで美しい。展開部からは一般的なテンポ感です。ムラヴィンスキーのライブのような金管のムラは無く、美しく整っています。再現部の第二主題の再現もとても遅いです。ちょっとこの遅さには付いて行けません。

二楽章、美しい残響と濃厚な色彩感はさすがです。

三楽章、この楽章も遅いテンポで丁寧な表現です。フルートのソロも遅いテンポですが、美しいです。この楽章の遅さはあまり抵抗がありません。感情を叩きつけるような悲痛さはありません。

四楽章、ゆっくりとした確実な足取りの主題。極端なアッチェレランドではありませんが、力強く前進します。艶やかで輝かしいトランペットのソロ。表現はハイティンクらしく、全く作為的な部分は無く、とても自然に流れます。コーダは少し速めのテンポですが、お祭り騒ぎのようにはなりません。

ケレン味の無い、純粋な表現の演奏でしたが、一楽章の遅さにはちょっとついて行けませんでした。
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チョン・ミョンフン/東京フィルハーモニー交響楽団

チョン・ミョンフン

★★★
一楽章、伸びやかな主題、豊かな表情が付いています。静かに演奏されるヴァイオリンですが、極端な静寂感や緊張感はありませんが、伸びやかに歌います。細身のホルン。第二主題も美しく伸びやかです。展開部の重量感りあるピアノ。ビリビリと響くホルン。行進曲風の部分は、短い音がスタッカート気味でシャキッとしています。再現部の前は凄くテンポが遅くなりました。再現部でも咆哮することは無く、抑制の効いた表現です。全体に遅めのテンポでゆったりとした演奏です。コーダのフルートは消え入るように弱く演奏されます。

二楽章、豪快に鳴り響く冒頭の低弦。一楽章とは対照的に活発に動きます。ヴァイオリンのソロも濃厚な表現です。

三楽章、柔らかく伸びのある弦はとても美しいですが、その分、悲痛な感じは受けません。かなり激しいティンパニにクレッシェンド。木管はそれぞれが上手く、引き込まれるようです。

四楽章、ゆっくりとした主題。アッチェレランドも緩やかです。トランペットのソロは遠くから響くようでした。ハープのソロが終わった後の木管の部分はとても遅いです。コーダの直前もかなりゆっくりになりました。コーダは中庸のテンポで、金管も爆発することも無く、抑制されていました。

細やかな表現や、テンポの大きな動きなどもありましたが、あまり強く印象に残る演奏ではありませんでした。
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イオン・マリン/NHK交響楽団

マリン

★★★一楽章、速めのテンポで生き生きと活気のある主題。一転して、静かなヴァイオリン。テンポや強弱の変化があります。柔らかい弦の刻みに乗るヴァイオリンの第二主題。早いテンポの展開部。割と強めのホルン。かなり強く金管が吠えますし、かなり生命観のある演奏です。再現部も速いですが、フルートのソロからは普通のテンポです。コーダも速めで、伸びやかな歌です。

二楽章、ヴァイオリンやフルートのソロは豊かに歌います。終盤のオーボエのソロはかなりゆっくり演奏しました。

三楽章、バランス良く、暖かく柔らかい響きです。木管のソロは豊かな表情です。柔らかい響きなので、悲痛な感じはあまり感じません。

四楽章、主題の直後からテンポをアップして加速します。N響も日本人のオケらしく細部まで丁寧です。弦に埋もれるようなトランペットのソロ。コーダの直前に大きなrit。速めのコーダですが、金管は大きなクレッシェンドも無く終わりました。このあたりは日本人の体力の無さなのか。

生き生きとした表現の演奏ではありましたが、曲本来の持っているものを表現したのかは疑問です。別の一面を示したと言えばそうかもしれませんが・・・・。
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陳佐湟/中国国立交響楽団

Chen

★★★一楽章、良い主題の入りでしたが、若干のアンサンブルの乱れがありました。そんなに落とさずに自然に演奏されるヴァイオリン。第二主題も伸びやかです。展開部の暖かいホルン。続くトランペットも激しさはありません。金管の柔らかい響きが印象的で、ロシアのオケのゴリゴリとした演奏とはかなり違います。再現部に入ってからテンポの動きや大きな表現がありました。

二楽章、木管のソロは活発な表現では無く、淡々としています。続く弦やホルンはかなり勢いのある演奏でした。トランペットはここでも柔らかいです。ホルンが入る最初の音は少し伸ばす独特の表現です。

三楽章、一転して静かな演奏です。この二楽章からの雰囲気の変化は見事です。フルートが入る前の淡いヴァイオリン。ヴァイオリンと変わって芯のしっかりとしたフルート。

四楽章、やはり柔らかい主題。アクセントがあるようなトランペットのソロ。スネアが入る部分からかなり速いテンポで、その後大きくritしてコーダも速めでした。

細かなミスはありましたが、なかなかの熱演でした。
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マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団 2005年ライヴ

ヤンソンス

★★☆
一楽章、かなり大勢で演奏している感じのある主題。続くヴァイオリンは極端に音量を落とすことは無く、緩やかな表情です。第二主題は第一主題部よりも静かですが音量を落とすよりも表情の豊かさを優先しているようです。展開部では軽く演奏されるホルンとトランペット。行進曲風の部分はトランペットのクレッシェンドが特徴的でした。再現部も抑制の効いた演奏です。伸びやかなフルート。

二楽章、荒々しい低弦。木管の表情はとても豊かです。ホルンは空虚な感じがあります。柔らかく暖かいトランペット。

三楽章、冒頭から暖かい演奏で、悲痛な雰囲気は微塵もありません。伸びやかで暖かいフルート。表現の振幅は大きいです。シロフォンが入る部分の直後の音量を落としたり、独特の表現もあります。

四楽章、ゆったりとしたテンポの主題の後、急激にテンポを上げます。これはヤンソンスの他の演奏でも見られた表現です。奥まって響くトランペットのソロ。ゆったりとしたテンポで、マットなホルンのソロ。少し速めのコーダ。

どうしてもムラヴィンスキーの演奏が基準になってしまいますが、響きもテンポ設定も作品にしっくり来ませんでした。
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ウラディミール・ゴルシュマン/セントルイス交響楽団

ゴルシュマン

★★☆一楽章、少し古い録音のようです。速いテンポの第一主題。続くヴァイオリンも速めのテンポですし、あまり音量を抑えていません。一転して第二主題はゆっくりとしたテンポです。展開部からはまた速くなりました。全体的に金管は抑え気味で制御されていますが、再現部でも抑えた表現です。フルートとホルンが絡む部分はゆっくりになりました。コーダに入ってもあまり感情移入するような表現では無く、淡々と作品を演奏しています。

二楽章、一楽章からは一転して、活発に動く木管。スタッカート気味のホルン。トランペットもホルンに倣ってスタッカート気味でした。

三楽章、ここでもあまり音量を抑えず、伸びやかに演奏しています。温度感もあり、あまり悲痛な雰囲気はありません。ティンパニのクレッシェンドがある部分はかなりの振幅のある表現でした。クライマックスの手前で少しテンポを遅めました。

