ブルックナー交響曲第6番

クリスフ・エッシェンバッハ/hr交響楽団

★★★★★

一楽章、豊かな残響で深みのある第一主題。ホルンも美しい響きです。トゥッティも重厚で滑らかにブレンドされた美しい響きです。第二主題は華やかなくらいです。奥まったところから響くトロンボーンの第三主題。これも美しいです。ほとんどコンクリート打ちっ放しのような大聖堂で、とても豊かな残響です。ホルンもフルートも良く歌います。第一主題の再現も充実した響きで美しいです。途中にタメもありました。ティンパニも柔らかく良い響きです。コーダの途中で少しテンポを落としました。

二楽章、分厚い弦の響き。その中から浮き立つオーボエの第一主題。金管が入ってジワジワと盛り上がります。第二主題も美しいですが、深く祈るような演奏ではありませんでした。第三主題は、重く悲痛な表現です。

三楽章、速いテンポで、とても活発に動く第一主題。第二主題はとても伸びやかです。この演奏を生で聞いた人はこの響きに圧倒されただろうと想像します。

四楽章、とても不安げな弦。ホルンの第一主題もその他の金管のとても伸びやかです。第二主題の前で、極端にテンポを落として演奏する部分もありました。第二主題もテンポが動きます。このテンポの動きもとても良いです。穏やかな第二主題の再現。第三主題の再現はとてもスピード感があります。ゆったりと堂々としたコーダ。見事な演奏でした。

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ヨーゼフ・カイルベルト/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

カイルベルト★★★★★

一楽章、芯の強いヴァイオリン。浅い第一主題。ヴァイオリンは強くなったり弱くなったりします。とても力強いトゥッティ。弦の表現はとても豊かです。ゆったりと夢見るような第二主題。堂々としてスケールの大きな第三主題。第一主題の再現はとても明るく力強い。湧き上がるような豊かさを感じる演奏です。第三主題の再現も非常に力強い。ティンパニが少し詰まり気味の音です。

二楽章、深く沈んでいくような弦。割としっかりしているオーボエの第一主題。金管はかなり強く吹きますが、この演奏には良く合っています。伸びやかな第二主題。暗く重く引きずるような第三主題。

三楽章、落ち着いた弦の刻み。とても良く鳴る金管。この頃のベルリンpoは最も状態が良かったのではないかと思います。中間部のホルンも表現力豊かです。軽々と良く鳴る金管が素晴らしい。

四楽章、憂鬱な弦。とても力強いホルンの第一主題。金管の鳴りっぷりは素晴らしいです。あまり揺れずにしっかりと地に足の付いた第二主題。あまり前には進まない第三主題。コーダの前はゆっくりからテンポを速めました。コーダはベルリンpoの底力を見せつけるような凄い響きでした。

素晴らしい演奏でした。

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朝比奈 隆/大阪フィルハーモニー交響楽団

★★★★★

一楽章、十分に重量感のある第一主題。ブレンドされた美しい響きです。柔らかく伸びやかな第二主題。弱音部も丁寧で手を抜くようなことはありません。第三主題は荒々しいことは無く丁寧です。トゥッティでのチューバが絶妙なバランスでとても充実した響きです。コーダのトランペットのハイトーンも奥から突き抜けて来ます。

二楽章、ほの暗い雰囲気の弦。細く悲し気に響くオーボエの第一主題。第二主題は流麗で美しい。感情を込めて切々と歌う部分は感動的です。重く引きずるような第三主題。この感情に訴えかける表現は素晴らしい。

三楽章、トロンボーンが充実した響きです。木管も弦も引き締まったアンサンブルです。中間部の前の金管も切れの良い響きです。優しい弦。

四楽章、不安げですが、意外と地に足が付いている弦。ホルンの第一主題に絡むトランペットもとても状態が良いのか、素晴らしい響きです。割と落ち着きのある第二主題。チューバの存在感がとても大きく、充実した響きを生み出しています。コーダのトロンボーンも見事に鳴っていて堂々とした演奏でした。

セルジウ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

★★★★★

一楽章、柔らかく深みのある第一主題。柔らかくブレンドされた響きです。チェリビダッケ特有の極端に遅いテンポではありません。色彩感には乏しい第二主題。第三主題はあっさりとした表現であまり重量感はありません。展開部でも異様な遅さでは無く、待ち切れなくなるようなことはありません。透明感があって切れのいい響きなのですが、分厚い響きでは無く、低域があまり感じられない薄い響きです。

二楽章、感情の込められた弦。弦の波の中から訴えかけるオーボエの第一主題。第二主題はとても美しい。切々と祈りの音楽です。第三主題は重く悲しい。打ちひしがれた末に呆然とするような悲しさがあります。とても美しい演奏です。トランペットも悲痛な叫びです。

三楽章、積極的で動きのある主部。木管の表情も厳しいです。トッティは少し薄いですが、充実した響きです。中間部のホルンはとても明るい響きです。主部が戻ってとても切れ味の良いトロンボーン。微妙な強弱の変化もとても良く訓練されている感じです。

