ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」

ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」ベスト盤アンケート

たいこ叩きのムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」名盤試聴記

クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★★
表情豊かな演奏です。強弱の変化がとても大きいです。トロンボーンは控えめで後からでるトランペットが強いです。遅めのテンポでしっかりと表情付けをして行きます。すごく重量級の演奏です。怪しげな夜の雰囲気がとてもあります。リムスキー=コルサコフよりもムソルグスキーを表現しているようです。重い音楽作りが魑魅魍魎が出没しそうな雰囲気を上手く演出しています。鐘の後もアゴーギクも効かせて丁寧に音楽を作っている感じが伝わります。クラリネットとフルートのソロも歌でいっぱいでした。

ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

バレンボイム★★★★★
艶やかな高弦、エッジの立った低弦。余裕の全開!シカゴのパワー炸裂です。自信に満ちた堂々とした金管。シンコペーションのリズムも鋭く反応が良いです。このようなと言ったら失礼ですが、このような小品にこれだけ高機能なオーケストラが演奏するのはもったいないくらい見事なアンサンブルと豪快な振幅の演奏です。鐘が鳴った後も豊かな響きです。ニュートラルなクラリネットのソロ。笛を感じさせるフルートのソロ。
非の打ち所がないくらい気持ちよくオケが鳴り響きます。
あまりにも見事にオケが鳴り渡るので、作品の持っている、おどろおどろしい部分はほとんど表現されていませんが、ショーピースとしての価値は高いと思います。

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ★★★★★
変化に富んだ演奏です。重厚な金管。テンポも動くし普段は聞こえない音も聞こえます。充実した暖かいフィラデルフィアサウンドがバランス良く響きます。鐘の後の歌う部分では、グッとテンポを落としてテンポも動いてじっくりと表現します。クラリネットのソロも美しいものでした。フルートのソロは爽やかな夜明けを感じさせてくれました。
色彩感も豊かですし、アゴーギクも含めて表現も幅広い演奏で、楽しく聴かせてくれます。「はげ山の一夜」をこれだけ豊かな語り口で聴かせてくれた演奏ははじめてです。

エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団

スヴェトラーノフ★★★★★
追い立てるように、かなり速いテンポで荒れ狂うように攻撃的な冒頭です。強烈に鳴り響く金管。弦も豪快に鳴ります。ファゴットのメロディの前にアッチェレランドしました。ファゴットから木管、弦とつながる部分もかなり追い立てるように加速します。その後の三連音を伴う金管でガクンとテンポを落とします。金管も耳をつんざくような思いっきりの強奏です。鐘の後はテンポを落として、テンポもルバートしたり柔軟です。前半の豪快な演奏とは対照的な柔らかい表現です。クラリネットのソロもフルートのソロもゆっくりとしたテンポでたっぷりと歌います。幽霊の大騒ぎと、夜明けの対比がとても上手く、なかなか聞かせる演奏でした。

ヴァレリー・ゲルギエフ/BBC交響楽団

ゲルギエフ★★★★★
鮮烈な響きの冒頭。ティンパニも入ります。いかにも幽霊が現れそうな不気味な音楽です。思い切りの良い反応を示すオケ。リムスキー=コルサコフ版とはかなり違います。魔物たちのにぎやかな様子も生き生きと描かれています。リムスキー=コルサコフ版のような華やかさや変化はありません。夜明けの雰囲気はありませんでした。
粗野な作品ですが、洗練されたアンサンブルですっきりとした演奏に仕上げた良い演奏でした。
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クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

アバド★★★★★
速いテンポで物凄く豊かな表現です。フリークと言われるアバドの指揮ぶりも作品への思い入れを感じさせるものです。強弱の変化も大きくダイナミックです。この原典版を聞くと、リムスキー=コルサコフの編曲は大幅な改編だったんだと思います。テンポの動きもあります。柔らかく美しいオーボエ。とても表現が豊かで動きがあります。小物打楽器もさりげなくとても上手いです。オケも柔らかい響きでとても反応が良い演奏でした。
とても豊かな表現の演奏で、強弱の変化にも敏感でダイナミックでした。オケの反応もとても敏感で、とても楽しく聞くことができました。
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レオポルド・ストコフスキー/ロンドン交響楽団

ストコフスキー★★★★★
かなり録音が古い感じです。独特のアンセントの冒頭。音の上下が引き伸ばされます。トロンボーンの前にスネアが入ります。重量感のあるトロンボーン。カットがあったりリムスキー=コルサコフの版に比べるとかなり特徴的です。シロフォンが入ったり、色彩感も豊かです。怪しげな雰囲気も十分あります。テンポも大きく動いたり、自在な表現です。鐘の後はすごくゆっくりとしたテンポでたっぷりとした表現です。リムスキー=コルサコフ版ではクラリネットのソロがオーボエで演奏されます。最後は輝かしくクレッシェンドして終わりました。
ストコフスキーの強烈な色彩と描写を駆使した編曲による演奏で、その効果は抜群です。ムソルグスキーの原典版に比べると全く違う作品のようでした。魑魅魍魎の饗宴の表現にはこれくらいのアレンジは合っているように感じました。
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ズデニェク・マーツァル/ニュージャージー交響楽団

マーツァル★★★★★
合唱付きのバージョンです。独特の雰囲気です。オケは少し控えめで、合唱をクローズアップしているような感じです。男声の独唱もあります。合唱が入るとそれだけで神秘的な雰囲気になります。オケはあまり分厚い響きではなく、軽く爽やかに響いています。リムスキー=コルサコフ版では鐘の後に演奏されるメロディーがあってそこにも合唱が加わります。はげ山の一夜と言うよりももっと神聖な音楽に感じられます。クラリネットのソロもあります。その後はオーボエのソロになります。
合唱付きのバージョンで、とても神聖な音楽を聞いた雰囲気で、幽霊が現れる音楽には感じませんでしたが、同じ作品でも編曲でこんなに感じ方が変わるというのもとても興味深いものがありました。この曲の違う一面を見る上でも一聴の価値はあると思います。
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クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団

アバド★★★★★
ベルリンpoとの演奏同様、激しい表現です。こちらはセッション録音と言うこともあり細部の動きまで克明に録音されています。この演奏を聞くとアバドがこの作品をたまらなく好きだったことが伺えます。この演奏でもとても生き生きとした豊かな表現です。ベルリンpoとの演奏のような強弱の鋭い変化やテンポの動きはありませんが、この演奏でもオケの反応は敏感です。オケ全体の響きの豊かさはこちらの方があると思います。
ベルリンpoとの録音のような鋭い強弱の変化やテンポの動きはありませんでしたが、豊かな表現や細部の克明な動き、オケ全体の豊かな響きなどはこちらの方が良かったと思います。
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フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団

ライナー★★★★★
速いテンポでスピート感のある冒頭。トロンボーンとチューバが一体になった強奏。その後も速いテンポにもしっかりと付いて行ってカチッとしたアンサンブルです。常に前へ行こうとするスピード感とエネルギー感が凄いです。速いテンポで豪快に一気に聞かせる演奏です。金管もかなり強く吠えます。鐘の後もテンポは速いですが、動きもあります。さりげない歌であっさりと進む木管のソロ。
基本的に速いテンポで強い推進力を持った演奏でした。エネルギーの放出もかなりのもので、なかなか聞きごたえがありました。
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ロリン・マゼール/クリーブランド管弦楽団

マゼール★★★★★
ベルリンpoとの録音よりは若干遅いテンポで落ち着いた演奏です。シンバルも普通の大きさの物を使っています。とても余裕のある響きで柔らかいです。金管の三連音を含むメロディもとても軽く演奏しています。金管はそれなりに強く吹いていますが、とても美しいので、力が入っているようには感じません。鐘の後はあまりテンポの動きは僅かですが静かで美しいです。澄みきった朝に響くような美しいクラリネット。朝の冷たい空気を感じさせるフルート。
全く力みの無い美しい響きで全曲を通しました。幽霊が現れるような雰囲気とは違いますが、この美しさは特筆できるものです。木管のソロの朝のすがすがしさも素晴らしいものでした。
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ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/BBC交響楽団

