ショスタコーヴィチ交響曲第8番

目次

ベルナルト・ハイテンク/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 2000年

★★★★★

一楽章、勢いのある序奏。かなり激しく反応しているオケ。第一主題は極端に音量を落とすことはありません。大きなうねりのある演奏です。第二主題も豊かな表現です。弦を中心に盛り上がるエネルギー感も凄いです。悲しみが伝わって来るイングリッシュ・ホルン。

二楽章、強いティンパニの一撃、弦も生き生きとした表現です。

三楽章、弦の刻みの間に入るコントラバスも濃厚で、鮮明な色彩感です。柔らかいトロンボーンの刻み。ベルリンpoらしい引き締まったスネアも良い。

四楽章、冒頭はあまり強いエネルギー感ではありません。静まってからの表現も意欲的です。どの楽器も良く表現しています。

五楽章、のどかで穏やかなファゴット。打楽器のロールの後のトロンボーンでテンポを落としました。音楽に命が宿っているような生き生きとした演奏です。

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クリストフ・エッシェンバッハ/エーテボリ交響楽団

★★★★★

一楽章、ゆったりとしたテンポで、チェロのジーと言う響きが強い序奏。独特のバランスです。ゆっくりと凝縮した第一主題。第二主題もゆっくりです。第三主題もゆっくりですが、音が拡散せず、ギュっと締まって強い音です。一つ一つの音に力がこもっています。金管も炸裂してかなり激しいです。まるでマーラーを聞いているような激しさです。引き締まって細身のイングリッシュ・ホルンですが、感情を込めて訴えて来ます。

二楽章、ゆっくりと粘りのある表現。大きくテンポを動かす部分もあります。録音にもよるのかも知れませんが、音が前に出て来るので、とても激しい演奏に感じます。

三楽章、乾いた響きでリズムが刻まれれます。柔らかくリズムを刻むトロンボーン。激しいクライマックス。

四楽章、力を込めたまま静まって行きます。暗い葬送の音楽。絶望的に暗い演奏です。

五楽章、よく歌うファゴット。続くチェロは硬く陰影があります。明確で強い表現です。暗闇の中から響くようなバスクラもとても豊かな表現です。続くファゴットもテンポも動いて表現します。

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ワシリー・ペトレンコ/ロイヤル・リバプール管弦楽団

★★★★★

一楽章、厚みがあって柔らかい序奏。とても抑えられた第一主題。第二主題も内に秘めた静かな演奏です。暖かみのある第三主題。若干緩めですが、スネアが良く鳴っています。金管は抑えられていて前には出て来ません。ペトレンゴはとても良くオーケストラをコントロールしています。良く整ったバランスの録音です。

二楽章、重量感は無く、軽く美しい演奏です。

三楽章、ガリガリと乾いた響きでリズムを刻みます。とても良く響きますが、悲痛では無い木管。キリッとしたトランペットのソロ。ティンパニも軽い響きです。

四楽章、大太鼓が硬い撥で鋭く強打しています。葬送の音楽も静かですが、それ程暗いものではありません。ホルンも細身で美しい。ピッコロもピンポイントで美しい。とても録音は良いです。

五楽章、柔らかく歌うファゴット。抑制された端正でとても美しい演奏です。

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マリス・ヤンソンス/ピッツバーグ交響楽団

★★★★★

一楽章、コントラバスの厚みは無く、エッジの効いた序奏です。とても静かで消え入るような第一主題。層が重なって拡がります。第二主題も線が細くロシアの音楽のイメージとはかなり違う演奏です。かなり寂しい雰囲気の第三主題。スネアはかなり遠くから響きます。トランペットは奥から強く響きますが、荒れ狂うような感じは全くありません。イングリッシュ・ホルンも細身ですが、美しい。全体にとても静かで、全く波が無く静まった湖面のような演奏でした。