四楽章、不安でうつろな弦。鋭く強い第一主題。踊りたい気持ちをグッと抑えるような第二主題。金管が強奏しても余裕があって美しい響きです。コーダは伸びやかなトロンボーンが美しい演奏でした。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

カイルベルト★★★★☆

一楽章、遠くで唸る第一主題。颯爽としたテンポで進みます。トゥッティは若干テンポを落として壮大です。第二主題はあまり雰囲気が無く、テキパキと仕事を片付けるやり手社員のような印象です。洗練された美しい響きです。第三主題も都会的でブルックナーの自然は感じません。素朴なブルックナーのイメージとはかなり違う都会的で洗練された華やかな演奏です。コーダの響きも鋭利です。

二楽章、一転して、良い流れで悲し気なオーボエの第一主題。この楽章はとても丁寧です。第二主題も感情が乗っていて音楽に浸ることが出来ます。第三主題もゆっくりと悲しい葬送行進曲で切々と訴えかけて来ます。金管も悲痛な叫びです。夢見るように終わりました。

三楽章、とても振幅の大きな主部です。見事に鳴り響く金管。中間部のホルンは明るくあまりふくよかではありません。

四楽章、演奏に慣れて来たのか、1楽章で感じた都会的な印象はありません。第二主題はとても優しい演奏です。こだまするように見事に受け継がれる第三主題。第三主題以降はとてもゆったりとしたテンポで堂々とした演奏です。第二主題の再現も優しく美しい。強力な響きの中に埋もれるのうなトロンボーンの第一主題で終えました。

一楽章があまりにも都会的だったのが残念です。

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オットー・クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

★★★★☆

一楽章、とてもゆっくりとしたテンポで始まる第一主題。堂々とした佇まいのトゥッティ。慈しむような第二主題。ヨッフムの録音と近い年代ですが、こちらの録音はとても潤いがあって伸びやかです。金管が強奏しますが、荒くは無く堂々としている第三主題。ゆったりとした第一主題の再現も余力があってスケールの大きな表現です。コーダも素晴らしい響きの演奏でした。

二楽章、一楽章から一転して、普通のテンポです。少し速いくらいかも知れません。深く沈む弦。哀愁に満ちたオーボエの第一主題。金管も入って振幅の大きな演奏です。第二主題はあっさりと演奏します。引きずるように重い第三主題。自然に高揚する金管。ブルックナーらしい素朴な雰囲気があります。

三楽章、控えめのトロンボーン。モヤーッとした響きからトランペットが突き抜けて来ます。木管も生き生きとした表現です。ふくよかなホルンは次第に強くなります。

四楽章、あまり悲観的では無く、比較的落ち着いている弦。ホルンはあまり咆哮せず、トランペットの方が強いです。でも充実した響きです。揺れ動くような第二主題。第三主題はあまり前へ進みません。コーダはもっとスケールの大きな表現が欲しかった。

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ケント・ナガノ/南西ドイツ放送交響楽団

ナガノ★★★★☆

一楽章、静かに演奏されますが、唸りを上げるような第一主題。シルキーで充実したトゥッティ。方々へ散らばるような第二主題。おおらかな第三主題。金管での第一主題の再現も伸びやかで美しい。途中で一旦音量を落としました。コーダのティンパニは少し浅い響きですが、全体としては伸びやかで美しい響きです。

二楽章、感情は込められていますが、深くのめり込むような表現ではありません。第二主題も美しい演奏です。重くはなりますが、音楽は自然に流れる第三主題。

三楽章、透明感のあるトロンボーン。美しく鳴るオケです。牧歌的な雰囲気がとても良く表現されたホルン。

四楽章、薄くモヤがかかったような弦の中にくっくりと浮かぶ表情豊かなホルンの第一主題。涼やかな第二主題。弱めに入ったコーダ。あまり突き抜けず、若干短めに演奏されたトロンボーン。

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ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団

ショルティ★★★★

一楽章、遠くて軽い第一主題。見事に鳴り響くブラスセクション。あっさりとした表現の第二主題ですが、サラッとした弦も美しいです。木管もピンポイントに定位して美しいです。第三主題は速めのテンポですが、ここでも見事に鳴り響く金管。鍛え上げられたアンサンブルの精度は他の演奏とは一線を画すものです。ショルティのブルックナーは甲高い響きでブルックナーには全く合わないと思っていましたがこの演奏ではとても良い響きに聞こえます。ゆったりとしたテンポで堂々としたコーダ。金管は本当に素晴らしい。

二楽章、最初の弦はあまり大きな表現はしません。悲し気なオーボエの第一主題。第二主題もあっさりとしていて深みがありません。第三主題は、とても大切な物を扱うような注意深さで、重く美しいです。

三楽章、目の覚めるような響きのトロンボーン。切れ味抜群のトランペット。オケの上手さでは群を抜いています。中間部はゆったりと伸びやかなホルンでとても良い表現です。

四楽章、独特な表現で弱々しい弦。とても力強いホルンに続く金管も非常に力強い。とにかく見事な響きです。第二主題は特に表現は無く、この演奏では弦の部分はほとんど表現は無い感じです。木目細かくシルキーな金管の響きは本当に素晴らしいです。第三主題はあまり前には進みません。大きなテンポの動きがあってコーダに入りました。トロンボーンの第一主題かせ少しゆっくりになりました。