四楽章、この演奏では、全体的に金管の音は短めですが、この主題も少し短めでした。主題の後に少し加速しますが、弦のアンサンブルが少し乱れるような感じがありました。コーダも短めの音で演奏する金管。少し雑な感じがありました。
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Lim Hun-Joung/韓国交響楽団

Lim Hun-Joung

★★☆一楽章、比較的滑らかな主題。自然に抑えたヴァイオリン。力みの無い展開部。奥まった所から柔らかく響くトランペット。行進曲調の部分では、シャープな響きに変わったトランペット。スネアは二人で演奏しています。再現部もあまり力を入れずに軽く演奏しています。

三楽章、ティンパニが激しくクレッシェンドします。ちょっと違和感がありました。オーボエのソロの前の弱音はかなり抑えて演奏しました。弱音は全体に抑えていますが、ピーンと張りつめたような静寂感はありません。

四楽章、ビーンとなる金管の主題。あまり加速はしません。一体感のある弦の演奏に金管の強い色彩感がアクセントになります。コーダの前はあまりritしまませんでした。あっさりとしたコーダでした。
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タニア・ミラー指揮 ヴィクトリア交響楽団

★★☆一楽章、カナダのオーケストラです。響きは薄いですが、エッジの効いた主題。思ったよりも安定した演奏です。第二主題の後ろの弦の刻みも厚みがありません。展開部のホルンも浅い響きです。シロフォンとスネアが凄くオンマイクになっているような録音です。再現部では、強打するティンパニと抑え気味のトロンボーンが少しチグハグな感じがありました。

二楽章、あまり積極的な表現は無く、普通に演奏したと言う感じです。トランペットも奥行き感が無く浅い響きです。

三楽章、薄い響きがかえって涼感を感じさせる演奏になっています。厳しい冷たさではありませんが。クラリネットのソロで音が低かったような部分もありました。でも熱のこもった演奏でした。

四楽章、やはりティンパニの強打に比べると主題が弱い感じです。録音の問題か?ゆったりとした主題でした。あまり加速はしませんでした。スピード感や緊迫感はあまりありません。コーダの前はあまりritはせず、ゆっくりとしたコーダで、金管も抑え気味です。終始突き抜けることは無く終わりました。

オケの技量の問題か、金管が爆発するようなことも無く、淡々とした演奏でした。
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マチャヴァリアニ /トルコ国立イズミール交響楽団

Matchavariani

★★一楽章、くすんだコントラバスと瑞々しいヴァイオリンの主題。第二主題の前にホルンがかなり強く吠えました。ピアノがかなりオンマイクになっていて全体のバランスから飛び抜けている展開部。ここぞと言うところでは、金管が遠慮なく吠えます。再現部ではフルートが豊かに歌います。

二楽章、突出する部分も無く、うまくまとまっています。

三楽章、淡い表現で淡々と進みます。録音のせいなのか、あまり音楽の起伏が伝わって来ません。ピアノのトレモロが突然入って来てびっくりします。ピアノのミキシングのバランスが明らかなミスです。

四楽章、主題も主題の後も少しアンサンブルが乱れたような感じがありました。その後すぐにテンポを上げますが、加速はあまりせずに置きに行ったような安全運転です。トランペットのソロの前もかなり乱れがあります。コーダはわりと速めです。

オケの技術的な限界もあるのか、あまり積極的な表現も無く、とりあえず最後まで演奏したと言う感じの演奏でした。
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Sarah Bisley/アオランギ交響楽団

Bisley

一楽章、このオーケストラはニージーランドのオーケストラらしい。とても柔らかい主題。続くヴァイオリンはそんなに音量を落とすことはありませんでした。ゆったりとした第二主題。これまで聞いてきた指揮者の演奏とは一線を画す柔らかい表現です。展開部のホルンも柔らかい演奏ですが、少し遅れ気味です。アンサンブルはかなり怪しいです。行進曲風の部分はかなりゆっくりです。再現部の少し前に崩壊しそうになります。再現部も遅いです。コーダもフルートの息が持たないほどの遅さです。

二楽章、クラリネットのミスもありで、やはりオケの技量は今一つです。ヴァイオリンのソロはたっぷりと歌いました。トランペットもホルンも優しく柔らかいですが、思い切りが足りない感じもします。

三楽章、フレーズの終わりと次の間が繋がらず、隙間が出来てしまうようなところもあります。ソロでは、とても良い雰囲気のある部分もありますが、全体の演奏になると、アンサンブルの精度が低いのが気になります。指揮者のサインが明確で無いのか、思い切って、ドンと出ることがあまり無いような、オケがビビリながら演奏しているような感じがします。演奏自体は暖かく、悲痛な雰囲気はありません。

四楽章、この主題も力の抜けた柔らかいものです。弦のアンサンブルの乱れなど、オケの貧弱さをここでも露呈します。トランペットのソロの後も大きくアンサンブルが乱れシンバルがビビリながら小さく入ったのが印象的でした。シンバルがすごく弱いのにティンパニはすごく強いコーダ。トランペットはハイトーンからのクレッシェンドも無く、そのまま終わりました。

何とか最後まで演奏したと言う感じでした。
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サー・ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団

バルビローリ

一楽章、いかにも古い録音と感じさせる冒頭の主題。かなりゆっくりとしたヴァイオリン。歪っぽい音が続くので、古い録音が苦手な人には無理な演奏です。突然速いテンポで追い立てる展開部。再現部のトロンボーンはとても軽く演奏しました。続くフルートでは少しテンポを落としますが、あまり作品に思い入れがあるようには感じません。淡々と演奏されています。コーダも淡々としていました。

二楽章、速いテンポです。

三楽章、テンポの動きはありますが、あまり作品に没入する感じは無く、共感はあまり感じません。

四楽章、ちょっと短めの主題。その後の加速する部分の弦がやや雑な印象です。遠いトランペットのソロ。歪っぽいのも相まってかなり雑な演奏に聞こえます。コーダの前はかなり速いテンポでした。コーダも速めです。

かなり雑な演奏で、やっつけ仕事のように感じました。
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ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」の名盤を試聴したレビュー

ラヴェル「ボレロ」

ラヴェル「ボレロ」名盤試聴記

アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団

★★★★★

割と大きめでスネアの響きがはっきりと聞こえる冒頭。ゆったりとしたテンポで、テヌート気味で太い響きのフルート。ビブラートも含めてとても色気のあるファゴット。匂い立つようなオーボエダモーレ。ホルンが刻むリズムが大きいです。サックスは比較的ストレートな表現です。ピッコロとホルンとチェレスタは柔らかくブレンドされた響きです。トロンボーンもビブラートを効かせて極上のセクシーさです。木管群とヴァイオリンの爽やかなA。トランペットの八分音符が強く演奏されますが、しっかりと地に足が付いています。最後のAはトランペットが突き抜けて来ます。最後は二台のスネアの足並みが乱れる部分もあります。ボレロは優雅なAとセクシーなBの旋律を繰り返しますが、どちらも両立した演奏でした。極端に強弱の振幅がある演奏ではありませんでしたし、フランスのオーケストラらしいいい加減なアンサンブルもありますが、ソロのセクシーさでは群を抜いている演奏だと思います。

