ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ベスト盤アンケート

たいこ叩きのショスタコーヴィチ 交響曲第5番名盤試聴記

エフゲニー・ムラヴインスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

1984年4月4日、ステレオ録音
レニングラード・フィルハーモニー大ホール(ライヴ)
icon★★★★★
一楽章、強いアクセントで演奏される弦の主題。とても大切なものを扱うかのようなヴァイオリン。微妙な表情付けが随所になされています。第二主題ではテンポも動き豊かに歌われました。フルート・ソロ、クラリネット・ソロもたっぷり息を使って歌いました。展開部の重いピアノ。野太いホルンのペダルトーン。トランペットがリズムを刻むとしっかりと音が立っています。再現部は抑えぎみでした。微妙にテンポが動いてムラヴィンスキーのこだわりが感じ取れます。コーダの艶やかなヴァイオリン・ソロも見事です。

二楽章、強弱の変化が大きく豊かな表情です。ホルンは欧米のオケに比べると締まった音で独特です。

三楽章、大勢で演奏しているのだろうけれど、とても静かな弱音から開始しました。そして波のうねりのように入り組みながら音楽が変化していきます。ティンパニのクレッシェンドとともに激しく感情を吐露します。クラリネットがとても憂鬱な雰囲気を演出します。とても激しい演奏で、弦が指板に当たっているような音がします。

四楽章、とても勢いのある演奏でスピード感と高い集中力があります。トランペットの音に力があります。この演奏でも1978年のウィーンでのライヴと同様にトランペットのソロの終わりごろに一旦音量を落としてクレッシェンドしました。感情が込められ切々と語りかけてきます。最後はトランペットがバテバテのような感じもありましたが、見事な演奏でした。

サー・チャールズ・マッケラス/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

マッケラス★★★★★
一楽章、ゆったりとして揺られるような第一主題。続くヴァイオリンも美しく柔らかい響きです。金管も自然な音場感です。第二主題もゆったりとして伸びやかです。とても柔らかくロシアのオケのような厳しい響きとは全く違います。少しテンポを速めて動きのある展開部。金管がとても切れ良く鳴り響きます。ロイヤル・フィルってこんなに上手かったっけ?と思うほど良い演奏です。

二楽章、速めのテンポでメリハリのある演奏です。ホルンの鳴りっぷりは見事です。ショスタコーヴィチが持っている政治的な陰の部分など関係ない伸び伸びとした演奏はこれでとても気持ちよく聞けます。

三楽章、柔らかく美しい響きで切々と訴えて来ます。ピーンと張り詰めた緊張感はありませんが、フワッとした柔らかい空気感がとても心地良い雰囲気です。とにかく美しいです。

四楽章、とても良く鳴る金管の第一主題。切れ味鋭い金管は見事です。特に強い主張のある演奏ではありませんが、オケの美しい響きと伸びやかで堂々とした演奏が素晴しいです。
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

キリル・コンドラシン/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

コンドラシン★★★★★
一楽章、少し柔らかい第一主題。静かに祈るようなヴァイオリン。ちょっときついヴァイオリンの高音。とても情感のこもった木管。明るいホルン。感情が込められた第二主題。重いピアノ。下品なトランペット。凄みのあるトロンボーン。振幅が大きくかなり迫ってくる演奏です。

二楽章、とても表情の豊かな演奏です。強弱の変化が明快です。ロシアのオケらしく金管の全開は遠慮がありません。

三楽章、冒頭から悲痛な表情で何かありそうな雰囲気を伝えて来ます。深みのあるハープ。悲嘆にくれるような表現は素晴しいです。初演で会場からすすり泣きが聞こえたと言うのが分かる演奏です。

四楽章、ゆっくり目で堂々とした主題。二度目の主題から少しずつテンポが速くなって行きます。このテンポの動きにも凄みがあります。トランペットのソロのスピート感も凄いです。最後もゆっくりと堂々とした演奏で輝かしい勝利です。

このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

マリス・ヤンソンス/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1997年ライヴ

ヤンソンス★★★★☆
一楽章、柔らかい主題。とても音量を落としたヴァイオリン。録音のせいか響きが痩せていてロシアのオケのような厳しい響きです。第二主題も切れ込むような厳しい演奏です。展開部の重いピアノ、下品なくらい激しいホルンに対してとても軽いトランペット。トランペットによって行進曲風に変奏される主題の表現はとても豊かでした。再現部では陰影を伴ったクラリネットが美しいです。テンポの振幅はとても大きいです。

