ベートーヴェン 交響曲第8番3

たいこ叩きのベートーヴェン 交響曲第8番名盤試聴記

クラウス・テンシュテット/ボストン交響楽団

テンシュテット★★★☆
一楽章、作品が持っている穏やかさよりも、不穏な空気の方を感じる開始でした。さすがのテンシュテットもベートーベンの8番だと、暴れようがないのでしょうか。
ボストン交響楽団とどんな演奏をするのかと思って聞き始めましたが、さすがに歴史のある名門オケです。反応が良いです。
この曲でもくるところはバンバン来ます。

二楽章、かなり速いテンポを取っています。

三楽章、音楽の盛り上がりとテンポの動きはやはり天性のものでしょうか。この楽章で畳み掛けるようなテンポの動きがあるとは予想もしませんでした。ホルンがとても明るい音色です。

四楽章、テンシュテットにしたら大人しい演奏だったような印象です。

ジェイムズ・ロックハート/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★☆
一楽章、穏やかな響きではじまりました。音符を丁寧に扱っていますし、オケも指揮者の意志に従って落ち着いた響きの演奏をしていて、なかなか良いです。
コンパクトにまとまっていて、スケールの大きさは望めませんが、美しい演奏です。
9.7.8と聴いてきました。この指揮者が一番良いです。しっかりコントロールされています。

二楽章、バランスも良いです。

三楽章、速いテンポで軽快な演奏です。音楽の流れにしたがって自然な抑揚もあります。
この演奏は音楽に身を任せることが出来ます。
同じオケなのに指揮者が変わると、これほどまでに響きや集中度が変わることを確認するには良い全集です。

四楽章、遅すぎず良いテンポだと思います。響きが薄いのですが、バランスが良いので、カラヤンの演奏のような肥満ぎみでボッテリした響きにならず好感が持てます。

優しい表現ですが、リズムはピシッと決まっています。7番、9番と同じオーケストラだとは思えないような良い演奏でした。

ルネ・レイボヴィツ/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

レイボヴィツ★★★☆
一楽章、細身ざ爽やかな響きです。速めのテンポでとても軽快です。コンパクトで余分なものがありません。わき目も振らずに一心不乱に突き進みます。とてもストレートな表現です。

二楽章、この楽章は速いです。大切な物を扱うようなそっと音を出す感じの演奏です。

三楽章、速いままトリオに入りました。虚飾を排してひたすら楽譜に書いてあることに忠実に演奏している感じです。

四楽章、この楽章も速いです。トゥッティでもあまり音が前に出てこないので、ダイナミックさは感じません。

楽譜に忠実にストレートに突き進む演奏でした。録音によるものなのか、ダイナミックの変化に乏しく小じんまりとまとまってしまったのが残念なところです。
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ジョン・エリオット・ガーディナー/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク

icon★★★
一楽章、かなり速い、音の扱いが全体に短めです。細身の響きは7番と同じです。
7番の時にも感じたのですが、例えばfが続いてpになるときにfの最後まできちんとfで演奏されずに、何か中途半端に変わってしまうような感じを受けたのですが、ここでもそうです。
これは時代考証の結果なのだろうか?

二楽章、とくに何も無く終わった感じです。

三楽章、ここも速い。当時のメトロノームは今より速かったとか、いろんな説があるのでしょうけれど、私にはあまり関係ないですね。
ほとんどリードの音しかしていないファゴット、細い音のホルン。高い音が耳障りなクラリネット。

四楽章、この楽章も速い、ティンパニが大変だ!ティンパニ凄い!このテンポで完璧でした。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★
一楽章、豪華な響きではじまりました。カラヤンの全集はすべて超近代的と言うか、都会的な響きで、ベートーベンの時代を連想させたり、田舎を感じさせたりすることは一切ありません。
でも、すばらしい響きには惹かれます。
音の構築物としての完成度を楽しむのであれば、最高の演奏だと思います。

二楽章、

三楽章、この全集を通して感想は同じです。こうして、いろんなベートーベンの演奏を聴いてみると、ベルリンpoの音は意外と透明感がないことにも驚かされました。

響きが分厚い分、濁りもあるのでしょうか。

四楽章、

ハンス・クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

クナッパーツブッシュ★★★
一楽章、ゆったりとしたテンポと豊かなホールトーンで聴き手を包み込むような演奏です。録音の古さから音の木目が粗いのが気になります。

二楽章、この楽章もゆったりとしたテンポです。音楽が進むにつれてテンポが動いて、少し速くなったりします。

三楽章、伸びやかさに欠けるホルンと対照的に艶やかなクラリネット。

四楽章、この楽章もかなり遅いテンポです。一音一音確かめるように丁寧な演奏です。テンポの動きも自然です。

クリスティアン・ティーレマン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ティーレマン★★★
一楽章、艶やかでなまめかしい響き。早速テンポが動きます。昔ながらの遅めのテンポの演奏も落ち着いていてなかなか良いものです。トゥッティでも大きなエネルギーの発散はありません。

二楽章、あまり起伏の無い穏やかな演奏です。

三楽章、アクセントを強調いる導入部。トリオはさらにゆったりと歌います。ホルンは関節音を含んで柔らかく美しいです。

四楽章、Allegro vivaceにしては、少し腰の重い演奏です。さらに重くねばる部分もありました。

重い演奏で、華やかさが感じられませんでした。
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ダニエル・バレンボイム/ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団

バレンボイム★★★
一楽章、華やかな響きと豊かな歌。情熱が溢れるような演奏です。かなり振幅が激しくトゥッティはかなりのエネルギーです。

二楽章、この楽章でも起伏の激しい演奏が続きます。力のこもった演奏です。

三楽章、大きなタメがあったりして積極的な表現です。トリオにはゆっくりと入りました。ここでもたっぷりと積極的に歌います。

四楽章、速いテンポで生き生きとしています。この楽章でも起伏の激しい演奏は続いています。テンポの動きもあります。

積極的な歌や起伏の激しい表現で、今までとは違ったアプローチの演奏でしたが、作品の新たな魅力が提示されたかと言うとちょっと疑問でした。
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マリス・ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ヤンソンス★★★
一楽章、程よく低域も伴った豊かな響きです。積極的に歌います。弾むリズムアクセントも強く表現しています。ストレートな歌が心地良い演奏です。

二楽章、アクセントをしっかりと演奏するのでメリハリがあります。

三楽章、少し速めのテンポで、ここでも強弱の変化と歌のある演奏が続きます。トリオのホルンは僅かに細身ですが、美しいです。

四楽章、テンポは特に速くはありません。

弾むようなリズムと歌のある演奏でしたが、特に強い主張は感じられませんでした。
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