ピエール・ブーレーズ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★★

リム付近を叩くコツコツと響くスネア。明るい響きのフルート。ドイツのクラリネットの響き。ファゴットもEbクラも歌いますがまありセクシーではありません。テヌト気味のオーボエダーモーレ。装飾音も付けて歌うテナーサックスとソプラノサックス。どのソロも洗練されていて上手いです。歯切れよく小気味よいスネア。トロンボーンは嬉しくなるほどセクシーです。2台目のスネアが入るのは分かりませんでした。個人的には、これくらい引き締まったスネアが理想的だと思います。コーダに入って自然なクレッシェンド。シンバルやドラが入る直前でさらにクレッシェンド。ソロはソロである程度自由に表現させて、アンサンブルは整然と整った美しい演奏でした。

シャルル・ミュンシュ/パリ管弦楽団

★★★★★

最初からスネアの音が聞こえます。この状態だと、ffではユルユルの響きになりそうですが・・・・。太く暖かいフルート。明るいクラリネット。独特の響きで色気のあるファゴット。Ebクラもとても豊かな表現です。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強いです。意外と素直なテナーサッククスとソプラノサックス。ピッコロとホルンとチェレスタはとても良くブレンドされています。なかなかセクシーなトロンボーン。木管と第一ヴァイオリンのAや続く第一、第二ブァイオリンのAでは、旋律が走る?かスネアが遅れる部分もありました。トランペットが八分音符を吐き捨てるように雑に演奏します。やはりスネアはユルユルです。最後のBでアッチェレランドです。トランペットも強烈です。ミュンシュのやりたい放題のかなり乱暴な演奏でしたが、なかなか聴きごたえがありました。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1966年

★★★★★
リムのギリギリを叩くコツコツと言うスネア。全くスネアのシャリシャリした響きはありません。ppからffまで演奏しないといけないので、どの音量でベストな響きにするのかは奏者の判断ですが、この締まったスネアはある程度の音量でベストな響きになるセッティングでしょう。かなり強く絞められたスネアは遠くで聞いても歯切れ良い響きになるとても良いチューニングです。芳醇なフルート。Bの旋律は割と自由に演奏させているような感じです。フルートとミュートしたトランペットがとても良くブレンドされています。歯切れの良いスネアが心地よく響きます。テナーサックスは艶のある表現です。ソプララノサックスもテンポの中で揺れる表現で、カラヤンが極端に制御している感じではありません。ピッコロ・ホルン・チェレスタもブレンドされた不思議な響きです。トロンボーンもセクシーな表現です。トロンボーンの後のスネアの響きは抜群です。木管群のAとBの間でスネアが2台になるのがはっきりと分かります。クライマッックスに近付くにつれて金管が遠くから抜けて来たりします。コーダでもトロンボーンが抜けて来たり、カラヤンが何もかも制御するのでは無く、楽員にも自由度を与えながら上手くまとめた演奏で、ベルリンpoもとても良い状態の演奏だったと思います。

大植 英次/大阪フィルハーモニー交響楽団

★★★★★

スティックをかなり短く持って、ヘッドの中央付近を叩いているスネア。指の感覚に近いフィーリングで叩こうとしているのか。明るい響きのフルート。抜けの良いクラリネット。表情はありますが、やはり真面目なファゴット。美しく響きますがやはりセクシーでは無いEbクラ。ビブラートも掛けて歌うテナーサックス。ソプラノサックスもビブラートを掛けて装飾音符も付けて歌いますがセクシーな表現ではありません。プツプツと締まった響きのスネア。ピッコロ・ホルン・チェレスタはバランスが良い感じです。木管群の演奏中に明らかにクレッシェンドしたスネア。トロンボーンは、はっきりとタンギンせずルーズな感じでとてもセクシーな演奏でした。トロンボーンの後の木管群も華やかでした。第一ヴァイオリンが入るとサラッとした感じになり、とても色彩感が豊かです。最後から3番目のBはまろやかな響きです。最後まで引き締まったスネアは素晴らしい響きです。コーダに入って大きくクレッシェンド。豊かな色彩感と、最後まで統率された素晴らしい演奏でした。

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ヴァレリー・ゲルギエフ/ロンドン交響楽団

★★★★★

リム付近を叩いているからか、胴鳴りなのか、スネアが僅かに響いているのか、良く分からないスネア。太く暖かいフルート。ニュートラルなクラリネット。途中少し走るような表現でした。フルートとミュートしたトランペットはトランペットがカップミュートをしているので、とても良くブレンドされています。セクシーなテナーサックス。ソプラノサックスも艶めかしく色気のある演奏でした。スネアは少し緩い感じがします。トロンボーンもなかなか良い演奏でした。木管群も華やかです。最後のAの直前で大きくクレッシェンドしました。スネアはユルユルになって来ました。最後の堂々としたエネルギー感は凄かったです。

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リッカルド・ムーティー/フィラデルフィア管弦楽団

★★★★★

かなり緩いようなスネアの響き。太めのフルート。クラリネットもファゴットも独特な響きです。Ebクラもゴムの管を吹いているような独特の響きです。ロウのような滑らかさのテナーサックスはセクシーな演奏でした。ソプラノサックスも装飾音を含んでセクシーでした。トロンボーンもクネクネとした表現でとてもセクシーでした。八分音符を刻むトランペットはとても柔らかく演奏しています。最後のAでピッコロトランペットが輝かしく響きます。最後はゆっくりとこれでもかとグリッサンドするトロンボーン。最後は堂々とした演奏でした。

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ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1985年

★★★★☆

1966年盤よりも若干緩いスネアです。フルートも若干細身か、これぞクラリネットと言う響き。あまり潤いの無いEbクラ。1966年盤ほどブレンドされないフルートとミュートしたトランペット。テナーサックスも細身で表現もあまり積極的ではありません。ソプラノサックスはかなり歌いました。トロンボーンもよく表現しますが、セクシーではありません。スネアは常に控えめで、2台目が入ったのもあまりはっきりとは分かりませんでした。かなりカラヤンによって制御されているようで、金管が突き抜けて来るようなことは無く、全体のバランスも保って演奏されています。最後のAは華やかで力強いです。スネアもどんどんクレッシェンドして来てかなりの存在感になっています。強弱の振幅は1966年盤よりもかなり大きかったように感じました。ただ、表現の自由さはかなり抑えられていて、最後の力強さを聞かせたかったのかなと感じました。

ジャン・マルティノン/フランス国立放送管弦楽団

★★★★☆

小さいスネアを使っているような響きです。最初からスネアが鳴っています。色彩感のはっきりとした演奏です。テヌートぎみの柔らかい表現です。ファゴットは際立った色気は感じません。Ebクラも表現は控えめです。フルートとトランペットのミュートの後半でフルートが旋律を間違えます。テナーサックスも取り立ててセクシーな演奏ではありません。ソプラノサックスも大きな表現はありませんが、ここまで、フランスのオケとしてはとても整った演奏です。トロンボーンは少しセクシーでしたが、抑制された表現です。二台目のスネアが入ったところは分かりませんでした。スネアは涼し気な響きです。トランペットの八分音符が大きく響きますが、ミュンシュの演奏ほど乱暴で突き抜けてはいません。コーダはかなりの音量になったように感じました。しっかりとコントロールされた演奏でした。

