ブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」2

たいこ叩きのブルックナー 交響曲第4番「ロマンティック」名盤試聴記

ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団

icon★★★★☆
一楽章、細身で締まったホルンが弦のトレモロに乗って始動しました。トランペットもしっかり鳴らした、ピラミッドよりも正方形のようなバランス。アンサンブルも整っているし、気持ちよく鳴っている。残響成分がもう少しあった方が良いと思うが・・・・・。大胆なトランペットのクレッシェンドがあったり、淡々と進むようでいて、ポイント、ポイントで強い主張をします。

二楽章、オーストリアの森の中の木漏れ日の中を散策するような、安堵感のある音楽です。この曲自体が癒しのようなメロディーに溢れているので、音楽に浸るのにはとても良いです。
美しいメロディーを繋ぎながら音楽は頂点へ。もう少しティンパニの音に深みが欲しい気もしますが・・・・・。

三楽章、快活なテンポ、豪快な演奏!

四楽章、すごいパワー感。美しい演奏なのだが、残響成分が少なく、ブルックナーの録音だったらもう少しoffに録った方が良かったのではないかと思います。
かなりテンポを動かすところがあります、特に遅くなる部分が印象的です。
コントラバスも含めた分厚い響きはさすがです。金管の厚みのある響きも官能できます。オケの技術の高さもすばらしいです。ティンパニもバチンと決まります。この部分での音色選択は決まっています。
神々しいブラスセクションはこの曲にピッタリです。コラールのホルンは歌います!感動的なすばらしいフィナーレです。

やはりクーベリックは大指揮者です。

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★☆
一楽章、とても豊かな響きのホールでの録音なのかホルンが長い残響を伴って美しかったです。
続く弦も響きが綺麗です。とても良い感じだなと思って聴いていましたが、やはりテンポが速すぎます。もっとじっくりと音楽を楽しみたいのですが・・・・・。
木漏れ日の森をデートしていて、彼女にさっさと先へ行かれるような感覚です。もっといろんな美しい景色や花や木を眺めていたいのに、それを許してくれません。
カラヤンとベルリンpoの絶頂期の録音ですので、音色やアンサンブルの点では文句はありません。すばらしいです。でもせっかちな音楽です。
金管もすごく美しいだけにもう少しゆったりと音楽に浸ることができたら最高なのに・・・・・。
フルートのソロも鳥肌が立つほど美しいものでした。こんなに名手が揃っているオケでなんでこんなにせっかちなブルックナーの演奏をしないといけないのだろうか。
ものすごく美しい部分と、テンポが速くて付いて行けない部分と相半ばの演奏です。

二楽章、美しい演奏です。これを華美だという人もいるかも知れません。素朴な雰囲気がないのも確かです。
ロマンティックと言うよりももっと都会的な印象があります。
とても良い雰囲気を持っている部分もあるのですが、個人的にはもう少し、ほんの少しで良いのでテンポを遅くして欲しかった。

三楽章、ダイナミックレンジが広い演奏です。ソロの美しさは絶品です。この頃のベルリンpoは今とは違って良い味があります。
この楽章は比較的ゆっくりとしたテンポで演奏されているので、良い感じです。豊麗な響きを満喫できるこの楽章はとても良かったです。

四楽章、重心は少し高いですが、非常に良く鳴るオケの響きが心地よく、音楽も流麗で聴き進むにつれてカラヤンの世界に引き込まれていくようです。
ハース版を使いながら第三稿を取り入れているようです。このシンバルはかなり効果的です。
豪華絢爛なブルックナーですが、これはこれで良いなあと思えるような美学があります。
ブルックナーをこんなにきらびやかに演奏する人は後にも先にもカラヤンだけでしょう。これはこれで一つの音楽の表現の境地であると思います。また、まねしようと思ってもこれはカラヤンじゃないと出来ない芸当だとも思うし、芸術家としての高い技量があるからこそできる技であろうし、十分に納得させられます。

