マーラー 交響曲第2番「復活」3

たいこ叩きのマーラー 交響曲第2番「復活」名盤試聴記

チョン・ミョンフン/フランス放送フィルハーモニー管弦楽団

チョン・ミョンフン★★★★★
一楽章、みごもごしたような柔らかい低域を含んだ第一主題。パワフルなトランペット。たどたどしい感じに演奏される第二主題。提示部の終わりはゆっくりでした。展開部の第二主題は非常にゆっくりと夢見るように始まりました。たっぷりと歌うイングリッシュホルン。遅いテンポで美しく進みます。一旦速くなったテンポも第一主題が現れた後のコントラバスからも非常に遅いテンポです。その後の荒れ狂うようなオケ。色彩も濃厚で美しいです。コーダもゆっくりとしたテンポで進みます。

二楽章、ひきずるように脱力した主題。中間部はしっかりとリズムを刻み主部とは対比されています。濃厚で切れ込むような色彩とテンポの動きはこの楽章でもあります。

三楽章、かなり強打するティンパニ。速めのテンポで流れるような主題。すごい運動性のある演奏です。引き締まった表現で強弱がしっかりと付けられています。快速に飛ばします。フルートとヴァイオリンのアンサンブルに乱れが出ます。

四楽章、ゆっくりと丁寧に演奏されるコラール。テンポの動きもあります。柔らかいヴァイオリンのソロ。

五楽章、一気に炸裂して怒涛のように押し寄せてくる第一主題。残響の少ないバンダのホルン。フルートとイングリッシュホルンの動機でもテンポが遅くなりました。展開部もゆっくりとスケールの大きな演奏です。トランペットのハイトーンも強烈です。行進曲調になる部分でもトランペットが気持ち良く付き抜けます。再現部冒頭もかなりのエネルギーです。トランペットのバンダは残響が少なく寂しい響きです。バンダのティンパニが遅れました。静かに歌い始める合唱。コントラルトとソプラノの声の太さの違いもはっきりしています。力強い合唱と一体になったオケのパワフルな響き。圧倒するようなエネルギーは凄かったです。

大胆なテンポの動きと、濃厚な色彩と突き抜けてくるトランペットなど、とても聞き応えのある演奏でした。ソウルpoとの演奏よりも強い主張のある演奏でした。
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クリストフ・エッシェンバッハ/パリ管弦楽団

エッシェンバッハ★★★★★
一楽章、あまり重量感の無い第一主題。第二主題はアゴーギクを効かせて豊かに歌います。展開部の第二主題は一音一音分けるようにさらにゆっくりと演奏しました。盛り上がるにつれてテンポが速まり、ホルンの激しい咆哮がありました。フルートやヴァイオリンに現れる第二主題もたっぷりと歌います。テンポの動きや強弱の振幅も広くかなり濃厚な表現の演奏です。再現部の最初は颯爽と進みます。第二主題はとても美しいです。第二主題の後はゆっくりと濃密な表現になります。

二楽章、落ち着いたテンポで確実な表現の主題です。ここでもテンポの動きはいろいろあります。間があったりして楽しげな歌です。少し強引なテンポの動きもあります。

三楽章、豊かな表情の弦とクラリネット。中間部のトランペットで僅かに加速します。表現が積極的で豊かです。

四楽章、非常にゆっくりとしたテンポでで暖かい声で静かに歌い始める独唱。コラールの方が音量が大きいですが、ここもゆっくりです。独唱は藤村実穂子できないか。遅いデンポですが、味わいのあるとても良い演奏です。

五楽章、かなりのエネルギーを炸裂させる第一主題。程よい距離ざすが残響は少なめなバンダのホルン。突然のホルンの強奏やテンポの動きもあります。伸び伸びと咆哮する展開部のホルン。長い打楽器のクレッシェンド。オケを明快に鳴らして起伏の大きな演奏です。再現部も襲い掛かるような金管の咆哮です。ゆったりとしたテンポで静まって行きます。遠くからシャープに響くバンダのトランペット。静かですが抑揚のある合唱。ソプラノ独唱にも表現があります。テンポはかなり変化します。藤村が歌う部分はかなり遅くなっています。二重唱も遅いテンポです。ゆっくりとしたテンポのまま壮大なクライマックスです。

フィラデルフィアoとの録音とはかなり違った演奏で、エッシェンバッハの感情と作品への共感が強く出された演奏だったと思います。テンポの動きや随所で歌われる歌も良かったですし、ゆったりとしたテンポの壮大なクライマックスも見事でした。
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ヴァレリー・ゲルギエフ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団

ゲルギエフ★★★★★
一楽章、かなり気合のこもった第一主題。相当な意気込みを感じさせる演奏の開始です。ねっとりとした濃厚な色彩。微妙な表現が付けられた第二主題。表現がとても引き締まっていてオケが機敏に反応しています。割と現実的な展開部の第二主題。打楽器がリアルで強烈に入って来ます。再現部の第一主題も凄みがあります。最後も凄い表現でした。

二楽章、一転して穏やかで揺れる主題。この楽章でも強弱のメリハリがはっきりとしていてとても締まった表現です。中間部でも切れ込むような弦の刻み。明快なトランペット。生き物のように動くオケと、作品を大きく捉えた表現。

三楽章、硬質ですが、伸びやかなティンパニ。主題はとても明快に強弱が付けられています。色彩感がとても濃厚で、しかも繊細です。ゲルギエフによってしっかりと制御された見事な表現です。

四楽章、バランス良く美しい金管のコラール。リアルな声の独唱。オーボエもテンポが動いて歌います。ヴァイオリンのソロも動いています。

五楽章、激しく炸裂する第一主題。少な目の残響で響くバンダのホルン。力強く歌う第二主題。エッジが立っていて非常に濃厚です。コントラバスもしっかりとした存在感があります。ソフトなファゴットやフルートの後でバンダのホルンがビーンと響きます。展開部も起伏が激しいです。あまり音量を抑えずしっかりと歌い始める合唱。あまり抜けて来ない最初のソプラノ。二度目は大きく抜けて来ました。後で支える合唱も大きく見事でした。合唱の声量が上がった部分もダイナミックです。クライマックスの圧倒的な合唱と、それに負けないオケも素晴らしいです。

濃厚な色彩感と引き締まった表現。強打するティンパニ。圧倒的な声量の合唱。文句無い見事な演奏でした。ロンドンsoとの録音よりもこちらの方が良かったように感じました。
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