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

★★★★☆

冒頭からスネアの響きが僅かに聞こえるチューニングです。いつものデュトワの演奏と同様に温度感の低い、透明感の高い演奏です。細身のファゴットが少し表現を加えた演奏をします。滑らかなEbクラがさらりと演奏します。テナーサックスもあっさりとした表現です。ソプラノサックスもほとんど表現らしい表現が無くあっさりとしています。ピッコロとホルンとチェレスタはホルンが強めです。トロンボーンは少し表情のある演奏ですが、セクシーさは全くありません。二台目のスネアが入ったのはほとんど分かりませんでした。チューバの存在感がかなりあります。スネアが緩い感じがして来ました。弱音を優先したチューニングでffになると緩いです。コーダはかなり強くなりましたが、全体にとても制御された演奏で、オケはとても上手いのですが、セクシーさよりも清潔感のある清楚な演奏で、私がイメージするボレロとはかなり違う演奏でした。

ロリン・マゼール/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★☆

リム付近を叩く甲高い音のスネア。速めのテンポで滑らかなフルート。ウィーンらしい潤いのあるクラリネット。乾いた響きのファゴット。Ebクラはあっさりとした表現です。なまめかしいテナーサックス。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大に響きます。暗い響きのトロンボーン。陰湿なセクシーさで独特の表現です。木管群やヴァイオリンなどの旋律もなぜか暗い。最後のBで急ブレーキ。陰湿で暗い、変態のようなセクシーさ。マゼール独特の表現でした。異色のボレロでかなり好き嫌いの分かれる演奏だと思います。私は、この変態のようなセクシーさは好きです。

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エルネス・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

アンセルメ

★★★★

かなり緩いスネア。豊かな響きを伴ったフルート。フルートもクラリネットも歌おうとするのか、スネアより若干遅くなる部分もありました。ストレートな表現のファゴット。Ebクラもストレートな表現でした。間接音を含んだオーボエダモーレ。ミュートしたトランペットが強く響きます。テナーサックスもあまり大きい表現はしません。装飾音符を含んだソプラノサックスですが、やはりセクシーな表現では無く、後半で音を短く演奏する部分もありました。ピッコロ・ホルン・チェレスタはとても盛大に鳴ります。笑うようなトロンボーンは少しセクシーでした。木管群はとても華やかです。ヴァイオリンが入ると涼やかな響きになります。とても色彩感は豊かです。スネアはユルユルです。最後のAとBでピッコロトランペットが輝かしく響きます。表現はあま積極的ではありませんでしたが、濃厚な色彩感はさすがでした。

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ズービン・メータ/ロサンジェルス・フィルハーモニック

メータ

★★★★

径の小さいスネアでスネアは緩めです。明るいフルート。テンポも軽快です。ストレートでセクシーでは無いファゴット。明るく沸き立つようなオーボエダモーレ。軽快なテンポに乗って微妙な表情を付けるテナーサックス。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大に鳴ります。少し沈んだ木管群。テンポに乗って歌うトロンボーンですが、やはりセクシーな表現とは違います。スネアがとても力強く推進力があります。マットなヴァイオリン。個人的にはもう少し締まっていて欲しいスネアです。2台目のスネアが入るのがはっきりと分かりました。2台のスネアが少しバラけます。最後もスネアはバラバラでした。若いメータの勢いそのまま。絶好調の時代の演奏でした。

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スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ/読売日本交響楽団

★★★★

強くミュートしてあるようなスネア。陰影のあるクラリネット。豊かな響きを伴ったファゴットですが、正直な演奏です。Ebクラもセクシーではありません。オーボエダモーレも豊かな響きを伴って美しいです。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強いです。テナーサックスも素直な表現です。ソプラノサックスは少しセクシーでした。ピッコロ・ホルン・チェレスタはバランス良く響きます。木管群は控えめです。とてもセクシーなトロンボーン。スネアは良い音になって来ました。ウァイオリンが入ると涼やかな響きになります。2台目のスネアが入ったのははっきりと分かりました。最後までスッキリとした響きの演奏でした。

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イゴール・マルケビィッチ/スペイン放送交響楽団

★★★★

胴鳴りのような響きがするスネア。割と速めのテンポで進みます。サックスのような響きのファゴット。一本調子のEbクラ。タメも無くテナーサックスも一本調子です。ソプラノサックスは少し表現しました。軍隊の行進のような推進力です。笑うようなトロンボーン。ここでも表現は少しです。水彩画のような淡い色彩。ゴム毬が跳ねるようなチューバの響き。最後のAとBで見事なバランスで突き抜けて来るピッコロトランペット。スネアは少し緩いか。コーダに入って若干テンポが上がったか?表現は抑制されていて、色彩感もてとも渋いものでしたが、オケをしっかりと統率した演奏は見事でした。

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セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 1993年

★★★★

チェリビダッケらしくゆっくりとしたテンポ。極端な弱音でスタートします。リム付近を叩く硬い響きのスネア。ふくよかで暖かいフルート。ファゴットはあまり表現の無い平板な演奏です。フルートとミュートしたトランペットは明らかに分離しています。テナーサックスはかなりセクシーな演奏でした。ピッコロとホルン、チェレスタの後、トランペットのリズムを刻む音が大きくなります。トロンボーンも表現しますが、何かチェリビダッケから「表現しろ」と言われて、どうして良いのか分からずに戸惑いながら表現しているような感じがしました。この辺りになると、スネアの緩さが目立って来ます。2台のスネアも6連符では、リズムが揃わずダラダラになります。16回目の繰り返しでトランペットの八分音符を刻む音が強くなりますが、上の音だけで、下の音はほとんど聞こえません。テナーサックスとトロンボーン以外は表現を抑えて、整えられた演奏ですが、ライブと言うこともあって、細部の精度はそんなに高い演奏でも無く、最後の盛り上がりも強いものではありませんでした。

チョン・ミョンフン/東京フィルハーモニー交響楽団

★★★★

抜けの悪い感じはありますが、リム付近を叩くスネア。ゆったりと表現するクラリネット。明るい響きのファゴット。ストレートな表現のEbクラ。少しセクシーなテナーサックス。良く歌いますが、セクシーでは無いソプラノサックス。ピッコロ。ホルン・チェレスタはやはり大きく響きます。トロンボーンはテンポも揺らして表現します。スネアは引き締まった良い音です。第一ヴァイオリンが入ると華やかな響きになります。第二ヴァイオリンも入るとさらに華やかになります。二台目のスネアは明らかに入ったのが分かりました。何と二台目のスネアはステージ奥の客席にいます。オーケストラが一体になった盛り上がりは見事でした。チョン・ミョンフンの統率力を発揮した演奏でしたが、日本のオケにセクシーな演奏を求めても無理なのか?

