ブルックナー 交響曲第8番2

たいこ叩きのブルックナー 交響曲第8番名盤試聴記

ロヴロ・フォン・マタチッチ/NHK交響楽団

icon★★★★☆
一楽章、キビキビしたテンポで、コンパクトにまとまった演奏です。N響きもこの頃になると響きに安定感がありますし、美しい演奏です。マタチッチがグイグイと引っ張ります。美しく鳴り響く「死の予告」。弱音部の消え入るような美しさ。

二楽章、この楽章も速いテンポです。オケは咆哮することなく、美しい音を保っています。ハープの存在も際立っていて魅力的です。木管も美しく浮かび上がり、色彩豊かに描かれて行きます。終結部の響きはとても充実したものですばらしかった。

三楽章、現れては消えてゆく第一主題。充実したハーモニー。日本のオケの演奏だとは思えないくらい充実した響きです。天に昇って行くような感覚がすばらしい。優しい第二主題。静かですが切々と語られる音楽に引き込まれます。木管もホールの響きを伴ってとても美しい。テュッティでもブルックナーの音がしています。最高潮の部分も天に昇るような雰囲気をもっていてとてもすばらしい表現です。この世のものとは思えないようなコーダ。

四楽章、柔らかい第一主題。トランペットも少し奥まった感じの響き方です。幻想的な雰囲気の第二主題。とても余裕をもって美しい響きの「死の行進」。再現部の第一主題も冒頭と同様にかなり余力を残した柔らかい響きでした。コーダに入った独特の雰囲気。途中テンポを速めました。とても良い演奏でしたが、全開のパワーも聴きたかったような気もしますが、この当時のN響にこれ以上を求めるのは無理だったのか。

エリアフ・インバル/フランクフルト放送交響楽団

インバル★★★★☆
一楽章、瑞々しく美しい第一主題。巨大なトゥッティ。伸びやかで美しい第二主題。せわしなく追い立てるような第三主題。展開部のブルックナー・ゼクエンツの後のトゥッティはかなり激しいですが、録音も良く美しいです。テンポは基本的には速めで、グイグイと引っ張って行きます。「死の予告」は改訂されたハースやノヴァーク版とはかなり違います。コーダで突然強奏が始まりそのまま終わります。

二楽章、かなり荒っぽい作品ですが、これはこれで魅力があります。とても賑やかな主部です。トリオの後の改訂とはかなり様子が違い、改訂を予感させるような部分はほとんどありません。主部が戻るとかなり激しく壮絶な演奏です。

三楽章、ゆっくりとしたテンポでフワッとした柔らかい音で瞑想するような第一主題A1。微妙にテンポが動くA2。ハープが柔らかく美しいです。B1は速いテンポであっさりと演奏されます。明るい響きのワーグナーチューバ。全体の響きは伸びやかでとても美しいです。シンバルが入る部分も美しく伸びやかで輝かしい響きでした。明確に描き分けられるコーダ。

四楽章、余力を十分の残して美しい第一主題。バランスが取れてとても美しい第二主題。第三主題は抑制的であまり大きく歌いません。「死の行進」は突然テンポが速くなりますが、それでも丁寧で美しい響きです。作品に対して感情的な踏み込みはあまりせずに、とても均衡の取れた美しい演奏を続けています。重厚で輝かしいコーダは見事でした。

感情的な表現を極力抑えて、作品をバランス良く鳴らした演奏でした。とても美しい演奏で、第一稿の粗野な部分はあまり感じませんでした。基本的には速いテンポでしたが、トゥッティの輝かしい響きは素晴らしいものでした。
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ヘルベルト・ケーゲル/中部ドイツ放送交響楽団

ケーゲル★★★★☆
一楽章、とても大きく歌う第一主題。トゥッティも豪快に鳴り響きます。濃厚な表現の第二主題。強烈な金管の咆哮です。ビブラートをかけるトランペットの存在感がとても大きいです。全く遠慮の無い耳をつんざくばかりの金管の咆哮です。これほど激しい「死の予告」は聞いたことがありません。