ロジェストヴェンスキー★★★★★
合唱が近い録音です。マーツァルの演奏よりもダイナミックな動きがあって、幽霊の大騒ぎの雰囲気があります。夜の描写も十分です。原典版から大きく進歩した版であることが良く分かります。リムスキー=コルサコフ編曲の版で鐘の後に出てくるメロディになってもテンポの揺れはありません。クラリネットのソロはあっさりとしています。
最後はあっさりとしていましたが、前半はダイナミックで魑魅魍魎の大騒ぎを上手く表現していた良い演奏だったと思います。
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ユーリ・シモノフ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

シモノフ★★★★★
静かに始まりました。木管の強弱の変化が大きいです。音圧としては感じませんがトロンボーンはかなり強く吹いています。ゆったりとしたテンポで雄大です。オーボエが夜中の暗闇を表現しています。ガツガツと刻む弦。トランペッとホルンの三連音を含むメロディでテンポを落として途中ど音量も落としました。ロシアのオケらしく濃厚な色彩感とエネルギー感のある演奏です。鐘の後のテンポの動きは僅かです。
濃厚な色彩感と強いエネルギーの放出のある雄大な演奏で、ロシア音楽!と言う感じでした。これだけロシア音楽らしい演奏は昨今では珍しいと思いますので、とても貴重な音源だと思います。
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クラシック名盤試聴記 ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」名盤 ・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」名盤

ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」2

たいこ叩きのムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」名盤試聴記

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

icon★★★★☆
速めのテンポです。力みの無いブラスセクション。ブルー系の響きで涼しげな美しい演奏です。とても滑らかで角が立つような部分はありません。この作品でも洗練の極みのような滑らかで美しい演奏で、泥臭さなどは全くありません。弦も木管もとても美しいです。鐘の後の弦も優雅で美しいです。滑らかで美しいクラリネット。爽やかな夜明けを感じさせるフルート。魑魅魍魎とは程遠い表現です。
ホールの響きも含めてとても美しい演奏でした。

ミヒャエル・ザンデルリング/バイエルン放送交響楽団

ザンデルリング★★★★☆
弾むような低弦。全開の演奏ではないトロンボーン。ティンパニが激しくクレッシェンドしました。オーボエが最初の二つの音をスラーで繋ぎます。余裕のある美しい響きの金管です。滑らかな弦。明るい金管が美しいですが響きは少し薄いです。デュトワの演奏を思い出させるような徹底して美しい演奏です。鐘の後もテンポは全く動きません。クラリネットのソロは少しテンポを落として豊かに歌います。フルートも同様に歌います。
オケを限界まで鳴らすことは無く、かなり余裕を持たせてとても美しい演奏でした。泥臭さとは程遠い演奏で、作品の表題性はあまり意識せずに、美しさに徹底的にこだわった演奏のように感じました。
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ロヴロ・フォン・マタチッチ/フィルハーモニア管弦楽団

マタチッチ★★★★
ゆったりとしたテンポでゴツゴツした印象です。
トロンボーンなどの旋律の直後にテンポが一旦ガクンと落ちて次第に元のテンポに戻りました。
テンポは度々遅くなっては加速します。劇的で表現の幅が広いです。クラリネット、フルートのソロの歌いまわしも独特でした。
すごく個性豊かな演奏でした。

アンドレ・クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団

icon★★★★
強弱の激しい冒頭の表現。ブラスの強奏は余裕たっぷりでした。
力みの無い優雅な演奏です。ブラスセクションを無闇に強く吹かせることはありません。
チャイムの音がはっきり聞こえます。その後の弦の演奏はとても静かな感じです。
クラリネット、フルートのソロは自由に歌わせているようです。

ジュゼッペ・シノーポリ/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★★★
速めのテンポで、トロンボーンはかなり余裕を残して鳴っていますが全体を支配するような迫力があります。ティンパニの激しいクレッシェンドや木管の大きな強弱の変化などかなり積極的な表現です。オーボエにメロディが出るところで少しテンポを落としました。基本的に速めのテンポで軽く、ドロドロした雰囲気はほとんど無く、作品の表題をあまり意識していない演奏のように感じます。鐘が鳴ってからはゆったりとしたテンポで揺れがあって濃厚な表現になりました。クラリネット、フルートのソロもかなりテンポが遅くたっぷりと非常に濃厚に歌います。このソロはとても良かったです。
鐘が入った後のテンポを落とした濃厚な表現はあまり聞いたことの無い表現でとても良かっですが、前半があまりにもあっさりし過ぎていて肩すかしでした。

エドゥアルド・マータ/ダラス交響楽団

マータ★★★★
遠くから迫ってくるような弦。爽やかな響きのトロンボーン。シンコペーションの反応がとても良いです。オーボエ、フルートとメロディを受け継いだ後にテンポを速めました。かなり余力を残した金管がブルー系の響きで魑魅魍魎の怪しさよりもスマートな爽やかさを印象付けます。鐘の後はゆっくりとしたテンポでフレーズの終わりでテンポを落として演奏します。クラリネットのソロは豊かに歌います。暖かいフルートのソロ。
ブルー系の響きで魑魅魍魎の饗宴よりもスマートで爽やかな演奏で、あまり表題を意識した演奏ではありませんでしたが、ダラス交響楽団の美しい響きはなかなか良かったです。
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ルネ・レイボヴィツ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

レイボヴィツ★★★★
激しい強弱の変化。トロンボーンの前にスネアが入りました。かなり激しいトロンボーン。シロフォンも入ります。木管のメロディにファゴットが追加されたり独特の編曲があります。金管のフォルテピアノクレッシェンドやシンバルの響きを残したり、予想外の部分でスネアが入ったり、スネアのリムショットがはいったり、カットもあります。テンポが極端に落ちたりやりたい放題です。ウィンドマシーンまで入ります。鐘の前にスネアと銅鑼のクレッシェンドがありました。鐘の後はほぼインテンポです。クラリネットではなくオーボエのソロです。フルートのソロの後に怪しげな低音から次第に高音楽器に移って華やかに終わりました。
ベートーヴェンの交響曲で、ベートーヴェン指定のメトロノームに厳格な演奏をしたレイボヴィツの演奏がこんなに自由奔放だったのは驚きでした。ただ、ストコフスキーの編曲ほどの強烈な色彩感などはありませんでした。
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タラニス・エコノモウ/カタール・フィルハーモニー管弦楽団

エコノモウ★★★★
追い立てるように微妙にテンポが変化する冒頭。安定したトロンボーン。ティンパニが激しくクレッシェンドしました。聞いたことの無い中東のオケと指揮者ですが、とても安定した良い演奏です。滑らかなクラリネット。アンサンブルもなかなか良いですし、響きも美しいです。鐘の後のテンポの動きは僅かです。クラリネットのソロはゆっくりとしみじみとした演奏です。
大きな表現はありませんでしたが、整ったアンサンブルと美しい響きで、模範演奏のような演奏でした。
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ウラディミール・スピヴァコフ/ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団

スピヴァコフ★★★☆
強弱の変化が独特の冒頭の弦。トロンボーンはビーンとかなり強く鳴り響きます。突然強く入るファゴット。ミキシングで強調されたようです。トゥッティの響きと木管のソロのバランスがおかしいです。金管の三連音を含むメロディで大きくテンポを落としました。細かい音で若干もたつくような部分もありました。やはり木管が大きいです。リミッターでも掛かっているような感じがします。鐘も大きいです。鐘の後の弦もかなり強調されているような録音です。テンポの動きは僅かです。クラリネットのソロはアゴーギクを効かせるようにテンポの動きもあって豊かな歌でした。
演奏そのものは力感もあり、ソロの豊かな歌もあって良かったのですが、録音がリミッターが効いているのか、ミキサーで木管を強調したのか分かりませんが、バランスがとても不自然に感じました。
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デーヴィッド・ロイド=ジョーンズ/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