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アルミン・ジョルダン/スイス・ロマンド管弦楽団

ジョルダン

★★★★

リム付近を叩いていますが、僅かに胴鳴りのような響きも聞こえます。ファゴットまで抑えた表現です。滑らかですが、ストレートな表現のEbクラ。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強く響きます。テナーサックスも抑制的でセクシーではありません。ソプラノサックスはテナーサックスよりも積極的に表現します。トロンボーンはかなり積極的に歌いますが、やはりセクシーではありません。スネアは若干緩い感じになって来ました。第一ヴァイオリンが入ると涼やかな感じになります。スネアのマイクポジションはバター側では無く、スネア側から音を拾っているような感じです。最後のAのトランペットが切れ味鋭い音です。最後はフルパワーの演奏で、ヴァイオリンが入った時には涼やかだった響きが熱い響きに変わるのは見事でした。

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ジャンルイジ・ジェルメッティ/シュトゥットガルト放送交響楽団

★★★★

ほとんどスネアの音が聞こえません。ゆったりとしたテンポで落ち着いて演奏されるフルート。内に秘めたようなクラリネットはなかなか良い表現です。大きく歌うファゴットですが、セクシーではありません。Ebクラも良く歌いますが、やはりセクシーな表現ではありません。オーボエダモーレはテヌート気味に表現します。抑え目の音量でやはり内に秘めたような表現のテナーサックス。スネアが引き締まった響きで聞こえて来ます。トロンボーンは色んな表現をしますが、やはりセクシーとは言えません。アンサンブルはとても整っています。第一ヴァイオリンが入るととても爽やかな響きになります。トランペットの八分音符はとても短く弱めです。最後もフルパワーにはならず、抑制された感じでした。良く歌う演奏でしたが、セクシーではありませんでした。それでも、とても良く鍛えられたアンサンブルは見事でした。

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クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団

★★★★

速めのテンポで径の小さく浅いスネアを使っているような響きです。遠くから響くようなフルート。速いテンポも相まってとてもあっさりとした演奏です。滑らかで潤いのあるクラリネット。Ebクラも滑らかに流れて行きます。フルートとミュートしたトランペットは明らかにトランペットが強いです。控えめでセクシーな感じはほとんどないテナーサックス。ピッコロ、ホルン、チェレスタはよくブレンドされています。直後のトランペットがスネアと同じリズムを刻みますが、モタモタです。トロンボーンも表現はしますが、セクシーではありません。木管だけのBはとても華やかです。最後のAとBはトランペットが突き抜けて来ます。このトランペットは凄いです。最後は弦楽器奏者が自然に歓声を上げたと記載されていますが、そんなことは無いだろうと思います。事前に準備されたものだと思います。色彩感や盛り上がりはありましたが、セクシーさが無かったのが少し残念でした。

ジョルジュ・プレートル/RAI国立交響楽団

★★★☆

リムの際より少し離れたところを叩いているようでたどたどしいリズムで始まったスネア。途中でテヌート気味の表現をするフルート。あまり大きな表現の無いファゴット。途中で少し遅くなるEbクラ。オーボエダモーレも途中でテヌートの表現です。ミュートしたトランペットに負けてあまり聞こえないフルート。テナーサックスも途中で遅くなったりします。Bの旋律は皆、下降旋律で遅くなります。ピッコロ・ホルン・チェレスタはバランスの良い響きです。Aの旋律は皆途中でテヌートです。細い響きのトロンボーンも途中で遅く演奏しますが、セクシーな表現とは言えません。リズムを刻む楽器が良く聞こえて小気味良いです。木管群のBも揃えて遅くなります。あまり色彩感は濃厚ではありません。クレッシェンドもあまり大きくはありません。最後のAとBでピッコロトランペットが突き抜けて来ますが、そんなに音量が増した感じは無く、埃っぽい響きです。独特の表現の演奏でしたが、セクシーさや色彩感や音量の変化も乏しい演奏だったのは残念でした。

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ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団

★★★☆

リム付近を叩いていますが、僅かにスネアの音が聞こえます。径の小さいスネアを使用しているのか?フルートもクラリネットもくっきりと浮かび上がります。表現はしますが、セクシーでは無いファゴット。Ebクラも見事ですが、セクシーではありません。どの楽器も際立っていて、色彩感がとても豊かです。フルートとミュートしたトランペットはほとんどトランペットを聞いている感じです。アメリカ的で金属的なテナーサックス。装飾音もあってセクシーな感じです。トロンボーンは大きな表現をしますが、ちょっと作為的で、セクシーを通り越して滑稽に聞こえます。トロンボーン以降の木管群にヴァイオリンや、トランペット、トロンボーンが加わる色彩感もとても豊かです。色彩感はとても豊かな演奏でしたが、セクシーさはあまり感じませんでした。ショルティにセクシーさを求めても無理か!

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フイルハーモニー交響楽団

★★★☆

物凄く遅いテンポで、リムよりも内側を叩いているようで、最初からスネアの響きがします。テンポはチェリビダッケにも劣らない遅さです。フルートも息が続きません。ファゴットは表現しますが、かなり抑えられています。フルートとミュートしたトランペットのあたりになるとかなりテンポが速くなりましたが、まだ一般的なテンポに比べるとかなり遅いです。聞きなれたテナーサックスの響きとは違います。そんなに大きな表現はしません。アルトサックスのような響きのソプラノサックス。もしかしたら本当にアルトサックスで代用したのか?独特の響きのトロンボーンですが、セクシーさは全くありません。厳格なムラヴィンスキーにセクシーな表現は元々無理な気はしますが・・・。ヴァイオリンはとても近く、残響もほとんど伴っていません。ヴァイオリンが入るあたりでは一般的なテンポになって来ました。叩きつけるようなスネア。ピッコロトランペットが歪んでいます。かなり埃っぽい録音になって来ました。コーダに入って猛烈に加速します。一貫してテンポを速める演奏はなかなか良かったと思います。ただ、ムラヴィンスキーはセクシーとは対極にある人なので、脱力するようなセクシーさは全く感じませんでした。

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クリストフ・エッシェンバッハ/パリ管弦楽団

★★★☆

胴の浅いスネアでコツコツとした響きです。太く暖かい響きのフルート。黄昏を感じさせるクラリネット。強弱の変化も付けて表現するファゴット。Ebクラはファゴットとは違う表現をします。フルートとミュートしたトランペットは少しトランペットが強い。軽快なテンポで進みます。装飾音も付けて少しセクシーなテナーサックス。割とストレートなソプラノサックス。スネアは緩い感じになって来ました。テンポよりも遅く遅くねちっこい表現でとてもセクシーなトロンボーン。滑らかな木管群。ヴァイオリンはマットな響きで、渋い響きになりました。パリ管とは思えないような渋い響きです。スネアはユルユルになりました。最後もピッコロトランペットが突き抜けることも無く、渋い響きのままです。ソロは色彩感がありましたが、楽器が重なるにつれて渋い響きになりました。

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クラウス・テンシュテット/フィラデルフィア管弦楽団

★★★☆

低音がボンつく感じで、スネアの響きが太く感じます。笛の音がするフルート。スネアはかなり緩い感じです。ファゴットはあまりセクシーではありません。Ebクラも積極的な表現ですがセクシーではありません。控えめに入って次第に大きくなる表現でセクシーなテナーサックス。スネアはかなり緩い感じがはっきりとして来ました。ビブラートを効かせたトロンボーンは笑いながらセクシーです。ヴァイオリンが入ってもくすんだ響きです。ミュンシュ/パリ管の演奏でもスネアは緩かったですが、それと同じかそれ以上に緩いです。トゥッテイの中からビブラートを掛けるトロンボーンが聞こえます。ピッコロトランペットが入って華やかで輝かしくなります。

