シベリウス 交響曲第7番

シベリウス:交響曲第7番ベスト盤アンケート

たいこ叩きのシベリウス交響曲第7番名盤試聴記

パーヴォ・ベルグルンド指揮 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

ベルグルンド★★★★★
柔らかく豊かな響きで、抑制的ですが、たっぷりと感情が込められた歌。神のお告げのようなトロンボーン。ゆったりとスケールの大きな演奏は、後のヨーロッパ室内oとの演奏では聞けなかったものです。ほの暗い雰囲気は独特のものです。絶妙なバランスで荒ぶることもありません。どっしりと落ち着いていて、テンポが速い感じは全く受けません。終結部の神々しさは素晴らしいものです。

柔らかく豊かな響きと、ほの暗い雰囲気。絶妙なバランスで荒ぶることの無い演奏でした。神々しい表現は素晴らしいものでした。

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パーヴォ・ベルグルンド指揮 ヨーロッパ室内管弦楽団

icon★★★★★
深いところから次第に迫りくる何かを感じさせる冒頭。続いて静かで厳かな演奏です。ゆったりとして伸びあがるようなフルートのメロディ。霧が立ち込める中から響いてくるような幻想的な音楽。力みも無く柔らかく美しいトロンボーン。スケルツォ的な部分での緻密なアンサンブル。見事な精度です。シベリウス独特の寒い空気感もはっきりと存在しています。表現も細かく付けられていて無表情になることはありません。終結部で再現されるトロンボーンは神々しい雰囲気でした。ホルンは神の声のようです。最後の分厚い響きが沈んでいくのも素晴らしいものでした。

上品で格調高く、表現力も十分でした。終結部で再現されるトロンボーンとそれに絡むトランペットなどの神々しい響きは素晴らしいものでした。

レイフ・セーゲルスタム指揮 ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団

icon★★★★★
粒のはっきりしたティンパニ。次第に迫り来るように少しクレッシェンドした上昇音階。荘厳な雰囲気の中で戯れるようなフルート。大きく歌うフルートと他の木管。分厚い響きです。トロンボーンの第一主題にはあまり神々しさは感じられませんでした。楽器の動きがとても活発です。ティンパニのクレッシェンドも金管のクレッシェンドも激しいです。三度目のトロンボーンも神々しさはありませんでしたが、その後はとても激しい表現になりました。最後も分厚く充実した響きでした。

分厚く充実した響きで、激しい表現の演奏でした。神々しさはありませんでしたが、積極的に動く演奏は魅力がありました。

コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団

icon★★★★★
ドロッとしたティンパニ。音階の上昇に従ってクレッシェンドします。歌のあるフルート。とても厳粛な雰囲気で曲が進みます。まるで神を導き入れる儀式のようです。天から響くようなトロンボーンの主題が神の降臨のようで、とても神秘的です。個々の楽器の色彩がとてもはっきりしていて、激しく盛り上がる部分では目が眩むようでさえあります。中間で現れるトロンボーンは少し荒れた雲間から神の光が照らされるようでした。スケルツォ的な部分でも落ち着いた表現でした。トゥッティのエネルギー感はとても凄く強弱の振幅もとても幅広いです。再びの神の降臨のようなトロンボーンにはホルンやトランペットも従えて壮大です。そしてホルンによって残照のような響きで彩られます。

神々しいトロンボーン。色彩感豊かで激しく盛り上がる部分では目が眩むほどでした。作品そものもに語らせる演奏でしたが、これだけ見事に作品の素晴らしさを伝える演奏はそう無いと思います。

レナード・バーンスタイン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

バーンスタイン★★★★★
冒頭から、晩年のバーンスタインらしい非常に感情のこもった表現です。とても豊かな表現。雄弁なトロンボーン。シベリウスらしい演奏ではありませんが、振幅も大きく個性豊かな演奏にはそれなりの説得力があります。作品の持つ神々しさよりも人間臭い演奏なのですが、バーンスタインの作品への愛情を随所に感じることが出来る演奏で、この演奏はこれで良いと感じます。これだけ激しい振幅のある演奏だとマーラーのようにも聞えますが、バーンスタインの内面ではこのような音楽が鳴り響いているのでしょう。これだけ強烈な個性を表出するのは、とても勇気のいることですし、これまでの既成概念に捉われない演奏を堂々と行う強い意志もすばらしいと思います。

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ダニエル・ハーディング指揮 マーラー・チェンバーオーケストラ

ハーディング★★★★★
暗闇から湧き上るような弦。雑味が無く純粋です。大きなうねりの中からトロンボーンが出現します。北欧の澄んだ空気感があります。振幅も激しい演奏です。透明感が高く、ハーディングの指揮に機敏に反応するオケの見事なアンサンブルも素晴らしい。ティンパニの劇的にクレッシェンドも凄い!

激しい振幅でしたが、透明感が高く見事なアンサンブルの素晴らしい演奏でした。
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オスモ・ヴァンスカ指揮 ラハティ交響楽団

ヴァンスカ★★★★★

暗闇から次第にはっきりとした形を現す弦。暖かく穏やかな木管。力みが無く穏やかな自然体で伸びやかです。とても安らかな気持ちになる演奏です。大空に鳴り響く神の声のようなトロンボーン。どこを取っても余裕のある美しい響きです。激しい部分は激しいですが、それでも音が硬くなったりせず、とても自然です。

これだけ自然体で美しい演奏は素晴らしいです。
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シベリウス:交響曲第7番の名盤を試聴したレビュー

投稿者: koji shimizu

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