ジョーンズ★★★
表現の振幅はあまり大きくなく比較的穏やかで作品の粗野な感じはあまりありません。ロシア音楽の持つ強大なエネルギーはあまり感じません。ダイナミックの変化もあまり大きくありません。金管にはかなり余裕を持たせた演奏で、積極的な表現はほとんど無い演奏でした。
あまり振幅の無い演奏で、金管も余裕たっぷりでした。あまり作品を積極的に表現した感じは無く、作品を無難に演奏して紹介したと言う事でしょうか。
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トーマス・ルートヴィヒ/ルートヴィヒ交響楽団

ルートヴィヒ★★☆
とてもゆっくりとしたテンポです。弦は薄いですが、その分金管がかぶって来ます。テンポが遅く間延びした印象の演奏です。テンポの動きもありますが、あまり大きな表現はありません。鐘の後は薄い弦が揺ら揺らとした表現で寂しげな雰囲気が上手く表現されています。クラリネットとフルートのソロもあまり歌いません。
薄い弦と力強い金管による遅いテンポの演奏でした。テンポの遅さに間延びした印象を受ける部分もありましたが、鐘の後の揺ら揺らとした寂しげな表現はなかなか良かったです。上品な演奏でした。
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ダニエル・ナザレス/スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

ナザレス★★☆
艶やかな弦ですが、あまり強弱の変化はありません。トロンボーンも控えめで軽いです。大きくテンポを落として加速する部分もありました。ティンパニの激しいクレッシェンドや打楽器の強打が目立ちます。テンポの動きはありますが、あまり力のこもった強奏はありません。鐘の後はゆっくり目でテンポが動くのですが、少しアンサンブルが緩い感じがあります。クラリネットとフルートのソロは普通でした。
テンポの動きはありましたが、あまり強奏せずに軽く破綻の無い演奏に上手くまとめた感じの無難な演奏でした。
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レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★
抑え気味の冒頭。荒々しい金管。当時のニューヨークpoの演奏としてはアンサンブルも良いような気がしますが、それでも雑な演奏には変わりありません。テンポもほぼ一定で、変化に乏しく一本調子です。消化試合のような演奏に感じました。

イーゴリ・マルケヴィチ/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

マルケヴィチ★★
速いテンポで、シンプルな冒頭。トロンボーンが途中で弱くなってクレッシェンドする表現でした。色彩感はくすんでいて、あまり豊かな色彩感ではありません。通常、強く演奏される部分を途中で弱くしてクレッシェンドすることがよくあります。その影響もあってか、演奏自体が軽く感じます。ほとんどテンポの変化無く速いテンポのまま進みます。強く伸ばすはずの音を弱くする表現がとても多いです。木管のソロもあまり歌いません。
普通なら強く伸ばす音を弱くして、その後クレッシェンドするような表現が多かったです。演奏にはあまり色彩感が無く、軽い感じで、ロシア音楽の特徴も、リムスキー=コルサコフの特徴もあまり表現されなかったように感じました。
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セルジウ・チェリビダッケ/ミラノ・イタリア放送交響楽団

チェリビダッケ★★
いつものようにゆっくりと濃厚な表現です。トロンボーンも十分に鳴っています。大きい表現に反してスピード感の無さが気になります。奥行き感の無い金管の生音が下品に感じます。あまりの遅さに間が持たないと思ったのか、少しテンポが速くなります。鐘の後は霧が立ち込めるように、ゆっくりと静かに幽玄の世界のようです。
鐘の後の幽玄の世界のようなゆっくりと静かで奥深い演奏と、前半の浅く下品で間が持たない演奏のギャップが激しい演奏と感じました。
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ユーリ・ボトナリ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

ボトナリ★☆
ゆっくりとしたテンポで柔らかい表現。トロンボーンも全体の響きから飛び出さず落ち着いています。ティンパニの激しいクレッシェンドがありました。金管はかなり抑えぎみです。同じリズムでも楽器が変わると表現する長さが変わります。金管の三連音を含む戦慄でガクッとテンポを落として次第に弱くなりました。テンポがかなり動く演奏ですが、このテンポの動きがあまりにも大きく不自然な感じがします。鐘が鳴った後のテンポの動きは僅かです。クラリネットのソロは大きく歌います。フルートはクラリネットのソロよりもあっさりとしています。
金管を抑えた演奏で、テンポもかなり大きく動いていましたが、少し不自然な感じがありました。また、同じリズムでも楽器によって長さが違うのも気になりました。
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ロリン・マゼール/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

マゼール
速いテンポで激しく動くので、小ざかしく感じる演奏です。厚みのあるトロンボーンですが、最後の音だけ特別に強い音で不自然です。シンバルは小さいものを使っているようでダイナミックさは全くありません。オケもドイツ的で金管が飛び抜けたバランスの演奏ではありません。テンポが速くてとても慌ただしいです。シンバルの速いパッセージはサスペンドシンバルを使っているので、クラッシュシンバルをこんなに小さい物を使う意味が分かりません。鐘が鳴った後も速めのテンポで全く作品に思い入れが無いような演奏です。クラリネットとフルートのソロも素っ気無く爽やかです。
とにかくテンポが速い!素っ気無い演奏でした。

アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

icon
積極的な強弱の変化。トゥッティの響きが薄い。トロンボーンを主体にする旋律は抑え目で柔らかく演奏しました。テンポを落とすところもありますが、基本的には速いテンポで進みます。金属的な響きがするヴァイオリン。全体的には大人しい演奏で、魑魅魍魎たちが大騒ぎしているような雰囲気とはちょっと違うように感じます。後半、弦だけで弱音で演奏される部分も平板で短い時間でしたが退屈な印象でした。

ジェフ・スペクト/ミシシッピ・バレー管弦楽団

スペクト
テヌートぎみに柔らかく演奏されるトロンボーン。豊かな残響を含んだ木管。テンポの動きも少しありますが、あまり個性の強い演奏ではありません。ミスや金管の鳴りの悪さを感じさせる部分もあります。ちょっと雑な金管の演奏もあります。鐘の後もテンポの動きはほとんどありません。クラリネットは高音を出しにくそうでした。フルートもほとんど歌いません。
オケの雑な部分やアンサンブルの乱れなどもあり、演奏そのものは特に個性の無いものでしたので、ミスが気になりました。
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Garo Avessian/レバノン・フィルハーモニー管弦楽団

Avessian
低域がボンついた録音で、ホルンの音もミキシングによって強調があるようです。こもって雄大なトロンボーン。良く歌う弦。しかし、ホルンが異様なバランスです。多分カメラの位置にマイクがあって、そこにホルンのベルが向いているのだと思います。鐘もマイクの近くでしょう。鐘の後の弦も豊かに歌います。クラリネットは生き生きと瑞々しい演奏でした。
とても良く歌う弦でしたが、異様に大きいホルンのバランスがとても不自然でした。録音のバランスが良ければ演奏そのものは割りと良かったのではないかと思います。
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クラシック名盤試聴記 ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」名盤 ・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」名盤

ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)