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ジョセップ・ポンズ/スペイン国立管弦楽団

ポンズ

★★★

リム付近を叩くパツパツとした響きのスネア。ゆったりとしたテンポです。陰影のあるクラリネット。浅い響きのファゴットは割とストレートな表現です。ゆったりと大きな表現のEbクラ。装飾音符を含んで少しセクシーな表現のテナーサックス。ミュートしたトランペットの八分音符がはっきりと響きます。酔えるようにセクシーなトロンボーン。スネアは締まった良い音です。ヴァイオリンが入ったあたりから、ゆったりとしたテンポを少し持て余しているような感じもします。奥からピッコロトランペットが響きます。

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金 聖響/東京フィルハーモニー管弦楽団

金 聖響

★★★

匂い立つようなクラリネット。ミストーンはありましたが生き生きとしたファゴット。艶やかで生き生きとしたEbクラ。暖かいテナーサックス。とても濃厚な色彩感です。日本のオケにセクシーな表現を求めても無理なのか。とても歯切れの良いスネア。スッキリとした清潔感のある響きです。最後の六連符はゆっくりでした。あまり大きなクレッシェンドにはならず細身でスッキリとした演奏でした。

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リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

シャイー

★★★

冒頭からスネアの響きが少し聞こえるチューニングです。太くはありませんが、暖かいフルート。くっきりと浮かび上がるファゴット。細身のテナーサックス。ソプラノサックスもテナーサックスと同じような表現ですが、セクシーではありません。ピッコロとホルンとチェレスタは良くブレンドされています。トロンボーンも細身で、豊かな表現ではありますが、セクシーな表現ではありません。ホルンの刻むリズムが良く聞こえます。二台目のスネアが入ったのはほとんど分かりませんでした。スネアはかなり緩くなって来ました。最後のAの前からティンパニが強くなりました。若干テンポを上げたか?アバド盤と同様にコーダで歓声が入りますが、アバドほど大きくはありませんでした。コンセルトヘボウらしい濃厚な色彩を期待しましたが、あっさりとした色彩と表現で、セクシーさはほとんど感じませんでした。

モートン・グールド/ロンドン交響楽団

モートン・グールド

★★★

弦のピチカートは聞こえますが、スネアはほとんど聞こえません。静寂感の中に響くフルート。テンポはゆったりとしています。ソロはそれぞれ上手いのですが、色彩感はあまり濃厚ではありません。フルートとミュートを付けたトランペットは明らかにトランペットが強いです。テナーサックスもソプラノサックスも真面目です。トロンボーンは大きく、表現も積極的でしたが、やはりセクシーではありません。木管群は切れのいい響きで気持ちが良いです。ティパニが大きく響き、底辺を支えている感じです。14回目と15回目の繰り返しの間と16回目の間でスネアが大きくクレッシェンドしました。最後はフルパワーを感じさせる演奏で、強弱の振幅は最も大きい演奏だったかも知れません。しかし、Bの旋律に全くセクシーさが無かったのはとても残念でした。

小澤征爾/ボストン交響楽団

★★★

スネアの響きがする冒頭。自然で美しい、フルートとクラリネット。表現は控えめなファゴット。フルートとミュートのトランペットはトランペットが支配的です。ふくよかさは余り無いテナーサックス。ソプラノサックスもあまり大きな表現はありません。首が締まったような細いトロンボーン。軽快なテンポで推進力があります。2代目のスネアが入ったのは分かりました。スネアのリズムが独特で3連符の頭を少し強く演奏しています。最後、スネアはかなり緩く感じます。最後は若干テンポを速めて終わりました。とても音色に気を配った演奏のように感じました。最後も音が荒れることの無い範囲で収めた感じで、安全運転のような感じで禁欲的した。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1977年

★★★

ゆったりとしたテンポで僅かにスネアの響きが聞こえます。66年盤よりも少しスリムなフルート。小さく入ってクレッシェンドするクラリネット。大きくは歌わないファゴット。大きく入ったEbクラ。カラヤンの3回の録音の中では一番細いテナーサックス。表現も抑制的でした。ソプラノサックスもあまり自由な表現ではありません。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強かったですが、ピッコロ・ホルン・チェレスタは良くブレンドされていました。トロンボーンは作為的な表現もありましたが、セクシーでした。スネアは最後まで引き締まっています。最後まで大きな盛り上がりが無く、表現も3回の録音の中で一番カラヤンによって制御された演奏で面白みがありませんでした。

ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団

★★★

リム付近を叩くパチパチとした響きのスネア。控えめで籠った響きのクラリネット。ほとんどセクシーな表現をしないファゴット。フルートとミュートしたトランペットはとてもバランスの良い響きです。テナーサックスは歌いますが、セクシーではありません。ソプラノサックスは上手い表現をしますが、セクシーではありませんでした。ピッコロ・ホルン・チェレスタも盛大にならず、良いバランスです。渋い響きの笛を含まない木管群。細く詰まったようなトロンボーン。大きな表現なのですが、やはりセクシーではありません。少しだけ華やかになる木管群。第一ヴァイオリンが入っても渋い響きです。トランペットが入ると、とても強くなったり引っ込んだりします。スネアは若干緩さが感じられます。パリ管との演奏よりも全体は盛り上がりましたが、色彩感の乏しい演奏でした。

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ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

バレンボイム

★★★

少し遠いスネア。フルートも遠くにいます。どのソロもほとんど表情がありません。テナーサックスは美しい響きでセクシーでした。ソプラノサックスは表現しますがセクシーではありませんでした。弦のピチカートが克明に録音されています。ビブラートを効かせたトロンボーンでしたが、セクシーとは言えない演奏でした。続く木管は華やかです。最後のAはバランス良く華やかな響きです。バレンボイムが何をしたかったのか、ただ演奏しただけのような演奏に感じました。

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ダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団

★★★

ゆったりとしたテンポでリム付近を叩くコツコツとした響きのスネア。落ち着いた響きのフルート。あまりセクシーな表現をしないファゴット。丁寧なEbクラ。テヌート気味の表現のオーボエダモーレ。艶っぽくでセクシーさもあるテナーサックス。ミュートしているような打音が硬いスネアの響きです。ソプラノサックスは抑え気味の表現です。ピッコロ・ホルン・チェレスタは良くブレンドされていますが、これまでの音量から一段大きくなりました。トロンボーンは少し大げさな表現で興醒めします。木管群の色彩はとても華やかです。テンポの遅さにパリ管が乗り切れてないような感じがします。くっきりと浮かび上がるトランペットの八分音符。スネアがこれでもかとクレッシェンドして行きます。スネアの盛り上がりに比べると他のパートは醒めている感じがして、今一つ盛り上がりませんでした。「笛吹けど踊らず」では無く、「太鼓叩けど踊らず」でした。

