ブラームス 交響曲第4番4

たいこ叩きのブラームス 交響曲第4番名盤試聴記

トーマス・ヘンゲルブロック/北ドイツ放送交響楽団

ヘンゲルブロック★★★☆
一楽章、速いテンポでゆらゆらと揺れるような第一主題。シンコペーションの重い部分をかなり強く演奏するので、とてもリズムの乗りが良いです。再現部の前はとてもゆっくりとしたテンポで味わい深い演奏でした。

二楽章、かなりしっかりとした存在感のある第一主題で音量も大きいです。ゆっくりと豊かに歌う第二主題。主題に絡むヴァイオリンも美しいです。第二主題の再現はあまり厚みがありません。鮮明な色彩感があります。

三楽章、速いテンポで少し滑るような感じのある第一主題。第二主題に絡むフルートの表現がとても大きかったです。最初は滑るような感じがありましたが、展開部以降はしっかりと地に足が付いている演奏です。

四楽章、木管が強いシャコンヌ主題。速いテンポで弱音部分の音量が大きいのですが、トゥッティの音量はさほど大きく無く、強弱の変化はあまり大きくありません。アゴーギクを効かせたフルートのソロ。生き生きとしたクラリネット。コーダも大きな盛り上がりはありませんでした。

速いテンポで生き生きとした表情の演奏でしたが、録音によるものなのか、消え入るような弱音は無く、また、トゥッティの音圧も感じさせない演奏には不満を感じました。
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ブルーノ・ワルター/ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団

icon★★★一楽章、柔らかく繊細で大きく歌う第一主題。晩年の演奏のような非常に遅いテンポ設定ではありません。金管も積極的に演奏します。

二楽章、朗々と歌うホルンと木管の動機。とてもたっぷりと歌います。ヴァイオリンの第一主題の変奏は静かでとても美しいです。三連音の動機はゆっくりです。第二主題もゆっくりでとても感情のこもった演奏です。第二主題の再現もとてもゆっくりとしたテンポで深く感情を込めた美しい演奏です。その後も重厚に盛り上がります。壮大なホルンの動機で終わります。

三楽章、優雅で余裕を感じさせる第一主題。むしろ第二主題が活発に感じられます。柔らかいホルンによる主題の変奏。繰り返されるうちに力強くなる第一主題。

四楽章、静寂感のあるフルートのソロ。コーダのアッチェレランドは絶妙でした。

チェリビダッケの晩年の演奏のような非常に遅いテンポでは無く、少し遅め程度の演奏でしたが、ブラームスらしさはあまり感じませんでした。
一楽章、チリチリと言うノイズの中から音楽が聞こえます。木目の粗い音ですが表情はとても豊かな演奏です。嵐のような激しさもある熱気のこもった演奏です。

二楽章、次から次から音楽が湧き上がってくるような豊かさがありました。

三楽章、かなり熱のこもった力演です。

四楽章、名演なのかもしれないのですが、録音の古さから良い部分を聞き取ることがあまりできませんでした。

セルジウ・チェリビダッケ/シュツットガルト放送交響楽団 1974年ライヴ

チェリビダッケ★★★
一楽章、柔らかく繊細で大きく歌う第一主題。晩年の演奏のような非常に遅いテンポ設定ではありません。金管も積極的に演奏します。

二楽章、朗々と歌うホルンと木管の動機。とてもたっぷりと歌います。ヴァイオリンの第一主題の変奏は静かでとても美しいです。三連音の動機はゆっくりです。第二主題もゆっくりでとても感情のこもった演奏です。第二主題の再現もとてもゆっくりとしたテンポで深く感情を込めた美しい演奏です。その後も重厚に盛り上がります。壮大なホルンの動機で終わります。

三楽章、優雅で余裕を感じさせる第一主題。むしろ第二主題が活発に感じられます。柔らかいホルンによる主題の変奏。繰り返されるうちに力強くなる第一主題。

四楽章、静寂感のあるフルートのソロ。コーダのアッチェレランドは絶妙でした。

チェリビダッケの晩年の演奏のような非常に遅いテンポでは無く、少し遅め程度の演奏でしたが、ブラームスらしさはあまり感じませんでした。
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ジェームズ・レヴァイン/シカゴ交響楽団

レヴァイン★★★
一楽章、速いテンポで少し慌ただしい第一主題。とても良く歌います。どうもこの速いテンポが落ち着きの無い演奏に感じられます。活動的で躍動感はあるのですが、どっしりとした落ち着きはありません。一気呵成に聞かせるような迫力はあります。