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ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★★
「プロムナード」ゆっくりと輝かしいトランペット。やわらかいトゥッティ、爽やかな弦楽合奏。「こびと」速いテンポで一気に弾く冒頭。柔らかく美しいシンバル。ゆっくりと歩むような中間部。ラヴェルのオーケストレーションの色彩感の豊かさが見事に表現されています。「プロムナード」ゆっくりと柔らかいホルン。チャーミングな木管。「古城」ビィブラートをかけて美しいsaxのソロ。弦楽器の弱音も見事なアンサンブルで美しい演奏です。哀愁に満ちたファゴット。古い城の寂しげな風景を連想させる演奏です。「プロムナード」最初のプロムナードよりかなり遅いテンポでスラーで演奏されるトランペット。「テュイルリーの庭」特に表情を付けているわけではありませんが、オケの見事なアンサンブルと美しさに圧倒されます。「ビドロ」とても美しいチューバのソロ。特に高音の美しさは見事としか言いようがないほどです。「プロムナード」色彩感濃厚な木管。「殻をつけたひなの踊り」遠くで踊るような木管の動きがすばらしい。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」巨大なサミュエル・ゴールデンベルクとか弱いシュミュイレの対比も見事です。「リモージュの市場」人工的な加工をしたのではないかと思うほど柔らかいホルン。賑やかな市場の描写もすばらしい。「カタコンブ」見事に鳴り切るトロンボーン。金管のアンサンブルも絶妙です。輝かしいトランペット。「バーバ・ヤーガの小屋」生き生きとした動きがあって、色彩感も豊かな演奏です。弱音部では奥行感を感じます。「キエフの大きな門」ゆったりと伸びやかでスケールの大きな冒頭です。静寂感のある弱音部。輝かしい終結でした。

オケの上手さを前面に押し出した演奏で、色彩感もとても豊かで、カラヤンが全体の手綱をしっかりと締めた見事な演奏でした。

カルロ・マリア・ジュリーニ/シカゴ交響楽団

icon★★★★★
アドルフ・ハーセスのシャープなトランペットの音が伸びやかに響きます。
小人ではゆっくりとしたテンポで細部まで描かれています。音楽が奥ゆかしい。
古い城のサックスのソロはやはりアメリカっぽいでしょうか。デュファイエのような豊かな響きを伴った音色よりも、芯のしっかりした音です。
ゆっくりとしたテンポで十分に歌われる音楽。
この当時、名手揃いのシカゴsoのブラス・セクションのソロはどれをとっても素晴らしいです。
バレンボイムの音楽監督に就任したあたりから、この名手たちも高齢化して入れ替わり、今ではかなり落ちたと言われていますが、ショルティの時代のシカコsoは素晴らしいです。
ビドロのジェイコブスのデューバのソロの美しく聞き惚れました。
ジュリーニはほとんどの場面をゆったりとしたテンポで描いて行きます。
オーケストラ・ショウピースのようなこの曲はシカゴsoにとってはうってつけの曲だと思いますが、まだショルティの指揮では聴いていません。
ジュリーニの奥ゆかしい演奏になれてしまうと、ショルティのあられもない演奏にギョっとさせられるかも知れません。
カタコンブの金管の分厚いハーモニーもさすがと思うものです。また、これまではただ長い音符が並んでいるだけと思っていたこの曲の一つ一つの音に表現を持たせているようなジュリーニの音楽性にも改めて感動させられます。
ジュリーニは歌の人で、ガッチリとした骨格を持っている人ではないようで、骨組みは少し弱いような感じがします。少し響きが薄くなるのが唯一の弱点かなと思います。
それでも、表情豊かな演奏にあって、若干の響きの薄さは、本当に若干であって、全体の評価を落とすようなものではありません。
キエフの大門でもブラス・セクションの輝かしい響きもさすがです。

ジュゼッペ・シノーポリ/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★★★★
「プロムナード」艶やかで明るいトランペット。ゆったりとした弦。チューバも良く響きます。「こびと」怪しげな雰囲気が良く出ています。ここでもチューバの存在感が大きいです。「プロムナード」優しく穏やかです。テンポも遅めたりします。「古城」美しく妖艶なサックス・ソロ。ここでもテンポは遅く、たっぷりと歌いしみじみとした演奏です。「プロムナード」一転して明るいトランペット。ゴツゴツしたチューバ。「テュイルリーの庭」控え目な木管。滑らかなクラリネット。「ビドロ」高域が僅かに硬いチューバのソロ。「プロムナード」絵を見ていて気持ちが沈んだような感じを表現しています。「殻をつけたひなの踊り」繊細な弱音。非常に神経の行き届いた弱音です。「サミュエル・ ゴールデンベルクとシュミュイレ」ここでもテンポは遅めです。あまりがなり立てること無い低弦。きりっと鋭く浮かび上がるトランペット。「リモージュ」ここは速めのテンポで活発な動きを強調ます。「カタコンブ」ここでもチューバは強力です。見事に響く和音。「バーバ・ヤーガの小屋」チューバ以外は控え目で、爆発しません。弱音部でも緊張感を維持していて、静寂感があります。 「キエフの大きな門」強力なブラスセクションと木管の静寂の対比も見事です。強烈なティンパニのクレッシェンド。輝かしい終結でした。

絵を見ながら心境が変化する様子を見事に表現した演奏でした。基本は遅めのテンポですが、強力なブラスセクション(特にチューバ)と滑らかで静寂感に富んだ木管の美しい響きが印象的でした。

トゥガン・ソヒエフ/トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

ソヒエフ★★★★★
プロムナード、硬質ですが、キリッと立ったトランペット。分厚い響きと濃厚な色彩。
こびと、反応も敏感で、表現も引き締まっています。
プロムナード、低い音で吹くにくそうなホルン。
古城、この曲に入る時の色彩の変化はとても良かったです。フランスのオケらしくサックスはとても美しいです。フルートはとても音量を抑えて入ります。表現もとても工夫されています。
プロムナード、
テュイルリーの庭、とても良く強弱を変化させて表現する弦。テンポの動きも適度です。
ビドロ、ソロはユーフォニアムです。途中で急に音量を落とす弦。表現が凝っています。
プロムナード、ここでもテンポの大きな動きがありました。
殻をつけたひなの踊り、色彩の変化も見事です。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、巨大な弦の表現です。ここでもテンポは予想外の動きです。
リモージュの市場、こんな音が隠れていたのかと言う発見もさせてくれます。
カタコンブ、伸びやかで柔らかいトロンボーンですが、力強く鳴ります。
バーバ・ヤーガの小屋、テンポが速いわけではありませんが、猛烈に突き進むような迫力です。
キエフの大きな門、速めのテンポでコンパクトです。プロムナードの旋律はスタッカートぎみに演奏しました。

いろんな表現でこの作品を面白く聞かせてくれました。ソヒエフの見事な統率と色彩感豊かなオケの両者の個性が相まって素晴らしい演奏でした。
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セルジュ・チェリビダッケ/ロンドン交響楽団

チェリビダッケ★★★★★
プロムナード、ゆっくりと重い演奏です。丁寧に演奏されていますが、録音はザラザラしています。
こびと、ここも遅いテンポで弱音の表現秀逸です。遅いテンポでも金管は強く吹いています。
プロムナード、
古城、ここはこれまでのような遅いテンポではなく、少し遅い程度です。哀愁を感じさせるような演奏では無く、弱音の美しさを特に際立たせた演奏です。
プロムナード、トランペットにはノイズがつきまとっているような埃っぽい音です。
テュイルリーの庭、ここも遅いテンポで一つ一つの音を丁寧に演奏しています。
ビドロ、ソロはユーフォニアムです。かなり大きくクレッシェンドして行きます。呼吸するように波打つ弦。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、軽快に動く木管。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、弦とトランペットが絡む部分は凄みのある迫力です。
リモージュの市場、
カタコンブ、かなり強く鳴らされるトロンボーン。弱音の凝縮された響きはなかなかのものです。
バーバ・ヤーガの小屋、蒸気機関車が進むような力強さです。
キエフの大きな門、雄大な演奏でした。後のミュンヘンpoとの演奏のような変わった表現も無く、ゆったりとしたテンポの大きなスケールの演奏は良かったです。

ゆっくりとしたテンポで弱音の凝縮された生き物のように動く演奏はとても魅力的でした。また、キエフの大きな門の雄大なスケールの演奏もとても良かったです。
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ジョルジュ・プレートル/RAI国立交響楽団

