カテゴリー: 管弦楽曲

ラヴェル「ボレロ」

ラヴェル「ボレロ」名盤試聴記

アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団

★★★★★

割と大きめでスネアの響きがはっきりと聞こえる冒頭。ゆったりとしたテンポで、テヌート気味で太い響きのフルート。ビブラートも含めてとても色気のあるファゴット。匂い立つようなオーボエダモーレ。ホルンが刻むリズムが大きいです。サックスは比較的ストレートな表現です。ピッコロとホルンとチェレスタは柔らかくブレンドされた響きです。トロンボーンもビブラートを効かせて極上のセクシーさです。木管群とヴァイオリンの爽やかなA。トランペットの八分音符が強く演奏されますが、しっかりと地に足が付いています。最後のAはトランペットが突き抜けて来ます。最後は二台のスネアの足並みが乱れる部分もあります。ボレロは優雅なAとセクシーなBの旋律を繰り返しますが、どちらも両立した演奏でした。極端に強弱の振幅がある演奏ではありませんでしたし、フランスのオーケストラらしいいい加減なアンサンブルもありますが、ソロのセクシーさでは群を抜いている演奏だと思います。

ピエール・ブーレーズ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★★

リム付近を叩くコツコツと響くスネア。明るい響きのフルート。ドイツのクラリネットの響き。ファゴットもEbクラも歌いますがまありセクシーではありません。テヌト気味のオーボエダーモーレ。装飾音も付けて歌うテナーサックスとソプラノサックス。どのソロも洗練されていて上手いです。歯切れよく小気味よいスネア。トロンボーンは嬉しくなるほどセクシーです。2台目のスネアが入るのは分かりませんでした。個人的には、これくらい引き締まったスネアが理想的だと思います。コーダに入って自然なクレッシェンド。シンバルやドラが入る直前でさらにクレッシェンド。ソロはソロである程度自由に表現させて、アンサンブルは整然と整った美しい演奏でした。

シャルル・ミュンシュ/パリ管弦楽団

★★★★★

最初からスネアの音が聞こえます。この状態だと、ffではユルユルの響きになりそうですが・・・・。太く暖かいフルート。明るいクラリネット。独特の響きで色気のあるファゴット。Ebクラもとても豊かな表現です。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強いです。意外と素直なテナーサッククスとソプラノサックス。ピッコロとホルンとチェレスタはとても良くブレンドされています。なかなかセクシーなトロンボーン。木管と第一ヴァイオリンのAや続く第一、第二ブァイオリンのAでは、旋律が走る?かスネアが遅れる部分もありました。トランペットが八分音符を吐き捨てるように雑に演奏します。やはりスネアはユルユルです。最後のBでアッチェレランドです。トランペットも強烈です。ミュンシュのやりたい放題のかなり乱暴な演奏でしたが、なかなか聴きごたえがありました。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1966年

★★★★★
リムのギリギリを叩くコツコツと言うスネア。全くスネアのシャリシャリした響きはありません。ppからffまで演奏しないといけないので、どの音量でベストな響きにするのかは奏者の判断ですが、この締まったスネアはある程度の音量でベストな響きになるセッティングでしょう。かなり強く絞められたスネアは遠くで聞いても歯切れ良い響きになるとても良いチューニングです。芳醇なフルート。Bの旋律は割と自由に演奏させているような感じです。フルートとミュートしたトランペットがとても良くブレンドされています。歯切れの良いスネアが心地よく響きます。テナーサックスは艶のある表現です。ソプララノサックスもテンポの中で揺れる表現で、カラヤンが極端に制御している感じではありません。ピッコロ・ホルン・チェレスタもブレンドされた不思議な響きです。トロンボーンもセクシーな表現です。トロンボーンの後のスネアの響きは抜群です。木管群のAとBの間でスネアが2台になるのがはっきりと分かります。クライマッックスに近付くにつれて金管が遠くから抜けて来たりします。コーダでもトロンボーンが抜けて来たり、カラヤンが何もかも制御するのでは無く、楽員にも自由度を与えながら上手くまとめた演奏で、ベルリンpoもとても良い状態の演奏だったと思います。

大植 英次/大阪フィルハーモニー交響楽団

★★★★★

スティックをかなり短く持って、ヘッドの中央付近を叩いているスネア。指の感覚に近いフィーリングで叩こうとしているのか。明るい響きのフルート。抜けの良いクラリネット。表情はありますが、やはり真面目なファゴット。美しく響きますがやはりセクシーでは無いEbクラ。ビブラートも掛けて歌うテナーサックス。ソプラノサックスもビブラートを掛けて装飾音符も付けて歌いますがセクシーな表現ではありません。プツプツと締まった響きのスネア。ピッコロ・ホルン・チェレスタはバランスが良い感じです。木管群の演奏中に明らかにクレッシェンドしたスネア。トロンボーンは、はっきりとタンギンせずルーズな感じでとてもセクシーな演奏でした。トロンボーンの後の木管群も華やかでした。第一ヴァイオリンが入るとサラッとした感じになり、とても色彩感が豊かです。最後から3番目のBはまろやかな響きです。最後まで引き締まったスネアは素晴らしい響きです。コーダに入って大きくクレッシェンド。豊かな色彩感と、最後まで統率された素晴らしい演奏でした。

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ヴァレリー・ゲルギエフ/ロンドン交響楽団

★★★★★

リム付近を叩いているからか、胴鳴りなのか、スネアが僅かに響いているのか、良く分からないスネア。太く暖かいフルート。ニュートラルなクラリネット。途中少し走るような表現でした。フルートとミュートしたトランペットはトランペットがカップミュートをしているので、とても良くブレンドされています。セクシーなテナーサックス。ソプラノサックスも艶めかしく色気のある演奏でした。スネアは少し緩い感じがします。トロンボーンもなかなか良い演奏でした。木管群も華やかです。最後のAの直前で大きくクレッシェンドしました。スネアはユルユルになって来ました。最後の堂々としたエネルギー感は凄かったです。

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リッカルド・ムーティー/フィラデルフィア管弦楽団

★★★★★

かなり緩いようなスネアの響き。太めのフルート。クラリネットもファゴットも独特な響きです。Ebクラもゴムの管を吹いているような独特の響きです。ロウのような滑らかさのテナーサックスはセクシーな演奏でした。ソプラノサックスも装飾音を含んでセクシーでした。トロンボーンもクネクネとした表現でとてもセクシーでした。八分音符を刻むトランペットはとても柔らかく演奏しています。最後のAでピッコロトランペットが輝かしく響きます。最後はゆっくりとこれでもかとグリッサンドするトロンボーン。最後は堂々とした演奏でした。

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ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1985年

★★★★☆

1966年盤よりも若干緩いスネアです。フルートも若干細身か、これぞクラリネットと言う響き。あまり潤いの無いEbクラ。1966年盤ほどブレンドされないフルートとミュートしたトランペット。テナーサックスも細身で表現もあまり積極的ではありません。ソプラノサックスはかなり歌いました。トロンボーンもよく表現しますが、セクシーではありません。スネアは常に控えめで、2台目が入ったのもあまりはっきりとは分かりませんでした。かなりカラヤンによって制御されているようで、金管が突き抜けて来るようなことは無く、全体のバランスも保って演奏されています。最後のAは華やかで力強いです。スネアもどんどんクレッシェンドして来てかなりの存在感になっています。強弱の振幅は1966年盤よりもかなり大きかったように感じました。ただ、表現の自由さはかなり抑えられていて、最後の力強さを聞かせたかったのかなと感じました。

ジャン・マルティノン/フランス国立放送管弦楽団

★★★★☆

小さいスネアを使っているような響きです。最初からスネアが鳴っています。色彩感のはっきりとした演奏です。テヌートぎみの柔らかい表現です。ファゴットは際立った色気は感じません。Ebクラも表現は控えめです。フルートとトランペットのミュートの後半でフルートが旋律を間違えます。テナーサックスも取り立ててセクシーな演奏ではありません。ソプラノサックスも大きな表現はありませんが、ここまで、フランスのオケとしてはとても整った演奏です。トロンボーンは少しセクシーでしたが、抑制された表現です。二台目のスネアが入ったところは分かりませんでした。スネアは涼し気な響きです。トランペットの八分音符が大きく響きますが、ミュンシュの演奏ほど乱暴で突き抜けてはいません。コーダはかなりの音量になったように感じました。しっかりとコントロールされた演奏でした。

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

★★★★☆

冒頭からスネアの響きが僅かに聞こえるチューニングです。いつものデュトワの演奏と同様に温度感の低い、透明感の高い演奏です。細身のファゴットが少し表現を加えた演奏をします。滑らかなEbクラがさらりと演奏します。テナーサックスもあっさりとした表現です。ソプラノサックスもほとんど表現らしい表現が無くあっさりとしています。ピッコロとホルンとチェレスタはホルンが強めです。トロンボーンは少し表情のある演奏ですが、セクシーさは全くありません。二台目のスネアが入ったのはほとんど分かりませんでした。チューバの存在感がかなりあります。スネアが緩い感じがして来ました。弱音を優先したチューニングでffになると緩いです。コーダはかなり強くなりましたが、全体にとても制御された演奏で、オケはとても上手いのですが、セクシーさよりも清潔感のある清楚な演奏で、私がイメージするボレロとはかなり違う演奏でした。

ロリン・マゼール/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★☆

リム付近を叩く甲高い音のスネア。速めのテンポで滑らかなフルート。ウィーンらしい潤いのあるクラリネット。乾いた響きのファゴット。Ebクラはあっさりとした表現です。なまめかしいテナーサックス。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大に響きます。暗い響きのトロンボーン。陰湿なセクシーさで独特の表現です。木管群やヴァイオリンなどの旋律もなぜか暗い。最後のBで急ブレーキ。陰湿で暗い、変態のようなセクシーさ。マゼール独特の表現でした。異色のボレロでかなり好き嫌いの分かれる演奏だと思います。私は、この変態のようなセクシーさは好きです。

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エルネス・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

アンセルメ

★★★★

かなり緩いスネア。豊かな響きを伴ったフルート。フルートもクラリネットも歌おうとするのか、スネアより若干遅くなる部分もありました。ストレートな表現のファゴット。Ebクラもストレートな表現でした。間接音を含んだオーボエダモーレ。ミュートしたトランペットが強く響きます。テナーサックスもあまり大きい表現はしません。装飾音符を含んだソプラノサックスですが、やはりセクシーな表現では無く、後半で音を短く演奏する部分もありました。ピッコロ・ホルン・チェレスタはとても盛大に鳴ります。笑うようなトロンボーンは少しセクシーでした。木管群はとても華やかです。ヴァイオリンが入ると涼やかな響きになります。とても色彩感は豊かです。スネアはユルユルです。最後のAとBでピッコロトランペットが輝かしく響きます。表現はあま積極的ではありませんでしたが、濃厚な色彩感はさすがでした。

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ズービン・メータ/ロサンジェルス・フィルハーモニック

メータ

★★★★

径の小さいスネアでスネアは緩めです。明るいフルート。テンポも軽快です。ストレートでセクシーでは無いファゴット。明るく沸き立つようなオーボエダモーレ。軽快なテンポに乗って微妙な表情を付けるテナーサックス。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大に鳴ります。少し沈んだ木管群。テンポに乗って歌うトロンボーンですが、やはりセクシーな表現とは違います。スネアがとても力強く推進力があります。マットなヴァイオリン。個人的にはもう少し締まっていて欲しいスネアです。2台目のスネアが入るのがはっきりと分かりました。2台のスネアが少しバラけます。最後もスネアはバラバラでした。若いメータの勢いそのまま。絶好調の時代の演奏でした。

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スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ/読売日本交響楽団

★★★★

強くミュートしてあるようなスネア。陰影のあるクラリネット。豊かな響きを伴ったファゴットですが、正直な演奏です。Ebクラもセクシーではありません。オーボエダモーレも豊かな響きを伴って美しいです。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強いです。テナーサックスも素直な表現です。ソプラノサックスは少しセクシーでした。ピッコロ・ホルン・チェレスタはバランス良く響きます。木管群は控えめです。とてもセクシーなトロンボーン。スネアは良い音になって来ました。ウァイオリンが入ると涼やかな響きになります。2台目のスネアが入ったのははっきりと分かりました。最後までスッキリとした響きの演奏でした。

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イゴール・マルケビィッチ/スペイン放送交響楽団

★★★★

胴鳴りのような響きがするスネア。割と速めのテンポで進みます。サックスのような響きのファゴット。一本調子のEbクラ。タメも無くテナーサックスも一本調子です。ソプラノサックスは少し表現しました。軍隊の行進のような推進力です。笑うようなトロンボーン。ここでも表現は少しです。水彩画のような淡い色彩。ゴム毬が跳ねるようなチューバの響き。最後のAとBで見事なバランスで突き抜けて来るピッコロトランペット。スネアは少し緩いか。コーダに入って若干テンポが上がったか?表現は抑制されていて、色彩感もてとも渋いものでしたが、オケをしっかりと統率した演奏は見事でした。

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セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 1993年

★★★★

チェリビダッケらしくゆっくりとしたテンポ。極端な弱音でスタートします。リム付近を叩く硬い響きのスネア。ふくよかで暖かいフルート。ファゴットはあまり表現の無い平板な演奏です。フルートとミュートしたトランペットは明らかに分離しています。テナーサックスはかなりセクシーな演奏でした。ピッコロとホルン、チェレスタの後、トランペットのリズムを刻む音が大きくなります。トロンボーンも表現しますが、何かチェリビダッケから「表現しろ」と言われて、どうして良いのか分からずに戸惑いながら表現しているような感じがしました。この辺りになると、スネアの緩さが目立って来ます。2台のスネアも6連符では、リズムが揃わずダラダラになります。16回目の繰り返しでトランペットの八分音符を刻む音が強くなりますが、上の音だけで、下の音はほとんど聞こえません。テナーサックスとトロンボーン以外は表現を抑えて、整えられた演奏ですが、ライブと言うこともあって、細部の精度はそんなに高い演奏でも無く、最後の盛り上がりも強いものではありませんでした。

チョン・ミョンフン/東京フィルハーモニー交響楽団

★★★★

抜けの悪い感じはありますが、リム付近を叩くスネア。ゆったりと表現するクラリネット。明るい響きのファゴット。ストレートな表現のEbクラ。少しセクシーなテナーサックス。良く歌いますが、セクシーでは無いソプラノサックス。ピッコロ。ホルン・チェレスタはやはり大きく響きます。トロンボーンはテンポも揺らして表現します。スネアは引き締まった良い音です。第一ヴァイオリンが入ると華やかな響きになります。第二ヴァイオリンも入るとさらに華やかになります。二台目のスネアは明らかに入ったのが分かりました。何と二台目のスネアはステージ奥の客席にいます。オーケストラが一体になった盛り上がりは見事でした。チョン・ミョンフンの統率力を発揮した演奏でしたが、日本のオケにセクシーな演奏を求めても無理なのか?