二楽章、第一主題はとても弱い音で演奏されます。ヴァイオリンの第一主題の変奏に入ると一気に空気が変わって、清涼感が出ます。第二主題はとても良く歌っていて心地良い演奏です。第一主題の再現も柔らかく美しいです。

三楽章、伸びやかで生き生きとして美しい第一主題。第二主題もサラサラとして美しい響きでした。軽快な音楽に重いティンパニが少し合わないような感じがします。別世界のように美しいホルン。激しく動きの活発な演奏です。

四楽章、動く部分がとても強調されている感じで活発な表現です。フルートのそろは暖かくオケから浮き上がらず、溶け込んでいます。交響曲第二番からの引用部分などは元気いっぱいです。コーダのトロンボーンは今まで聞いたことが無いくらいに明るい演奏でした。堂々と終わりました。

生き生きとして明るい表現で良く歌う演奏でした。レヴァインらしくあっけらかんとして気持ちよく鳴らすことに徹した演奏のように感じました。
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オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団

クレンペラー★★★
一楽章、ゆったりと静かにたたずむような第一主題。第二主題もゆっくりですが、あまり表情はありません。大きな表現は避けてひたすら楽譜に忠実な演奏をしているようです。古い録音ですが、とても美しい音で録音されています。コーダでかなりテンポを速めます。

二楽章、抑制的で静かな第一主題。ヴァイオリンの第一主題の変奏も過度に感情移入せずにあっさりと過ぎて行きます。第二主題も大きな表現ではありませんが、しみじみとした雰囲気がにじみ出るような渋い演奏です。第二主題の再現も大きく動かない静かな表現が感動的です。

三楽章、鮮度の高い音で始まる第一主題ですが、表現は悪いですが、足がもつれるようにテンポが変化します。ふくよかなホルンによる変奏。

四楽章、少し弱々しいシャコンヌ主題。オケに溶け込むようなフルートのソロ。間があって間の静寂感がとても印象に残ります。シャコンヌ主題が再現されたあたりから演奏が激しくなります。コーダではテンポを速めて終わりました。

静かで抑制的な前半二楽章とテンポの動きが大きくなる三楽章、後半はかなり激しくなる四楽章、クレンペラーの表面を全く飾らない演奏が私にはあまり理解ができませんでした。
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サー・ゲオルグ・ショルティ/シカゴ放送交響楽団

ショルティ★★★
一楽章、遠くから響いて来るような第一主題。ゆらゆらと揺れながら歌います。音の立ち上がりが鋭く敏感な反応をするシカゴsoはいつもながらに素晴らしいです。ただ、あまり分厚い響きではありません。

二楽章、ゆっくり目のホルンの動機。静かに歌う第一主題。涼やかで美しい第二主題。第二主題の再現はゆっくりとここでも静かでしみじみとした演奏です。とても穏やかで静かな演奏でした。

三楽章、サラッとしていて爽やかな第一主題。第二主題もサラッとしていて穏やかです。コーダでもトランペットが控えめでいつものシカゴsoの演奏に比べるとおとなしいです。

四楽章、バランスの良いシャコンヌ主題。続く木管は静かに歌います。必要以上に感情移入することは無く、楽譜に忠実な表現をしているようです。フルートのソロも静かであまり表情がありません。

見事に整った演奏を聞かせてくれましたが、聞き終えて特に感慨はありませんでした。
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ジョルジュ・プレートル/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

プレートル★★★
一楽章、少しくすんだ暖かみのある第一主題です。テンポの動きやタメがあったりします。あっさりと進む第二主題。テンポの動きはとても多くあり濃厚な主張のある演奏になっています。

二楽章、あまり音量を落とさない第一主題。ホルンの動機は寂しそうな響きで美しいです。第一主題の再現はきめが粗く少しザラザラとした感じがあります。波打つようにたっぷりと歌う第二主題。第二主題の再現も厚みを伴って押し寄せたり引いたりするように豊かに歌います。

三楽章、爽やかな響きでゆっくりとしたテンポでさらにテンポが動く第一主題。小節の頭を少し押すような揺れのある第二主題。

四楽章、速いテンポで少し雑に感じたシャコンヌ主題。続く木管は凄く速いテンポになりました。押したり引いたりする呼吸を感じさせる演奏です。フルートのソロは独特の表現です。シャコンヌ主題の後の緊張感のある表現。交響曲第二番の回想はとてもテンポが速いです。コーダはかなり激しくなって終わりました。

テンポが良く動いて個性的な表現の演奏でした。テンポや音量の変化で揺れるような表現も随所にありましたが、重厚でどっしりとした表現はありませんでした。
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クラウディオ・アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