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ロリン・マゼール/フランス国立管弦楽団

★★★

緩めではっきりとスネアの響きが聞こえます。軽快なテンポです。ウィーンpoとの録音と同じ表現のファゴット。テナーサックスは少し細身で、ファゴットと同じ表現です。このあたりでスネアが程良い響きになっているので、後半はかなり緩い響きになるのでは。ピッコロ・ホルン・チェレスタが盛大に鳴るのもウィーンpoの演奏と同じで。続く木管群で音量が落ちるのがとても変です。トロンボーンはファゴットやテナーサックスとは違う表現で積極的でしたが、セクシーさはありません。2台目のスネアが入るのははっきりと分かりました。コーダで一段とボリュームアップです。ウィーンpoのような急ブレーキも無く、マゼールらしい仕掛けはありませんでした。ウィーンpoのような変態っぽいようなセクシーさも無く、個性の無い演奏でした。

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レナード・バーンスタイン/フランス国立管弦楽団

★★★

コツコツと響くスネア。陰影のあるクラリネット。独特な響きで歌うファゴットですが、あまりセクシーな表現ではありません。ファゴットは違う歌い方をするEbクラ。フルートとミュートしたトランペットはトランペットがストレートミュートなので、トランペットが強く響きます。艶っぽいテナーサックス。表現はさほどではありませんが、音色自体がセクシーです。良く音が通るソプラノサックス。トロンボーンは豊かに歌いますが、あまりセクシーではありません。第二ヴァイオリンが入るととても華やかになります。大きく盛り上がることも無くなんとなく終わった感じです。バーンスタインの最晩年の濃厚な表現で聞いてみたかったと感じました。

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エルネスト・アンセルメ/パリ音楽院管弦楽団

★★★

ゆったりとしたテンポでスネアの響きが聞こえます。奥まって響くフルート。細い響きのファゴット。ほとんどセクシーな表現はありません。テンポを引き延ばすようなEbクラ。二枚リード独特の響きのオーボエダモーレ。リズムを刻む楽器も後ろ乗りするような、テンポを遅らそう遅らそうとするような感じで、推進力は全くありません。テナーサックスには全くセクシーさを感じませんでした。ビブラートを掛けたソプラノサックスはセクシーです。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大に響きます。酔っぱらっているようなトロンボーン。テンポが前に進まないのがとても気になります。最後のAとBはピッコロトランペットが極端に突き抜けて来ます。かなり奏者にやりたいように演奏さているような感じでしたが、テンポが前に進まないのがとても気になりました。

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西本 智実/ロシア・ボリショイ交響楽団

西元

★★★

コツコツと響くスネア。何かノイズを含んでいるようなフルート。ロシアのクラリネットです。柔らかく美しいファゴット。かなり甲高く強い響きのEbクラ。フルートとミュートしたトランペットのバランスも良いです。テナーサックスは装飾音も入れて演奏しますが、セクシーな感じはありません。ピッコロ・ホルン・チェレスタもバランスが良いです。このあたりは日本人の繊細さか。積極的に表現するトロンボーンですが、やはりセクシーではありません。最後も極端に盛り上がることも無く、丁寧にまとめた感じです。日本人指揮者にセクシーなボレロを求めても無理なのか?

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ジャン=クリストフ・スピノジ/hr交響楽団

★★★

とても速いテンポで、リム付近を叩くスネア。テンポが速いので、乗りが良く一気に吹き終えるフルートとクラリネット。ファゴットにはテンポが速すぎるような感じがしました。Ebクラももう少し遅めに演奏したそうな感じでした。ミュートしたトランペットももう少しゆっくり演奏したそうです。テナーサックスは大きく表現しますが、あまりセクシーな表現ではありません。ソプラノサックスもテーナックスと同様の表現です。トロンボーンもサックスと同じような表現で、セクシーではありません。スネアは少し緩い感じです。最後のAとBでピッコロトランペットが強く響きます。後半に進むにつれてテンポに乗るようになったオケ。後半は良かったですが、最初のうち、テンポに乗り切れない演奏が残念でした。

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ヴィセンテ・アルベローラ/ガリシア交響楽団

アルベローラ

★★☆

少し緩めでスネアの響きが聞こえます。ゆったりとしたテンポです。太い響きのフルート。フルートもクラリネットもフレーズの頭を遅らせて出ます。大きな表現はしないファゴット。少しセクシーさのあるテナーサックス。装飾音符を付けて表現するソプラノサックス。かなり大きな表現をするトロンボーンですが、あまりセクシーな表現ではありません。スネアは三連符の頭を少し強く叩いています。華やかな木管群。ちょっと間が持たない感じで、ダレているような感じがします。八分音符も強く演奏されないので、ソフトな表現で、緩い感じです。単純な旋律の繰り返しなので、ゆったりとしたテンポでも緊張感を保つのは難しいのか?

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ベルナルト・ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

★★

弦のピチカートが強くてスネアはあまり聞こえません。あまり響きの無いフルート。ストレートな表現でセクシーでは無いファゴット。テナーサックスもあまり響きが無く、装飾音符を伴った演奏をしますが、セクシーではありません。絞り出すような響きのソプラノサックス。ピッコロ・ホルン・チェレスタは柔らかい響きです。木管群は渋い響きです。ビブラートを掛けたトロンボーンですが、グリッサンドを強調していて、セクシーではありません。スネアきかなり緩くなって来ました。トランペットの八分音符が強く響きます。ピッコロトランペットがねっとりとした響きで響いて来ます。

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ダニエレ・ガッティ/フランス国立管弦楽団

★★

リムよりも少し内側を叩いていて、スネアの音が聞こえます。若干細目で暖かいフルート。フランスのクラリネットです。割とストレートなファゴット。Ebクラもファゴッット同様ストレートです。ミュートしたトランペットが奥から聞こえますが、それでもフルートよりも強いです。装飾音を含んだテナーサックスでしたがセクシーではありません。滑らかな表現のソプラノサックスもセクシーではありませんでした。フルート・ホルン・チェレスタはホルンが少し弱い感じでブレンドされた響きにはなりませんでした。細く締まったトロンボーンも全くセクシーな表現ではありません。木管群も華やかにはならずまろやかです。ヴァイオリンが入っても渋い響きです。スネアは少し緩い感じになって来ました。最後になってもマットな響きで、色彩感も表現も盛り上がりも今一つの演奏でした。

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グスターボ・ドゥダメル/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

★★

太鼓の音がするスネア。ゆったりとしたテンポです。陰影のある秘めた響きのクラリネット。ストレートな表現のファゴット。ゆったりとしたテンポを持て余しているような感じが続きます。チェリビダッケの演奏では、こんな持て余しているような印象は無かったのですが、ちょっと密度が薄いかも知れません。細い響きのテナーサックス。装飾音符を含んで僅かにセクシーさのある演奏でした。ソプラノサックスも装飾音符を含んだ演奏ですが、セクシーではありません。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大にならず、バランスも良いです。渋い響きの笛を含まない木管群。トロンボーンはセクシーでした。笛を含んだ木管群はそんなに華やかにはなりませんでした。第一ヴァイオリンが入ると少し涼やかになりますが、あまり色彩感は濃厚ではありません。二台のスネアが微妙にズレて、リズムが緩く感じます。コーダで六連符を少し遅くするところもありました。とても長い演奏に感じました。

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レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団