二楽章、速めのテンポで推進力があります。気持ちよく鳴るホルン。チャーミングなヴァイオリンのソロ。羊皮の独特な響きのティンパニ。

三楽章、とても丁寧で滑らかで、感情を込めた演奏です。弦が幾重にも波のように押し寄せて来ます。暗闇の中で響くような木管。遅めのテンポでたっぷりと聞かせる演奏はなかなか良かったです。

四楽章、ゆっくり目の主題から一転してテンポが速くなりました。トランペットのソロはムラヴィンスキーの演奏のように最後音量を落としてクレッシェンドしました。最後もムラヴィンスキーの演奏のようなクレッシェンドがありました。
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

サー・ゲオルク・ショルティ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1993年ライヴ

ショルティ★★★★☆
一楽章、ショルティらしくエッジがくっきりとした主題。揺れるような弦の伴奏に乗って、静かで動きの無いヴァイオリン。引き締まった厳しい響きです。第二主題も冷たい響きで、ロシアのオケのような感じです。展開部から活発な動きと表現になります。

二楽章、豪快に鳴るコントラバス。木管もとても豊かな表現です。ヴァイオリンのソロもとてもチャーミングです。

三楽章、ショルティのスタジオ録音の押し一辺倒の演奏とは違い、感情がとても込められた演奏です。他のヨーロッパの指揮者では聞けないようなロシアの冷たい冬を連想させるような厳しい演奏でもあります。

四楽章、ショルティらしく金管を明快に鳴らした主題。テンポも激しく動きスピード感があります。金管の鳴りは素晴しいです。最後はバーンスタインとほぼ同じのかなり速いテンポでした。
このリンクをクリックすると動画再生できます。

ルドルフ・バルシャイ指揮/ケルン放送交響楽団

1995年7月3&8日、1996年4月デジタル録音
icon★★★★☆
一楽章、豊かなホールの響きを伴って伸びやかな弦の主題。美しいオーボエ、暖かみのあるファゴット、明るいホルン。重いピアノに乗ってホルンのペダルトーンも暴れることなく抑制された表現です。ロシアのオケの演奏のような爆演にはならず、統制の取れた美しい演奏です。それでも、ここぞと言うところでは思いっきりオケを鳴らしていますが、そこはドイツのオケらしい重厚さがあります。終盤のヴァイオリンソロは繊細でとても美しい演奏でした。

二楽章、豪快な低弦の旋律から始まりました。余力を残したホルンの強奏。ここでもヴァイオリンのソロは美しい。ティンパニの音が高い音が短く、低い音が長く響いてちょっとチグハグでした。

三楽章、壮絶な雰囲気の響きが凄いです。弦のトレモロの上に木管のソロが鮮明に浮かび上がります。悲痛な感じよりは少し暖色系の響きがこの楽章の雰囲気にはちょっと合わない感じがします。

四楽章、ゆったりとしたテンポで主題が演奏されました。ここのティンパニも高い音が短くて変でした。弱音部に入る手前でトランペットがかなり下品な音を出しました。終結部にかけてはトランペットがかなり強く演奏しました。個人的には、この曲のイメージより暖かみのある演奏で、強奏部分ではかなり金管も鳴らすのですが、厳しい雰囲気は乏しかったように感じました。

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

録音時期:1959年8月16日
録音場所:ザルツブルク、旧祝祭劇場
録音方式:モノラル(ライヴ)
icon★★★★☆
一楽章、低域が薄い録音です。ゆっくりと丁寧なヴァイオリンの主題。作品から何かを抉り出そうとするような強い表現。テンポの動きも大きくバーンスタインが作品に深く共感しているのが伺えます。神経の行き届いた弱音。展開部へ入る前でも一旦テンポを落としました。トランペットが強調されて録音されていますが、この演奏にはピッタリです。テンポが遅い部分では、たっぷりと歌います。コーダもゆっくりとたっぷりと歌います。

二楽章、ゆっくりからはじまって、クラリネットが走ってテンポが速くなりました。ホルンの強奏がスタッカートぎみで面白い表現です。ヴァイオリンのソロも自由にテンポが動きました。強弱やテンポの変化が自在でバーンスタインの主張がストレートに表現されています。