プレートル★★★★★
プロムナード、遠くてソフトタッチの演奏です。
こびと、木管がはいるところからテンポが遅くなりました。録音の問題なのかダイナミックの変化があまりありません。
プロムナード、テンポの動きが多くあります。
古城、あまりビブラートをかけないサックス。テンポはとてもよく動きます。この動きは即興的な感じの動きです。
プロムナード、
テュイルリーの庭、テンポの動きは凄いです。普通の演奏ではまずあり得ないほどの動きです。
ビドロ、
プロムナード、ここでもテンポの動きは常軌を逸しています。
殻をつけたひなの踊り、プレートルがピアノを弾いているかのような自在なテンポの動きでとても楽しく聞けます。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、表現も幅があって、強弱の変化も大きいです。
リモージュの市場、速いデンポで生き生きとして活動的です。
カタコンブ、思い切った咆哮でトロンボーンが強烈に鳴ります。これほど荒々しいカタコンブも初めてです。
バーバ・ヤーガの小屋、軽く始まりましたが、トランペットやトロンボーンはかなり強く演奏しています。
キエフの大きな門、最初はあまり強弱の振幅が無いような感じでしたが、ここまで来ると物凄い振幅です。金管はかなり強く吹いています。対照的に木管のソロは消え入るようです。テンポの動きも大きいのですが、嫌味な感じはありません。

プレートルのやりたいように自由に演奏した感じでした。かなり強烈な個性の表出でした。プレートルがピアノを演奏しているかのような自在なテンポの動きと、最後の強烈な迫力と言うことなしの演奏でした。
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クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団

アバド★★★★★
プロムナード、ゆったりとしたテンポで静寂の中に響くトランペット。とても落ち着いて風格さえ感じさせる演奏です。
こびと、プロムナードから続いて滑らかで引っかかるところの無い演奏です。
プロムナード、このプロムナードもゆっくりで、絵から絵へ移る時の、作品を心の中でしみじみとかみ締めるような感じがあります。
古城、非常に美しいサックス。哀愁を感じさせるファゴット。滑らかでとても品の良い演奏です。サックスとフルートの色彩の変化もしっかりと表現しています。古い城の寂しい情景を見事に表現しました。
プロムナード、少し明るく元気に歩きました。
テュイルリーの庭、とても丁寧で、バタバタと騒ぐ感じは全く無く、静かで穏やかです。
ビドロ、ソロはユーフォニアムでしょうか。このソロも美しいです。演奏は全く荒々しくなりません。
プロムナード、少し奥まって静かな木管。
殻をつけたひなの踊り、奥行き感があって、しかもダイナミックの変化も大きい木管。とても上品で美しいです。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、寂しそうで貧弱なシュミュイレ。それに比べると圧倒的なゴールデンベルク。
リモージュの市場、速いテンポですが、市場の喧騒をあまり感じさせない磨かれた演奏です。
カタコンブ、広大に豊かに鳴る金管。
バーバ・ヤーガの小屋、濃厚で粘りのある弦。軽く伸びやかに鳴る金管。色彩感も豊かです。
キエフの大きな門、豪華で極上の響きです。輝かしい金管が見事です。終盤のトランペットの力のこもった演奏も素晴らしかったです。

滑らかでとても美しい演奏でした。オケの色彩感の引き出し方にもアバドのこだわりがあるようで、キエフの大きな門の終盤のトランペットの強奏は圧倒的でした。
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クラシック名盤試聴記 ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」名盤 ・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」名盤

ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)2

たいこ叩きのムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」名盤試聴記

サー・ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団

icon★★★★☆
「プロムナード」低い倍音を含んだトランペット。速めのテンポではつらつと進みます。「こびと」ゆっくりめに進みますがオケは強奏部分でも爆発しません。割とあっさりとした表現です。「プロムナード」のどかで穏やかです。「古城」少し硬めの音質のサックス・ソロ。「プロムナード」ここも速めのテンポで颯爽と進みます。「テュイルリーの庭」ショルティの不器用さか、楽譜に忠実過ぎて滑らかさを欠いている部分もあります。「ビドロ」柔らかく美しいチューバ。「プロムナード」ここのプロムナードも爽やかに演奏されます。「殻をつけたひなの踊り」ひなが動き回る様子を上手く表現しています。「サミュエル・ ゴールデンベルクとシュミュイレ」弦の凄いエネルギーを感じます。悲しげなミュートを付けたトランペット。「リモージュ」明るくはつらつとしたホルン。賑やかな市場の様子で。「カタコンブ」抑え気味ですが、重く響く和音が美しい。「バーバ・ヤーガの小屋」スピード感と強いエネルギーを放出する冒頭。 「キエフの大きな門」広大なスケール感。弱音は必要以上に弱く演奏することは無く、静寂感や緊張感はありません。最後はシカゴsoのパワー全開で気持ちがスッとするような開放感でした。

ショルティの不器用なところも垣間見えたりしましたが、シカゴsoの名人芸を見せつけるような演奏には圧倒されました。

セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★☆
「プロムナード」非常にゆっくりと伸びやかで表情豊かなトランペット。弦もとても豊かな表情で、押したり引いたりします。「こびと」もゆっくりです。最初のffで演奏される弦は速めで、後にpで演奏される弦は非常にゆっくりと演奏しました。怪しげな雰囲気の弦。最後は早くなりました。「プロムナード」ここでもゆっくりと歩くような、まさにそぞろ歩きです。弱音に神経手を使った美しい演奏です。「古城」SAXは持ち替えなのか、僅かに硬さの残る響きです。旋律の裏で動く楽器がはっきりと聞こえます。「プロムナード」ゆったりとまろやかな響きです。「テュイルリーの庭」これも非常に遅いテンポの演奏です。どの楽器も瑞々しく伸びやかです。「ビドロ」遅いテンポで美しいチューバです。ティンパニが入るあたりから少しテンポを速めました。「プロムナード」美しい木管が響き合います。「殻をつけたひなの踊り」弱音に重点を置いた演奏で、非常に神経を使った美しい演奏です。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」コントラバスがあまり聞こえないので、重い感じや厚みはありません。テンポは非常にゆっくりしていて、トランペットが入る前にさらにテンポを落としました。トランペットの裏で動く楽器もはっきりと聞こえます。「リモージュの市場」細い響きのホルン。楽器の出入りがはっきりしていて、色彩感が豊かです。「カタコンブ」美しい響きのロングトーン。かなり強めに演奏されたトランペット。沈み込むような弱音。「バーバ・ヤーガの小屋」巨大な戦車が動き出すような重量感。トランペットの登場に向けて少しテンポを速めました。チューバの旋律の部分は神秘的な雰囲気です。「キエフの大きな門」輝かしい冒頭でしたが、なぜかフレーズの最後の音を弱く演奏します。伸びきったトランペットが輝かしく美しい。トロンボーン、トランペットと続く三連符をクレッシェンドしました。強烈な鐘の響きとトランペットの輝かしい響きで、最後の音を伸ばして終わりました。

遅いテンポに待ちきれず、アンサンブルが乱れる部分や、キエフの大門の初めでフレーズの最後の音を弱くしたのが不可解な部分もありましたが、その他は遅いテンポでじっくりと聴かせてくれました。この曲の全く違う面を聴かせてくれたと思います。

キリル・カラビツ/DR放送交響楽団

カラビツ★★★★☆
プロムナード、トランペットの部分は速いテンポで活発な動きでした、弦になると僅かにテンポを落としてゆったりとした表現です。
こびと、アンサンブルの乱れもありますが、見通せるような透明感のある響きで、美しいです。
プロムナード、柔らかく暖かいホルン。
古城、哀愁を感じさせる豊かな表現のファゴット。美しいサックス。繊細な弦。
プロムナード、重量感のあるチューバ。
テュイルリーの庭、動きのある部分と穏やかな部分の対比が見事です。
ビドロ、美しいチューバでしたが最後のハイトーンは口を締めすぎです。伸びやかで色彩感も豊かです。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、宙に浮いているかのように軽い木管。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、あまり厚みの無い弦。弱々しいトランペット。描写力はなかなかです。
リモージュの市場、強弱の変化にも敏感に反応していて、市場の賑わいも良く表現しています。
カタコンブ、チューバがしっかりと支えた響き。ドラも重い響きでとても良いです。
バーバ・ヤーガの小屋、速めのテンポで活発な動きで、色彩の変化も大きいです。凄い勢いで終わりました。
キエフの大きな門、同じオケでも「惑星」の時のようなトゥッティで詰まってしまうようなことは無く、伸びやかな響きです。