豪華としか良いようがないです。すばらしい豪華さです。素朴とは程遠い演奏ですが、すばらしい豪華さでめが眩むようです。
ブルックナーの音楽にこんな眩いばかりの豪華さがあるとは思いませんでした。
こんな一面を聞かせてくれたカラヤンの音楽にも賛辞を贈るしかないです。ここまでの演奏を見せ付けられると、さすがといわざるを得ません。
コラールの深みはいまひとつでした。極限まで磨き上げた音楽に深みが備わるとすれば奇跡ですね。天は二物を与えず。
それでも一つの美を極めた演奏には、表面的との批判が付きまとっているのも事実ですが、ここまで徹底されると説得力がありました。

ロベルト・パーテルノストロ/ロイトリンゲン・ヴュルッテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★☆
一楽章、すごく豊かな響きのホールでテンポは速めのスタートです。速いテンポでどんどん進みます。音楽にどっぷりと浸る暇を与えずに音楽が進みます。低音域ががっちりとした土台には不足があるように感じます。もう少し奥ゆかしい表現を求めたいところですが、この演奏にし無い物ねだりでしょうか?豊かなホールトーンを伴った響きにはとても魅力を感じます。ただ、かなり快速にとばした演奏でロマンティックの優雅さとは違うような感じはします。かなり勇壮に音楽が進みます。勇ましいコーダでした。

二楽章、ホールの豊かな残響がかなり演奏を助けているように感じます。この楽章も速めのテンポで進みます。豊かなホールトーンのおかげか艶やかなフルートや美しいホルンの響きが楽しめます。どのパートを取り出しても美しい響きです。ただ、作品に対する表現として深く踏み込んでいるようには残念ながら感じません。テュッティでの全身を包み込むような響きにはすごい魅力を感じます。

三楽章、ホールに残る残響がとても良い雰囲気を醸し出します。ブルックナーが多く使った全休符の意味が分かるような感じがします。ホールに充満した響きが減衰していくのがとても気持ちよく感じます。ホールに残る残響を聴いていると、テンポ設定にも次第に納得してしまいます。

四楽章、オケもそつなくなかなかの好演です。聴き進むにしたがって次第に演奏に引き込まれて行きます。この大聖堂の残響特性も含めた音響芸術としてはかなりレベルの高いものになっているのではないでしょうか。ホルンのコラールも大変美しい演奏でした。拍手も残響を聞き終えてからのものでした。聴衆も一体になったコンサートだったと思います。

マリス・ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

ヤンソンス★★★★☆
一楽章、ビブラートを掛けて伸びやかで芯の強いホルンの第一主題。ゆっくりと歩くようなテンポです。トゥッティは爆発せずに抑えて柔らかい表現です。艶やかでくっきりと浮かぶ第二主題。大きな表現はありませんが、音に力があってそれそ゜れの楽器に存在感があり色彩感がとても豊かです。静かで厳かなコラール。コンセルトヘボウらしい深みのある響きが素晴らしい。コーダも全開ではありませんでした。

二楽章、つぶやくような主要主題。副主題もあまり大きく歌うことはありません。再現部の主要主題はクレッシェンドがありました。副主題の再現も穏やかです。クライマックスも力みの無い柔らかく穏やかなものでした。

三楽章、艶やかなトランペット。トゥッティはトランペットがあまり強く吹かないのとトロンボーンも音を割らないのでやはり柔らかく穏やかです。このトゥッティはバランスが良いとも言えます。大きくは歌いませんが控え目な表現はあります。歌もありテンポの動きもあるトリオ。鮮度が高く美しい響きです。

四楽章、分厚い低音に支えられたトゥッティ。シンバルが入りました。常に温かく優しい響きの演奏です。展開部の序奏の回帰はテンポを速めて緊張感がありました。このトゥッティの柔らかさはこれまでのブルックナーのイメージを覆すような響きです。再現部の第一主題は途中でテンポを速めて少し激しさを表出しました。コーダのホルンも全体の響きから大きく抜け出さずにとてもバランスの良い演奏でした。最後の第一楽章第一主題はテンポを速めましたが、ここでもとてもバランスの良い響きを維持して終わりました。

トゥッテイでも金管が吠えるようなことは無く、常に冷静にバランスを保って柔らかく穏やかな響きを徹頭徹尾貫き通した演奏でした。ブルックナーの金管の咆哮とは隔絶した新たな演奏を提示したと思います。
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