チャイコフスキー 序曲「1812年」4

たいこ叩きのチャイコフスキー 序曲「1812年」名盤試聴記

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

バーンスタイン★★★
Largo涼しげな音色で穏やかな演奏です。唸りを上げる第一主題。Andanteホルンよりも弦の方が強いバランスです。Allegro giustoあまりアクセントを強く演奏していません。第二主題はバーンスタインらしく良く歌います。ロシア民謡は速めのテンポです。二度目の戦闘場面はとても速いテンポでかなり慌ただしいです。トロンボーンのラ・マルセイエーズがスタッカートぎみに演奏されます。第二主題はやはり歌うのですが、どこか乱暴な感じがします。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは硬く締まった響きです。オケが引っ込み大砲が強調されます。駆け下りるような音形に向かって猛烈なアッチェレランドをしました。Largoトロンボーンが良く響きますがアンサンブルは雑に感じます。Allegro vivaceやはり大砲を強調してオケは引っ込んだバランスになります。最後にスネアがクレッシェンドしました。

バーンスタインらしく良く歌い表現も大きな演奏でしたが、アンサンブルが雑で乱暴な感じがありました。
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エリック・カンゼル/シンシナティ交響楽団

カンゼル★★★
Largo柔らかくマイルドな弦です。ゆっくりとしたテンポでたっぷりと歌う演奏です。非常にゆっくりとした第一主題。金管が登場する部分でテンポが速くなりました。金管は軽く演奏しています。Andante爽やかな騎馬隊の行進です。Allegro giustoここでもゆっくりとしたテンポで金管が咆哮することは無く、とても冷静な演奏です。第二主題は僅かにテンポを速めてあっさりとほとんど感情を込めずに進みます。二度目の戦闘場面もゆっくりと淡々と進みます。感情の起伏などは無くどちらかと言うと平板な演奏です。大砲はかなりの迫力ですが駆け下りるような音形は貧弱です。Largoここでも金管は全開にはなりません。鐘は低い音も含んで荘厳な響きです。Allegro vivace大砲は凄いのですが、演奏には熱気を感じることはできませんでした。

本物の大砲を録音したことで有名な演奏ですが、メインは大砲で、大砲を聴くためだけの演奏のように感じました。強烈な大砲に比べて演奏はとても醒めていて熱気を感じるような演奏ではありませんでした。
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ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ★★☆
Largo合唱で始まります。カラヤンの演奏のような起伏の大きな表現ではありません。通常の弦の演奏に近い表現です。長い音符で大きくクレッシェンドしました。パイプオルガンも入ります。かなり大きな盛り上がりです。第一主題はゆっくり入って次第に速くなるような表現でした。軽い演奏の金管。シンバルがとても古臭い音です。Andante歯切れの良い木管。ホルンは明るい音です。Allegro giustoゆっくり始まります。一音一音刻むように演奏する弦。あまり厚い響きではありません。第二主題はテンポの動きもあって深く歌います。二度目の戦闘場面は不穏な雰囲気はありません。音が短めであまり迫力の無いトロンボーン。弱音で演奏されるラ・マルセイエーズは柔らかく豊かな響きでした。盛大に鳴り響く大砲。オケは全開では無い感じです。Largo全開になっているようですが、アンサンブルが悪いのか、幼稚な響きに感じます。Allegro vivace大砲が左右に飛び交います。最後は鐘の響きだけが残りました。

合唱やパイプオルガン、左右に飛び交う大砲や最後に残る鐘の余韻など、音響的には工夫を凝らした演奏でしたが、古臭いシンバルや幼稚な響きを感じさせたりあまり良い演奏には思えませんでした。
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アントニオ・パッパーノ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

パッパーノ★★
Largo深みがあって良く歌います。分厚い第一主題。抑えたトロンボーン。その他の金管も抑えた表現です。Andanteくっきりとした表現の木管。弦もはっきりとした表現です。ホルンは奥にいるような感じです。Allegro giusto一気に活発な表現になりますが、響きはあまり厚くありません。第二主題は速めのテンポですが揺れ動くような表現がなかなか良いです。二度目の戦闘シーンでも金管は奥から響きます。ロシア民謡も踊るように弾んだ表現です。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズは凄く速いテンポです。大砲は大太鼓です。金管はかなり奥まっています。大砲の後に銃が撃たれました。Largoブレンドされた柔らかい響きの中にカラカラと鐘が鳴り響きます。Allegro vivaceここでも控え目なバランスで演奏されるトロンボーン。銃が楽譜のタイミングとは関係なく撃たれています。

野外コンサートと言うこともあったのか、金管が常に奥まっていて爆発すること無く終わりました。揺れ動くような表現や独特なテンポ設定など、個性的な表現もありましたので、もう少し条件の良い状態での演奏を聴いてみたいと思いました。
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アントン・ナヌート/リュブリャナ交響楽団

ナヌート
Largo最初の音が途切れています。祈るように神聖で静かな演奏で大きな動きはありません。とても軽い第一主題。薄い響きの金管。シンバルが早く音を止めます。続く弦も硬直しているような硬い表現です。Andante音楽が弾みません。とても平板な演奏です。Allegro giusto四角四面で音楽が揺れ動くことが無く間が悪い感じがします。コルネットが突然速く演奏します。第二主題も硬い表情で遊びが全くありません。とても窮屈な演奏です。二度目の戦闘シーンもまるでアマチュア・オケの演奏を聴いているようなメトロノームに合わせた演奏のようにカチッとしています。金管も吠えるようなことは無く、大人しい演奏です。弱音で演奏されるホルンのラ・マルセイエーズも硬い表現でした。大砲は大太鼓です。オケが一体になったようなパワー感は無くバラバラな印象です。薄い弦。Largo軽薄な響きです。軽い鐘。Allegro vivaceトロンボーンはかなりの力演です。

とても硬直した表現で、揺れ動くようなテンポの動きも無く、メトロノームに合わせたような硬い演奏でした。オケの響きも厚みなどは全く無くバラバラな感じで、そのうえ平板な演奏には全く楽しめる要素はありませんでした。
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