ラヴェルのオーケストレーションの色彩感を見事に表現しました。ライヴのキズはありましたが、それでもとても良い演奏だったと思います。
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サー・ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団

1991年サントリーホールライヴ
ショルティ★★★★☆
プロムナード、予想していた程鋭くないトランペット。弦は柔らかく分厚い響きです。最後は輝かしい見事な響きになりました。
こびと、奥行き感があって美しいフルート。軽々としかもブレンドされた厚みのある響きのトロンボーンとチューバ。怪しげな雰囲気も十分ありました。
プロムナード、ふくよかなホルン。とてもカラフルです。
古城、速めのテンポであまり哀愁を漂わせる演奏ではありません。
プロムナード、パリッとしたトランペット。
テュイルリーの庭、CDになった演奏よりもこなれているようでとても余裕があって自然に歌います。
ビドロ、ユーフォニアムのソロです。CDで聴くようなキンキンとした弦ではなく、とてもマイルドで柔らかい響きです。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、繊細なヴァイオリン。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、鋭いトランペット。弱々しさは感じません。かなり強い音です。
リモージュの市場、凄い精度の演奏で圧倒されます。
カタコンブ、充実した素晴らしい響きです。金管の圧倒的な響きも凄いです。
バーバ・ヤーガの小屋、トランペットがテヌートで演奏します。これはちょっと違和感があります。
キエフの大きな門、艶やかでブライトなトランペット。トゥッティの猛烈な響きはさすがにシカゴsoです。鳥肌が立つような見事な響きです。

ショルティが強い個性を出すことなく、ラヴェルのオーケストレーションを表現しました。シカゴsoのトゥッティのパワーの尋常ではない響きも感じることができました。ただ、バーバ・ヤーガの小屋のトランペットがテヌートで演奏した部分だけはいただけませんでした。
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クラシック名盤試聴記 ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」名盤 ・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」名盤

ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)3

たいこ叩きのムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」名盤試聴記

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1985-87年(デジタル)
icon★★★★
柔らかいというか、少し篭もり気味のトランペットで始まったプロムナード。この曲はカラヤンとベルリンpoの機能美を聴くには最適の曲だと思いますが、このCDの録音当時はすでにカラヤンの絶頂期を過ぎており、衰えが感じられる頃でもありました。
このレコーディングの後の来日公演でも冒頭のトランペットがミスをすると言う、ベルリンpoでは考えられないことが起こったりもしました。
この録音では、随所にベルリンpoの上手さを聴く事ができますが、録音の録り方の問題もあるのか、スケール感が感じられない、小じんまりした演奏になってしまっています。
スケールの大きさや表情の豊かさ、ソロも含めた芳醇な響きなどは、旧盤の方が勝っているのではないかと思います。
トゥッティでの輝かしい響きは、さすがベルリンpoと感じさせられる部分も随所にあります。
完璧な演奏ではあったのですが、なぜこんなに小さくまとまってしまったのか、すごく残念です。

相性は良い曲であっただけに1970年代に録音して欲しかったです。

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★★★
「プロムナード」細い音のトランペットヴィブラートをかけた演奏です。「こびと」残響が少ないのかリアルな音がします。テンポがよく動きます。「古城」あまり甘美な響きのないサックスです。「テュイルリーの庭」遅めのテンポで表情も濃厚です。「ビドロ」一転して速いテンポです。少し雑に感じる部分も・・・・。「殻をつけたひなの踊り」とても情景描写が上手いです。木管の表現力が良いです。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」テンポも強弱も変化があり表情豊かです。「カタコンブ」いろんな表現をしているようです。「バーバ・ヤーガの小屋」表情が豊かで面白い。「キエフの大きな門」思い切った表現が新鮮でハッとさせられます。

聴いていて面白い「展覧会の絵」でした。

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

デュトワ★★★★
速めのテンポで張りのある音色の「プロムナード」。色彩感が鮮明な「こびと」。艶やかなサックスソロを聴かせる「古城」羽毛で撫でられるような弦の 美しい響き。「テュイルリーの庭」では滑らかなクラリネットが印象的です。表現力のあるテューバソロの「ピドロ」。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュ ミイレ」では金持ちと貧乏人の対比がとても上手く表現されていました。「リモージュ」アーティキュレーションに忠実な表現のようです。「カタコンブ」ブラ スセクションの充実した響き!「バーバ・ヤーガの小屋」速めのテンポで軽い感じです。「キエフの大きな門」ここでも軽い感じの演奏です。強大なエネルギー を放出するような演奏ではありません。

ムソルグスキーのロシア的な面よりもラヴェルのフランス的な面を表現したかったのでしょうか。品良く美しい演奏です。

ジャン=クロード・カサドシュ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

カサドシュ★★★★
プロムナード、パリッとした響きで鮮度の高い録音です。演奏も元気の良いものです。
こびと、速いテンポで色彩も濃厚で、トランペットも鋭く突き抜けて来ます。
プロムナード、
古城、強く哀愁を感じさせる表現ではありません。
プロムナード、
テュイルリーの庭、あまり個性の無い標準的な演奏と言う感じです。演奏そのものはそんなに悪くは無いのですが、個性が無い分魅力もあまりありません。
ビドロ、ソロはユーフォニアムでしょうか。清涼感があって美しい弦。
プロムナード、速めのテンポで朗々として色彩感が豊かです。
殻をつけたひなの踊り、この曲はテンポの動きがとても良いです。最後はホルンの激しい咆哮が意外でした。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、弦に分厚さは無く、横柄な大金持ちの雰囲気はあまりありません。ここも速いテンポで、トランペットが輝きのある響きで貧相な感じはありません。
リモージュの市場、ビリビリと響くホルン。とても爽やかで美しい演奏です。
カタコンブ、軽々と鳴り響く金管が心地良い演奏です。ラヴェルの色彩感豊かなオーケストレーションはとても良く伝えています。
バーバ・ヤーガの小屋、こでも色彩感はとても濃厚です。金管も遠慮無く鳴ります。チューバのソロの部分でも透明感が高くとても見通しの良い演奏になっています。所々で金管や打楽器を思い切り鳴らします。
キエフの大きな門、ここも速めのテンポです。整ったアンサンブルで、金管がサクサクと鳴ります。最後はかなり激しい金管でした。

最初はあまり個性の無い演奏のようでしたが、曲が進むにつれて、強い個性が出て来ました。とても美しい弦と、爽快に鳴り響く金管。色彩感も豊かで、透明感も高い演奏で聞き終った時点では満足感がありました。
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グスターボ・ドゥダメル/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団

ドゥダメル★★★★
プロムナード、メリハリのはっきりとした演奏で、躍動感がありはつらつとした演奏です。表現も積極的です。
こびと、轟音を上げる弦。とても積極的で大きな表現です。
プロムナード、ホルンも豊かな表現です。歌える部分は全て歌うような意欲的な演奏です。
古城、美しいサックスも歌います。とにかく表現意欲は凄いです。
プロムナード、明るいトランペット。
テュイルリーの庭、ここでも考え尽くされた表現です。
ビドロ、チューバのソロのようで、深みのある響きです。このソロも感情が込められています。凄い大曲を聴いているようなこってりとした重さがあります。
プロムナード、ここでもコントラバスが轟音を上げます。
殻をつけたひなの踊り、鮮明で、まるでひなが目の前を動き回るかのような表現です。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、威張り散らした大金持ちらしい弦の表現です。トランペットもひ弱ではありません。
リモージュの市場、活発で引き締まった表現で、めまぐるしく動く弦。
カタコンブ、分厚くしかも軽々と鳴り響く金管。
バーバ・ヤーガの小屋、叩き付けるティンパニ。凄い勢いの演奏です。ファゴットのソロの後ろのフルートのトリルも音量が変化します。弦のスピード感が凄いです。
キエフの大きな門、最後が途切れてしまいました。思っていた程分厚い響きや咆哮はありませんでした。