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アルミン・ジョルダン/スイス・ロマンド管弦楽団

ジョルダン

★★★★

リム付近を叩いていますが、僅かに胴鳴りのような響きも聞こえます。ファゴットまで抑えた表現です。滑らかですが、ストレートな表現のEbクラ。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強く響きます。テナーサックスも抑制的でセクシーではありません。ソプラノサックスはテナーサックスよりも積極的に表現します。トロンボーンはかなり積極的に歌いますが、やはりセクシーではありません。スネアは若干緩い感じになって来ました。第一ヴァイオリンが入ると涼やかな感じになります。スネアのマイクポジションはバター側では無く、スネア側から音を拾っているような感じです。最後のAのトランペットが切れ味鋭い音です。最後はフルパワーの演奏で、ヴァイオリンが入った時には涼やかだった響きが熱い響きに変わるのは見事でした。

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ジャンルイジ・ジェルメッティ/シュトゥットガルト放送交響楽団

★★★★

ほとんどスネアの音が聞こえません。ゆったりとしたテンポで落ち着いて演奏されるフルート。内に秘めたようなクラリネットはなかなか良い表現です。大きく歌うファゴットですが、セクシーではありません。Ebクラも良く歌いますが、やはりセクシーな表現ではありません。オーボエダモーレはテヌート気味に表現します。抑え目の音量でやはり内に秘めたような表現のテナーサックス。スネアが引き締まった響きで聞こえて来ます。トロンボーンは色んな表現をしますが、やはりセクシーとは言えません。アンサンブルはとても整っています。第一ヴァイオリンが入るととても爽やかな響きになります。トランペットの八分音符はとても短く弱めです。最後もフルパワーにはならず、抑制された感じでした。良く歌う演奏でしたが、セクシーではありませんでした。それでも、とても良く鍛えられたアンサンブルは見事でした。

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クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団

★★★★

速めのテンポで径の小さく浅いスネアを使っているような響きです。遠くから響くようなフルート。速いテンポも相まってとてもあっさりとした演奏です。滑らかで潤いのあるクラリネット。Ebクラも滑らかに流れて行きます。フルートとミュートしたトランペットは明らかにトランペットが強いです。控えめでセクシーな感じはほとんどないテナーサックス。ピッコロ、ホルン、チェレスタはよくブレンドされています。直後のトランペットがスネアと同じリズムを刻みますが、モタモタです。トロンボーンも表現はしますが、セクシーではありません。木管だけのBはとても華やかです。最後のAとBはトランペットが突き抜けて来ます。このトランペットは凄いです。最後は弦楽器奏者が自然に歓声を上げたと記載されていますが、そんなことは無いだろうと思います。事前に準備されたものだと思います。色彩感や盛り上がりはありましたが、セクシーさが無かったのが少し残念でした。

ジョルジュ・プレートル/RAI国立交響楽団

★★★☆

リムの際より少し離れたところを叩いているようでたどたどしいリズムで始まったスネア。途中でテヌート気味の表現をするフルート。あまり大きな表現の無いファゴット。途中で少し遅くなるEbクラ。オーボエダモーレも途中でテヌートの表現です。ミュートしたトランペットに負けてあまり聞こえないフルート。テナーサックスも途中で遅くなったりします。Bの旋律は皆、下降旋律で遅くなります。ピッコロ・ホルン・チェレスタはバランスの良い響きです。Aの旋律は皆途中でテヌートです。細い響きのトロンボーンも途中で遅く演奏しますが、セクシーな表現とは言えません。リズムを刻む楽器が良く聞こえて小気味良いです。木管群のBも揃えて遅くなります。あまり色彩感は濃厚ではありません。クレッシェンドもあまり大きくはありません。最後のAとBでピッコロトランペットが突き抜けて来ますが、そんなに音量が増した感じは無く、埃っぽい響きです。独特の表現の演奏でしたが、セクシーさや色彩感や音量の変化も乏しい演奏だったのは残念でした。

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ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団

★★★☆

リム付近を叩いていますが、僅かにスネアの音が聞こえます。径の小さいスネアを使用しているのか?フルートもクラリネットもくっきりと浮かび上がります。表現はしますが、セクシーでは無いファゴット。Ebクラも見事ですが、セクシーではありません。どの楽器も際立っていて、色彩感がとても豊かです。フルートとミュートしたトランペットはほとんどトランペットを聞いている感じです。アメリカ的で金属的なテナーサックス。装飾音もあってセクシーな感じです。トロンボーンは大きな表現をしますが、ちょっと作為的で、セクシーを通り越して滑稽に聞こえます。トロンボーン以降の木管群にヴァイオリンや、トランペット、トロンボーンが加わる色彩感もとても豊かです。色彩感はとても豊かな演奏でしたが、セクシーさはあまり感じませんでした。ショルティにセクシーさを求めても無理か!

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フイルハーモニー交響楽団

★★★☆

物凄く遅いテンポで、リムよりも内側を叩いているようで、最初からスネアの響きがします。テンポはチェリビダッケにも劣らない遅さです。フルートも息が続きません。ファゴットは表現しますが、かなり抑えられています。フルートとミュートしたトランペットのあたりになるとかなりテンポが速くなりましたが、まだ一般的なテンポに比べるとかなり遅いです。聞きなれたテナーサックスの響きとは違います。そんなに大きな表現はしません。アルトサックスのような響きのソプラノサックス。もしかしたら本当にアルトサックスで代用したのか?独特の響きのトロンボーンですが、セクシーさは全くありません。厳格なムラヴィンスキーにセクシーな表現は元々無理な気はしますが・・・。ヴァイオリンはとても近く、残響もほとんど伴っていません。ヴァイオリンが入るあたりでは一般的なテンポになって来ました。叩きつけるようなスネア。ピッコロトランペットが歪んでいます。かなり埃っぽい録音になって来ました。コーダに入って猛烈に加速します。一貫してテンポを速める演奏はなかなか良かったと思います。ただ、ムラヴィンスキーはセクシーとは対極にある人なので、脱力するようなセクシーさは全く感じませんでした。

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クリストフ・エッシェンバッハ/パリ管弦楽団

★★★☆

胴の浅いスネアでコツコツとした響きです。太く暖かい響きのフルート。黄昏を感じさせるクラリネット。強弱の変化も付けて表現するファゴット。Ebクラはファゴットとは違う表現をします。フルートとミュートしたトランペットは少しトランペットが強い。軽快なテンポで進みます。装飾音も付けて少しセクシーなテナーサックス。割とストレートなソプラノサックス。スネアは緩い感じになって来ました。テンポよりも遅く遅くねちっこい表現でとてもセクシーなトロンボーン。滑らかな木管群。ヴァイオリンはマットな響きで、渋い響きになりました。パリ管とは思えないような渋い響きです。スネアはユルユルになりました。最後もピッコロトランペットが突き抜けることも無く、渋い響きのままです。ソロは色彩感がありましたが、楽器が重なるにつれて渋い響きになりました。

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クラウス・テンシュテット/フィラデルフィア管弦楽団

★★★☆

低音がボンつく感じで、スネアの響きが太く感じます。笛の音がするフルート。スネアはかなり緩い感じです。ファゴットはあまりセクシーではありません。Ebクラも積極的な表現ですがセクシーではありません。控えめに入って次第に大きくなる表現でセクシーなテナーサックス。スネアはかなり緩い感じがはっきりとして来ました。ビブラートを効かせたトロンボーンは笑いながらセクシーです。ヴァイオリンが入ってもくすんだ響きです。ミュンシュ/パリ管の演奏でもスネアは緩かったですが、それと同じかそれ以上に緩いです。トゥッテイの中からビブラートを掛けるトロンボーンが聞こえます。ピッコロトランペットが入って華やかで輝かしくなります。

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ジョセップ・ポンズ/スペイン国立管弦楽団

ポンズ

★★★

リム付近を叩くパツパツとした響きのスネア。ゆったりとしたテンポです。陰影のあるクラリネット。浅い響きのファゴットは割とストレートな表現です。ゆったりと大きな表現のEbクラ。装飾音符を含んで少しセクシーな表現のテナーサックス。ミュートしたトランペットの八分音符がはっきりと響きます。酔えるようにセクシーなトロンボーン。スネアは締まった良い音です。ヴァイオリンが入ったあたりから、ゆったりとしたテンポを少し持て余しているような感じもします。奥からピッコロトランペットが響きます。

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金 聖響/東京フィルハーモニー管弦楽団

金 聖響

★★★

匂い立つようなクラリネット。ミストーンはありましたが生き生きとしたファゴット。艶やかで生き生きとしたEbクラ。暖かいテナーサックス。とても濃厚な色彩感です。日本のオケにセクシーな表現を求めても無理なのか。とても歯切れの良いスネア。スッキリとした清潔感のある響きです。最後の六連符はゆっくりでした。あまり大きなクレッシェンドにはならず細身でスッキリとした演奏でした。

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リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

シャイー

★★★

冒頭からスネアの響きが少し聞こえるチューニングです。太くはありませんが、暖かいフルート。くっきりと浮かび上がるファゴット。細身のテナーサックス。ソプラノサックスもテナーサックスと同じような表現ですが、セクシーではありません。ピッコロとホルンとチェレスタは良くブレンドされています。トロンボーンも細身で、豊かな表現ではありますが、セクシーな表現ではありません。ホルンの刻むリズムが良く聞こえます。二台目のスネアが入ったのはほとんど分かりませんでした。スネアはかなり緩くなって来ました。最後のAの前からティンパニが強くなりました。若干テンポを上げたか?アバド盤と同様にコーダで歓声が入りますが、アバドほど大きくはありませんでした。コンセルトヘボウらしい濃厚な色彩を期待しましたが、あっさりとした色彩と表現で、セクシーさはほとんど感じませんでした。

モートン・グールド/ロンドン交響楽団

モートン・グールド

★★★

弦のピチカートは聞こえますが、スネアはほとんど聞こえません。静寂感の中に響くフルート。テンポはゆったりとしています。ソロはそれぞれ上手いのですが、色彩感はあまり濃厚ではありません。フルートとミュートを付けたトランペットは明らかにトランペットが強いです。テナーサックスもソプラノサックスも真面目です。トロンボーンは大きく、表現も積極的でしたが、やはりセクシーではありません。木管群は切れのいい響きで気持ちが良いです。ティパニが大きく響き、底辺を支えている感じです。14回目と15回目の繰り返しの間と16回目の間でスネアが大きくクレッシェンドしました。最後はフルパワーを感じさせる演奏で、強弱の振幅は最も大きい演奏だったかも知れません。しかし、Bの旋律に全くセクシーさが無かったのはとても残念でした。

小澤征爾/ボストン交響楽団

★★★

スネアの響きがする冒頭。自然で美しい、フルートとクラリネット。表現は控えめなファゴット。フルートとミュートのトランペットはトランペットが支配的です。ふくよかさは余り無いテナーサックス。ソプラノサックスもあまり大きな表現はありません。首が締まったような細いトロンボーン。軽快なテンポで推進力があります。2代目のスネアが入ったのは分かりました。スネアのリズムが独特で3連符の頭を少し強く演奏しています。最後、スネアはかなり緩く感じます。最後は若干テンポを速めて終わりました。とても音色に気を配った演奏のように感じました。最後も音が荒れることの無い範囲で収めた感じで、安全運転のような感じで禁欲的した。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1977年

★★★

ゆったりとしたテンポで僅かにスネアの響きが聞こえます。66年盤よりも少しスリムなフルート。小さく入ってクレッシェンドするクラリネット。大きくは歌わないファゴット。大きく入ったEbクラ。カラヤンの3回の録音の中では一番細いテナーサックス。表現も抑制的でした。ソプラノサックスもあまり自由な表現ではありません。フルートとミュートしたトランペットはトランペットが強かったですが、ピッコロ・ホルン・チェレスタは良くブレンドされていました。トロンボーンは作為的な表現もありましたが、セクシーでした。スネアは最後まで引き締まっています。最後まで大きな盛り上がりが無く、表現も3回の録音の中で一番カラヤンによって制御された演奏で面白みがありませんでした。

ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団

★★★

リム付近を叩くパチパチとした響きのスネア。控えめで籠った響きのクラリネット。ほとんどセクシーな表現をしないファゴット。フルートとミュートしたトランペットはとてもバランスの良い響きです。テナーサックスは歌いますが、セクシーではありません。ソプラノサックスは上手い表現をしますが、セクシーではありませんでした。ピッコロ・ホルン・チェレスタも盛大にならず、良いバランスです。渋い響きの笛を含まない木管群。細く詰まったようなトロンボーン。大きな表現なのですが、やはりセクシーではありません。少しだけ華やかになる木管群。第一ヴァイオリンが入っても渋い響きです。トランペットが入ると、とても強くなったり引っ込んだりします。スネアは若干緩さが感じられます。パリ管との演奏よりも全体は盛り上がりましたが、色彩感の乏しい演奏でした。

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ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

バレンボイム

★★★

少し遠いスネア。フルートも遠くにいます。どのソロもほとんど表情がありません。テナーサックスは美しい響きでセクシーでした。ソプラノサックスは表現しますがセクシーではありませんでした。弦のピチカートが克明に録音されています。ビブラートを効かせたトロンボーンでしたが、セクシーとは言えない演奏でした。続く木管は華やかです。最後のAはバランス良く華やかな響きです。バレンボイムが何をしたかったのか、ただ演奏しただけのような演奏に感じました。

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ダニエル・バレンボイム/パリ管弦楽団

★★★

ゆったりとしたテンポでリム付近を叩くコツコツとした響きのスネア。落ち着いた響きのフルート。あまりセクシーな表現をしないファゴット。丁寧なEbクラ。テヌート気味の表現のオーボエダモーレ。艶っぽくでセクシーさもあるテナーサックス。ミュートしているような打音が硬いスネアの響きです。ソプラノサックスは抑え気味の表現です。ピッコロ・ホルン・チェレスタは良くブレンドされていますが、これまでの音量から一段大きくなりました。トロンボーンは少し大げさな表現で興醒めします。木管群の色彩はとても華やかです。テンポの遅さにパリ管が乗り切れてないような感じがします。くっきりと浮かび上がるトランペットの八分音符。スネアがこれでもかとクレッシェンドして行きます。スネアの盛り上がりに比べると他のパートは醒めている感じがして、今一つ盛り上がりませんでした。「笛吹けど踊らず」では無く、「太鼓叩けど踊らず」でした。

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ロリン・マゼール/フランス国立管弦楽団

★★★

緩めではっきりとスネアの響きが聞こえます。軽快なテンポです。ウィーンpoとの録音と同じ表現のファゴット。テナーサックスは少し細身で、ファゴットと同じ表現です。このあたりでスネアが程良い響きになっているので、後半はかなり緩い響きになるのでは。ピッコロ・ホルン・チェレスタが盛大に鳴るのもウィーンpoの演奏と同じで。続く木管群で音量が落ちるのがとても変です。トロンボーンはファゴットやテナーサックスとは違う表現で積極的でしたが、セクシーさはありません。2台目のスネアが入るのははっきりと分かりました。コーダで一段とボリュームアップです。ウィーンpoのような急ブレーキも無く、マゼールらしい仕掛けはありませんでした。ウィーンpoのような変態っぽいようなセクシーさも無く、個性の無い演奏でした。