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ヘルベルト・ブロムシュテット/ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

ブロムシュテット★★★★

一楽章、速めのテンポでとても表情豊かな第一主題。強い推進力があります。トゥッティでは少し響きが奥まるような感じがします。第一主題とは一転してゆったりとした第二主題。何とも言えない良い雰囲気です。デッドな感じの第三主題。第一主題の再現はやはり速いテンポでとても力強いです。第三主題の再現は暴力的な感じです。コーダも非常に力強い演奏でした。

二楽章、物思いにふけるような弦。割としっかりと地に足の付いたオーボエの第一主題。あっさりとした第二主題。尾を引くように引きずられる第三主題。金管が奥から鳴り響いて壮絶な響きになります。表現の豊かな演奏でした。

三楽章、トロンボーンがかなり奥まっています。木管は少し緩い感じです。中間部のホルンは音を短めに演奏します。

四楽章、速いテンポの弦。ホルンは強めですが、他の金管とブレンドした響きになりません。テンポの動きはありますが、淡々とした第二主題。コーダもトロンボーンがとても奥まっていてバランスが悪いです。コーダはかなりテンポが速くなりました。

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ギュンター・ヴァント/NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

★★★

一楽章、重く深みのある第一主題。ホルンは細いです。トゥッティはシャープな響きです。うつろな第二主題。色彩感は豊かです。第三主題は荒々しくは無く、とても落ち着いた表現です。トゥッティで低音域があまり響かないので、重量感がありません。第一主題の再現部で、ティンパニの3連符を含むリズムがトム-トムのようなポコポとした響きであまり釜が鳴っていない感じで違和感がありました。他の演奏では聞こえなかったオーボエが聞こえたり細かいこだわりがあります。テンポや音量の変化もあり聞き所があります。美しく朗々と響くホルン。コーダのティンパニは特にポコポコとした響きで作品に全く合っていないと思います。

二楽章、良い雰囲気のたたずまいです。ひたすら祈るような第二主題です。感情も込められた良い演奏です。

三楽章、ここでのティンパニのロールは釜も鳴っていて良い音でした。トランペットがシャープです。中間部のホルンも明るい響きです。木管も動きがあって生き生きとしています。

四楽章、弦の中に、普段聞こえない木管が聞こえます。第二主題も微妙にテンポが動いています。第三主題はあまり推進力は感じられず落ち着いています。ティンパニのロールは良いのですが、最後の1発が詰まったような響きでどうしても好きになれません。コーダのティンパニのロールもボコボコとした響きで、全体の演奏は良かったと思いますが、ティンパニが曲を壊したような感じがします。

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ベルナルト・ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ハイティンク★★★

一楽章、静かに演奏される第一主題。トゥッティへ向けてテンポを速めます。ヴァイオリンが強いトゥッティ。第二主題も速めであまり味わい深い演奏ではありません。全体に速めのテンポでサクサク進みます。金管は伸びやかで美しいです。コーダも充実した金管の響きは素晴らしいです。

二楽章、思案に暮れるような弦。ゆっくりとしたテンポで美しいオーボエ。第二主題はあまり大きな表現はしませんが作品に語らせるような演奏で美しい。あっさりとした表現ですが、作品からにじみ出る悲しさがあります。

三楽章、威勢のいいトロンボーン。中間部のホルンも豊かな響きです。金管の鳴りは見事です。

四楽章、あまり表情の無い弦。濃厚な金管。トゥッティの手前で大きくテンポを落としました。第二主題もあっさりとした演奏です。畳みかけるような第三主題。コーダはあまり充実した響きではありませんでした。

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オイゲン・ヨッフム/バイエルン放送交響楽団

★★★

一楽章、録音が古いせいか音の密度が薄い感じがします。第一主題のトゥッティは少し荒々しい感じで乱暴に感じました。第二主題も密度が薄い。第三主題も響きが浅く重厚感がありません。第一主題の再現もしっとりとした落ち着きが無く、全体に雑な印象です。

二楽章、渦巻くような弦の第一主題と悲痛なオーボエの第一主題。弦の木目は荒いですが、丁寧に祈るような第二主題。第三主題も重く悲しい雰囲気がなかなか良いです。

三楽章、この楽章では、金管は乱暴ではありません、とてもシャープな響きです。木管も生き生きとしています。中間部のホルンはデッドで伸びがありません。

四楽章、しっかりと地に足が付いた弦。ホルンがやはりデッドで伸びやかではありません。ヨッフムらしい大きなテンポの動きもありました。録音がデッド過ぎて、音に滑らかさが無く、音も溶け合わないので、マスとしての美しい響きにならず、浅い響きになってしまっているのがとても残念です。録り方によってきかなり印象が変わったのではないかと思います。コーダは速いテンポです。

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投稿者: koji shimizu

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