二楽章、速めのテンポで力強く進みます。ホルンはそれほど咆哮しませんが、トランペットとトロンボーンはとにかく強烈です。弱音部分はスピート感と緊張感があります。トリオに入っても穏やかさよりも緊張感の方が勝っている感じで、緩む感じやのどかさは全くありません。とても鋭く、聞く者を切り捨てて行くような凄みがあります。とても起伏の大きな抉るような表現。

三楽章、フワッとしてはいますが、漂うような雰囲気では無い第一主題A1。この楽章も少し速めのテンポです。暖かい響きすら清涼感のある響きに変化するA2。ビブラートをかけたワーグナーチューバ。彫りの深い演奏で、刻み付けるように克明に描かれて行きます。A1の二度目の再現部分の強奏もやはり強烈です。シンバルが入る部分も全開の物凄い響きです。コーダはこの世に別れを告げるような一抹の寂しさを表現するような演奏です。

四楽章、ここまでの流れからすれば予想通りの金管の咆哮とティンパニの強打。積極的な表現の第二主題。弦の強奏部分は嵐のようです。「死の行進」も強烈で壮絶な演奏です。これだけ強烈に咆哮を続けて良く金管が持つもんだと感心します。弱音部分はフワーッとした柔らかさはあまり無く、強い音です。トゥッティはブルックナーらしい分厚い響きでは無く、低域が薄くトランペットやトロンボーンが突出しています。コーダも強烈な響きでこの演奏で一貫しています。

強烈なトゥッティで一貫した演奏で、色彩感もほぼ一色で塗りつぶされたような感じでした。弱音部分でも柔らかさは無く、強い音でした。神秘的な部分もあまりありませんでしたが、終始強烈な響きの演奏の凄みはありました。
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ウラディミール・フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団

ブェドセーエフ★★★★☆
一楽章、豊かな残響を伴っていますが、響きの木目は少し粗いです。ゆったりと伸びやかで安らかな第二主題。ロシアのオケらしい爆演にはなりません。トランペットがマルカートぎみに演奏するのが特徴的です。コーダの最後の強奏部分は取って付けたような感じで違和感があります。

二楽章、とても軽く演奏される主部。インバルの演奏に比べると改訂版との違いをはっきりと打ち出している感じの演奏です。ゆったりとのどかなトリオです。初稿の整理されていないオーケストレーションをそのまま演奏している感じでとても不思議な感じがする演奏です。

三楽章、芯のしっかりした第一主題A1。高揚感の豊かな表現のA2。速めのテンポで静かに演奏されるB1。深みはありませんが豊かに歌うワーグナーチューバ。A1の再現はうつろで寂しげです。シンバルが入る前のトゥッティは暴力的な感じでした。この部分は改訂版とは大きく違います。

四楽章、響きが薄い第一主題。金管はあまり咆哮しません。第三主題もあまり大きな表現はしません。「死の行進」も余裕たっぷりの美しい演奏でした。再現部の前のクライマックスもかなり余裕を残した演奏でした。楽譜がそうなっているのか、改訂版の演奏ではテヌートぎみに演奏される部分もマルカートぎみに演奏される部分が多いです。

第一稿の洗練されていない部分をそのまま露出させるような演奏で、改訂版との違いを歴然とさせた演奏でした。この面ではインバルとは対照的です。ロシアのオケにありがちな咆哮も無く、強烈な主張の多いロシアの他の指揮者とも違う作品に語らせる表現でした。
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クラウス・テンシュテット/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1981年ライヴ

テンシュテット★★★★☆
一楽章、積極的な表現の第一主題。落ち着いて美しい第二主題。テンポが動いて激しい第三主題。主題によって表現を変えています。ロンドンpoとの録音のような腰高で軽薄な響きではありません。マーラーのように激しく咆哮することは無く、少し余裕を残した響きです。「死の予告」も予想外に軽い演奏でした。

