シベリウス 交響曲第6番

シベリウス:交響曲第6番ベスト盤アンケート

たいこ叩きのシベリウス交響曲第6番名盤試聴記

パーヴォ・ベルグルンド指揮 ヨーロッパ室内管弦楽団

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一楽章、凛とした冷たさをもった序奏主題。第一主題も素朴で華美なところはありません。舞うような第二主題。音楽の振幅も自然でゆっくりと波が押し寄せるような感覚です。金管が突き抜けてくることも無く柔らかい美しい響きです。

二楽章、静寂感のある第一主題。どの楽器も生き生きとしていて、有機的です。

三楽章、活発に動きますが、それをさらりと演奏します。初めて金管が突き抜けて来ましたが気持よく鳴り響きました。

四楽章、パステル画のような淡い色彩なのですが、ここぞと言うところでは濃く強いカラーを出します。中間部でのティンパニの一撃も見事な音色と絶妙な強さです。美しく消えて行きました。

柔らかく美しい響きですが、いざと言う時には、強く濃厚な色彩に変化します。とても有機的な音楽がすばらしかったです。

コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団

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一楽章、ゆっくりと波が押し寄せるように次から次からと変化し、柔らかく祈るような序奏主題。鮮やかな色彩の第一主題。第二主題も生き生きとして色彩感の豊かな演奏です。第一主題の再現も輪郭がくっきりとしています。軽快に動いて濃厚な色彩はとても素晴らしいです。

二楽章、強い主張はありませんが、色彩感豊かな演奏で作品のありまののを描くことで、作品の美しさを伝えて来る演奏です。細かな動くもとても克明です。

三楽章、第一主題の動きもとても俊敏な動きで活発で生き生きとしています。ハープがとてもはっきりと聞こえます。金管も思い切って入って来ます。

四楽章、ここでも生命感に満ちた主要主題。中間部に入るとさらに生き生きと活動的な動きです。金管やティンパニが遠慮なく気持ちよくズバッと入って来ます。振幅の非常に大きな演奏です。最後は静寂の中に消えて行きました。

すごく振幅が大きく、色彩感も濃厚で切れ味の鋭い演奏でした。自然体の表現の中から作品の美しさを十分に伝える演奏は素晴らしいものでした。

オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティ交響楽団

ヴァンスカ★★★★★
一楽章、あまり冷たさはありませんが、生き生きとした豊かな表情が魅力的です。柔らかい第二主題。とても美しいです。最初はかなり抑えた音量で始まりましたが、金管やティンパニなどはとてもダイナミックな演奏です。

二楽章、もの思いにふけるような深い主要主題。この楽章でも自然で豊かな表現です。そして、ダイナミックな金管。

三楽章、生き生きと弾むリズム。美しいですが、強烈な金管。

四楽章、どこを取っても生き生きとした動きがあります。中間部もとても豊かな表情です。最後は静かに人生を閉じるように終わりました。

この作品をこれだけ表情豊かに表現した演奏は初めてです。生き生きとした演奏は素晴らしいものでした。
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シベリウス:交響曲第6番の名盤を試聴したレビュー

投稿者: koji shimizu

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