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レナード・バーンスタイン/フランス国立管弦楽団

★★★

コツコツと響くスネア。陰影のあるクラリネット。独特な響きで歌うファゴットですが、あまりセクシーな表現ではありません。ファゴットは違う歌い方をするEbクラ。フルートとミュートしたトランペットはトランペットがストレートミュートなので、トランペットが強く響きます。艶っぽいテナーサックス。表現はさほどではありませんが、音色自体がセクシーです。良く音が通るソプラノサックス。トロンボーンは豊かに歌いますが、あまりセクシーではありません。第二ヴァイオリンが入るととても華やかになります。大きく盛り上がることも無くなんとなく終わった感じです。バーンスタインの最晩年の濃厚な表現で聞いてみたかったと感じました。

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エルネスト・アンセルメ/パリ音楽院管弦楽団

★★★

ゆったりとしたテンポでスネアの響きが聞こえます。奥まって響くフルート。細い響きのファゴット。ほとんどセクシーな表現はありません。テンポを引き延ばすようなEbクラ。二枚リード独特の響きのオーボエダモーレ。リズムを刻む楽器も後ろ乗りするような、テンポを遅らそう遅らそうとするような感じで、推進力は全くありません。テナーサックスには全くセクシーさを感じませんでした。ビブラートを掛けたソプラノサックスはセクシーです。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大に響きます。酔っぱらっているようなトロンボーン。テンポが前に進まないのがとても気になります。最後のAとBはピッコロトランペットが極端に突き抜けて来ます。かなり奏者にやりたいように演奏さているような感じでしたが、テンポが前に進まないのがとても気になりました。

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西本 智実/ロシア・ボリショイ交響楽団

西元

★★★

コツコツと響くスネア。何かノイズを含んでいるようなフルート。ロシアのクラリネットです。柔らかく美しいファゴット。かなり甲高く強い響きのEbクラ。フルートとミュートしたトランペットのバランスも良いです。テナーサックスは装飾音も入れて演奏しますが、セクシーな感じはありません。ピッコロ・ホルン・チェレスタもバランスが良いです。このあたりは日本人の繊細さか。積極的に表現するトロンボーンですが、やはりセクシーではありません。最後も極端に盛り上がることも無く、丁寧にまとめた感じです。日本人指揮者にセクシーなボレロを求めても無理なのか?

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ジャン=クリストフ・スピノジ/hr交響楽団

★★★

とても速いテンポで、リム付近を叩くスネア。テンポが速いので、乗りが良く一気に吹き終えるフルートとクラリネット。ファゴットにはテンポが速すぎるような感じがしました。Ebクラももう少し遅めに演奏したそうな感じでした。ミュートしたトランペットももう少しゆっくり演奏したそうです。テナーサックスは大きく表現しますが、あまりセクシーな表現ではありません。ソプラノサックスもテーナックスと同様の表現です。トロンボーンもサックスと同じような表現で、セクシーではありません。スネアは少し緩い感じです。最後のAとBでピッコロトランペットが強く響きます。後半に進むにつれてテンポに乗るようになったオケ。後半は良かったですが、最初のうち、テンポに乗り切れない演奏が残念でした。

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ヴィセンテ・アルベローラ/ガリシア交響楽団

アルベローラ

★★☆

少し緩めでスネアの響きが聞こえます。ゆったりとしたテンポです。太い響きのフルート。フルートもクラリネットもフレーズの頭を遅らせて出ます。大きな表現はしないファゴット。少しセクシーさのあるテナーサックス。装飾音符を付けて表現するソプラノサックス。かなり大きな表現をするトロンボーンですが、あまりセクシーな表現ではありません。スネアは三連符の頭を少し強く叩いています。華やかな木管群。ちょっと間が持たない感じで、ダレているような感じがします。八分音符も強く演奏されないので、ソフトな表現で、緩い感じです。単純な旋律の繰り返しなので、ゆったりとしたテンポでも緊張感を保つのは難しいのか?

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ベルナルト・ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

★★

弦のピチカートが強くてスネアはあまり聞こえません。あまり響きの無いフルート。ストレートな表現でセクシーでは無いファゴット。テナーサックスもあまり響きが無く、装飾音符を伴った演奏をしますが、セクシーではありません。絞り出すような響きのソプラノサックス。ピッコロ・ホルン・チェレスタは柔らかい響きです。木管群は渋い響きです。ビブラートを掛けたトロンボーンですが、グリッサンドを強調していて、セクシーではありません。スネアきかなり緩くなって来ました。トランペットの八分音符が強く響きます。ピッコロトランペットがねっとりとした響きで響いて来ます。

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ダニエレ・ガッティ/フランス国立管弦楽団

★★

リムよりも少し内側を叩いていて、スネアの音が聞こえます。若干細目で暖かいフルート。フランスのクラリネットです。割とストレートなファゴット。Ebクラもファゴッット同様ストレートです。ミュートしたトランペットが奥から聞こえますが、それでもフルートよりも強いです。装飾音を含んだテナーサックスでしたがセクシーではありません。滑らかな表現のソプラノサックスもセクシーではありませんでした。フルート・ホルン・チェレスタはホルンが少し弱い感じでブレンドされた響きにはなりませんでした。細く締まったトロンボーンも全くセクシーな表現ではありません。木管群も華やかにはならずまろやかです。ヴァイオリンが入っても渋い響きです。スネアは少し緩い感じになって来ました。最後になってもマットな響きで、色彩感も表現も盛り上がりも今一つの演奏でした。

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グスターボ・ドゥダメル/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

★★

太鼓の音がするスネア。ゆったりとしたテンポです。陰影のある秘めた響きのクラリネット。ストレートな表現のファゴット。ゆったりとしたテンポを持て余しているような感じが続きます。チェリビダッケの演奏では、こんな持て余しているような印象は無かったのですが、ちょっと密度が薄いかも知れません。細い響きのテナーサックス。装飾音符を含んで僅かにセクシーさのある演奏でした。ソプラノサックスも装飾音符を含んだ演奏ですが、セクシーではありません。ピッコロ・ホルン・チェレスタは盛大にならず、バランスも良いです。渋い響きの笛を含まない木管群。トロンボーンはセクシーでした。笛を含んだ木管群はそんなに華やかにはなりませんでした。第一ヴァイオリンが入ると少し涼やかになりますが、あまり色彩感は濃厚ではありません。二台のスネアが微妙にズレて、リズムが緩く感じます。コーダで六連符を少し遅くするところもありました。とても長い演奏に感じました。

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レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団

★★

かなり緩いスネア。速めのテンポで、細いフルート。少しもたつくようなファゴットですが、表現は豊かです。金属的なEbクラ。アメリカ的なテナーサックスですが、控えめで響きを伴っています。ソプラノサックスは装飾音も伴った演奏です。ピッコロ・ホルン・チェレスタはかなり盛大です。ミュートしたトランペットの八分音符が強く響きます。トロンボーンも積極的ですが、表現が強くてセクシーではありません。スネアが緩緩になって来ました。第一ヴァイオリンが入ると少し金属的な響きになります。トランペットの八分音符は強いです。最後のAのトランペットも凄く強いです。スネアはもうダラダラの響きです。最後のBはもう混濁しているような埃っぽい響きになってしまいます。若い頃のバーンスタイン/ニューヨークpo独特の勢いに任せた乱暴な演奏に感じました。

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ユージン・オーマンディー/フィラデルフィア管弦楽団

★★

リム付近よりも内側を叩いているようなスネア。笛の音がするフルート。独特な表現です。陰影のあるクラリネット。テンポを揺らして表現します。ファゴットも豊かな表現です。あまり美しさを感じないEbクラ。フルートよりもミュートしたトランペットが強いです。アメリカ的なテナーサックス。トランペットが刻むリズムが強く響きます。ピッコロ・ホルン・チェレスタはかなり盛大です。続く木管群の方が音量が下がります。トロンボーンの前にスネアが一旦音量を落とします。トロンボーンはちょっと極端な表現で少し滑稽にも聞こえます。第一ヴァイオリンが入る前にまたスネアが音量を一段上げました。何故ストレートにクレッシェンドしないんでしょう。Aの旋律はオーマンディ独特の歌いまわしがあります。二台のスネアがズレてリズムが甘くなる部分もありした。最後はミキシングで音量を落とされたような不自然さを感じました。ちょっと不自然な演奏でした。

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ディーマ・スロボデニューク/ガリシア交響楽団

★★

深い胴で緩めのスネアです。途中スタッカートぎみに演奏するフルートとクラリネット。ファゴットの前でハープがはっきりと入ります。表現はしますがセクシーでは無いファゴット。Ebクラもストレートな表現です。装飾音符を加えて演奏するテナーサックス。大きい表現でセクシーなソプラノサックス。大きい表現ですが、脱力したようなセクシーさはありません。ヴァイオリンが強く清涼感のある響きです。2台目のスネアはかなり強く入りました。軍隊が進軍するようなスネアです。最後も大きな盛り上がりはありませんでしたが、優雅さやセクシーさはあまり無く、軍隊のように突き進むスネアが作品とは合わない感じがしました。

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ジャン・フルネ/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

フルネ

★★

深い胴でチューニングも緩めのスネア。途中スタッカートで演奏するフルート。セクシーさは全く無いファゴット。少しセクシーなEbクラ。ミュートしたトランペットとフルートはブレンドされず分離しているような感じです。セクシーな表現はしようとしているテナーサックス。あまりセクシーには感じないソプラノサックス。フルート・ホルン・チェレスタもブレンドされた響きではありません。真面目なトロンボーン。ゆったりとしたテンポを持て余しているような感じがします。アンサンブの精度のあまり高くは感じませんでした。

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ジャン・フルネ/NHK交響楽団

フルネ

★★

緩いスネア。途中でスタッカートの表現もあるAの旋律。セクシーさは無いファゴット。フルートを完全に上回って朗々と歌うミュートしたトランペット。テナーサックスはセクシーな表現をしようとしますが、イマイチでした。ソプラノサックスはまあまあの演奏。トロンボーンの前でもうすでに緩い響きになっているスネア。トロンボーンはかなり歌っていますが、いくつかやらかしてもいます。二台目のスネアが入ったのは分かりました。二台目にスネアを締めたチューニングにしてリズムをある程度はっきり出そうとしているような感じです。トランペットが刻む八分音符が上の音が聞こえません。そんなに大きく盛り上がることも無く程々の演奏と言った感じであまり印象に残りませんでした。

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レナード・スラットキン/リヨン国立管弦楽団

スラットキン

★★

弦のピチカートがボンと響きスネアの音があまり聞こえません。表現はしますが、セクシーでは無いファゴット。Ebクラもラクシーではありません。セクシーに表現しようとするテナーサックスですが、脱力するようなセクシーな表現にはなりませんでした。ピッコロ・ホルン・チェレスタはホルンが弱いです。木管群は華やかでは無くマットな響きです。表現は大きいですが、セクシーでは無いトロンボーン。ヴァイオリンが入ってもマットな響きで色彩感は乏しいです。スネアはあまり強くありませんが、かなり緩い響きになって来ました。ピッコロトランペットも響いて来ますが輝かしい響きでは無く最後を飾るような響きにはなりません。セシクーな表現も無く、色彩感も乏しい演奏であまり魅力を感じませんでした。

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コンスタンティン・シルヴェストリ/パリ音楽院管弦楽団

シルベストリ

いかにも古い録音で、鈍いスネアの響き。お風呂で聞くような太くたどたどしいフルート。フルートとミュートしたトランペットの部分で、弦のピィチカートが強く演奏されます。かなり強いソプラノサックス。自由に演奏させているのか、表現が統一されていないのか、かなりバラバラな表現のソロが続きます。二枚リードの木管とクラリネットでは音量が落ちます。かなり音程が怪しいトロンボーン。高音域の木管と第一ヴァイオリンのAでスネアがリズムを間違えます。三連符の頭を強めに演奏する独特のリズムです。最後はトロンボーンのグリッサンドが強烈でした。プロの演奏としてはかなりいい加減な演奏でした。

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ケント・ナガノ/ロシア・ナショナル交響楽団

二拍目の八分音符を強く叩く独特のリズムで、少し緩いスネア。ソプラノサックスまで、あまり大きな表現はありません。テナーサックスも表現はありますが、あまり大きな表現ではありません。詰まったような響きであまり伸びやかでは無いトロンボーン。表現はしますが、セクシーではありません。二拍目の後の八分音符が強いスネアがとても不自然です。あまり華やかにならない木管群。第一ヴァイオリンが入ってもマットです。最後のAで大きくクレッシェンド。ピッコロトランペットが突き抜けて来ます。最後のBはピッコロトランペットがかなり強いです。スネアのリズムが変でとても気になりました。色彩感も乏しくあまり楽しめませんでした。

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ネーメ・ヤルヴィ/デトロイト交響楽団

スネアの音が聞こえます。浅い響きのフルート。ファゴットも浅い響きで、ほとんど表現はありません。Ebクラも素っ気ない演奏です。オーボエダモーレは少しテヌート気味の表現です。フルートのミュートしたトランペットもテヌートした演奏です。色気のある音色のテナーサックスですが、表現はあまりセクシーではありません。ソプラノサックスもほとんど表現の無い素っ気ない演奏です。スネアは緩い感じになって来ました。木管群も華やかではありません。少しセクシーなトロンボーン。ヴァイオリンが入っても渋い響きです。楽器が重なっても色彩感はほとんど無くモノトーンのような演奏です。最後までスネアのリズムが強く、オーケストラは大きな盛り上がりもありませんでした。何をしたかったのかあまり分からない演奏でした。

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管弦楽曲名盤試聴記

チャイコフスキー 序曲「1812年」 ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」 リムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」 リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」 R・シュトラウス 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」 R・シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 シベリウス 交響詩「フィンランディア」 ストラヴィンスキー バレエ音楽「ペトルーシュカ」 ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」 レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」 ホルスト 組曲「惑星」 ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」(ラヴェル編) レスピーギ 交響詩「ローマの松」 コダーイ 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」

チャイコフスキー 序曲「1812年」

チャイコフスキー:序曲『1812年』ベスト盤アンケート

たいこ叩きのチャイコフスキー 序曲「1812年」名盤試聴記

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★★
Largo速いテンポですが、ドン・コサック合唱団の合唱がナポレオン軍が迫りくる悲壮感を上手く表現しています。弦だけの演奏よりも盛り上がりが凄く振幅の大きい表現です。このような小品に対するカラヤンの演出力はさすがです。オケが入ってからはテンポを速めにとってグイグイと音楽を進めて行きます。分厚い響きです。Andanteスネアはすごく締まった音で良いです。速めのテンポで音楽が弛緩することなく、とても良く歌い聞き手を惹きつけます。Allegro giusto戦闘部分もすごくテンポが速いですが、飽きさせることなく音楽を聴かせてくれます。マットで近い金管が大迫力です。とても良く歌う第二主題。ロシア民謡も歌心いっぱいです。二度目の戦闘部分も速いテンポで一気に進みます。響きが分厚く次から次からと泉のように音楽が湧き出してくるようです。シンバルがとても良い音で鳴っています。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズが響きを伴ってとても美しいです。金管が近くなったり遠くなったりするのはマルチマイクのミキシングのせいか?いかにも作り物っぽい大砲です。とにかくテンポが速い!弦が駆け降りるメロディを演奏する前に大きく加速とクレッシェンドをしました。駆け降りる弦もとても厚みがあります。Largoパイプオルガンでも鳴っているかのような鐘の響き。オケのフルパワーを印象付けるようにシンバルが埋もれるように弱く叩いています。Allegro vivaceやはり作り物っぽい大砲です。スネアのオープンロールが美しいです。

1812年を一気に聴かせてくれました。表現力豊かな演奏で分厚い響きでしかもオケが抜群に上手い!ただ、録音が古いためにミキシングでいじり過ぎて金管が近くなったり遠くなったりするところがが唯一の欠点か?