二楽章、少し速めのテンポですが、表現は積極的です。畳み掛けるように迫って来ます。トリオも積極的に歌う演奏です。テンポも動いて情緒的な音楽です。主部が戻るとやはり活動的な演奏になります。シャープで軽快な響きです。

三楽章、しっかりと地に足の着いた第一主題A1。一音一音心を込めるように丁寧なA2。B1も感情を込めて歌います。あまり伸びやかさが無いワーグナーチューバ。2回目のA1の再現はとても豊かに歌います。シンバルが入る部分は分厚い響きですが、全開では無くかなり余裕のある響きです。

四楽章、ついに全開近い咆哮になる第一主題。感情が込められた大きな表現の第二主題。第三主題も大きくクレッシェンドします。「死の行進」も激しい咆哮です。再現部の前のクライマックスも軽々と鳴り響く金管の充実した圧倒的な響きが見事です。第一主題の再現も強烈です。その後も速いテンポで畳み掛けます。暗闇の中に僅かな光が差し込むようなコーダのワーグナーチューバ。最後は渾然一体となって終わりました。

速めのテンポで、テンシュテットらしく感情を込めて深い歌のある演奏でした。また、四楽章の金管の咆哮もベルリンpoの金管の軽々と鳴り響く充実した響きも見事でした。
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ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/ロシア国立シンフォニー・カペラ

ロジェストヴェンスキー★★★★☆
一楽章、とても積極的で大きな表現の第一主題。左右に振られるような第二主題。ロジェストヴェンスキーらしい爆演ではありません。「死の予告」はリミッターがかかったように音が引っ込みます。

二楽章、音が短い弦の主要主題。フルートのミスはありますが、かなり力強く前へ進む演奏です。トリオはゆったりと強弱の変化の大きい、たっぷりとした歌のある演奏です。

三楽章、脱力した第一主題A1。テンポも動いて感情が込められた歌です。波打つような表現のA2。ビブラートが掛かったワーグナーチューバ。B1の再現も豊かな歌でロマンティックです。遠慮なく強奏される金管。A1の2回目の再現も感情でドロドロになるような表現です。この楽章は感情の振幅が非常に大きく、ロジェストヴェンスキーの内面から湧き上がるものを隠そうともせずに、そのまま表現しているような演奏です。シンバルが入る部分もとても情熱的で熱い演奏です。コーダはかなり活発な動きで、静かではありません。

四楽章、 勇壮に鳴り響く第一主題。かなりのエネルギーです。感情の込められた第二主題。「死の行進」もかなり強烈です。第一主題の再現部分にシンバルが入りました。第三主題の再現はゆっくり目です。コーダのワーグナーチューバは少し雑な演奏に感じました。ねっとりと朗々と歌うトランペット。

ロジェストヴェンスキーの感情をぶつけた演奏で、とても良く歌う弱音と強烈に襲い掛かってくる金管のとても振幅の大きな演奏でした。ライヴと言うこともあって金管のミスはかなりありましたが、込められた感情はなかなかのものでした。
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ハンス・クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

icon★★★★
一楽章、分厚い低音が豊かに歌う第一主題。テンポを速めた第二主題。提示部手前の全合奏はそんなに強くは演奏されませんでした。金管の下降音型もかなり余力をのこしたものでした。「死の予告」はかなり激しい表現でした。黄昏を告げるような終わり方でした。

二楽章、良く歌う冒頭。鮮明な木管の絡み。金管の下降音型が始まる前の弦の強弱の変化など独特のものがあります。泉から絶え間なく水が湧き出すように豊かな音楽が続きます。金管は余力を残した強奏です。