三楽章、強弱の振幅は凄い。強烈な表現です。暖色系の響きなので、悲痛感はさほど感じません。

四楽章、速いテンポで元気の良いトランペット。テンポの激しい動きにオケのアンサンブルも乱れます。すごく感情のこもった歌です。後半は速いテンポで演奏されます。コーダはあっけない終り方でした。

エフゲニー・ムラヴインスキー指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ録音(1978年)
ムラヴィンスキー★★★★☆
一楽章、モワーっとした残響の中、強いアクセントの主題が演奏されます。抑えぎみの金管。第二主題の後ろで刻む弦の抑揚が激しかったです。ホールの響きのせいか、ファゴットやフルートがとても太い音に聞こえます。展開部のホルンも軽く吹いているようです。弦楽器の表情はとても厳しく俊敏です。再現部に入るとトロンボーンなどはかなり強く演奏しています。コーダの手前からは微妙なテンポの動きもあってとても音楽的です。

二楽章、すごく表現力豊かで、初演者の自信のようなものが感じられます。風呂の中で聴いているような響きで色彩感はあまり感じられません。客席の中に無指向性のマイクでも立てて録音したのではないかと思わせるほど音が篭っています。

三楽章、むせび泣くような弱音で始まりました。波が寄せるように大きくなってはすっと引いていったりしながら音楽が進みます。弦楽器だけでも凄い音楽の振幅です。クラリネットのソロが悲痛な雰囲気を際立たせます。弱音の演奏に高い集中力を見せています。

四楽章、速いテンポで畳み掛けるように演奏する主題からそれに続く部分です。トランペットのソロの最後で一旦音量を落としてクレッシェンドしながら下降しました。ビブラートのかかったホルンのソロ。トランペットのソロ以外にも突然音量を落としたりします。作品を知り尽くしているムラヴィンスキーならではの表現です。大きくritしてクレッシェンドしてティンパニです。この部分の最初は音量を落としてバランスのとれたブラスセクションがパイプオルガンのような響きになります。その後トランペットがクレッシェンドして最後は全体でクレッシェンドして終りました。録音は悪いですが、なかなか感動的な演奏でした。

佐渡 裕/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

佐渡 裕★★★★☆
一楽章、柔らかい第一主題。ゆっくりと静かに演奏されるヴァイオリン。終始遅いテンポです。第二主題も遅くとても静かです。展開部からは次第にテンポが速くなりました。トロンボーンはかなり強く演奏しています。コーダは再び遅めのテンポで伸びやかな演奏になります。ベルリンpoは安定した上手さです。

ニ楽章、躍動感のある演奏です。ヴァイオリンのソロはアゴーギクを効かせて美しい演奏です。フルートもフレーズ感が良いです。テンポの動きもあって豊かな表現です。

三楽章、暖かい響きです。フルートも暖かいです。作品の持っている悲痛さはあまり感じられません。穏やかで安らかな演奏です。

四楽章、良く鳴る金管。スピード感のある弦。トランペットのソロも見事に鳴り響きます。分厚い響きはさすがです。思い切り良く金管を鳴らす演奏はなかなか爽快感があります。スネアが入るところからはテンポが少し速いです。最後は分厚い響きで堂々とした演奏でした。

二楽章はとても豊かな表現でしたが、三楽章は暖かく悲痛な感じがありませんでしたが、オーケストラはさすがに安定感のある分厚い響きでした。

このリンクをクリックすると動画再生できます。

山田 一雄/日本フィルハーモニー交響楽団 1965年ライヴ

山田 一雄★★★★☆
一楽章、とても感情のこもった第一主題です。物凄く遅いです。続くヴァイオリンも今まで聞いたことのない遅さです。第二主題も遅いですが、緊張感は維持されています。録音年代からするととても良い音です。再現部は一般的なテンポですが、金管(特にホルン)が大人しいです。打楽器がカブッて来ます。コーダもかなり遅いですが、間延びした感じは無く自然に聞くことが出来ます。

二楽章、一転して少し速めのテンポの演奏です。生き生きとして積極的な演奏です。乗り乗りで楽しそうです。

三楽章、少し乾いた弦の響き。内面からこみ上げる感情を表現しています。強い表現ではありませんが、自然な感情の起伏を表出している感じで、作品への共感が自然に表れています。