二楽章、重い演奏です。とても静かで、金管が入っても整然としていて、全く波立つことがありません。

三楽章、木管も悲痛な感じは全く無く、美しく響きます。トロンボーンが刻むリズムはとてもソフトです。この作品の演奏としては、かなり異色です。

四楽章、消え入るような弱音に焦点が当てられ、聞き耳を立てるような演奏ですが、その弱音が美しい。陰鬱な雰囲気はとても良く表現しています。

五楽章、ゆっくりと演奏されるファゴットが残響を含んでとても美しい。恐らくこの作品の演奏としては、賛否の分かれるものだと思いますが、私にはとても良い演奏でした。

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テオドール・クルレンツィス/SWR交響楽団

★★★★☆

一楽章、重量感のある序奏。ウェットで濃厚な色彩感。とても緊張感のある第一主題。ゆっくりと丁寧に演奏して行きます。第二主題も消え入るような静寂感です。第二主題もゆっくりとしています。弦の中に埋もれて響く金管。色彩感はとても濃厚で密度も高い。重苦しい雰囲気もあります。

二楽章、柔らかく始まりました。ピンポイントに浮かぶ表情豊かな木管。

三楽章、ガリガリと刻まれる弦。あまり悲痛な響きでは無い木管。残響を伴って柔らかいトランペットのソロ。

四楽章、重々しい音楽が次第に静まって行きます。葬送の音楽もとても静かです。美しいホルン。暗い雰囲気はとても良く表現されています。

五楽章、柔らかくこもった響きのファゴット。打楽器も入って盛り上がる部分でもそんなに強いエネルギー感はありません。テヌート気味のバスクラ。次第に脱力して行くような表現がとても良い。

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エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団

★★★★☆

一楽章、激しい序奏。埃っぽくでザラザラした第一主題。第二主題もザラザラしていますが、ムラヴィンスキー独特の緊張感が伝わって来ます。ウェットなスネア。金管もかなり激しい演奏です。生々しいイングリッシュ・ホルン。トランペットはかなり強く、振幅の大きな演奏です。

二楽章、かなり激しい表現です。ピッコロの演奏も厳しい。

三楽章、乾いた響きの弦。悲痛な響きの木管。濃厚な色彩感もこのコンビの特徴です。

四楽章、良く歌うファゴット。ムラヴィンスキーらしい厳しい表現です。

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ベルナルト・ハイティンク/バイエルン放送交響楽団 2006年

★★★★

一楽章、コントラバスの上に乗る弦もバランス良く聞こえる序奏。悲痛な感じはあまり無く、暖かい第一主題。柔らかい第二主題。伸びやかな表現です。金管や打楽器も制御されていて、荒れ狂うような演奏ではありません。イングリッシュ・ホルンも暖かく歌い、安らかです。

二楽章、とてもマイルドな響きで、強い表現はありません。

三楽章、落ち着いた弦の刻み。木管も悲痛な響きでは無く、控えめに響きます。トロンボーンも整然と演奏します。トランペットはレガート気味に演奏します。スネアも程よく締まっています。

四楽章、ゆっくり目のテンポで丁寧に演奏しながら弱まって行きます。ここでも暖かみのある葬送の音楽。ムラヴィンスキーのような冷徹な演奏ではありませんが、こんな演奏もありかなと感じます。

五楽章、のどかで安らかなファゴット。クライマックスでもそんなに大きな振幅は無く、少し平板な感じもありますが一つ一つの響きはとても美しく魅力的です。

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セミヨン・ビシュコフ/WRD交響楽団

★★★★

一楽章、鮮明な響きです。密度の高い第一主題。第二主題も静かに切々と演奏されます。物悲しい第三主題。展開部の打楽器やトランペットは良いバランスで、落ち着いています。