★★

かなり緩いスネア。速めのテンポで、細いフルート。少しもたつくようなファゴットですが、表現は豊かです。金属的なEbクラ。アメリカ的なテナーサックスですが、控えめで響きを伴っています。ソプラノサックスは装飾音も伴った演奏です。ピッコロ・ホルン・チェレスタはかなり盛大です。ミュートしたトランペットの八分音符が強く響きます。トロンボーンも積極的ですが、表現が強くてセクシーではありません。スネアが緩緩になって来ました。第一ヴァイオリンが入ると少し金属的な響きになります。トランペットの八分音符は強いです。最後のAのトランペットも凄く強いです。スネアはもうダラダラの響きです。最後のBはもう混濁しているような埃っぽい響きになってしまいます。若い頃のバーンスタイン/ニューヨークpo独特の勢いに任せた乱暴な演奏に感じました。

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ユージン・オーマンディー/フィラデルフィア管弦楽団

★★

リム付近よりも内側を叩いているようなスネア。笛の音がするフルート。独特な表現です。陰影のあるクラリネット。テンポを揺らして表現します。ファゴットも豊かな表現です。あまり美しさを感じないEbクラ。フルートよりもミュートしたトランペットが強いです。アメリカ的なテナーサックス。トランペットが刻むリズムが強く響きます。ピッコロ・ホルン・チェレスタはかなり盛大です。続く木管群の方が音量が下がります。トロンボーンの前にスネアが一旦音量を落とします。トロンボーンはちょっと極端な表現で少し滑稽にも聞こえます。第一ヴァイオリンが入る前にまたスネアが音量を一段上げました。何故ストレートにクレッシェンドしないんでしょう。Aの旋律はオーマンディ独特の歌いまわしがあります。二台のスネアがズレてリズムが甘くなる部分もありした。最後はミキシングで音量を落とされたような不自然さを感じました。ちょっと不自然な演奏でした。

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ディーマ・スロボデニューク/ガリシア交響楽団

★★

深い胴で緩めのスネアです。途中スタッカートぎみに演奏するフルートとクラリネット。ファゴットの前でハープがはっきりと入ります。表現はしますがセクシーでは無いファゴット。Ebクラもストレートな表現です。装飾音符を加えて演奏するテナーサックス。大きい表現でセクシーなソプラノサックス。大きい表現ですが、脱力したようなセクシーさはありません。ヴァイオリンが強く清涼感のある響きです。2台目のスネアはかなり強く入りました。軍隊が進軍するようなスネアです。最後も大きな盛り上がりはありませんでしたが、優雅さやセクシーさはあまり無く、軍隊のように突き進むスネアが作品とは合わない感じがしました。

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ジャン・フルネ/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

フルネ

★★

深い胴でチューニングも緩めのスネア。途中スタッカートで演奏するフルート。セクシーさは全く無いファゴット。少しセクシーなEbクラ。ミュートしたトランペットとフルートはブレンドされず分離しているような感じです。セクシーな表現はしようとしているテナーサックス。あまりセクシーには感じないソプラノサックス。フルート・ホルン・チェレスタもブレンドされた響きではありません。真面目なトロンボーン。ゆったりとしたテンポを持て余しているような感じがします。アンサンブの精度のあまり高くは感じませんでした。

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ジャン・フルネ/NHK交響楽団

フルネ

★★

緩いスネア。途中でスタッカートの表現もあるAの旋律。セクシーさは無いファゴット。フルートを完全に上回って朗々と歌うミュートしたトランペット。テナーサックスはセクシーな表現をしようとしますが、イマイチでした。ソプラノサックスはまあまあの演奏。トロンボーンの前でもうすでに緩い響きになっているスネア。トロンボーンはかなり歌っていますが、いくつかやらかしてもいます。二台目のスネアが入ったのは分かりました。二台目にスネアを締めたチューニングにしてリズムをある程度はっきり出そうとしているような感じです。トランペットが刻む八分音符が上の音が聞こえません。そんなに大きく盛り上がることも無く程々の演奏と言った感じであまり印象に残りませんでした。

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レナード・スラットキン/リヨン国立管弦楽団

スラットキン

★★

弦のピチカートがボンと響きスネアの音があまり聞こえません。表現はしますが、セクシーでは無いファゴット。Ebクラもラクシーではありません。セクシーに表現しようとするテナーサックスですが、脱力するようなセクシーな表現にはなりませんでした。ピッコロ・ホルン・チェレスタはホルンが弱いです。木管群は華やかでは無くマットな響きです。表現は大きいですが、セクシーでは無いトロンボーン。ヴァイオリンが入ってもマットな響きで色彩感は乏しいです。スネアはあまり強くありませんが、かなり緩い響きになって来ました。ピッコロトランペットも響いて来ますが輝かしい響きでは無く最後を飾るような響きにはなりません。セシクーな表現も無く、色彩感も乏しい演奏であまり魅力を感じませんでした。

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コンスタンティン・シルヴェストリ/パリ音楽院管弦楽団

シルベストリ

いかにも古い録音で、鈍いスネアの響き。お風呂で聞くような太くたどたどしいフルート。フルートとミュートしたトランペットの部分で、弦のピィチカートが強く演奏されます。かなり強いソプラノサックス。自由に演奏させているのか、表現が統一されていないのか、かなりバラバラな表現のソロが続きます。二枚リードの木管とクラリネットでは音量が落ちます。かなり音程が怪しいトロンボーン。高音域の木管と第一ヴァイオリンのAでスネアがリズムを間違えます。三連符の頭を強めに演奏する独特のリズムです。最後はトロンボーンのグリッサンドが強烈でした。プロの演奏としてはかなりいい加減な演奏でした。

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ケント・ナガノ/ロシア・ナショナル交響楽団

二拍目の八分音符を強く叩く独特のリズムで、少し緩いスネア。ソプラノサックスまで、あまり大きな表現はありません。テナーサックスも表現はありますが、あまり大きな表現ではありません。詰まったような響きであまり伸びやかでは無いトロンボーン。表現はしますが、セクシーではありません。二拍目の後の八分音符が強いスネアがとても不自然です。あまり華やかにならない木管群。第一ヴァイオリンが入ってもマットです。最後のAで大きくクレッシェンド。ピッコロトランペットが突き抜けて来ます。最後のBはピッコロトランペットがかなり強いです。スネアのリズムが変でとても気になりました。色彩感も乏しくあまり楽しめませんでした。

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ネーメ・ヤルヴィ/デトロイト交響楽団

スネアの音が聞こえます。浅い響きのフルート。ファゴットも浅い響きで、ほとんど表現はありません。Ebクラも素っ気ない演奏です。オーボエダモーレは少しテヌート気味の表現です。フルートのミュートしたトランペットもテヌートした演奏です。色気のある音色のテナーサックスですが、表現はあまりセクシーではありません。ソプラノサックスもほとんど表現の無い素っ気ない演奏です。スネアは緩い感じになって来ました。木管群も華やかではありません。少しセクシーなトロンボーン。ヴァイオリンが入っても渋い響きです。楽器が重なっても色彩感はほとんど無くモノトーンのような演奏です。最後までスネアのリズムが強く、オーケストラは大きな盛り上がりもありませんでした。何をしたかったのかあまり分からない演奏でした。

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