四楽章、ロシアのオケのような凄みは感じない主題ですが、当時の金管のレベルからするとこんなものかも知れませんが、少し雑に聞こえます。それでも録音された年代を考えるとかなり凄い演奏です。コーダのトランペットのハイトーンは少し苦しそうでしたが、当時としては出色の演奏だったのではないかと思います。

このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

マリス・ヤンソンス/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 1986年サントリーホールライヴ

ヤンソンス★★★★☆
一楽章、柔らかく滑らかな主題。静かに演奏されるヴァイオリンですが、ムラヴィンスキーのような厳しく統制された感じはありません。速めのテンポで感傷に浸る余裕は与えてくれません。第二主題もピリッとした緊張感はありません。展開部に入ってからは軽い演奏で、金管はあまり強くありません。濃厚さは無く、サラッとした演奏です。ロシアのオケにありがちなパワーで押し切るようなことは無く、美しい響きの演奏です。

二楽章、ほとんどテンポも動かず、インテンポです。レニングラードpoを聞いている感じではありません。西欧のオーケストラのような柔らかい響きです。

三楽章、柔らかく伸びやかな弦。優雅な感じで悲痛にはなりません。フルートも伸びやかで、とてもレニングラードpoを聞いている感じではありません。弱音から怒涛の弦の全合奏までとても振幅が大きく感情を吐露するような演奏です。突然音量を抑えるなどヤンソンスならではの演奏もあります。

四楽章、ゆったりとしたテンポで堂々とした主題ですが、直後にテンポを速めました。金管は軽いです。トランペットが強くても突き刺さって来るような厳しさはありません。ビブラートを掛けたホルンがロシアのオケらしいです。最後へ向けて力強いティンパニが印象的でした。

ムラヴィンスキー時代の厳しい響きでは無くなりましたが柔らかく伸びやかな演奏は、これはこれで良い演奏でした。

このリンクをクリックすると動画再生できます。

レナード・バーンスタイン/ロンドン交響楽団 1966年

バーンスタイン★★★★
一楽章、古い録音らしく密度が薄くデッドな録音です。ゆっくりと演奏されるヴァイオリン。第二主題は割りと強めです。濃厚に歌うビオラとチェロ。展開部の前で大きくテンポを落として、展開部は速いテンポです。

二楽章、かなり乱暴な感じのコントラバス。速いテンポで活発な表現です。現在の演奏水準からすると少し劣るような感じがします。

三楽章、晩年の演奏のように深く感情が込められた演奏ではありませんが、抑揚の変化は大きいです。強奏部分は叩き付けてくるような激しさですが悲痛さはあまり感じません。

四楽章、かなり速いテンポで弦も凄い勢いです。途中は指定通り遅くなりましたが、スネアが入ったところからまた物凄く速いテンポです。最後も凄く速いテンポでしたが、これは本当の歓喜の表現なのか、証言を先取りした強制された喜びの表現なのか分かりません。とにかく馬鹿騒ぎのような終わり方です。

このリンクをクリックすると動画再生できます。

朝比奈 隆/大阪フィルハーモニー交響楽団

1981年2月16日大阪フェスティバルホール(ライヴ)
朝比奈 ショスタコーヴィチ 交響曲第5番「革命」★★★★
一楽章、暖かい温度感ではじまりました。テンポが動くことは無くインテンポを貫き通すので、ちょっと間延びする場面もあります。少しテンポを速めた展開部。展開部はテンポが動きます。金管は激しく咆哮することは無く、節度を保っています。コーダは静かに静かに演奏され終わりました。

二楽章、木管の音が合っていないようで、バラバラな感じがしました。歌に満ちた演奏で、抑揚や間があってとても良い感じです。

三楽章、暖色系の響きのために、この楽章の持っている厳しく凍て付く寒さのような雰囲気がありません。暖かい響きで悲痛な表現とはかなり違います。

四楽章、ゆったりとしたテンポです。主題の後にテンポを上げてスピード感が出てきました。輝かしく良く鳴ったトランペットのソロ。かなり熱気の感じられる演奏です。弱音部も整った演奏で聞かせます。終結へ向けて次第に力強くなる部分は感動的で、すばらしかったです。