サー・ゲオルク・ショルティ/シカゴ交響楽団

icon★★★★★
Largoゆっくりとしたテンポで感情のこもった開始です。バレンボイムとの演奏よりも息が合っているようです。不安げな雰囲気も表現されています。まだ余裕を残しているのでしょうが、十分に鳴る金管です。Andante締まったスネアが良い音です。後のホルンは締まった響きです。Allegro giusto戦闘場面はテンポが速いです。金管と弦はバランスが取れています。ロシア民謡は速いテンポのままさらりと過ぎて行きました。二度目の戦闘場面は不穏な空気から始まります。金管は抑え気味です。速めのテンポですが、良く歌う第二主題。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは明るく締まった響きです。これもリアル感のある大砲でオケを覆い隠すぐらいの音量でした。駆け下りるような音形でもあまりエネルギー感は落ちずにそのままの勢いでした。Largo鐘の音がかなり強調されています。オケは少し奥に引っ込んでいるような感じです。トランペットのハイトーンが突き抜けて来ます。Allegro vivaceロシア国歌はトロンボーン全開ですが、大砲がかなり強いバランスで鳴っています。終わりにかけて少しテンポを速めて最後にぐっとテンポを落として終りました。

充実したオケの響き。たっぷりと歌う部分とあっさりと過ぎて行く部分のコントラストもありました。大砲や鐘などの鳴り物を強調した録音も祝典的な雰囲気を盛り上げています。それにしてもシカゴsoのパワー全開は凄いです。

ムスティラフ・ロストロポーヴィチ/バイエルン放送交響楽団

ロストロポーヴィチ★★★★★
Largo息が長くたっぷりと歌います。暖かい木管。オーボエもとても良く歌います。スケールの大きな表現の金管。Andanteとても音量を抑えたスネア。ゆっくり目のテンポでギャロップのような歩みです。Allegro giustoここでもゆっくりとしたテンポで演奏します。サラッとした爽やかな響きです。この盛り上がりの終盤では熱い響きになりました。音量を抑えた第二主題ですが、ここでも感情のこもった歌を聞かせます。ロシア民謡も歌っています。二度目の戦闘シーンの冒頭はあまり不穏な空気はありません。金管はかなり余裕を残しています。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは浅く明るい響きです。オケは全開になります。駆け下りるような音形へ向けてクレッシェンドがあり、弦だけになると少し音量が落ちました。Largoゆったりとしたテンポで充実した分厚い響きです。鐘は柔らかく遠くで鳴っているような感じです。Allegro vivace大砲は実射のようです。堂々としたテンポで終わりました。

ゆったりとしたテンポで豊かに歌い、トゥッティでは堂々とした分厚い響きの熱演でした。あまり期待していなかったのですが、なかなかの演奏でした。
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エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団

スヴェトラーノフ★★★★★
Largoゆっくりとしたテンポでたっぷりと歌う弦ですが、少し高域が持ち上がっているような録音のように感じます。起伏の大きい第一主題。頭の音を強いアクセントで演奏するヴァイオリン。ギンギンに鳴る金管。Andante歯切れのいい木管。メロディの最後の音を強く演奏するホルン。Allegro giusto物凄く激しい演奏です。テンポも速い。いかにも戦闘場面を描写しているような感じです。金管もかなり激しく演奏しています。とても感情を込めて歌う第二主題。ねっとりとした表現です。速いテンポのロシア民謡。二度目の戦闘シーンは不穏な空気に包まれます。そして、とても動きのあるオケ。金管の咆哮。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズはふくよかで明るい響きです。そして全開になるオケ。大砲は大太鼓で代用しているようであまり大きくは聞こえません。駆け下りるような音形の手前で一旦音量を落としてクレッシェンドしました。そのままの勢いで弦の駆け下りる音形にはいります。Largo明るく全開のトランペット。鐘はカリヨンのようにはっきりとした音で一音一音がはっきりしています。Allegro vivaceグリンカの歌劇「イワン・スサーニン」に差し替えられています。

スヴェトラーノフらして力強い演奏でした。とても表現力豊かで戦闘場面の描写もとても良かったと思います。第二主題の歌も心のこもったものでした。大砲の音はあまり聞こえなくて、効果をあまり狙わずに正面から作品と対峙したもののようです。高域が持ち上がった録音の効果で激しさが増して聞こえたのかも知れません。
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ヴァレリー・ゲルギエフ/マリインスキー劇場管弦楽団

ゲルギエフ★★★★★
Largoゆっくりと柔らかい音色で切々と語りかけて来ます。金管も柔らかい響きで深みがあります。Andante大きめの音量で演奏される木管とホルン。弦が入るとホルンは弱くなります。Allegro giusto弱い音から始まり、すぐにガツガツと刻む弦が登場します。厚みのあるホルン。トランペットがマルカードぎみに演奏しました。シンバルが長い尾を引いて美しく響きます。第二主題はテンポの揺れもあって豊かに歌います。厚みのある響きです。ロシア民謡はゆっくりとしたテンポですがあっさりと演奏しています。二度目の戦闘シーンは落ち着きのないザワザワとした胸騒ぎのような表現から始まります。響きも分厚く金管もかなり強く吹いています。二度目のロシア民謡は速いテンポでした。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズはふくよかでとても柔らかい響きでした。全開になるオケ。大砲はあまり迫力はありませんでした。駆け下りる音形に向かってクレッシェンドとアッチェレランドで弦の駆け下りる音形に突入しました。弦だけになっても音量は落ちません。Largoトランペットの咆哮はかなりです。鐘はカチカチと響くカリヨンと大きく低い響きのものが組み合わさっています。Allegro vivace賑やかに堂々と終わりました。

分厚い響きと豊かな表現で、強弱の振幅も大きな演奏でした。マリインスキーのオケがこれだけ分厚い響きの演奏をすることに驚きました。この作品は特に戦闘シーンのオーケストレーションが薄いと思うので、この部分を厚く聞かせる演奏はなかなか良いと思います。
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レオポルド・ストコフスキー/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

ストコフスキー★★★★★
Largo冒頭からいきなりストコフスキー節です。テンポや強弱が大きく変化します。テンポが遅くなって引いて行く表現がとても良いです。金管はかなり強く演奏します。Andanteほとんど木管だけが聞こえます。弦が入って木管が抜けるとようやくホルンが聞こえます。突然のホルンの咆哮。Allegro giustoゆっくりとしたテンポですが、アクセントを強くしっかりと演奏します。低音楽器の動きも分かり響きの薄さはあまり感じません。金管はかなり強く演奏しています。揺れるように大きく歌う第二主題。とても遅いテンポですが、飽きさせずに聞かせます。ロシア民謡もゆっくりとしたテンポで、少し寂しさを感じさせる表現です。二度目の戦闘シーンは一回目よりもテンポを速めています。弦が積極的な表現をしています。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズはミュートしているようです。大砲は人工的な音でした。少しクレッシェンドとアッチェレラントして駆け下りるような音形に入りました。Largoは入りは遅かったのですが、すぐに少しテンポが速くなりました。鐘はカラカラと賑やかに鳴っています。Allegro vivaceロシア国歌は合唱になります。途中でオケがフェード・インして来ます。最後は鐘だけが残ってフェード・アウトして終わります。

この曲でもストコフスキー節全開でした。交響曲などでこの表現をされると途中で辟易することもありますが、このような曲なら抵抗なく聞くことができます。大きな表現や仕掛けも面白く聞けるものでした。オケの響きも低域がしっかりと支えているもので厚みがありました。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・チャイコフスキー:序曲「1812年」の名盤を試聴したレビュー

チャイコフスキー 序曲「1812年」2

たいこ叩きのチャイコフスキー 序曲「1812年」名盤試聴記

リッカルド・ムーティ/フィラデルフィア管弦楽団

ムーティ★★★★☆
ゆっくりとしたテンポでたっぷりと歌うLargo。一抹の寂しさを感じさせる演奏は迫りくるナポレオン軍に対する恐れを表現しているのでしょうか。トロンボーンは思いっきり強く入って来ます。Andanteでは激しく吹かれるホルン。Allegro giusto金管の後ろで演奏される弦の嵐のような激しさや厚みがありません。金管は良く鳴っています。第二主題は優雅に美しく歌われます。ロシア民謡風の旋律は泥臭い表現でした。大太鼓は力のある響きですが、シンバルは貧弱です。実射をミキシングしたような大砲の音はなかなかリアルでした。Largo輝かしい金管と壮麗に鳴り響く鐘の音がとても良いです。Allegro vivace力強くロシア国家が吹奏されて終わりました。

充実したフィラデルフィアサウンドで豪華な演奏でした。ただ、弦の響きが若干薄かったのが唯一残念なところでした。
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ズービン・メータ/ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団

メータ★★★★☆
Largo大きな呼吸でテンポも動いて歌います。速いテンポで軽いトロンボーン。Andante軽快な木管。ホルンはほとんど強くなりませんでした。Allegro giusto柔らかい弦。あまりガリガリとアクセントを付けた演奏はしません。ここでも金管は軽く、弦とのバランスも良いです。第二主題もとても良く歌います。ロシア民謡はあっさりとした表現でした。二回目の戦闘シーンも弦の表現はとても豊かです。金管はここでも軽めの演奏です。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズはゆっくり目のテンポでふくよかで明るい響きです。金管全開で大砲は左右から大きく響きます。駆け下りるような音形にはいってもほとんど音量が落ちずにそのままの勢いでした。Largo柔らかい金管と豊かに響く鐘。弦が大きく強弱の変化を付けて入ります。Allegro vivaceロシア国歌も力強い演奏です。

この当時のメータの演奏を象徴するような歌に溢れた演奏でした。オケは全開になることは無く、最後まで余裕のある演奏でしたが、オケの響きが僅かに薄かったのが唯一気になる点でした。
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小澤 征爾/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

小澤★★★★☆
Largo広がりがあり豊かな弦の響きです。速めのテンポですがとても感情のこもった歌です。抑えたトロンボーン。ホルンやトランペットは普通に強いです。Andante軽快な弦。スネアはあま聞こえません。Allegro giustoガツガツとエッジを立てて強くアクセントを演奏する弦。残響を伴って美しいトランペット。第二主題もテンポは速いですが、豊かに歌っています。二回目の戦闘シーン冒頭は不穏な空気が表現されます。金管は全開にはなりません。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは明るく締まった響きです。大砲は遠くから響いて来ます。駆け下りるような音形に向けて大きくクレッシェンドしました。Largoも速いテンポです。カランカランと鳴る鐘。Allegro vivaceバランスの良いオケの響きで余裕のある美しい演奏でした。大砲は遠くで鳴る花火のような音でした。

速いテンポで、常に余裕を残して美しい響きで最後まで演奏しました。弱音部分では豊かな歌もありました。ただ、この作品にストレス解消を求める人には欲求不満になるかも知れません。
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ズービン・メータ/フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団

メータ★★★★☆
Largo合唱から始まります。あっさりとした表現でテンポも速めです。ティンパニが入るとホルンが咆哮します。ヴァイオリンが強調された表現です。金管は軽く演奏しています。Andanteヴァイオリンが豊かに歌います。Allegro giustoここでもテンポは速めで楽器の動きが明快です。弦の動きは激しいですが、金管は軽く演奏しています。第二主題は川の流れのようにとうとうと歌います。ロシア民謡でも合唱が入ります。この合唱はなかなか趣きがあります。二回目の戦闘シーンも弦は激しく演奏しますが、金管はそれほど激しくはありません。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズは少し硬めの響きです。大砲は実射なのか火の手が上がります。駆け下りるような音形に向かってクレッシェンドしました。Largo合唱も加わって盛大な盛り上がりです。Allegro vivaceバンダと合唱も加わって全開です。

合唱やバンダも加わってお祝いムード満点の演奏でした。野外コンサートなので、美しい響きはあまり感じられませんでしたが、聴衆を盛り上げるにはとても効果的な演奏でした。
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ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

icon★★★★
Largo割と速めのテンポの冒頭で艶やかな弦でとても良く歌います。ゆったりとしたオーボエ。余裕を残した金管ですが、十分に鳴っています。Andanteスネアに続くホルンは締まった音です。Allegro giustoゆっくりとしたテンポでガツガツと刻む弦。金管は余裕の演奏です。バックの弦は少し薄い響きです。ロシア民謡はゆったりとしたテンポで感情を込めて十分に歌われます。二度目の戦闘シーンもゆったりとしたテンポです。トロンボーンの食いつきが若干早いような気がします。金管は柔らかく伸び伸びと鳴り響きます。弱音のラ・マルセイエーズは引き締まった響きです。全開のパワーはさすがです。大砲は実射を別録りしたものを合成したものか。かなり生々しい音でした。駆け下りるような音形は若干薄い響きになります。Largo充実した金管の見事な響きです。鐘の響きは硬質です。Allegro vivaceロシア国歌と高音楽器が若干ズレますがとても良く鳴り響く演奏は気持ちの良いものです。

全開時の弦の響きの薄さやアンサンブルのズレなどはありましたが、シカゴsoの全開パワーを十分味わえる演奏でした。

ベルナルト・ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

icon★★★★
Largoすごく歌い込まれた冒頭です。アゴーギクも効かせてテンポが動きます。オーボエが入るむところからのテンポは遅いです。金管の咆哮も凄いです。Andanteスネアは遠い位置にいます。可愛い表現の木管。美しく歌う弦。Allegro giustoゆっくりとしたテンポですが、あまりガツガツと強いエッジのある演奏ではありません。金管はかなり頑張ります。それでも純音楽としての節度ある美しい演奏です。控え目で奥ゆかしい第二主題。ロシア民謡も歌います。民謡が川の流れのようにとうとうと歌われます。二度目の戦闘シーンもゆっくりとしたテンポです。荒れ狂うような演奏にはならず整然とした美しい演奏です。あっさりとした表現の第二主題。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズはふくよかで柔らかい響きです。大砲はありません。金管の伸びやかな音が印象的でした。トゥッティのパワー感は凄いです。駆け下りるような音形も大きくエネルギー感が落ちることはありませんでした。Largo輝かしい金管の伸びやかで美しい響きは見事です。Allegro vivaceロシア国歌に合わせて大砲が入りました。堂々としたテンポのまま終わりました。