三楽章、深みのある低音に乗って、揺れるような抑揚があるヴァイオリンの主題。夢見るようなクラリネットの下降音型。第一主題の再現の前、弦楽器が強いアタックで演奏しました。天上のメロディのようなワーグナーテューバ。金管が奥に鎮座して、おおらかな響きで全体を包みます。テンポを一段落として、非常にスケールの大きなクライマックスでトランペットが突き抜けてきました。

四楽章、ゆったりとしたテンポで柔らかく演奏される第一主題。ティンパニと弦が主体の「死の行進」。意図的にすごく金管を抑える部分もあります。テンポも時々動きます。再現部の第一主題も弦がとても良く聞こえます。タメも独特のものがあります。コーダの独特の雰囲気。ここでも金管はとても柔らかい。ティンパニのリズムの後、急に目覚めたように金管が強奏しました。

美しい演奏でしたが、訴えてくるものが今ひとつ伝わってきませんでした。

パーヴォ・ヤルヴィ/HR交響楽団

ヤルヴィ★★★★
一楽章、静かに漂うような第一主題。トゥッティは力みも無く軽い感じです。夢見るように揺れ動く第二主題はとても美しいです。第三主題もしなやかで柔らかいです。都会的で洗練された演奏です。展開部の最後あたりのトゥッティも壮絶な響きにはならず、すっきりと整理されて爽やかな響きです。透明感があって美しい響きです。「死の予告」もすっきりとあっさりとした表現です。トゥッティの壮絶さようり弱音の空間に漂う音楽に重点を置いているようで、都会的でスマートな演奏です。

二楽章、かなり速いテンポです。”鈍重な田舎者”と言う感じではなく、精悍な都会人のようです。トリオは少しゆっくりになりますが、やはりすっきりとした響きでとても洗練されています。主部が戻るととても活動的で動きが活発です。

三楽章、とても自然で潮が満ちて引いて行くような第一主題(A1)。広々と広大なA2。透明感が高く美しいB1。落ち着いて安らかなB2。クライマックスも落ち着いた柔らかい響きでした。コーダも非常に柔らかく美しいです。

四楽章、速いテンポで、トランペットが轟く第一主題。大きな表現で歌う第三主題。「死の行進」はかなり余裕を持った演奏で、壮絶な演奏にはなりません。とても澄んだ響きで精緻な演奏です。コーダの終結部も力の抜けた美しい響きでスッキリとした輪郭の演奏でした。

とても美しい演奏で、洗練された都会的でスマートな演奏でした。ですが、神が現れることはありませんでした。
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カルロ・マリア・ジュリーニ/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1984年ライヴ

ジュリーニ★★★★
一楽章、積極的に歌う第一主題。チューバがゴリゴリとした響きで支えるトゥッティ。伸びやかな第二主題。ホルンや他の金管が強い響きです。第三主題の最後のトゥッティも激しい響きでした。ウィーンpoらしい凝縮されたような濃厚な色彩感はありますが、ライヴの制約か美しさはあまりありません。泣き叫ぶように激しい「死の予告」。

二楽章、ゆったりとした主要主題。ホルンやトランペットがかなり強く演奏されます。主部は壮大な演奏でした。トリオは一転して穏やかでのんびりとした演奏です。主部がもどって、ホルンの強奏はとても良く鳴り切っていて気持ちが良いです。

三楽章、感情が込められて抑揚する第一主題A1。ゆっくりと一音一音に感情を込めるような丁寧な演奏。Bに入って少しテンポが速くなっているようです。神の降臨をイメージさせるB2のワーグナーチューバ。力を蓄えてクレッシェンドする部分のエネルギーは凄いです。天上界を表現しているような美しく穏やかなコーダ。

四楽章、湧き上るようなエネルギーだ高らかに歌い上げる第一主題。とても色彩感が濃厚な第二主題。壮絶な響きの「死の行進」ですが、オケには余裕があります。コーダは熱気に溢れたものでした。