小澤 征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ

小澤 征爾★★★★
一楽章、滑らかで分厚い主題。弦に揺られて静かにゆっくり演奏されるヴァイオリン。ロシアのオケのような冷たく厳しい響きではありません。第二主題もゆっくりと味わうような演奏です。展開部は少し速くなりますが、ホルンやトランペットはとても抑えられていて、大きな振幅はありません。トランペットの行進曲もとても軽いです。コーダに入る前のとても伸びやかなフルートが美しいです。コーダのヴァイオリンのソロも繊細で美しいです。

二楽章、あまり躍動感が無く、ホルンの音も短めです。

三楽章、ゆっくりと感情が込められた演奏です。フルートのソロも伸びやかで豊かな表現です。振幅が大きく思い切った表現です。全体に柔らかく伸びやかな響きで美しいのですが、ロシアのオケのような厳しさはありません。

四楽章、ゆっくりとしたテンポでテヌートぎみに演奏される主題。その後テンポを速める部分がぎこちなかったです。テンポを落とす部分はかなり思い切ったテンポでゆっくり演奏されるのですが、ちょっと間延びした感じもあります。コーダの金管も抑えられていて、小澤独特の解釈の演奏でしたが、肩透かしの部分も多くありました。

このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ムスティラフ・ロストロポーヴィチ/ワシントン・ナショナル交響楽団

ロストロポーヴィチ★★★★
一楽章、ゆっくりと演奏されるヴァイオリン。とても丁寧な演奏で、作品への思い入れを感じさせます。第二主題もゆっくりと感情を込めた演奏です。フルートがロシアの寒さを感じさせます。展開部に入ると突然ホルンが目の前で鳴り始めます。スネアも目の前で演奏しているような不自然な音場感です。金管は激しく咆哮します。コーダのテンポを落としてアゴーギクを効かせた演奏はなかなかのものでした。

二楽章、ホルンは独特の表現です。テンポの動きはとても大きいです。

三楽章、前の二つの楽章で見せたテンポを動かして感情を込めた表現から、淡々と感情を抑えた演奏になっています。普通ならこの楽章で感情を吐露するのではないかと思いますが、かなり肩透かしです。ただ、強弱の振幅は大きいです。表現も雑な感じの部分もありました。

四楽章、遅めのテンポで演奏される主題。オケの技量からか、主題も荒い感じです。主題の後はかなり勢いのある演奏です。テンポの動きはかなり大きいです。演奏自体にムラがあって、感情を込めて濃厚な部分と、とても希薄でなんとなく演奏されている部分があります。それと遅い部分が遅すぎて間が持たない感じもあります。

このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ウラディーミル・アシュケナージ/フィルハーモニア管弦楽団

アシュケナージ★★★★
一楽章、とてもエッヂの効いた主題。続くヴァイオリンは極端に音量を落とすことは無く、緊張感もありません。第二主題は抑えた音量ですが、やはり緊張感はあまりありません。展開部に入ると、明快に鳴る金管ですが、ロストロポーヴィチの演奏のように咆哮することは無く美しい響きを保っています。伸びやかで美しいフルート。コーダに入ると一気に暗く重苦しい雰囲気になります。

二楽章、ヴァイオリンのソロは凄く歌います。録音はとても良く、それぞれの楽器が粒だっています。

三楽章、何とも言えない悲しい表現です。強い表現はありませんが、内面から染み出るような感情。アシュケナージがこの音楽に強い共感を感じていることが伝わってくる演奏です。孤独なクラリネット。

四楽章、最初テヌートで演奏される主題。その後もテヌートで演奏される部分が出てきます。

三楽章だけが飛び抜けて良かったです。

このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ヤッシャ・ホーレンシュタイン/ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団 1952年

ホーレンシュタイン★★★
一楽章、次々と押し寄せてくる第一主題。続くヴァイオリンはても良く歌います。第二主題はとても柔らかい表現になります。ただ、ヴァイオリンの高音域は録音の古さからかなりキツイ響きになります。ダイナミックレンジも狭くかなり平板に聞こえます。展開部も音圧はほとんど上がらず軽い感じです。

二楽章、響きの薄い低弦。テンポは颯爽とした速めのテンポです。軽く爽やかなトランペット。

三楽章、速めのテンポでほとんど感情が込められていないような軽薄な印象の演奏です。演奏もたどたどしい感じがします。最も悲痛になる部分ではテンポを落として濃厚な表現でした。