豪華絢爛で堂々とした1812年でした。純音楽としての完成度も高いと思います。

アンタル・ドラティ/ミネアポリス交響楽団

ドラティ★★★★
Largoかなりのオンマイクのようで生々しい音です。切々と訴えかけてくる弦。表情豊かな演奏です。オーボエも生々しいですがかなりデッドな録音です。ベルの中にマイクを突っ込んだようなトロンボーン。Andanteスネアの粒立ちもはっきりしています。Allegro giusto弦の人数が少ないような感じに響きます。とてもデッドなので金管の音もリアルなのですが、編成が小さく感じてしまいます。第二主題は残響が少ないのでちょっと痛い感じがしますが良く歌います。ロシア民謡はテンポを少し落としています。二度目の戦闘シーンは速めのテンポで活発な表現です。打楽器も炸裂します。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは明るく勇壮です。オケも全開、大砲も強烈に炸裂します。駆け下りるような音形では少し音量が落ちます。Largoオケも全開ですが、鐘も盛大で豪華に鳴り響きます。Allegro vivace物凄く強烈な大砲です。

かなりのオンマイクでデッドな録音だったので、オケの編成が小さく感じました。でもリアルな音はなかなか聞き応えのあるものでした。強烈な大砲や豪快に鳴り響く鐘など、この当時の録音としては最先端のものだったのでしょう。演奏もクライマックスでの全開の迫力がとても良かったと思います。
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マーク・エルダー/ハレ管弦楽団

エルダー★★★★
近い位置で伸びやかな弦。あまり大きな起伏の無い第一主題。最初の戦闘シーンでも金管などは近く、かなり思い切って咆哮します。ロシア民謡風の主題にも工夫がみられて独特の表現です。続く激しい部分も積極的で前のめりになります。鐘が鳴らされるLargofは輝かしい充実した響きです。

かなり近接したオケの音場感の録音でした。思い切った表現や積極的に前へ進むような部分もあり、なかなか良い演奏でした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・チャイコフスキー:序曲「1812年」の名盤を試聴したレビュー

チャイコフスキー 序曲「1812年」3

たいこ叩きのチャイコフスキー 序曲「1812年」名盤試聴記

シャルル・デュトワ/モントリオール管弦楽団

icon★★★☆
豊かなホールの響きを伴って伸びやかな弦の演奏です。
落ち着いたテンポで音楽が進みます。ブラスセクションの余裕のある響きも心地よい。
スネアの締まりのある良い音です。続くホルンも豊かな響きです。
大太鼓の音がほとんど聞こえません。スッキリとした演奏ですが、響きに厚みが感じられません。もっとロシア音楽的な怒涛の響きがあった方が良いと思いますが、洗練された美しい響きが身上のデュトワとモントリオールsoにはムリな要求でしょうか。
弦楽器と管楽器のバランスがしっかり取られていて、金管が暴走するようなところがありません。
大砲は左右中央と位置を変えて発射されました。ここでもオケは余裕を残しています。鐘は低音を伴った良い響きです。
突然シンセサイザーの登場です。これは必要ないと思うのですが・・・・・・。

余裕を十分残した美しい演奏でした。

ユーリ・テミルカーノフ/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

テミルカーノフ★★★☆
Largoサラッとした伸びやかな響きでとてもゆっくりとしたテンポで感情を込めて歌います。かなり下品に吹くトロンボーン。Andanteホルンが途中から少し強くなります。艶やかで美しい弦。Allegro giusto一転して速いテンポになります。あまり大きく盛り上がることはありません。第二主題もとても速いテンポであっさりと演奏します。ロシア民謡もかなり速いです。二度目の戦闘シーンも速いテンポで金管が咆哮することも無く、大きなエネルギーを放出することはありません。やはりロシア民謡はとても速いです。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは高い音にアクセントを付けて演奏します。大砲の実射がありました。その後急加速して駆け下りるような音形ではガクッと音量が落ちました。Largoここまで抑えていたエネルギーを放出するような輝かしく盛大な演奏になりました。Allegro vivaceゆっくりと刻みつけるような演奏です。軍の金管も増強されています。最後は花火も打ち上げられます。

伸びやかで美しい響きでした。前半はあまりエネルギーを放出しないような抑えた演奏でしたが、Largoからは輝かしく堂々とした演奏になりました。ただ、第二主題やロシア民謡のすごく速いテンポや駆け下りるような音形で音量がガクッと落ちるなどちょっと納得行かない部分もありました。
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ウラディミール・フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団

フェドセーエフ★★★☆
Largoゆっくりとしたテンポと暖かい響きでとても良く歌う演奏です。抑えた音量で入って大きくクレッシェンドする金管。Andante豊かな残響をともなってふくよかに響くホルン。Allegro giusto遅いテンポで確実に刻みます。響き渡るシンバル。金管はホールの響きに溶け込んであまり突出して来ません。第二主題は速めのテンポでさりげない歌でとても洗練されています。ロシア民謡はさらに速くなります。二度目の戦闘シーンでも長く尾を引き響き渡るシンバルが美しい響きです。トロンボーンのラ・マルセイエーズはスタッカートぎみに演奏しました。ロシア民謡はテンポが速すぎて落ち着きません。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは筋肉質で男性的です。金管が全開とまでは行きませんがかなり強く演奏します。大砲は大太鼓です。駆け下りるような音形の前はテヌートぎみに演奏しました。Largo盛大に鳴り響く鐘。トランペットがクレッシェンドします。ビブラートが強く強弱の変化を付けて演奏しています。 Allegro vivaceロシア国家はテヌートぎみにねちっこく演奏します。

表現の幅が広く変化に富んだ演奏でした。ただ、テンポが速く落ち着かないロシア民謡やビブラートを強くかけて強弱の変化をつけて演奏するトランペットなどちょっとやり過ぎの感も無きしもあらずです。
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大植 英次/大阪フィルハーモニー交響楽団

大植★★★☆
Largoマイクの位置が楽器に近い感じの録音です。木管もとても近いです。細部の表現よりも作品を大きくとらえて表現している感じです。Andanteマイク位置が近いので色彩感も濃厚です。Allegro giusto速いテンポでかなりガツガツと角の立った演奏です。最近では珍しいマルチマイク録音のようで、金管も非常に近いパートがあります。シンバルが気持ちよく鳴り響きます。第二主題も速めのテンポです。一つ一つのフレーズを歌うことはあまりしませんが、もっと大きい単位での音楽の起伏があります。二度目の戦闘シーンも速いテンポで、ここでもガツガツと演奏される弦。録音によるものだと思いますが、非常に激しい感じは出ています。タンブリンも鮮明に聞こえます。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは浅い響きです。速いテンポで頂点に向かいます。シンセサイザーの大砲はそれらしく聞こえました。かなり激しい頂点でした。Largoミキサーで金管のレベルを抑えているような感じであまり突出して来ないと言うか、引っこんでいる感じです。Allegro vivace金管よりも弦や木管の方がよく聞こえる録音には違和感を感じます。

マルチマイクの録音で、ミキサーでかなりバランスをコントロールしているような感じでした。コーダで金管がフルパワーで演奏する部分でも弦や木管がはっきり聞こえる録音には違和感を感じました。演奏そのものは作品を大きく捉えて起伏のある表現の演奏でした。
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エイドリアン・リーパー/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

リーパー★★★☆
Largo伸びやかで柔らかい弦の穏やかな演奏です。奥行き感のある木管が絡んで美しいです。第一主題も柔らかいです。かなりダイナミックに鳴る金管。Andante速いテンポで弾むような木管。ふくよかで柔らかいホルン。Allegro giusto柔らかいですが、しっかりとエッジの効いた弦。シンバルが炸裂します。金管はとても穏やかで、戦闘シーンというような描写ではありません。第二主題は硬い響きになり、歌もほとんどありません。二度目の戦闘シーンも柔らかく穏やかな金管。打楽器はアンバランスなくらい強烈です。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズは浅く明るい響きです。スケールが大きく全開になるオケ。大砲も重低音を含んでリアルでした。駆け下りるような音形へ向けて大きくクレッシェンドとアッチェレランドしました。Largo鐘がかなりクローズアップされています。Allegro vivaceここでも堂々とした全開の演奏はなかなかの迫力です。

基本的には柔らかい響きの演奏でしたが、第二主題が硬い響きになったのが気になりました。戦闘シーンは穏やかで戦闘を描写したものとは感じられませんでした。最後の大砲の入る部分の全開のオケの響きは見事でした。大砲も重低音を含んだ良い音でした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・チャイコフスキー:序曲「1812年」の名盤を試聴したレビュー

チャイコフスキー 序曲「1812年」4

たいこ叩きのチャイコフスキー 序曲「1812年」名盤試聴記

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

バーンスタイン★★★
Largo涼しげな音色で穏やかな演奏です。唸りを上げる第一主題。Andanteホルンよりも弦の方が強いバランスです。Allegro giustoあまりアクセントを強く演奏していません。第二主題はバーンスタインらしく良く歌います。ロシア民謡は速めのテンポです。二度目の戦闘場面はとても速いテンポでかなり慌ただしいです。トロンボーンのラ・マルセイエーズがスタッカートぎみに演奏されます。第二主題はやはり歌うのですが、どこか乱暴な感じがします。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは硬く締まった響きです。オケが引っ込み大砲が強調されます。駆け下りるような音形に向かって猛烈なアッチェレランドをしました。Largoトロンボーンが良く響きますがアンサンブルは雑に感じます。Allegro vivaceやはり大砲を強調してオケは引っ込んだバランスになります。最後にスネアがクレッシェンドしました。

バーンスタインらしく良く歌い表現も大きな演奏でしたが、アンサンブルが雑で乱暴な感じがありました。
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エリック・カンゼル/シンシナティ交響楽団

カンゼル★★★
Largo柔らかくマイルドな弦です。ゆっくりとしたテンポでたっぷりと歌う演奏です。非常にゆっくりとした第一主題。金管が登場する部分でテンポが速くなりました。金管は軽く演奏しています。Andante爽やかな騎馬隊の行進です。Allegro giustoここでもゆっくりとしたテンポで金管が咆哮することは無く、とても冷静な演奏です。第二主題は僅かにテンポを速めてあっさりとほとんど感情を込めずに進みます。二度目の戦闘場面もゆっくりと淡々と進みます。感情の起伏などは無くどちらかと言うと平板な演奏です。大砲はかなりの迫力ですが駆け下りるような音形は貧弱です。Largoここでも金管は全開にはなりません。鐘は低い音も含んで荘厳な響きです。Allegro vivace大砲は凄いのですが、演奏には熱気を感じることはできませんでした。

本物の大砲を録音したことで有名な演奏ですが、メインは大砲で、大砲を聴くためだけの演奏のように感じました。強烈な大砲に比べて演奏はとても醒めていて熱気を感じるような演奏ではありませんでした。
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ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ★★☆
Largo合唱で始まります。カラヤンの演奏のような起伏の大きな表現ではありません。通常の弦の演奏に近い表現です。長い音符で大きくクレッシェンドしました。パイプオルガンも入ります。かなり大きな盛り上がりです。第一主題はゆっくり入って次第に速くなるような表現でした。軽い演奏の金管。シンバルがとても古臭い音です。Andante歯切れの良い木管。ホルンは明るい音です。Allegro giustoゆっくり始まります。一音一音刻むように演奏する弦。あまり厚い響きではありません。第二主題はテンポの動きもあって深く歌います。二度目の戦闘場面は不穏な雰囲気はありません。音が短めであまり迫力の無いトロンボーン。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは柔らかく豊かな響きでした。盛大に鳴り響く大砲。オケは全開では無い感じです。Largo全開になっているようですが、アンサンブルが悪いのか、幼稚な響きに感じます。Allegro vivace大砲が左右に飛び交います。最後は鐘の響きだけが残りました。

合唱やパイプオルガン、左右に飛び交う大砲や最後に残る鐘の余韻など、音響的には工夫を凝らした演奏でしたが、古臭いシンバルや幼稚な響きを感じさせたりあまり良い演奏には思えませんでした。
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アントニオ・パッパーノ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

パッパーノ★★
Largo深みがあって良く歌います。分厚い第一主題。抑えたトロンボーン。その他の金管も抑えた表現です。Andanteくっきりとした表現の木管。弦もはっきりとした表現です。ホルンは奥にいるような感じです。Allegro giusto一気に活発な表現になりますが、響きはあまり厚くありません。第二主題は速めのテンポですが揺れ動くような表現がなかなか良いです。二度目の戦闘シーンでも金管は奥から響きます。ロシア民謡も踊るように弾んだ表現です。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズは凄く速いテンポです。大砲は大太鼓です。金管はかなり奥まっています。大砲の後に銃が撃たれました。Largoブレンドされた柔らかい響きの中にカラカラと鐘が鳴り響きます。Allegro vivaceここでも控え目なバランスで演奏されるトロンボーン。銃が楽譜のタイミングとは関係なく撃たれています。

野外コンサートと言うこともあったのか、金管が常に奥まっていて爆発すること無く終わりました。揺れ動くような表現や独特なテンポ設定など、個性的な表現もありましたので、もう少し条件の良い状態での演奏を聴いてみたいと思いました。
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アントン・ナヌート/リュブリャナ交響楽団

ナヌート
Largo最初の音が途切れています。祈るように神聖で静かな演奏で大きな動きはありません。とても軽い第一主題。薄い響きの金管。シンバルが早く音を止めます。続く弦も硬直しているような硬い表現です。Andante音楽が弾みません。とても平板な演奏です。Allegro giusto四角四面で音楽が揺れ動くことが無く間が悪い感じがします。コルネットが突然速く演奏します。第二主題も硬い表情で遊びが全くありません。とても窮屈な演奏です。二度目の戦闘シーンもまるでアマチュア・オケの演奏を聴いているようなメトロノームに合わせた演奏のようにカチッとしています。金管も吠えるようなことは無く、大人しい演奏です。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズも硬い表現でした。大砲は大太鼓です。オケが一体になったようなパワー感は無くバラバラな印象です。薄い弦。Largo軽薄な響きです。軽い鐘。Allegro vivaceトロンボーンはかなりの力演です。

とても硬直した表現で、揺れ動くようなテンポの動きも無く、メトロノームに合わせたような硬い演奏でした。オケの響きも厚みなどは全く無くバラバラな感じで、そのうえ平板な演奏には全く楽しめる要素はありませんでした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・チャイコフスキー:序曲「1812年」の名盤を試聴したレビュー

ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」

ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」ベスト盤アンケート

たいこ叩きのムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」名盤試聴記

クラウス・テンシュテット/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★★
表情豊かな演奏です。強弱の変化がとても大きいです。トロンボーンは控えめで後からでるトランペットが強いです。遅めのテンポでしっかりと表情付けをして行きます。すごく重量級の演奏です。怪しげな夜の雰囲気がとてもあります。リムスキー=コルサコフよりもムソルグスキーを表現しているようです。重い音楽作りが魑魅魍魎が出没しそうな雰囲気を上手く演出しています。鐘の後もアゴーギクも効かせて丁寧に音楽を作っている感じが伝わります。クラリネットとフルートのソロも歌でいっぱいでした。

ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

バレンボイム★★★★★
艶やかな高弦、エッジの立った低弦。余裕の全開!シカゴのパワー炸裂です。自信に満ちた堂々とした金管。シンコペーションのリズムも鋭く反応が良いです。このようなと言ったら失礼ですが、このような小品にこれだけ高機能なオーケストラが演奏するのはもったいないくらい見事なアンサンブルと豪快な振幅の演奏です。鐘が鳴った後も豊かな響きです。ニュートラルなクラリネットのソロ。笛を感じさせるフルートのソロ。
非の打ち所がないくらい気持ちよくオケが鳴り響きます。
あまりにも見事にオケが鳴り渡るので、作品の持っている、おどろおどろしい部分はほとんど表現されていませんが、ショーピースとしての価値は高いと思います。

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ★★★★★
変化に富んだ演奏です。重厚な金管。テンポも動くし普段は聞こえない音も聞こえます。充実した暖かいフィラデルフィアサウンドがバランス良く響きます。鐘の後の歌う部分では、グッとテンポを落としてテンポも動いてじっくりと表現します。クラリネットのソロも美しいものでした。フルートのソロは爽やかな夜明けを感じさせてくれました。
色彩感も豊かですし、アゴーギクも含めて表現も幅広い演奏で、楽しく聴かせてくれます。「はげ山の一夜」をこれだけ豊かな語り口で聴かせてくれた演奏ははじめてです。

エフゲニー・スヴェトラーノフ/ロシア国立交響楽団

スヴェトラーノフ★★★★★
追い立てるように、かなり速いテンポで荒れ狂うように攻撃的な冒頭です。強烈に鳴り響く金管。弦も豪快に鳴ります。ファゴットのメロディの前にアッチェレランドしました。ファゴットから木管、弦とつながる部分もかなり追い立てるように加速します。その後の三連音を伴う金管でガクンとテンポを落とします。金管も耳をつんざくような思いっきりの強奏です。鐘の後はテンポを落として、テンポもルバートしたり柔軟です。前半の豪快な演奏とは対照的な柔らかい表現です。クラリネットのソロもフルートのソロもゆっくりとしたテンポでたっぷりと歌います。幽霊の大騒ぎと、夜明けの対比がとても上手く、なかなか聞かせる演奏でした。

ヴァレリー・ゲルギエフ/BBC交響楽団

ゲルギエフ★★★★★
鮮烈な響きの冒頭。ティンパニも入ります。いかにも幽霊が現れそうな不気味な音楽です。思い切りの良い反応を示すオケ。リムスキー=コルサコフ版とはかなり違います。魔物たちのにぎやかな様子も生き生きと描かれています。リムスキー=コルサコフ版のような華やかさや変化はありません。夜明けの雰囲気はありませんでした。
粗野な作品ですが、洗練されたアンサンブルですっきりとした演奏に仕上げた良い演奏でした。
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クラウディオ・アバド/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

アバド★★★★★
速いテンポで物凄く豊かな表現です。フリークと言われるアバドの指揮ぶりも作品への思い入れを感じさせるものです。強弱の変化も大きくダイナミックです。この原典版を聞くと、リムスキー=コルサコフの編曲は大幅な改編だったんだと思います。テンポの動きもあります。柔らかく美しいオーボエ。とても表現が豊かで動きがあります。小物打楽器もさりげなくとても上手いです。オケも柔らかい響きでとても反応が良い演奏でした。
とても豊かな表現の演奏で、強弱の変化にも敏感でダイナミックでした。オケの反応もとても敏感で、とても楽しく聞くことができました。
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レオポルド・ストコフスキー/ロンドン交響楽団

ストコフスキー★★★★★
かなり録音が古い感じです。独特のアンセントの冒頭。音の上下が引き伸ばされます。トロンボーンの前にスネアが入ります。重量感のあるトロンボーン。カットがあったりリムスキー=コルサコフの版に比べるとかなり特徴的です。シロフォンが入ったり、色彩感も豊かです。怪しげな雰囲気も十分あります。テンポも大きく動いたり、自在な表現です。鐘の後はすごくゆっくりとしたテンポでたっぷりとした表現です。リムスキー=コルサコフ版ではクラリネットのソロがオーボエで演奏されます。最後は輝かしくクレッシェンドして終わりました。
ストコフスキーの強烈な色彩と描写を駆使した編曲による演奏で、その効果は抜群です。ムソルグスキーの原典版に比べると全く違う作品のようでした。魑魅魍魎の饗宴の表現にはこれくらいのアレンジは合っているように感じました。
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ズデニェク・マーツァル/ニュージャージー交響楽団

マーツァル★★★★★
合唱付きのバージョンです。独特の雰囲気です。オケは少し控えめで、合唱をクローズアップしているような感じです。男声の独唱もあります。合唱が入るとそれだけで神秘的な雰囲気になります。オケはあまり分厚い響きではなく、軽く爽やかに響いています。リムスキー=コルサコフ版では鐘の後に演奏されるメロディーがあってそこにも合唱が加わります。はげ山の一夜と言うよりももっと神聖な音楽に感じられます。クラリネットのソロもあります。その後はオーボエのソロになります。
合唱付きのバージョンで、とても神聖な音楽を聞いた雰囲気で、幽霊が現れる音楽には感じませんでしたが、同じ作品でも編曲でこんなに感じ方が変わるというのもとても興味深いものがありました。この曲の違う一面を見る上でも一聴の価値はあると思います。
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クラウディオ・アバド/ロンドン交響楽団

アバド★★★★★
ベルリンpoとの演奏同様、激しい表現です。こちらはセッション録音と言うこともあり細部の動きまで克明に録音されています。この演奏を聞くとアバドがこの作品をたまらなく好きだったことが伺えます。この演奏でもとても生き生きとした豊かな表現です。ベルリンpoとの演奏のような強弱の鋭い変化やテンポの動きはありませんが、この演奏でもオケの反応は敏感です。オケ全体の響きの豊かさはこちらの方があると思います。
ベルリンpoとの録音のような鋭い強弱の変化やテンポの動きはありませんでしたが、豊かな表現や細部の克明な動き、オケ全体の豊かな響きなどはこちらの方が良かったと思います。
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フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団

ライナー★★★★★
速いテンポでスピート感のある冒頭。トロンボーンとチューバが一体になった強奏。その後も速いテンポにもしっかりと付いて行ってカチッとしたアンサンブルです。常に前へ行こうとするスピード感とエネルギー感が凄いです。速いテンポで豪快に一気に聞かせる演奏です。金管もかなり強く吠えます。鐘の後もテンポは速いですが、動きもあります。さりげない歌であっさりと進む木管のソロ。
基本的に速いテンポで強い推進力を持った演奏でした。エネルギーの放出もかなりのもので、なかなか聞きごたえがありました。
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ロリン・マゼール/クリーブランド管弦楽団

マゼール★★★★★
ベルリンpoとの録音よりは若干遅いテンポで落ち着いた演奏です。シンバルも普通の大きさの物を使っています。とても余裕のある響きで柔らかいです。金管の三連音を含むメロディもとても軽く演奏しています。金管はそれなりに強く吹いていますが、とても美しいので、力が入っているようには感じません。鐘の後はあまりテンポの動きは僅かですが静かで美しいです。澄みきった朝に響くような美しいクラリネット。朝の冷たい空気を感じさせるフルート。
全く力みの無い美しい響きで全曲を通しました。幽霊が現れるような雰囲気とは違いますが、この美しさは特筆できるものです。木管のソロの朝のすがすがしさも素晴らしいものでした。
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ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/BBC交響楽団

ロジェストヴェンスキー★★★★★
合唱が近い録音です。マーツァルの演奏よりもダイナミックな動きがあって、幽霊の大騒ぎの雰囲気があります。夜の描写も十分です。原典版から大きく進歩した版であることが良く分かります。リムスキー=コルサコフ編曲の版で鐘の後に出てくるメロディになってもテンポの揺れはありません。クラリネットのソロはあっさりとしています。
最後はあっさりとしていましたが、前半はダイナミックで魑魅魍魎の大騒ぎを上手く表現していた良い演奏だったと思います。
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ユーリ・シモノフ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

シモノフ★★★★★
静かに始まりました。木管の強弱の変化が大きいです。音圧としては感じませんがトロンボーンはかなり強く吹いています。ゆったりとしたテンポで雄大です。オーボエが夜中の暗闇を表現しています。ガツガツと刻む弦。トランペッとホルンの三連音を含むメロディでテンポを落として途中ど音量も落としました。ロシアのオケらしく濃厚な色彩感とエネルギー感のある演奏です。鐘の後のテンポの動きは僅かです。
濃厚な色彩感と強いエネルギーの放出のある雄大な演奏で、ロシア音楽!と言う感じでした。これだけロシア音楽らしい演奏は昨今では珍しいと思いますので、とても貴重な音源だと思います。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」の名盤を試聴したレビュー

ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」2

たいこ叩きのムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」名盤試聴記

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

icon★★★★☆
速めのテンポです。力みの無いブラスセクション。ブルー系の響きで涼しげな美しい演奏です。とても滑らかで角が立つような部分はありません。この作品でも洗練の極みのような滑らかで美しい演奏で、泥臭さなどは全くありません。弦も木管もとても美しいです。鐘の後の弦も優雅で美しいです。滑らかで美しいクラリネット。爽やかな夜明けを感じさせるフルート。魑魅魍魎とは程遠い表現です。
ホールの響きも含めてとても美しい演奏でした。

ミヒャエル・ザンデルリング/バイエルン放送交響楽団

ザンデルリング★★★★☆
弾むような低弦。全開の演奏ではないトロンボーン。ティンパニが激しくクレッシェンドしました。オーボエが最初の二つの音をスラーで繋ぎます。余裕のある美しい響きの金管です。滑らかな弦。明るい金管が美しいですが響きは少し薄いです。デュトワの演奏を思い出させるような徹底して美しい演奏です。鐘の後もテンポは全く動きません。クラリネットのソロは少しテンポを落として豊かに歌います。フルートも同様に歌います。
オケを限界まで鳴らすことは無く、かなり余裕を持たせてとても美しい演奏でした。泥臭さとは程遠い演奏で、作品の表題性はあまり意識せずに、美しさに徹底的にこだわった演奏のように感じました。
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ロヴロ・フォン・マタチッチ/フィルハーモニア管弦楽団

マタチッチ★★★★
ゆったりとしたテンポでゴツゴツした印象です。
トロンボーンなどの旋律の直後にテンポが一旦ガクンと落ちて次第に元のテンポに戻りました。
テンポは度々遅くなっては加速します。劇的で表現の幅が広いです。クラリネット、フルートのソロの歌いまわしも独特でした。
すごく個性豊かな演奏でした。

アンドレ・クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団

icon★★★★
強弱の激しい冒頭の表現。ブラスの強奏は余裕たっぷりでした。
力みの無い優雅な演奏です。ブラスセクションを無闇に強く吹かせることはありません。
チャイムの音がはっきり聞こえます。その後の弦の演奏はとても静かな感じです。
クラリネット、フルートのソロは自由に歌わせているようです。

ジュゼッペ・シノーポリ/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★★★
速めのテンポで、トロンボーンはかなり余裕を残して鳴っていますが全体を支配するような迫力があります。ティンパニの激しいクレッシェンドや木管の大きな強弱の変化などかなり積極的な表現です。オーボエにメロディが出るところで少しテンポを落としました。基本的に速めのテンポで軽く、ドロドロした雰囲気はほとんど無く、作品の表題をあまり意識していない演奏のように感じます。鐘が鳴ってからはゆったりとしたテンポで揺れがあって濃厚な表現になりました。クラリネット、フルートのソロもかなりテンポが遅くたっぷりと非常に濃厚に歌います。このソロはとても良かったです。
鐘が入った後のテンポを落とした濃厚な表現はあまり聞いたことの無い表現でとても良かっですが、前半があまりにもあっさりし過ぎていて肩すかしでした。

エドゥアルド・マータ/ダラス交響楽団

マータ★★★★
遠くから迫ってくるような弦。爽やかな響きのトロンボーン。シンコペーションの反応がとても良いです。オーボエ、フルートとメロディを受け継いだ後にテンポを速めました。かなり余力を残した金管がブルー系の響きで魑魅魍魎の怪しさよりもスマートな爽やかさを印象付けます。鐘の後はゆっくりとしたテンポでフレーズの終わりでテンポを落として演奏します。クラリネットのソロは豊かに歌います。暖かいフルートのソロ。
ブルー系の響きで魑魅魍魎の饗宴よりもスマートで爽やかな演奏で、あまり表題を意識した演奏ではありませんでしたが、ダラス交響楽団の美しい響きはなかなか良かったです。
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ルネ・レイボヴィツ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

レイボヴィツ★★★★
激しい強弱の変化。トロンボーンの前にスネアが入りました。かなり激しいトロンボーン。シロフォンも入ります。木管のメロディにファゴットが追加されたり独特の編曲があります。金管のフォルテピアノクレッシェンドやシンバルの響きを残したり、予想外の部分でスネアが入ったり、スネアのリムショットがはいったり、カットもあります。テンポが極端に落ちたりやりたい放題です。ウィンドマシーンまで入ります。鐘の前にスネアと銅鑼のクレッシェンドがありました。鐘の後はほぼインテンポです。クラリネットではなくオーボエのソロです。フルートのソロの後に怪しげな低音から次第に高音楽器に移って華やかに終わりました。
ベートーヴェンの交響曲で、ベートーヴェン指定のメトロノームに厳格な演奏をしたレイボヴィツの演奏がこんなに自由奔放だったのは驚きでした。ただ、ストコフスキーの編曲ほどの強烈な色彩感などはありませんでした。
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タラニス・エコノモウ/カタール・フィルハーモニー管弦楽団

エコノモウ★★★★
追い立てるように微妙にテンポが変化する冒頭。安定したトロンボーン。ティンパニが激しくクレッシェンドしました。聞いたことの無い中東のオケと指揮者ですが、とても安定した良い演奏です。滑らかなクラリネット。アンサンブルもなかなか良いですし、響きも美しいです。鐘の後のテンポの動きは僅かです。クラリネットのソロはゆっくりとしみじみとした演奏です。
大きな表現はありませんでしたが、整ったアンサンブルと美しい響きで、模範演奏のような演奏でした。
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ウラディミール・スピヴァコフ/ロシア・ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団