感情を込めて歌う部分やウィーンpoのエネルギー感に溢れる演奏はなかなか凄みがありましたが、、録音の制限によるものか、極上の美しさは感じることができませんでした。
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ベルナルド・ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 2007年ライヴ

ハイティンク★★★★
一楽章、静かな暗闇から響いて来るような第一主題。とても重苦しい雰囲気です。トゥッティでも力を温存するように控えめです。一転して明るく開放的になる第二主題。第三主題は少し速めのテンポで切迫した表現です。とてもゆったりとした懐の深い演奏です。「死の予告」はティンパニが激しいですが、全体としては余裕のある演奏です。

二楽章、ざわざわとした主要主題。でもまろやかで柔らかい響きです。トランペットがテヌートぎみに演奏します。いつものハイティンクらしい細かな表現がとても厳しく付けられています。一音一音にとても敏感に反応するオケ。ふくよかで柔らかいトリオ。感情を表に出さずに整然とした演奏です。深みのある響きがとても魅力的です。

三楽章、強調するような表現は無く自然に流れて行きます。神が現れるワーグナーチューバのB2。筋肉質で剛直な演奏です。鮮度が高く濃厚な色彩です。速めのテンポでサクサクと進んで行きます。シンバルが入る部分でも絶叫はしません。コーダはあっさりとしています。

四楽章、トランペットやティンパニは激しいですが、他のパートは落ち着いた響きの第一主題。どっしりと落ち着いた第二主題。涼やかで美しい響きです。第三主題も小細工するような動きなどは全く無く非常に落ち着いた演奏です。「死の行進」も第一主題と同様で荒げるような響きにはなりません。展開部のクライマックスも柔らかく充実した響きです。ただ、あまりにも禁欲的で開放されないもどかしさがあります。暗闇へと沈んで行くようなコーダの冒頭。最後もどのパートも突出すること無くバランス良く柔らかい響きでした。

とても美しくバランスの良い演奏でした。強調した表現は無く、ひたすら美しい響きを追い求めているような感じでしたが、トゥッティでも限界ギリギリの演奏にはならず、かなり余裕を残した美しい演奏は禁欲的で開放されないもどかしさもありました。
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ヤッシャ・ホーレンシュタイン/ロンドン交響楽団

ホーレンシュタイン★★★★
一楽章、ゴツゴツとして筋肉質な第一主題。トゥッティのエネルギーは凄いです。ティンパニの強打も物凄いです。第二主題も硬質です。第三主題はゆっくりと始まり次第にテンポを速めてトゥッティになりました。余分な響きを伴わず骨格がむき出しになっているように強烈で濃厚な「死の予告」。

二楽章、ゆっくり目のテンポでガツガツと深く刻み付けながら進みます。金管を遠慮なく鳴らしてとても豪快です。中間部は無骨な表現です。テンポの動きもあって表現は積極的です。

三楽章、倍音をあまり含んでいないようで、漂うような雰囲気はあまり感じさせない第一主題A1。音に凄く力があって、切々と訴えかけてくる部分の思い入れがとても伝わって来ます。シンバルが入る部分の少し前のティンパニで歪みます。この楽章は金管は抑えた演奏でした。コーダは穏やかさよりも活発な動きが強調されているようです。

四楽章、とても強い音の第一主題。第二主題は大きな表現で歌います。「死の行進」は少し歪みぎみなせいもあって、とても激しく聞こえます。第一主題の再現はゆったりとしたテンポで雄大に演奏されました。静かな部分でも音は強いです。コーダはゆっくりと壮大に壮絶に響きます。特にトランペットが強烈でした。

かなりゴツゴツとした男性的な演奏でした。倍音成分が少ない録音のようで、基音が強く弱音でも強い音の印象です。かなり積極的にテンポを動かしたり表現の幅も広い演奏で、トゥッティのドカーンと来るエネルギー感もなかなかでした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・ブルックナー:交響曲第8番の名盤を試聴したレビュー

投稿者: koji shimizu

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