ベートーヴェン 交響曲第1番名盤試聴記
朝比奈 隆/新日本フィルハーモニー管弦楽団:ベートーヴェン交響曲第1番
★★★★★
一楽章、かなり遅めのテンポをとっています。とても確実な足取りで進みます。意表を突くようなテンポの動きや表現はありません。あくまでも楽譜に忠実に演奏されています。
二楽章、ゆりかごに揺られるような心地よさ。
三楽章、ここでも遅めのテンポです。
四楽章、力まない自然体を貫き通しています。自然体と言うのは、簡単ですが実際に演奏として結実させるのは至難の業だと思います。
単に、音を出すという行為一つとっても、「自然に」というのは極めて難しいことなのです。
そして、それができた時には、すごく良い音が出るのですが、それが出来る人たちが集まって、音楽をする時にも力まずに音楽として作り上げる精神力はすごいものだと思います。
それを実現した朝比奈と新日本poに惜しみない拍手を送りたいと思います。