二楽章、少し遅めのテンポで克明に表現します。痛みを感じさせる演奏です。

三楽章、枯れた響きの弦に悲鳴のように響く木管。スネアも引き締まっていて良い音です。

四楽章、前の楽章の悲痛な響きから、諦めにも似たような響きになり、悲し気な演奏になります。重苦しい雰囲気はとても良く表現しています。

五楽章、どこか陰のある音楽です。オケも上手く過不足なく表現されています。

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ルドルフ・バルシャイ/ケルン放送交響楽団

★★★

一楽章、豊かな残響で美しいですが、少し薄い響きの序奏。極端に音量を落とすことなく演奏される第一主題。ゆっくりと丁寧で美しい演奏です。深く刻まれるリズムに乗って柔らかく響く第二主題。かなり憂鬱な第三主題。展開部に入ってもテンポは遅く、ちょっと鈍重な感じを受けます。金管はバランス良く、突出して来ることはありません。録音はとても良いです。とても良く歌うイングリッシュ・ホルン。全体に静かで美しい演奏です。暗い雰囲気はとても良く表現しています。

二楽章、引きずるように重い表現です。この重さが鈍さにも繋がるように感じてしまいます。とても丁寧なのですが、その分勢いが無い。

三楽章、落ち着いた弦の刻み。木管も美しく、悲痛な響きではありません。トロンボーンの刻みも柔らかい。余裕を感じるトランペット。

四楽章、淡々と演奏される葬送の音楽。

五楽章、控えめなファゴット。丁寧で落ち着いていて、安定感がありますが、表現はあまり積極的ではありません。

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クルト・ザンデルリンク/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1997年

★★★

一楽章、あまり重量感が無く、密度も薄い序奏。ゆっくりと注意深く演奏される第一主題。穏やかな第三主題ですが、やはり密度は薄い。金管や打楽器は制御されていて、落ち着いています。ロシア音楽特有の凶暴さは感じません。哀愁に満ちた再現部。密度は濃くありませんが、注意深く丁寧な演奏が印象に残ります。

二楽章、ゆっくり目で、粘りのある表現です。金管は常に控えめで突き抜けて来ることはありません。

三楽章、ビオラがマットです。強い主張は無く、作品をありのままに演奏している感じですが、色彩感もあまり濃くはありません。引き締まったスネアはベルリンpoらしい。

四楽章、葬送の音楽ですが、そんなに暗く悲痛なものではありません。暗い音楽ですが、とても穏やかで、波がうねるように音楽が交錯するような演奏ではありません。

五楽章、とてもゆっくりとしたテンポで、穏やかです。チェロも淡々とした演奏です。盛り上がった場面では、ここぞと言う所で、粘っこく濃厚な表現もあります。テンポを少しずつ落として行くところもとても穏やかです。最後もそんなに暗くはなりませんでした。

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ウラディーミル・ユロフスキ/オーケストラ不明

一楽章、くっきりとした低弦と、密度薄く上に乗る弦。かなり音量を落とした第一主題。第二主題も静かで集中力の高い演奏です。緩いスネア。金管は奥に引っ込んでいて、音圧の変化が無く平板に聞こえます。淡々としているイングリッシュ・ホルン。

二楽章、録音のせいか、色彩も淡白で、密度の薄い演奏に感じます。

三楽章、ユロフスキの経歴からすれば、2000年代の録音のはずですが、どうしてこれほどまでに密度の薄い響きなのか。

四楽章、オフ気味で重量感も無く、演奏を楽しめませんでした。

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キリル・コンドラシン/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★☆

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エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1983年3月15日

★★★★☆

エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロンドン交響楽団


★★★★☆

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ケンナジー・ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省交響楽団

★★★★

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マクシム・ショスタコーヴィチ/ロンドン交響楽団

★★★★

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ベルナルト・ハイティンク/シュターツカペレ・ドレスデン 2004年

★★

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ヴァレリー・ゲルギエフ/マリインスキー劇場管弦楽団

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エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1982年ライヴ

★★★★☆
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投稿者: koji shimizu

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