ブラームス 交響曲第3番3

たいこ叩きのブラームス 交響曲第3番名盤試聴記

ジョルジュ・プレートル/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

プレートル★★★☆
一楽章、第一主題の途中で音量を落としたりテンポも落ちたりする独特の表現です。優雅に舞うような第二主題。あまり密度が高く無く、軽い感じがします。コーダの最初はいろんな楽器が絡み合いますが、ちょっと散漫な感じがしました。

二楽章、速めのテンポでグイグイと進む演奏です。2度をゆらゆらと反復する動機は華やかです。中間部は祈るような雰囲気です。間接音を含んだフワーッとした柔らかい響きですが、その分凝縮したような表現の強さはありません。フワーッとした響きがコーダのクラリネットでは夢見るような淡い表現でした。

三楽章、思いが詰まったようなチェロの旋律。続くヴァイオリンもとても感情のこもった表現でした。中間部は少し活発に動きます。

四楽章、柔らかい表現の第一主題。トロンボーンが大きくクレッシェンドしました。その後、第二主題まではそんなに激しくはありません。再現部に入ると金管が抜けて来ます。コーダの夢見るような儚い表現に惹かれます。

オケを強烈にドライヴするような表現は無く、夢見るような淡い表現が何度か聞かれました。全体にフワーッとした柔らかい響きで、ブラームスらしい厚みのある響きはあまりありませんでした。
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エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 1972年ライヴ

ムラヴィンスキー★★★
一楽章、ゆっくり演奏されるモットーに続いてちょっと暴力的で激しい第一主題。太い響きのクラリネットの第二主題。ビブラートを掛けたホルンがロシアのオケだと印象付けます。。金管も咆哮しますし、ロシアのオケの演奏らしい表現です。

二楽章、少し乾いた響きのクラリネット。あまり表情は無く、客観的な演奏ですが、響きがブレンドされずブラームス的なトローッとしたサウンドではありません。

三楽章、豊かに歌い、哀愁とともに寒さも感じさせる冒頭の旋律。中間部も僅かに冷たさを感じさせる響きです。主部が戻ったホルンはビブラートを掛けています。

四楽章、うごめくような第一主題。第二主題の前はかなり激しい演奏でした。第二主題は勢いを付けて滑るような表現でした。展開部の前はチャイコフスキーのような爆発でした。再現部の強奏も各々の楽器の音がブレンドされずマイルドな響きにはなりません。ただ、エネルギーの爆発はかなりのものがあります。

トゥッティのエネルギーの爆発はかなり強い演奏でしたが、弱音の繊細さはあまり感じられず、また響きがブレンドされず硬い響きになってしまっていました。ブラームスの音楽には響きが硬すぎると感じました。
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ハンス・クナッパーツブッシュ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

クナッパーツブッシュ★★
一楽章、歪みっぽい音です。遅めのテンポで一歩一歩確かめるような足取りの演奏です。ノイズのせいもあるのか、トゥッティでは嵐のような激しさを感じます。とても感情の起伏の激しい音楽でした。

二楽章、最初に示されるクラリネットの主題は古い時代の音を感じさせます。アゴーギクを効かせてたっぷりとした感情表現です。

三楽章、

四楽章、

イシュトヴァン・ケルテス/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ケルテス
一楽章、ワウ・フラッターで音程が揺れています。細く薄い第一主題。控えめな第二主題の途中でクラリネットが音量を落とします。スクラッチノイズもありますので、LPレコードが音源だと思いますが、ワウ・フラッターはかなり酷いです。最後は振幅の大きな演奏のように感じました。

二楽章、感情を込めて歌う主要主題。

三楽章、小節の頭を強く演奏する主要主題。

四楽章、昔、ラジオから聞いた音楽のような音です。

録音が悪くてどんな演奏をしているのか分かりませんでした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・ブラース:交響曲第3番の名盤を試聴したレビュー

投稿者: koji shimizu

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