考えられる表現を尽くしたような演奏で、とても積極的でした。オケも唸りを上げるような鳴りで、とても良かったのですが、最後が途切れてしまったのが残念でした。

Long Yu/中国フィルハーモニー管弦楽団

Long Yu★★★★
プロムナード、スラーで演奏されているようなトランペット。鮮明な弦とくすんだような金管が対照的です。
こびと、勢いのある弦。木管もキリッと引き締まって浮き上がります。
プロムナード、想像していたよりもオケは上手いです。
古城、少し硬いサックスですが、良く歌います。サックスとは対照的に無表情なファゴット。音符の扱いがちょっと変わっています。
プロムナード、ここでもスラーのトランペットですが、鮮明な弦とは違ってくすんだ響きです。。
テュイルリーの庭、大きな表現で、とてもはっきりしています。
ビドロ、ソロはユーフォニアムです。独特の表現が随所にあります。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、繊細なヴァイオリンと活発に動く木管。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、荒々しい弦。ひ弱さは感じないトランペット。
リモージュの市場、浅く硬いホルン。表現は大きいです。
カタコンブ、かなり強いトロンボーンとチューバ。深みが合って厚いコントラバス。
バーバ・ヤーガの小屋、ギョッとするようなトロンボーンや金管の咆哮。アンサンブルが緩い部分もあります。終わりもバラバラでした。
キエフの大きな門、あまり壮大さはありません。表現はここでもとても積極的です。オケを強く鳴らしますが、テンポが速くて落ち着きがありません。

とても積極的な表現とオケも積極的に鳴らす演奏で、なかなか聞き応えがありました。アンサンブルの緩い部分もありましたが、良い演奏だったと思います。
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フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団

ライナー★★★★
プロムナード、すっきりとシャープで表現も豊かな演奏です。オケも力強くエネルギーに溢れています。
こびと、うなりを上げる弦。克明で、くっきりと浮かび上がる楽器。シカゴsoの第一期黄時代と言われるのも分かります。
プロムナード、とても良く歌う管楽器。
古城、薄く独特の響きのサックス。
プロムナード、明るく明快なトランペット。
テュイルリーの庭、明暗が描き分けられます。
ビドロ、若干硬いですが、美しいソロ。だんだんと力がこもって来ます。ゆっくり目で力強いです。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、活発な木管。美しく繊細な弦。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、かなり荒っぽいゴールデンベルクです。トランペットもそんなにひ弱ではありません。
リモージュの市場、暗い響きのホルン。若干アンサンブルが乱れたような弦。
カタコンブ、頭が強くその後すぐに力を抜く金管。最初はかなり軽いです。
バーバ・ヤーガの小屋、硬いティンパニが心地良い響きです。はつらつとした表現です。
キエフの大きな門、広大な広がりはありませんが、とても良く鳴る金管です。クラッシュシンバルの径が小さいのが少し気になります。トランペットやトロンボーンが強く下のパートがあまり聞えず、底辺を支えていない感じがありました。

とても表現意欲のある演奏で、なかなか良かったです。この頃からのシカゴsoの特徴なのか、金管がとても強力で、コントラバスなどが支え切れていないような感じがありました。
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マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団

ヤンソンス★★★★
プロムナード、柔らかいですが、くすんだ響きのトランペット。積極的に表現します。
こびと、色彩や表現がこってりしていてとても濃厚です。非常に積極的に歌います。
プロムナード、柔らかいホルン。
古城、ファゴットもサックスも聞き手を引き込むような表現です。繊細な表現の弦など、表現し尽くされている感じの演奏です。
プロムナード、
テュイルリーの庭、速いテンポで活発に動きます。弦が出るとテンポを落として濃厚な表現になります。
ビドロ、美しく豊かに歌うユーフォニアムのソロ。ゆったりとしたテンポで広大です。
プロムナード、全曲を通してとても豊かな表現で積極的です。
殻をつけたひなの踊り、ユーモラスに動き回るひながとても良く描写されています。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、あまり分厚い響きでは無く強大さを感じさせないゴールデンベルク。打楽器が追加されています。
リモージュの市場、ゆっくりめですが、強弱の変化も明快です。
カタコンブ、ドラが強く印象的に入ります。重厚なブラスの響き。
バーバ・ヤーガの小屋、重量感があって表現も大きい演奏です。
キエフの大きな門、ソフトで軽い演奏です。テンポも速めです。最後まで軽く金管を抑えてバランス重視の演奏でした。

とても表現の豊かな演奏でしたが、金管を強く演奏することは無く、振幅があまり大きい演奏ではありませんでした。
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クラシック名盤試聴記 ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」名盤 ・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」名盤

ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編)4

たいこ叩きのムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」名盤試聴記

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

icon★★★☆
「プロムナード」艶やかなトランペットですがブレスで音が途切れるのが気になります。暖かみのある響きの「こびと」です。サックスのソロも暖かい響きの「古城」です。「テュイルリーの庭」ゆったりとしたテンポで豊かな表現です。速いテンポで味わいのない「ビドロ」です、表情も淡白です。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」ミュートを付けたトランペットが哀愁に満ちた演奏でした。「リモージュ」賑やかな市場の音楽としては大人しい演奏でした。「カタコンブ」奥まったところで響くブラスセクション、アタックが雑な印象も・・・。「バーバ・ヤーガの小屋」速めのテンポです。金管大活躍です。「キエフの大きな門」全開でした。

アルトゥーロ・トスカニーニ/NBC交響楽団

トスカニーニ★★★☆
プロムナード、ナローレンジで粘りのあるトランペット。パリッと響く金管。
こびと、足取りの重い弦。かなりダイナミックで明快な表現。強く押し付けてくるようなトランペット。
プロムナード、美しく歌う木管。
古城、細く硬めなサックス。テンポの動きはありませんが、情感豊かな歌が溢れています。即物的と言う評価は当たらない感じの演奏です。
プロムナード、元気な演奏です。
テュイルリーの庭、ゆったりとしたテンポで豊かに歌います。
ビドロ、一転して速いテンポでグングン進みます。硬い響きのソロはユーフォニアムのようです。
プロムナード、キリッとしていて鮮明な木管。
殻をつけたひなの踊り、落ち着いたテンポでひなの動きを明快に表現します。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、力強く荒々しいゴールデンベルク。かなり強いシュミュイレ。
リモージュの市場、マットなホルン。ここでも活発な動きを表現しています。
カタコンブ、強弱の振幅の大きな演奏で、トランペットやトロンボーンがかなり強いです。
バーバ・ヤーガの小屋、硬いマレットで叩いているティンパニ。トランペットやトロンボーンは強烈です。
キエフの大きな門、速めのテンポで音も短めで盛大な演奏です。広大なスケール感は無く、せっかちな感じです。最後はムソルグスキー的で粗野な演奏でした。

即物的と言われるトスカニーニの演奏にしては、表情も豊かで歌に溢れた演奏でしが、最後の二曲が荒い感じで、個人的には好きではありませんでした。
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クリスチャン・ヤルヴィ/フランス国立管弦楽団