アバド★★
一楽章、ゆらゆらと揺れる第一主題は何か秘めたものを感じさせます。あまり表情の無い第二主題。

二楽章、冒頭で音がこぼれるホルンの動機。静かに内面へ向かうような第一主題。三連符の盛り上がりはあまり大きくありません。穏やかな第二主題。サワサワっと表面を波立てるような淡い表現。トゥッティでもあまり力を入れません。第二主題の再現は落ち着いて美しいものでした。

三楽章、歯切れの良い演奏ですが、小じんまりとまとまり過ぎている感じがします。透き通るような第二主題。再現部は力強いですが、音が広がらないので、小さくまとまった感じは否めません。ホルンもとても浅い響きです。

四楽章、大きな特徴は無く、何となく音楽が流れて行きます。強弱の振幅もあまり大きくありません。響きに深みが無く浅い演奏に感じました。

アバドの演奏らしく強い主張はありませんでした。強弱の振幅もあまり大きくは無く、響きも浅く時折美しい表現を聞かせる部分もありましたが、あまり魅力を感じませんでした。
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シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団

ミュンシュ★★
一楽章、ゆったりとしたテンポでどっしりとした第一主題。チェロとホルンの旋律の合いの手に入る弦の刻みは少し流れているような感じがします。第二主題もあまり大きく歌わず落ち着いた表現です。展開部の第一主題もとても優雅です。コーダへ向けて次第に熱く燃えるような演奏です。

二楽章、あまり潤いの無いクラリネットの第一主題。積極的に歌う第二主題ですが、響きは少し乾いています。短い音は全てスタッカートぎみになります。非常に穏やかな第二主題の再現。コーダでホルンに主題が戻るところは壮大でした。

三楽章、少し速いテンポで勢いのある第一主題。金管も強いです。第二主題あたりから少しテンポが遅くなったような感じがします。トランペットが強く突き抜けてきます。

四楽章、一音一音切るようなシャコンヌ主題。続く木管はゆっくりと歌います。遅いテンポで笛らしいフルートのソロ。コーダの手前でティンパニの激しいクレッシェンド。コーダはゆっくりとしたテンポで確実な足取りで終わりました。

短い音がさらに短めに演奏されて不自然でした。壮大なスケール感を感じさせる部分や突き抜けてくるトランペットの激しさもありましたが、乾いた響きで潤いが感じられない演奏でした。
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ヴォルフガング・サヴァリッシュ/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

サヴァリッシュ
一楽章、ゆったりとしていますが、少し響きが浅い感じがする第一主題。音の密度が少し薄いような感じもします。作品を正面から捉えた真面目な演奏なのですが、それぞれの楽器が融合せず、バラバラな感じも受けます。そのためちゃっちい演奏に感じます。

二楽章、静かに淡々と演奏される第一主題。ヴァイオリンの第一主題の変奏は美しいです。第二主題の前の三連音の動機にはダイナミックさが無く、こじんまりとした感じです。大きな表現で歌う第二主題はとても美しいです。そよそよとした弦や木管が美しいです。トゥッティの激しさは無く、丁寧な感じです。第二主題の再現は安らかで穏やかです。

三楽章、あまり響きの厚みが無く少しもたつくような第一主題。

四楽章、一音一音切るようなシャコンヌ主題。フルートのソロはオケの響きに溶け込んでいて、浮き上がっては来ません。トゥッティでもあまり激しくありません。

感情を吐露するようなことは無く、オケが爆発することも、弱音の極め付けの美しさも無く、小さくまとまった演奏にはあまり好感が持てませんでした。
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フランツ=パウル・デッカー/シドニー交響楽団

デッカー
一楽章、高域があまり含まれていないのか、モヤーッとした響きの第一主題。録音の問題もあるのだろうが、穏やかと言うか緩いと言うか表現の振幅も無く何となく流れて行ってしまう感じです。

二楽章、あまり音量を落とさない第一主題。ほとんど抑揚の無い第二主題。カチカチに硬い第二主題の再現。ほとんど歌いません。

三楽章、ティンパニが全体の響きを支配するような深い響きの演奏をしていますが、二楽章で感じた硬さがずっと付きまとってしまって、浅い演奏に感じます。

四楽章、ここでもほぼ一本調子のシャコンヌ主題。フルートのソロは細身ですが、豊かに歌いました。オケの力量なのか、コーダも浅い響きで表面だけなぞったような演奏に感じました。

ほとんど歌わず硬い表現で、しかも浅い響きで、作品の内面には全く踏み込まない演奏でした。
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