スピヴァコフ★★★☆
強弱の変化が独特の冒頭の弦。トロンボーンはビーンとかなり強く鳴り響きます。突然強く入るファゴット。ミキシングで強調されたようです。トゥッティの響きと木管のソロのバランスがおかしいです。金管の三連音を含むメロディで大きくテンポを落としました。細かい音で若干もたつくような部分もありました。やはり木管が大きいです。リミッターでも掛かっているような感じがします。鐘も大きいです。鐘の後の弦もかなり強調されているような録音です。テンポの動きは僅かです。クラリネットのソロはアゴーギクを効かせるようにテンポの動きもあって豊かな歌でした。
演奏そのものは力感もあり、ソロの豊かな歌もあって良かったのですが、録音がリミッターが効いているのか、ミキサーで木管を強調したのか分かりませんが、バランスがとても不自然に感じました。
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デーヴィッド・ロイド=ジョーンズ/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

ジョーンズ★★★
表現の振幅はあまり大きくなく比較的穏やかで作品の粗野な感じはあまりありません。ロシア音楽の持つ強大なエネルギーはあまり感じません。ダイナミックの変化もあまり大きくありません。金管にはかなり余裕を持たせた演奏で、積極的な表現はほとんど無い演奏でした。
あまり振幅の無い演奏で、金管も余裕たっぷりでした。あまり作品を積極的に表現した感じは無く、作品を無難に演奏して紹介したと言う事でしょうか。
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トーマス・ルートヴィヒ/ルートヴィヒ交響楽団

ルートヴィヒ★★☆
とてもゆっくりとしたテンポです。弦は薄いですが、その分金管がかぶって来ます。テンポが遅く間延びした印象の演奏です。テンポの動きもありますが、あまり大きな表現はありません。鐘の後は薄い弦が揺ら揺らとした表現で寂しげな雰囲気が上手く表現されています。クラリネットとフルートのソロもあまり歌いません。
薄い弦と力強い金管による遅いテンポの演奏でした。テンポの遅さに間延びした印象を受ける部分もありましたが、鐘の後の揺ら揺らとした寂しげな表現はなかなか良かったです。上品な演奏でした。
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ダニエル・ナザレス/スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

ナザレス★★☆
艶やかな弦ですが、あまり強弱の変化はありません。トロンボーンも控えめで軽いです。大きくテンポを落として加速する部分もありました。ティンパニの激しいクレッシェンドや打楽器の強打が目立ちます。テンポの動きはありますが、あまり力のこもった強奏はありません。鐘の後はゆっくり目でテンポが動くのですが、少しアンサンブルが緩い感じがあります。クラリネットとフルートのソロは普通でした。
テンポの動きはありましたが、あまり強奏せずに軽く破綻の無い演奏に上手くまとめた感じの無難な演奏でした。
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レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

icon★★
抑え気味の冒頭。荒々しい金管。当時のニューヨークpoの演奏としてはアンサンブルも良いような気がしますが、それでも雑な演奏には変わりありません。テンポもほぼ一定で、変化に乏しく一本調子です。消化試合のような演奏に感じました。

イーゴリ・マルケヴィチ/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

マルケヴィチ★★
速いテンポで、シンプルな冒頭。トロンボーンが途中で弱くなってクレッシェンドする表現でした。色彩感はくすんでいて、あまり豊かな色彩感ではありません。通常、強く演奏される部分を途中で弱くしてクレッシェンドすることがよくあります。その影響もあってか、演奏自体が軽く感じます。ほとんどテンポの変化無く速いテンポのまま進みます。強く伸ばすはずの音を弱くする表現がとても多いです。木管のソロもあまり歌いません。
普通なら強く伸ばす音を弱くして、その後クレッシェンドするような表現が多かったです。演奏にはあまり色彩感が無く、軽い感じで、ロシア音楽の特徴も、リムスキー=コルサコフの特徴もあまり表現されなかったように感じました。
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セルジウ・チェリビダッケ/ミラノ・イタリア放送交響楽団

チェリビダッケ★★
いつものようにゆっくりと濃厚な表現です。トロンボーンも十分に鳴っています。大きい表現に反してスピード感の無さが気になります。奥行き感の無い金管の生音が下品に感じます。あまりの遅さに間が持たないと思ったのか、少しテンポが速くなります。鐘の後は霧が立ち込めるように、ゆっくりと静かに幽玄の世界のようです。
鐘の後の幽玄の世界のようなゆっくりと静かで奥深い演奏と、前半の浅く下品で間が持たない演奏のギャップが激しい演奏と感じました。
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ユーリ・ボトナリ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

ボトナリ★☆
ゆっくりとしたテンポで柔らかい表現。トロンボーンも全体の響きから飛び出さず落ち着いています。ティンパニの激しいクレッシェンドがありました。金管はかなり抑えぎみです。同じリズムでも楽器が変わると表現する長さが変わります。金管の三連音を含む戦慄でガクッとテンポを落として次第に弱くなりました。テンポがかなり動く演奏ですが、このテンポの動きがあまりにも大きく不自然な感じがします。鐘が鳴った後のテンポの動きは僅かです。クラリネットのソロは大きく歌います。フルートはクラリネットのソロよりもあっさりとしています。
金管を抑えた演奏で、テンポもかなり大きく動いていましたが、少し不自然な感じがありました。また、同じリズムでも楽器によって長さが違うのも気になりました。
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ロリン・マゼール/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

マゼール
速いテンポで激しく動くので、小ざかしく感じる演奏です。厚みのあるトロンボーンですが、最後の音だけ特別に強い音で不自然です。シンバルは小さいものを使っているようでダイナミックさは全くありません。オケもドイツ的で金管が飛び抜けたバランスの演奏ではありません。テンポが速くてとても慌ただしいです。シンバルの速いパッセージはサスペンドシンバルを使っているので、クラッシュシンバルをこんなに小さい物を使う意味が分かりません。鐘が鳴った後も速めのテンポで全く作品に思い入れが無いような演奏です。クラリネットとフルートのソロも素っ気無く爽やかです。
とにかくテンポが速い!素っ気無い演奏でした。

アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

icon
積極的な強弱の変化。トゥッティの響きが薄い。トロンボーンを主体にする旋律は抑え目で柔らかく演奏しました。テンポを落とすところもありますが、基本的には速いテンポで進みます。金属的な響きがするヴァイオリン。全体的には大人しい演奏で、魑魅魍魎たちが大騒ぎしているような雰囲気とはちょっと違うように感じます。後半、弦だけで弱音で演奏される部分も平板で短い時間でしたが退屈な印象でした。

ジェフ・スペクト/ミシシッピ・バレー管弦楽団

スペクト
テヌートぎみに柔らかく演奏されるトロンボーン。豊かな残響を含んだ木管。テンポの動きも少しありますが、あまり個性の強い演奏ではありません。ミスや金管の鳴りの悪さを感じさせる部分もあります。ちょっと雑な金管の演奏もあります。鐘の後もテンポの動きはほとんどありません。クラリネットは高音を出しにくそうでした。フルートもほとんど歌いません。
オケの雑な部分やアンサンブルの乱れなどもあり、演奏そのものは特に個性の無いものでしたので、ミスが気になりました。
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Garo Avessian/レバノン・フィルハーモニー管弦楽団

Avessian
低域がボンついた録音で、ホルンの音もミキシングによって強調があるようです。こもって雄大なトロンボーン。良く歌う弦。しかし、ホルンが異様なバランスです。多分カメラの位置にマイクがあって、そこにホルンのベルが向いているのだと思います。鐘もマイクの近くでしょう。鐘の後の弦も豊かに歌います。クラリネットは生き生きと瑞々しい演奏でした。
とても良く歌う弦でしたが、異様に大きいホルンのバランスがとても不自然でした。録音のバランスが良ければ演奏そのものは割りと良かったのではないかと思います。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」の名盤を試聴したレビュー

リムスキー=コルサコフ スペイン「奇想曲」

リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲ベスト盤アンケート

たいこ叩きのリムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」名盤試聴記

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

icon★★★★★
アルボラーダ、小物打楽器が賑やかですが、響きは整然としていて、とても落ち着きがあります。クラリネットのソロもとても美しい。ヴァイオリンのソロも繊細な感じです。

変奏曲、遠くから響くようなホルンが心地良い雰囲気です。とても美しい音楽です。熱狂するような音楽ではなく、清涼感さえある演奏です。

アルボラーダ、スネアドラムさえも美しい。トゥッティでもガツンと音が届くことは無く、とても冷静です。

シェーナとジプシーの歌、粒の揃ったスネアのロール。繊細なヴァイオリン・ソロ。フルートのソロも極上です。どのソロも見事!とても透明感が高く、全てを見通せるような感じさえします。

アストゥリア地方のファンダンゴ、遠くで響くスパニッシュカスタネット。艶やかなヴァイオリン。強奏部分のエネルギー感には乏しいのですが、これだけ美しい演奏を聴かせてくれれば満足です。

ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

バレンボイム スペイン奇想曲★★★★★
アルボラーダ、ゆったりとしたテンポで、ものすごいエネルギー感です。小物打楽器は控え目ですが、十分に賑やかな雰囲気はあります。トランペットも絶妙なバランスで存在をアピールします。弓を弾ませるヴァイオリン。

変奏曲、ホールの響きを伴って豊かに鳴るホルン。濃厚な色彩感です。椅子が軋む音がします。

アルボラーダ、トランペットが気持ちよく鳴ります。ヴァイオリンのソロが少し早くなります。艶やかなヴァイオリンと滑らかなクラリネット。最後のテュッティは深い響きでした。

シェーナとジプシーの歌、シングルストロークでロールをしているのではないだろうか?それともオープンロールか?すごい技術です。輝かしいトランペットのファンファーレ。激しいヴァイオリン・ソロ。ハープの低音もリアルで音が立っています。金管も存在感があり、とても厚みがあります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、ゆったりとしたテンポで丁寧に描かれます。リムスキー=コルサコフの色彩感豊かなオーケストレーションを見事に表現しています。

シカゴsoのパワーを遺憾なく発揮したすごい演奏でした。特に金管の活躍はすばらしかった。

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ★★★★★
アルボラーダ、きりっと立った音で、一音一音がしっかりと分離して聞こえます。ゆっくり目のテンポでとても丁寧に演奏されています。

変奏曲、締まったホルン。録音のせいもあると思いますが、曖昧さの全く無い演奏で、透明感がありとても見通しの良い演奏です。

アルボラーダ、とても艶やかなヴァイオリンのソロ。小物打楽器は控えめです。

シェーナとジプシーの歌、遅めのテンポで技術を見せ付けるようなヴァイオリンのソロ。陰影のあるクラリネット。豊かな表情のオーボエ。シカゴsoのキンキラキンの響きとは違い柔らかくまろやかです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、生き生きと動く木管。全く力みも無く軽々と演奏する高い技術に脱帽です。

ゆったりとしたテンポで透明感が高く、柔らかく軽々と高い技術を見せ付ける演奏で、華やかさはありませんでしたが、中身の濃い演奏でした。
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ズービン・メータ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

メータ★★★★★
アルボラーダ、ゆったりとしたテンポで華やかです。クラリネットも余裕たっぷりに優雅なソロです。ヴァイオリンのソロも見事です。

変奏曲、たっぷりと深みのある弦。とてもゆっくりと朗々と歌うホルン。今まで聞いたことの無い表現で、音楽に身をゆだねることが出来ます。イングリッシュ・ホルンも深みのある歌です。野外コンサートなので、堅苦しくならずに伸び伸びと演奏しているのが、良い方向に作用しているような感じがします。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり聞こえませんがスネアは大きめです。ヴァイオリンのソロが何事も無いように演奏しています。最後はティンパニの強打がありました。

シェーナとジプシーの歌、カチッとした響きのトランペット最後の高音は突き抜けて来ます。寄れ動くように歌うヴァイオリンのソロ。とのソロも見事です。ベルリンpoが楽しく乗って演奏しています。

アストゥリア地方のファンダンゴ、理屈抜きに楽しく伸び伸びとした演奏です。表現もとても積極的で、開放感に溢れた演奏です。最後の加速も興奮を煽るように効果的なものでした。

野外コンサートの開放感からも来るのでしょうが、とても伸び伸びと遠慮なく表現した演奏で、ベルリンpoもノリノリでした。大きな表現にもわざとらしさが無く、終演後の歓声も納得の演奏でした。
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ディエゴ・マテウス/スイス・ロマンド管弦楽団

マテウス★★★★★
アルボラーダ、豊かで暖かみがあり華やかです。小物打楽器もしっかりと聞こえます。

変奏曲、とてもゆっくりとしたテンポで訴えるようにホルンが深く歌います。続く弦も息遣いのような振幅のある演奏です。柔らかくしみじみとしたイングリッシュ・ホルン。一つ一つの楽器がくっきりと浮かびあがって、とても濃厚な色彩感です。

アルボラーダ、艶やかで生き生きとしたヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、クローズドロールのスネア。くっきりと浮かび上がるフルート。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットの粒もはっきりと聞き取れます。一時期低迷したスイス・ロマンドoですが、この演奏を聞くと全盛期の実力を取り戻しつつあるように感じます。

美しく、くっきりと明確な色彩感で華やかな演奏でした。息遣いのある生き生きとした演奏は素晴らしかったです。
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キリル・コンドラシン/RCAビクター交響楽団

icon★★★★☆
アルボラーダ、小物打楽器が賑やかで、華やかな雰囲気です。

変奏曲、細く締まった音のホルンです。サーッと言うヒスノイズがかなり気になります。ダイナミックに強弱の変化があり生き生きとした表情の演奏です。録音は古いですが、色彩感豊かで良い演奏です。

アルボラーダ、賑やかな冒頭の後のヴァイオリン・ソロは艶やかな音色でした。

シェーナとジプシーの歌、強いアクセントで入ったスネアのロール。トランペットらしい音色のファンファーレ。すごく感情を込めたヴァイオリン・ソロ。メリハリがあって、聞いていて飽きません。ハープのソロの後はすごく速いテンポでアンサンブルもバラバラになりますが、かまわずに突っ走ります。さらにテンポを上げます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、少しritして入りました。音楽がとても濃厚で、聴き応えがあります。テンポの変化もこの曲にはピッタリです。

コンドラシンが表現しようとした音楽はすばらしいのですが、オケが付いて行けないところが少し残念でしたが、オケが乱れてもなりふり構わず突き進むところも面白みがあって良かったです。

アンタル・ドラティ/ロンドン交響楽団

ドラティ★★★★☆
アルボラーダ、速いテンポで小物打楽器も賑やかです。滑らかなクラリネット。とても楽しそうです。太いヴァイオリンのソロ。

変奏曲、少し細身のホルン。豊かに歌うイングリッシュホルン。合いの手に入るホルンも大きく答えます。速いテンポでサクサクと進みます。デットな録音なのか、ヴァイオリンが少しキツく聞こえます。

アルボラーダ、躍動感のあるヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、深い胴のスネアでクローズドロールで演奏しています。歯切れの良いトランペット。太くマットなヴァイオリンのソロ。フルートとクラリネットのソロは速いテンポであっさりと進みます。ハープはすごく強調されています。テンポが速いので、踊るような躍動感があります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、控えめなカスタネット。最後の盛り上がりも十分で、加速して終わりました。