ヤルヴィ★★★☆
プロムナード、
こびと、弦が唸りを上げることも無く穏やかです。
プロムナード、
古城、美しいサックス。とても哀愁を感じさせる寂しげな演奏です。
プロムナード、速めのテンポであっさりとしています。
テュイルリーの庭、表情は豊かに付けられています。
ビドロ、ユーフォニアムのソロです。若干浅い響きですが、伸びやかで美しいです。
プロムナード、全体的に速いテンポをとっています。
殻をつけたひなの踊り、清潔で瑞々しい響きです。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、唸りを上げるほどの豪快さは無いゴールデンベルク。ゆっくり目でひ弱なシュミュイレ。次第に豪快に演奏する弦。
リモージュの市場、フランスらしい明るいホルン。たどたどしい感じで若干の乱れがあります。
カタコンブ、地面から這い出るような金管の重厚な響き。
バーバ・ヤーガの小屋、速いテンポで凄い勢いの演奏です。豊かな残響も手伝って音場が広がります。
キエフの大きな門、一転してゆったりとしたテンポで広々とした雰囲気の演奏です。プロムナードのメロディが再現されるあたりからテンポが速くなりました。

速めのテンポを基調にした演奏で、曲ごとの表現の変化もありましたが、強い印象はありませんでした。
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エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団

icon★★☆
とても元気の良い「プロムナード」。一転して口ごもったような「こびと」の冒頭、後半は遅いテンポで炸裂。フランスのサックスとは明らかに違って硬い音色の「古城」かなり遅いテンポでたっぷりと演奏します。「テュイルリーの庭」も遅い。「ビドロ」も遅く、重く引きずるような弦。「殻をつけたひなの踊り」ラヴェルの編曲よりもムソルグスキーを強く感じさせる原色でちょっと粗野な感じがあります。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」ではラヴェル編では登場しないサスペンド・シンバルが出てきます。「カタコンブ」では強烈な金管の咆哮!大太鼓も登場します。とにかく強烈です。「バーバ・ヤーガの小屋」スタッカートぎみのトランペット。「キエフの大きな門」高らかに吹き鳴らされるトランペット。全体的に雑な感じがしました。

エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

アンセルメ★★☆
プロムナード、明るくピーンと張ったトランペットですが、息が持たないような感じでブレスの前に音が弱くなります。ワイドレンジではありませんが、まとまりのある響きです。
こびと、スピード感が無くもたつくような弦。色彩感はあります。あまり強く演奏しない金管。ムソルグスキーの作品よりもラヴェルの方に主眼を置いた演奏のようです。
プロムナード、サラッとした色彩感です。
古城、哀愁たっぷりのサックスはなかなか美しいです。
プロムナード、
テュイルリーの庭、スラーで演奏される木管。
ビドロ、速めのテンポで物々しい雰囲気です。チューバは少し硬い音でブレスがはっきりしています。
プロムナード、ラヴェルの編曲の妙を聞くことができます。
殻をつけたひなの踊り、色彩感が豊かで軽妙な動きがとても良いです。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、ザラッとしていてあまり重く無い弦。物悲しいトランペット。
リモージュの市場、強弱の変化などはあまり大きく無く、引き締まった表現ではありません。自然にサラッと流れて行く感じの演奏です。
カタコンブ、明るい響きで、「墓」をイメージさせるような感じはありません。金管も大きく咆哮することは無く、作品を自然に演奏している感じです。
バーバ・ヤーガの小屋、トランペットが他のパートに比べると強く、突き抜けて来ます。生き物のように動くオケ。とても豊かな表現です。
キエフの大きな門、重心があまり低くなく、伸びやかな広々とした響きにはなりません。弱音もあまり音量を落とさず緊張感もありません。

あまり強い個性は感じられない演奏で、自然な演奏でしたが、オケの響きにも魅力が無く強く惹かれるような演奏ではありませんでした。
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アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★
「プロムナード」少し硬質な響きのトランペット、テンポは速めです。オケの響きには厚みがありません。「こびと」弦の速いパッセージがあまりはっきりしない上に音量も不足しています。「プロムナード」オーボエがくっきりと浮かび上がります。「古城」弦のデリケートな表現。とても感情が込められた歌です。少し硬いですが明るいsax。「プロムナード」コントラバスが弱いので響きに厚みがありません。「テュイルリーの庭」残響成分もあまり含まれていないようで、響きが硬く一流オケの響きに比べると明らかに見劣りします。「ビドロ」チューバではなくユーフォニアムを使っているような音です。「プロムナード」時折木管が瑞々しい響きを聴かせてくれます。「殻をつけたひなの踊り」「サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ」やはりコントラバスがほとんど聞こえないので、サミュエル・ゴールデンベルクの凄味はありません。シュミュイレはここでも硬い音です。「リモージュの市場」細くふくよかさの無いホルン。たどたどしい感じでした。「カタコンブ」控え目な金管。トロンボーンのハイトーンが少し不安定な感じでした。死者への呼びかけは神秘的でした。「バーバ・ヤーガの小屋」軽い響きです。オケが一体になったようなパワー感は感じません。音が集まって来ていないようです。「キエフの大きな門」どうも一体感がなくバラバラな感じです。

オケの技量が未熟で、演奏するので精一杯と言う感じで、表現する余力など無いように感じました。

ジョージ・セル/クリーブランド管弦楽団

セル★★
プロムナード、明るく元気の良い演奏です。色彩感は淡いです。
こびと、モゴモゴとした弦。テンポは速めで、小さくまとまった感じでスケール感がありません。
プロムナード、スタンダードのような、無難な演奏です。
古城、少し硬いサックス。
プロムナード、トランペットと一緒にトロンボーンも演奏しているようです。
テュイルリーの庭、シンプルで情報量が少ない感じです。
ビドロ、ソロはユーフォニアムのようですが、この響きも硬いもので、少し雑な演奏です。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、控えめな表現で、あまり活発な動きではありません。
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、荒々しい弦。
リモージュの市場、ここでは動きが活発で、豊かな表現ですが、やはり響きはシンプルで、余分なものは取り除かれているような感じです。
カタコンブ、雑な感じがあったり、壮絶な響きがしたりします。
バーバ・ヤーガの小屋、オケの人数が少ないような錯覚を感じるような小さく広がりや奥行きの無い響き。トランペットはスタッカートで演奏します。
キエフの大きな門、On・Offが無く常にOnの状態で、単純に感じます。ティンパニのクレッシェンドなど独自の加筆もあります。

録音の古さも影響しているとは思いますが、余分な響きが全く無く、とてもシンプルで広がりや奥行き感の無いスケールの小さい演奏でした。
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イーゴリ・マルケヴィチ/NHK交響楽団

マルケヴィチ
プロムナード、僅かに速いテンポ。薄い響きの弦。
こびと、モゴモゴした弦。軽く抑え気味のトロンボーン。
プロムナード、筋肉質のホルン。
古城、何か響きに一体感が無く、融合した響きにになりません。
プロムナード、明るいトランペット。
テュイルリーの庭、とてもゆっくりとしたテンポでテンポも大きく動きます。感情の赴くままに動くようなテンポはとても心地良いものでした。
ビドロ、テノールチューバのソロもそれなりに美しいのですが、どこか寂しい響きです。
プロムナード、
殻をつけたひなの踊り、
サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ、
リモージュの市場、強弱の変化は緩く引き締まった動きではありません。
カタコンブ、
バーバ・ヤーガの小屋、
キエフの大きな門、

テンポの動きはあるのですが、響きがバラバラで薄く、融合した柔らかい響きではありませんでした。
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ジェームス・レヴァイン/メトロポリタン・オーケストラ

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この演奏はひどいです。オケの投げやりな演奏。
これほどやる気の無い演奏を聴いたのは初めてです。
音、一つ一つを大切に扱うような部分は全く感じられませんでした。これまでレヴァインの演奏をいくつか聴きましたが、どれも良いと思えた演奏はありませんでしたが、この「展覧会の絵」はその最たるものです。
クラシック音楽業界でレヴァインが重用されるのが、私には理解できません。

クラシック名盤試聴記 ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」名盤 ・ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」名盤