四楽章、弱いティンパニ。異様に近いトランペット。アンサンブルも怪しいところがあり、こなれていない感じがとてもします。スネアが入るところからはかなり速いテンポになります。コーダも速めのテンポで音を短く切る金管がとても不自然です。

このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

セルジュ・チェリビダッケ/RAI国立交響楽団 1955年ライヴ

チェリビダッケ★★★
一楽章、物凄く古臭い録音です。遅い第一主題。続くヴァイオリンもとても遅いです。第二主題も遅いです。晩年の超スローテンポの演奏の片鱗のような演奏で、一音一音大切に演奏しています。展開部へ向けてさらにテンポが遅くなります。抑えられた金管。トランペットが終わるあたりからテンポが速くなりました。それでも普通の演奏に比べるとかなり遅いです。再現部に入ってフルートが入る部分になるとまた遅いテンポになります。脱力して祈るような演奏でした。

二楽章、この楽章も遅めのテンポです。冒頭部分で強弱の変化のある表現がありました。

三楽章、録音の古さの上にマイクセッティングの制限のあるライヴと言うこともあり、美しさが全く感じられないのが残念です。弱音はかなり音量を落としているようです。

四楽章、落ち着いたテンポで抑え気味の第一主題から少しずつ加速します。テヌート気味に演奏されるトランペットのソロ。コーダのトランペットが苦しそうです。
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ディミトリー・ミトロプーロス/ニューヨーク・フィルハーモニック 1952年

ミトロプーロス
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

イシュトヴァン・ケルテス/スイス・ロマンド管弦楽団

ケルテス
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

セルゲイ・クーゼヴィツキー/ボストン交響楽団

クーゼヴィツキー
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

パーヴォ・ヤルヴィ/パリ管弦楽団

ヤルヴィ
このリンクをクリックすると動画再生できます。

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック 1979年東京ライヴ

バーンスタイン
このリンクをクリックすると動画再生できます。

フィリップ・ジョルダン/マーラー・ユーゲンド管弦楽団

ジョルダン
このリンクをクリックすると動画再生できます。

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1983年ライヴ

ムラヴィンスキー
このリンクをクリックすると動画再生できます。

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1973年東京ライブ

ムラヴィンスキー
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

セミヨン・ビシュコフ/ケルンWDR交響楽団

ビシュコフ
このリンクをクリックすると動画再生できます。

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1982年ライヴ

ムラヴィンスキー
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ベルナルト・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

ハイティンク
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

チョン・ミョンフン/東京フィルハーモニー交響楽団

チョン・ミョンフン
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ユーリ・テミルカーノフ/サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団

テミルカーノフ
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

マリス・ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団 2005年ライヴ

ヤンソンス
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

マクシム・ショスタコーヴィチ/ロンドン交響楽団

マクシム・ショスタコーヴィチ
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

クルト・ザンデルリング/ベルリン交響楽団

ザンデルリング
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア交響楽団

スヴェトラーノフ
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

アンドレ・プレヴィン/ロンドン交響楽団

プレヴィン
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

レオポルド・ストコフスキー/ロンドン交響楽団

ストコフスキー
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

イオン・マリン/NHK交響楽団

マリン
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

ウラディミール・ゴルシュマン/セントルイス交響楽団

ゴルシュマン
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

Sarah Bisley/アオランギ交響楽団

Bisley
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

アンドリル・ネルソンス/ボストン交響楽団

ネルソンス
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

サー・ジョン・バルビローリ/ハレ管弦楽団

バルビローリ
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

Matchavariani/イズミール国立交響楽団

Matchavariani
このリンクをクリックすると動画再生できます。

Vass/パノン・フィルハーモニー管弦楽団

Vass
このリンクをクリックすると動画再生できます。

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

陳佐湟/中国国立交響楽団

Chen
このリンクをクリックすると動画再生できます。

ミハイル・プレトニョフ/ロシア・ナショナル管弦楽団

プレトニョフ
このリンクをクリックすると音源の再生ができます。

Lim Hun-Joung/韓国交響楽団

Lim Hun-Joung
このリンクをクリックすると動画再生できます。

ダーヴィト・アフカム/HR交響楽団

アフカム
このリンクをクリックすると動画再生できます。

クラシック名盤試聴記 ・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」名盤