最初のアルボラーダから賑やかで華やかな演奏で、テンポも速いので躍動感もあって、良い演奏でしたが、録音がデッドなのかヴァイオリンがキツい部分もありました。
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キム・ボンミ/コリア・ソロイスツ・オーケストラ

キム★★★★☆
アルボラーダ、奥行き感のある美しい響き。華やかさも十分あれます。

変奏曲、ビブラートをかけているような感じで細身のホルン。まろやかで柔らかいイングリッシュ・ホルン。

アルボラーダ、あまり弾まないヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、くすんだ響きのトランペット、若干アンサンブルの乱れがあります。ゆっくりと演奏されるヴァイオリンのソロですが、激しく叩きつけるような弓使いではありません。とても丁寧です。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットのリズムに乗る演奏です。強い色彩感はありませんが、雰囲気のある演奏です。最後は凄いアッチェレランドで終わりました。

強い色彩感はありませんでしたが、華やかさや雰囲気を感じさせる演奏で、女性らしい丁寧な演奏にも好感が持てました。
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Maxim Eshkenazy/クラシックFMオーケストラ

Eshkenazy★★★★☆
アルボラーダ、鮮明な響きではありませんが、厚みはあります。小物打楽器も賑やかです。ヴァイオリンのソロはあまりダイナミックではありません。

変奏曲、ゆっくりとしたテンポで歌う弦。色彩感も十分にあります。

アルボラーダ、ここでも賑やかな演奏です。

シェーナとジプシーの歌、ゆっくりとしたトランペットのファンファーレ。あまり粘りが無くあっさりとしたヴァイオリンのソロ。フルートのソロはあまり鳴りが良くない感じです。強弱の変化が少し緩い感じがします。

アストゥリア地方のファンダンゴ、奥行き感もあって良い演奏です。流れるような演奏で、ひっかかるところがありません。最後の加速もまあまあでした。

聞いたことの無いオケと指揮者だったので、期待せずに聞きましたがなかなか良い演奏でした。割となだらかに変化する演奏でしたが、賑やかさや奥行き感もあり、良かったです。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・リムスキー=コルサコフ:「スペイン奇想曲」の名盤を試聴したレビュー

リムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」2

たいこ叩きのリムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」名盤試聴記

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

バーンスタイン★★★★
アルボラーダ、とてもゆっくりとしたテンポで清涼感があって丁寧な演奏です。

変奏曲、細い響きのホルン。テンポの動きもあって良く歌う弦。イングリッシュホルンの合間に入るホルンがとても思い切り良く入ります。

アルボラーダ、ゆっくりと木管やトランペットがはっきりと演奏します。いろんな楽器の動きがとても良く分かります。キャラキャラと鳴る木管やポコポコと響くホルン。ヴァイオリンのソロにミスがあったようです。最後はテンポを速めて終わりました。

シェーナとジプシーの歌、アメリカのオケらしく鋭く鳴るトランペット。たっぷりとした演奏のヴァイオリンのソロ。速く素っ気無いフルートのソロ。ソロが終わると速いテンポの演奏になりました。

アストゥリア地方のファンダンゴ、テンポが良く動きますが、テンポが速くなった時にちょっと雑な面が顔を出します。最後にテンポを速めた部分はなかなかの迫力でした。

テンポがとても良く動く演奏で、ゆっくり丁寧な部分と、速いテンポで雑になるところもありました。表現も濃厚な表現と素っ気無い部分も共存しています。とても魅力的な部分とちょっと・・・と感じる部分がありました。
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マリス・ヤンソンス/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

ヤンソンス★★★★
アルボラーダ、あまりエッジが立っていない柔らかくまろやかな演奏です。クラリネットは強弱の変化のあるソロでした。落ち着いたヴァイオリンのソロ。

変奏曲、明るく豊かなホルン。静かににじみ出るような歌の弦。大きな表現はありませんが、さりげない歌のある演奏です。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり目立たず賑やかな雰囲気はあまりありません。はっきりとリズムを刻むトランペット。滑らかなヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、明るく鋭いトランペット。少し枯れたヴァイオリンのソロ。さらりと演奏されるフルート。豊かな表情のクラリネット。間接音を含んで豊かに響くハープ。マットで艶やかさがあまり無い弦。

アストゥリア地方のファンダンゴ、色彩感はあまり濃厚ではありません。トゥッティの盛り上がりはかなりのものです。最後のテンポの追い込みも見事でした。

テンポの動きはとても良い演奏でした。表現も程よく付けられた演奏でしたが、マットな弦に象徴されるような色彩感があまり無い感じがとても残念でした。
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エミール・タバコフ/富川フィルハーモニック管弦楽団

タバコフ★★★★
アルボラーダ、賑やかで華やかです。クラリネットのソロも表情たっぷりです。

変奏曲、明るく美しいホルン。弦の呼吸が浅い感じがして息苦しく感じます。

アルボラーダ、韓国の地方オケなのかも知れませんが、なかなか良い演奏をしています。

シェーナとジプシーの歌、トランペットも良い音でした。ヴァイオリンのソロはちょっと丁寧過ぎるか?オーボエのソロも豊かな表現でした。分厚い響きとダイナミックさはあまりありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、色彩感も豊かですが、打楽器のアンサンブルの乱れとヴァイオリンが安っぽい響きなのが、僅かに気になります。

厚みやダイナミックさはありませんでしたが、色彩感も豊かで、表情もそこそこある良い演奏でした。
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ユーリ・シモノフ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

シモノフ★★★☆
アルボラーダ、とてもゆっくりとしたテンポであまり賑やかな雰囲気では無く、落ち着いた感じです。さりげないヴァイオリンのソロ。

変奏曲、奥行き感のあるホルン。ここでもとても静かな演奏をしています。

アルボラーダ、やはり遅いテンポで賑やかな色彩感では無く、渋い表現の演奏です。

シェーナとジプシーの歌、ねばりのあるトランペット。フルートのソロはたっぷりとしたタメのある豊かな表現でした。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とにかくゆっくりです。最後はテンポを速めて終わりましたが、終始渋い色彩で、躍動感も感じませんでした。

終始遅いテンポで、賑やかさは無く、渋い色彩感の演奏でした。躍動感などもほとんど感じませんでしたが、不思議と悪い演奏には感じませんでした。
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アンドレ・クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団

icon★★★
アルボラーダ、落ち着いた響きの中から滑らかなクラリネット、あまり艶のないヴァイオリン。

変奏曲、ゆったりとしたテンポで細身のホルン。ヴァイオリンがマットな響きで作品の華やかさとは異質な感じがします。

アルボラーダ、小物打楽器があまり前面に出てこないので、賑やかな感じではありません。滑るようなクラリネット。

シェーナとジプシーの歌、スネアが緩いスネアドラムのロール。軍楽隊の太鼓のような雰囲気です。コルネットのように柔らかいファンファーレ。録音が時々歪むところがあります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、スパニッシュカスタネットが切れの良い音を響かせます。終わり少し手前のアッチェレランドにはゾクッとさせられました。

特にオケの名人芸のような部分も無く、なんとなく終わりました。これもクリュイタンスのセンスの良さか?

ポール・パレー/デトロイト交響楽団

パレー★★★
アルボラーダ、物凄く速いテンポの演奏ですが、きっちりと演奏されています。

変奏曲、速いテンポで縮こまったようなホルン。とてもあっさりとしています。

アルボラーダ、このテンポでも雑にならないのはさすがです。

シェーナとジプシーの歌、少しギザギサするスネア。ヴァイオリンのソロはテンポを落としてたっぷとりした表現です。ソロが終わると独特の間のある弦の演奏ですが、これはちょっと違和感のある間で、流れが失われます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、最後は物凄いアッチェレランドで終わりました。

基本的には凄く速いテンポで一気に演奏したものでした。オケの精度も高くパレーのオーケストラ・ビルダーとしての能力の高さを感じさせる演奏でした。シェーナとジプシーの歌での弦の間には少し違和感を感じました。
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ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/デンマーク放送交響楽団

ブルゴス★★☆
アルボラーダ、締りがあってシャープな演奏です。小物打楽器も賑やかです。豊かな表情のクラリネット。

変奏曲、引き締まって美しいアンサンブルを聞かせるホルン。穏やかで動きのあまり無い演奏です。

アルボラーダ、僅かに重い感じで躍動感があまりありません。最後はテンポを落としました。

シェーナとジプシーの歌、ちょっとギザギサのスネア。速いヴァイオリンのソロ。もっとたっぷのと聞かせても良いような気もしますが・・・・・。テンポも少し遅めなのですが、時間がとても長く感じます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とても時間がゆっくりと流れるような感じです。最後はテンポを速めて終わりました。

あまり動きが活発では無く、時間がゆっくりと流れるような感じでした。色彩感もあまり感じることは無く、華やかさもあまり感じませんでした。
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ロリン・マゼール/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

マゼール★★
アルボラーダ、とても元気な演奏です。クラリネットのソロも愛嬌がある表現です。ヴァイオリンのソロは控えめです。

変奏曲、美しいホルン。少しザラつくヴァイオリン。弦のトレモロが波打つようです。on、offがはっきりとした演奏です。明快に強弱の変化を付けて演奏します。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり聞こえず、クラリネットのバランスが強いです。さりげなく上手いヴァイオリンの艶やかなソロ。

シェーナとジプシーの歌、オープンロールで粒がはっきりとしたスネア。近くで演奏しているようなトランペット。ソロはどれもさすがにベルリンpoです。ソロの後は速いテンポであまり落ち着きがありません。ちょっと慌ただしく雑にも感じます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、オケとスパニッシュ・カスタネットがずれます。速いテンポをさらに速くして終わります。

華やかな感じよりも、かなり速いテンポの力技のような感じの演奏でした。テンポが速いために雑に聞こえる部分もありました。
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Ayyub Guliyev/サフォノフフィルハーモニー管弦楽団

Guliyev★☆
アルボラーダ、フワーッと広がる響きです。豊かな残響を伴って滑らかなクラリネット。ヴァイオリンのソロもオフぎみで美しく響きます。

変奏曲、ホルンも雄大に響きます。

アルボラーダ、オフぎみの録音なので音の芯があまり感じられません。最後はアッチェレランドして激しくティンパニがクレッシェンドしました。

シェーナとジプシーの歌、トランペットもフワーッとしています。ヴァイオリンのソロはゆっくりと濃い表現です。オーボエのソロは少し安定感がありませんでした。この録音もカメラのマイクで録っているようで、シンバルが近く、コントラバスが遠いので、厚みがありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットがあわてます。最後は猛烈なアッチェレランドで終わりました。

かなりオフマイクでの録音で、フワーッとした広がりのある演奏でしたが、、その分音の芯の無い演奏でもありました。アンサンブルの乱れやソロの不安定な部分もありました。
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アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

icon
アルボラーダ、速いテンポで打楽器が賑やかですが、打楽器が抜けると寂しい感じです。

変奏曲、細い音のホルンが寂しげです。響きが浅く表情も淡白でそっけない演奏です。後半はテンポを上げて弦がスタッカートぎみに演奏する部分もありました。

アルボラーダ、音が集まってこなくて散漫です。

シェーナとジプシーの歌、ファンファーレの響きにも明るさがなく寂しい響きでした。ヴァイオリンのソロもマットで艶やかさがありません。濃厚でエネルギッシュな音楽ではなく、つや消しで華やかさがありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットはとても上手い。スペインの明るい色彩よりも哀愁さえ感じる演奏は何なんだろう。弱弱しいトランペット。終わりに向けてアッチェレランドして盛り上げますが、全体を支配する暗い響きはいかんともしがたい。

アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス・オーケストラ

フィードラー
アルボラーダ、柔らかくマイルドな響きです。滑らかなクラリネット。マイルドな響きの分、色彩感はあまり濃厚ではありません。

変奏曲、深みがあって美しいホルン。霞がかかったようで、ヴァイオリンのハッとさせるような鮮明な響きはありません。

アルボラーダ、マイルドな響きの分一体になったまとまりはあります。ヴァイオリンのソロも鮮明に浮かび上がることはありません。

シェーナとジプシーの歌、少し距離があるようなトランペット。カーテンの向こう側で演奏しているようなヴァイオリンのソロ。一つ一つのソロを強調したような録音ではありませんが、さりげなく上手いです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、高音域のレベルが落ちているようで、カスタネットの音も立っていません。モノトーンのような色彩感の無い演奏になっています。最後のテンポの加速も僅かでした。

マイルドでモノトーンのような色彩感の乏しい演奏でした。録音による問題だと思いますが、作品の華やかさは全く伝わって来ませんでした。
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ウラディミール・フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団

フェドセーエフ
アルボラーダ、かなり混濁した録音です。キンキンと共鳴するクラリネット。歪も多いです。

変奏曲、美しいようにも感じますが、歪んでいるホルン。

アルボラーダ、ベターっとしていて、あまり弾まないヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、かなり騒々しいスネア。かなり粘るヴァイオリンのソロ。長く尾を引くシンバル。周波数特性のどこかにかなり鋭いピークがあるようです。フルートもキンキンと鳴ります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、録音が酷くて演奏の特徴などはほとんど分かりませんでした。最後もテンポを速めずに終わりました。

フェドセーエフの演奏を期待して聞いたのですが、録音が酷くて何がどうなっているのか全く分かりませんでした。
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エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

アンセルメ
アルボラーダ、録音レベルが低く、意外と薄い響きです。小物打楽器は賑やかですが、響き自体が寂しいです。暖かいヴァイオリンのソロ。

変奏曲、奥行き感のあるホルン。暖かい弦。あまり粘っこく歌わないイングリッシュ・ホルン。後半は少しテンポが速くなります。

アルボラーダ、響きは暖かいのですが、厚みが無く寂しいです。

シェーナとジプシーの歌、明るく華やかなトランペット。ヴァイオリンのソロも隙間があるように密度が薄いです。木管のソロはいずれもテンポが速く素っ気ない感じでした。こんなにシンプルだったっけ?と思わせる程音が少ないです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とにかく寂しい薄い響きで、悲しくなるような演奏です。全体が盛り上がらないところでむなしく響く金管。

とにかく寂しくて薄い響きでした。作品の華やかなイメージとはかけ離れた演奏で、聞いていて悲しくなってしまいました。最後も盛り上がらないところにむなしく響く金管にやりきれない思いがありました。
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カレル・マーク・チチョン/ラトヴィア国立交響楽団

チチョン
アルボラーダ、低音が歪んでいます。

変奏曲、ホルンも歪んでいて聞き取りにくいです。ゆっくりと歌うイングリッシュ・ホルン。歪みはかなりひどいです。

アルボラーダ、ヴァイオリンのソロとオケのアンサンブルが僅かにズレる部分もありました。

シェーナとジプシーの歌、エッジの立ったヴァイオリンのソロ。歪みっぽくて荒れた響きで、美しくありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、ヴァイオリンのソロとフルートのアンサンブルも合いません。

歪みがひどくて、全く美しさはありませんでした。アンサンブルの乱れも少しあって良い部分は全く感じませんでした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・リムスキー=コルサコフ:「スペイン奇想曲」の名盤を試聴したレビュー